今月の表紙:トルコ・イスタンブール モスクの天井

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2012年7月号 No.609

行事予定

神奈川県日本ユーラシア協会創立50周年記念イベント

 2012年は当協会の創立50周年に当たります。創立から現在までの「相互理解と親善」の実施と将来への展望を明らかにする目的で、下記の通り記念イベントを行うことになりました。奮ってご参加ください。

【日程】2012年9月30日(日)
【会場】横浜市従会館
【企画】基調講演、記念講演、交流ブースでのユーラシア諸国の文化紹介等(予定)

第14回「大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅」

第14回「大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅」 今年はロシア極東ハバロフスクへの旅を再開します。
また、7月29日(日)に旅行前の説明会・交流会を行います。旅行に行かれる方はぜひご参加ください。

【日程】8月13日(月)~8月17日(金)
【旅行地】ロシア・ハバロフスク市
【参加費】175,000円
【基本企画】①ダーチャ生活体験 ②児童サマーキャンプ「オケアン」訪問 ③お別れパーティー 他 オプショナルプログラム
【旅行と説明会のお申し込み・お問い合わせ】
第14回「大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅」実行委員会(神奈川県日本ユーラシア協会内)
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

第14回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 事前説明会・交流会開催!

2012年7月29日(日)14:00~16:00
参加費無料
会場:横浜平和と労働会館5階教室

活動報告

好評だったチェチェン料理教室

チェチェン料理教室
 7月1日は時折雨がぱらつく日曜日。けれども梅雨空もなんのその。うっとうしい雨を吹き飛ばすほどの元気な料理好きや食いしん坊が集まり、チェチェン料理教室が開催されました。

 人数こそ8人と少なかったものの、「昨年のグルジア料理に参加したかったけれど、日程が駄目だった。今年は運よく日程が合った」という2年越しの念願を達成した参加者、秋からの留学に備えて、現在開講中のロシア語教室から申し込んできた参加者など、思いはそれぞれですが、本当に熱心な方ばかりでした。

チェチェン&グルジア料理 右上から時計回りに ハルヴァ、なすの前菜、ジジ・ガルナシ、マッシュポテト

 料理は、遊牧民の調理法なので、簡単で素朴。余分な調味料なども使わず、質素な味付け。けれどもラムチョップを煮込んだ「ジジ・ガルナシ」は日本ではお目にかからない一品。普段、牛・豚・鶏が主体の肉料理を食べている為、羊の肉はなかなか口にしていませんから。ナスの前菜も珍しい一皿となりました。クルミをすりつぶした具は初めてです。そして、米原万里が絶賛した「ハルヴァ」。バターとクルミとピーナツの濃厚な味わいは紙面では表現できないほど。

 参加者からは、「本当に楽しくて、美味しかった」と好評な料理教室。講師の滝沢さんは「希望があれば、またコーカサスの料理をやります」とのこと。この記事を読んでいる皆さん、次回は是非ご参加ください。

(関戸)

合唱団「道」コンサート チラシ折込の一コマ

 5月27日(日)はまるで夏を思わせるような陽気。その中を旅のチラシ折込に事務所からみなとみらいホールまで歩いて行きました。すぐに汗びっしょりになり、重たいチラシが恨めしく思えました。

 外の陽気と同じように、みなとみらいホールも熱気が充満していました。関戸がチラシを折り込んでいる時から、外には長蛇の列ができていました。合唱団の人に聞いてみると、当日券も売り切れたほどの集まりようとのこと。理由はナターシャ・グジーのウクライナ民族楽器バンドゥーラ演奏が目玉だったとのこと。開演2時間前からの長蛇の列の一コマでした。

(関戸)

今年は残念だった戦争展

 2007年から参加している「平和のための戦争展」ですが、今年は協会のコーナーには担当者を配置することができませんでした。例年通りの場所にパネル展示のみの参加でした。

 来年は、担当者を配置し、シベリヤ抑留の体験談を語るコーナーなども設置し、積極的に取り組みたいと思います。

(関戸)

教室案内

ロシア語教室第116期末

 月曜~土曜、入門・初級・中級・上級・応用・会話の各種クラスあり。今月で今期の授業全15回が終了するクラスも出てきました。時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細はホームページをごらんください。

 先月から横浜ロシア語教室のFacebookページもできました。授業の様子や各種案内を写真つきで紹介しています。リンク先のページをぜひごらんください!

