2011年3月号(通算593号) バックナンバー |
今月の表紙:ボリス・クストーディエフ画 「マースレニッツァ (マースレニッツァの橇滑り)」 |
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◆ ロシア経済講演会第2弾 「ロシアの国家予算」(仮)
2011年4月23日(土) 14:30~16:30
お問い合わせ・お申し込み:
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会事務局 ◆ チェチェン・グルジア料理教室
日時:2011年5月22日(日)13:00~ |
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◆ NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 第7回定期総会2月27日(日)12時30分、NPO神奈川県日本ユーラシア協会の第7回定期総会が始まりました。まず、司会の棚田喜之さんにより、議長に金子隆一さん、大会書記に滝澤三佐子さん、資格審査に梅津千里さんが選出されました。理事長挨拶に続き、資格審査の梅津さんから、2月27日現在、会員数218名のうち、当日出席者16名、委任状113名で、総会は成立していることが報告されました。 2010年度経過報告案を田中事務局長から、2011年度方新案を関戸副理事長から、会計報告案及び予算案を柴田会長から、それぞれ提案がありました。 質疑(1) 予算案について、組織活動費、宣伝広告費、印刷費が、前年度に比べ4分の1から半分になっているが、これからロシアとの領土問題が取上げられ、マスコミの一方的な宣伝が予想されるので、宣伝費を増やす必要があるのでないかとの意見が出されました。会長及び理事長から、広報はしていかなければいけないが、本部がすべきことなどを整理して、効果的な広報を行い、支出を抑えて行きたいとの答弁がありました。 (2) 予算について、本部上納対象会員数に余裕を持たすべきではないかとの意見があり、会長及び理事長から、本部には累積赤字があり、東京都連が機能していないため、首都圏で最大の会員数の神奈川が本部を支えていく必要があるとの答弁がありました。 活動報告案・方針案・決算報告案・予算案を一括、拍手で承認し、新役員の選出に移りました。理事長から2月19日(土)の理事会で確認された推薦者が発表され、他に立候補者もいなかったので、拍手で承認されました。新たに副会長に大山麻稀子さん、副理事長に棚田喜之さん、事務局次長に田邊由紀子さん、梅津千里さんが就任しました。(事務局次長の佐藤さんを除く4名は全員が事務所スタッフです。) 午後1時40分、第7回定期総会は閉会しました。 (木佐森) 「ロシアの芥川」ガルシンと時代の叫び総会終了後に、ジョイント企画として協会講師の大山麻稀子先生のブックレット出版記念講演がありました。 テーマは、「19世紀ロシアと作家ガルシン―暗殺とテロルのあとで―」です。講演の前半は19世紀末期の「ヴ・ナロード運動(日本語訳としては{民衆の中へ})」について、詳細な説明がありました。古代ローマの奴隷制にも似たロシアの農奴を開放した結果、反動政治が起こり、その政治の行き詰まりを暗殺・テロルという手段で解決を図ったこと。そして、その暗殺・テロルを取り締まるために、皇室官房第三部が暗躍したことを知りました。 後半はそんな中で、「ロシアの芥川龍之介」ガルシンは何を訴えようとしたのかを講演されました。ガルシンと芥川龍之介には奇妙な共通点 (1) 幼児期に母を失う(ガルシンは出奔、芥川は死別)、(2) 短編の名手、(3) 自殺(ガルシンは飛び降り、芥川は睡眠薬)、(4) 死去した年齢(ガルシンは33歳、芥川は35歳)があることがわかりました。 私自身、大学では国文学を専攻し、現在高校教員として教科書に収録されている芥川龍之介の作品を生徒に教えていますが、「ロシアの芥川龍之介」のことは今回の講演で初めて知りました。自分の無知を恥じるばかりです。 講演の中で、「時代の中の叫びを、文学によってのみ訴えることができた」という話は、本当に感銘を受けました。文学は、娯楽や嗜好や趣味ではなく、時として時代の叫びを後世の人々に伝えるのだということを感じました。 私はまだガルシンを一作品も読んでいないので、早速読むことにします。 (関戸) マトリョミンアンサンブルも演奏2月27日(日)神奈川県日本ユーラシア協会第7回定期総会と講演会が終了した後、当協会が誇るマトリョミンアンサンブルの演奏会が始まりました。今日は、平野先生を指揮者とする7名のアンサンブルメンバーです。 まずソロで、「ロシア国歌」のほか2曲、デュエットで「恋のバカンス」ほか1曲。平野先生のソロで「100万本のバラ」。7人の合奏で、「ケンタッキーの我が家」など5曲、計11曲が演奏されました。 演奏ごとに曲名に合った衣装を作ってマトリョミンに着せるなど、見ているだけでも楽しい演奏会になりました。 アンサンブルクラスの日ごろの練習の成果が実り、4月29日(祝日)に横浜山手のイギリス館で単独コンサートを開くことになりました。詳しい時間は次号に掲載します。 (木佐森) ◆ ハバロフスク交流の旅をふり返って私は旅の感想はすぐにまとめることができない。なぜなら時間を経て、ふるいにかけた印象を束ねる作業が必要だからなどと理屈をつけ、1ヶ月後にやっとまとめることができた。 1)ホームステイでの冷や汗ロシア語ができない2人が厚かましくも突然お邪魔し、家族にはとてもストレスをかけてしまった。娘さんが帰ってきてからは日本に来たときの写真を見せてもらったりして話ができた。