 9月には検定対策講座や公開講座も実施予定です。詳しくは同封のチラシをご参照ください。(教室サイトにも近日掲載予定です)

 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通り。

日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。基本的には個人レッスン。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2012年度前期予定(毎月2回、土曜日開講):
前半 4/7, 4/21, 5/5, 5/19, 6/2, 6/16
後半 7/7, 7/21, 8/4, 8/18, 9/1, 9/15

生徒募集クラス:
15:00~15:45(バラライカ上級)、17:00~17:45(ドムラ初級)、18:00~18:45(バラライカ初級)
講師:北川 翔
会場:横浜平和と労働会館5階

会員受講料(1回45分×6回分):
3~5名クラス:24,000円(1回4,000円)、2名クラス:36,000円(1回6,000円)、1名クラス:60,000円(1回10,000円)
※途中入学の方は終了回数分を値引きします。

みなとみらいマトリョミン教室

日程:毎月1回、土曜日開講
2012年度前期予定:4/21, 5/19, 6/16, 7/21, 8/18, 9/15 発表会:8/26(日)
アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30
グループレッスン(60分)Aクラス14:45~15:45、Bクラス15:55~16:55
入学金:3,000円(継続の方、会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円
グループレッスン3,000円×6回=18,000円
※途中入学の方は終了回数分を値引きします。
会場:横浜平和と労働会館2階または3階
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

政治・経済

私の見た中・東欧諸国の現在(3)ポーランド経済

 ポーランドは昔から、そして今でも教育熱心な国である。
 私が訪れたクラクフのヤギェウォ大学は1364年(日本の南北朝時代)の創立でプラハのカレル大学に次ぐ歴史がある。コペルニクスやキューリー夫人もここで学んだ。1791年にポーランドは世界初の教育省を設置している。

露天の花屋と少女たち

 IT時代の今日、クラクフでは総ての小学生にパソコンが支給される。Wikipediaへの投稿数が最近全世界で1,000万件を超えたことが発表されたが、この言語別内訳は英語が約230万記事、以下、ドイツ語、フランス語、ポーランド語、日本語、イタリア語と続く。またポーランドのSNS「Nasza klasa(私達のクラス)」登録者数が約1,200万人であるから、人口(約3,830万人)を考えれば驚くべき数字である。学費が大学まで完全無料など、国家の手厚い福祉政策で若者が多いこともこの国の特色である。私が泊ったホテルでは無線ランが自由に無料で使えた。他の東・中欧5カ国では総て有料、不便であった。

 ポーランドもEUのバブル崩壊で09年には経済成長率が1.6%に落ちたが、欧州全体がマイナス成長にある中、プラス成長の唯一の国となり、10年には3.9%の成長を遂げた。11~12年再び欧州が信用危機に見舞われている中、堅調な輸出や国内個人消費などで4%台の成長が予測されている。物価上昇率は、近年2.5%程度に収まっていたが、11年に入り、世界的な燃料価格、食糧価格の上昇により12月には4.6%となった。経済面では現在同国は欧州の最優等生であると言える。

今後の見通し

 ポーランドと英国の賃金格差は約5倍ある。EU全体の平均値と比べても60%程度でしかない。人口は東欧最大でピラミッド型の正常な人口構成である。潜在生産能力も高い。

クラクフの市内電車

 工業ではPCやTVなどの情報家電の生産が盛んで、欧州テレビ生産の30%を占める。乗用車、トラック、バス、路面電車、鉄道車両などの生産も有名で、Solaris、PESA、Newagなどの企業が積極的に外国に進出している。中小・零細企業の手工業製品でも琥珀製品やクリスマスツリーのガラス・デコレーション生産は世界一で、わが協会も嘗てこれらの製品を販売したことがある。