趣味は皆さん映画鑑賞で、特に日本のものが好きと言っておられた。手土産の布ぞうりを気に入ってもらえたので嬉しかった。冷や汗が出たが貴重な体験になった。 2)オケアン・キャンプ場での楽しい交流大歓迎の拍手に迎えられた。子ども達の瞳や笑顔が私達にエネルギーを与えてくれ、交流は大成功だったと思う。広場で新聞紙を折ってかぶとを作るのだが、大勢に囲まれテーブルは狭すぎる。とうとう地面に場所を移した。子ども達が「タマキ、タマキ」と催促し、大忙し。久しぶりにモテモテ気分を味わった。かぶとができたら「ハラショー」とい って頭にかぶせてあげると嬉しそうだった。全く時間が足りなかった。 3)ハバロフスクの町「日本に一番近いヨーロッパ」とチラシに書かれていたのでどんな町だろうと興味があった。教会や緑の町並み、結婚をするカップルにも出会え良かった。ダーチャから帰るお年寄りは皆疲れた足取りだった。自給自足も年をとると大変だなーと思った。また、ハバロフスクでの最後の夜はアムール川に沈む真っ赤な夕陽を見ながらホテルに戻った。パリにはセーヌ川、ワルシャワにはビスワ川、ブダペストにはドナウ川…と川のある町はなぜか郷愁を感じさせてくれるので大好きだ。できたらシベリア鉄道にも乗ってみたかった。 4)個性的で芸達者な参加者20代から80代までの参加者は皆個性的な人ばかり。なので打ち上げパーティはとても盛り上がった。芸のない私は美味しい料理やお酒でおなかがいっぱいになった。「交流の旅」の名前のとおり他のツアー旅行では味わえない交流がいっぱいあっておもしろかった。 熊川さんは母の国に自分の書画を紹介することができ、感慨もひとしおでしたね。抑留経験のある中西さん、元気いっぱいでエネルギッシュなのにはびっくりしました。ロシアで働いた経験のある林さんには中央市場での買い物の際、得意なロシア語でカニ缶の値切りをしていただきました。 5)最後にスパシーバ!山が趣味という私なのに、初日の夜の散歩で、左足首を捻挫してしまった。本当にショック!でも木佐森団長が湿布とテーピングをくださり、助かった。おかげで脚が腫れたものの、全行程をこなすことができた。また、皆さんから「大丈夫ですか」と何度も声をかけてもらい、励まされた。スパシーバ!の一言です。 (玉木 雅子) |
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◆ 第114期ロシア語教室 生徒募集!入門~上級、月曜~土曜。各クラス全15回。個人レッスンのご相談にも応じます。各クラス等の詳細は教室ホームページをごらん下さい。曜日・時間・講師は変更される可能性もありますので、見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせ下さい。
お申し込み・お問い合わせ: ◆ 会員無料!春のロシア語公開講座
日時:2011年3月26日(土) ◆ 日本語教室 Курсы японского языка 生徒募集中!!
月曜~金曜、10:00~17:00の間、1コマ90分。 ◆ ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室 中途入学も歓迎!
毎月2回、土曜日開講 ◆ みなとみらいマトリョミン教室 4月新学期開講
日程:毎月1回、土曜日開講/4月16日、5月21日、6月18日、7月16日、8月20日 |
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◆ エジプト革命とロシア革命に思う私は1月25日の大規模デモからこの世界史的事件をAl Jazeeraの生放送で毎日見ていた。 エジプト革命は反革命派からの武力行使によって、死者365人、負傷者5500人(エジプト保健省発表)を出したが、リビアに比べればずっと少ない犠牲者ですんだ。 ここで私が注目したのは軍隊が人民に銃口を向けず、中立或いは革命派支持を保ったことである。 数百万人に及ぶデモに表現された圧倒的に広範なエジプト国民の怒りと力がその原因である。 この国の20代での失業率は2割と言われ、国民の約2割は1日2USドル以下で生活し、4割以上が1USドル以下で生活している。最近の投機に起因する物価高も不満の要因であった。革命側はこの国民の圧倒的な力を結集しムバラクを追放したのである。 ロシアの10月革命は日本では流血の「暴力革命」と信じられている。しかし、ソ連崩壊後明らかにされた諸資料によって「暴力革命」というイメージはレーニンの死後、ソ連政府によって革命派の勇敢さを強調する為に映画などを通じて捏造されたものであることが明らかになった。 ロシア革命はレーニンが起こしたものではない。サンクトペテルブルグの工場労働者がおこしたものである。このことはレーニンが革命の僅か一ヶ月前に「我々老人達は・・・来るべき革命の決戦を見ることは出来ないだろう。」と言っていた事からも明らかである。彼は「全能の<舞台監督>は・・・帝国主義的世界戦争であった。」とも言っている。(レーニン全集第23巻) レーニンは臨時革命政府の民衆に対する対応を見てやむを得ず武装蜂起を指示したが具体的にはLeon Trotskyに命じて、①兵器工場や武器庫に活動家が説得に出かけ、平和的に10万丁のライフル銃その他を入手し、②説得によって軍隊自身を革命に参加させるか、中立化させ、③刻々の情勢を労働者、市民に伝え大規模集会を成功させ、蜂起を成功させたのである。1917年10月24日朝、労働者と兵士(軍服を着た農民)は冬の宮殿に突入し、殆ど無血状態で臨時政府を倒した。 イギリス大使館付き武官Alfred Knoxは冬宮に籠りピストルなどで抵抗した女性親衛隊員100名ほどが一旦逮捕された後、彼の進言で直ちに武装解除、釈放された有様を手記に記している。 L. Trotskyは「25日の夕方にはもう安心した労働者、市民が街頭にあふれ、ネフスキー通りには多くの人々が笑いながら歩いていた」、十月の蜂起は「史上のあらゆる蜂起の中で最も大衆的なものであった」から成功したのだ」と述べている。 このことはGeorge Buchanan, Bernard Pares, Florence Farmborough, Ernest Poole, Stephen Graham, Morgan Philips, Price Edward, Heald Arthur Ransome, Stinton Jones, Alfred Knox, E. H. Wilcox, Bruce Lockhart, Louise Bryant, Bessie Beatty, John Reedその他多くの外国人現地目撃者の手記、証言などからも明らかである。 古今、東西、何処の国でも庶民は平和と自由、民主、生活向上を望み、庶民を犠牲にして悪政を敷き、私腹を肥やしている支配者層は自分達の利権を守る為、平和的な革命を望む庶民に暴力を行使するのである。 さて、読者の皆様、中近東とは事情の異なるこの日本で若者が就職も出来ない「悪政」を改める為に私達は何をしたら良いのか考えてみませんか? (柴田) |
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◆ 組織状況
(2011年2月28日現在) ◆ 財政状況
ヨールカ祭、総会と事業は充実していますが、例年、財政的に2月はいわば協会の農閑期です。最近5年間の2月末の総収入、損益の推移は下表のとおりです。
協会の活動規模をあらわす総収入は事務局専従者が無かった2009年に比べ大きく回復しました。しかし、2007年度との比較では82%で、まだまだ発展の余地があります。 前年度67,935円の黒字が、今年度赤字に転じたのは、一般会計収入53,107円減、一般事業収入154,131円減、教育事業経費114,443円増、一般管理費432,268円増などが主因です。 赤字を解消するためには、(1)ロシア語、音楽教室の4月新入生増加対策を的確に行う、(2)現在、売り切れが多く、品揃えの乏しい“うにべるまーぐ”の民族楽器(バラライカ、ドムラ、売り切れ率10品目中6品目)やサモワール(売り切れ率6品目中3品目)など高額商品を慎重且つ大胆に在庫切れを起こさぬように充実する事が重要です。また、高額商品に適切な会員割引を設定、目立つように表示し、会員拡大に結びつけることを実施しましょう。 まだ年度始めです。みんなの智恵と力をあわせればは総会で定められた予算を達成し、昨年以上の立派な成果を挙げることは十分可能です。 (柴田) |
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◆ ユーラシア芸能今月は休載いたします。ご了承下さい。
これまでの記事は協会ブログ「ロシア芸能」カテゴリーで。 ◆ 映画・演劇ニーナ あるいは剥製のかもめの脆さについて
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◆ ロシア人墓碑大改修成る2006年のロシア人墓地慰霊祭以来、地道に続けられてきた当会の調査、提言活動が実を結び、2010年9月付けの立派な墓誌がこのほど在日ロシア大使館によって山手外人墓地に建立され、関東大震災などで倒壊していた10基の墓碑もモフェト、ソコロフの墓の周囲に再建された。
Before
After 詳細は次号でお知らせします。 (S) ◆ ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!
字数は読み物なら400字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内でお願いします。
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部 (機関紙編集部) |
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◆ 水彩二人展 ヤコブチュク・スベトラナ/鈴木稔
2011年4月29日(金・祝)~5月4日(水)11時~19時(最終日17時) ◆ 宝塚歌劇 雪組 横浜公演
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◆ ウクライナ製パスハ刺繍ナプキン(教会) 1,470円
サイズ:44×46cm 材質:リネン 色:橙色 ウクライナ製 ◆ ロシア語かきかたノート 2年生用 630円
著者:ヤーコヴレワ 発行:「バラス」社(ロシア・モスクワ)64ページ、16.5cm×21.5cm ●取扱商品の詳細は協会事務所、または協会主催オンラインショップ「うにべるま~ぐ」でごらん下さい。 ●2009年4月~協会事務所販売商品 会員は全品消費税分OFF! |
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◆ 第59回 ムスチスラフ二世(統治1167-1169)の統治と死協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。 |
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特定非営利活動法人 神奈川県日本ユーラシア協会
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