 農業は約90%が小規模個人農で社会主義時代にもソ連の圧力に屈せず、国有化・集団化を行わなかった。国土面積中、農地面積は42.1%。小規模農家は生産性が低いと言われるが付加価値の高い作物を多品種・少量生産するのに適しており、高品質の有機栽培作物が他のヨーロッパ諸国に盛んに輸出されている。特産物としては、世界2位の生産量を誇るライ麦や、フランス向けカタツムリ、日本向け馬肉及び羽毛、ポーランドが世界収穫高の半分を占め世界最大の輸出高を誇る黒スグリやイチゴといったベリー類、欧州の90%を占めるヤマドリ茸などがある。石炭、天然ガス、シェールオイル、ウランなど鉱物資源にも恵まれている。

 ポーランドはEUには加入したが、食糧自給、通貨主権保持、低輸出依存度など自主独立路線を貫いている。消費税も23%が基準とされるが食品、農産物、医薬品、建築資材、観光サービス、書籍等、生活必需品に掛かる税は5%, 7%、8% と低く設定されている。

 これらを総合して、この国は欧州諸国のうちでは最も高い経済成長率が期待できる国の一つであるといえる。

(柴田)

ユーラシア通信

Eurasia Gallery

トルコ・イスタンブール(撮影:田中豊造)

トルコ・イスタンブール アヤソフィア アヤソフィアの聖母子像 (左)アヤソフィア大聖堂内部 (右)アヤソフィアの聖母子像


ポーランド・クラクフ(撮影:柴田順吉)

バベル城1 バベル城2 (左)バベル城1。11~17世紀にかけて歴代ポーランド王の居城だった。現存するものは16世紀に建てられたルネッサンス様式のものが多い。
(右)バベル城2。これは1と異なる様式の古い建造物。
バベル城1 バベル城2 (左)バベル城の外壁画。ナチス・ドイツに破壊され戦後再建されたため左半分には壁画が無い。
(右)中央広場と織物会館。中央広場は世界最大の都心広場。織物会館は14世紀に建造された現存する世界最古のショッピングモール。

ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!

 字数は読み物なら400字~800字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内で。この神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」に関するご意見やご感想なども歓迎します。月末締切。投稿は郵便・FAX・Eメールのいずれかでお願いします。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

組織・財政

組織状況

(2012年6月30日現在)
 年初会員数:221名、6月末会員数:216名。前年同期比6名減。
 会員拡大目標:250名(年度末)まであと34名、毎月6名の純増で達成可能。積極的に、いつでも、何処でも、誰にでも入会の呼びかけをしましょう。行事の時には忘れずに!
 会員は日本・ユーラシア諸国民の相互理解と親善、世界平和を進める大切な仲間達です。

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2012/6/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,011,5433,690,098
教育事業3,956,7762,093,145
一般事業2,479,1901,607,653
当期剰余金 56,613
合 計7,447,5097,447,509
前年同期(単位:円)2012/6/30
摘 要収 入支 出
一般会計1,448,1772,986,672
教育事業4,249,4521,929,180
一般事業2,131,8061,441,844
当期剰余金 1,471,739
合 計7,829,4357,829,435

 一般会計、教育事業、とも前年比で後退、事業収入は旅行預かり金を差し引くとほぼ前年度並みです。逆に、支出は全ての事業で前年度を上回りました。
 一般会計支出が大幅に増加した原因の一つは5F教室の空調工事改修によるものです。
 これは実質的に設備投資で、これによって教室の居住性が改善されました。

貸借対照表 (2012)
科 目本年6月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産4,609,8613,401,190+1,208,671
固定資産1,884,7752,340,000-455,225
資産合計6,494,6365,741,190-753,446
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産6,438,0235,741,190696,833

 【 総 評 】
 神奈川県連では本年4月以降、日ユ協会本部の危機的状況を克服するため木佐森理事長に本部理事長を兼任して頂くことになりました。木佐森氏は日夜、本部で全国の活動を活性化するため奮闘されています。これに伴い、現在、県連には専従の理事長が不在の状況になっており、その影響が運動、組織、財政の全面に現れています。
 神奈川県連が現在担っている全国的に重大な任務を自覚し、専従者あるいは半専従者を至急配置し、全役員が一致団結してこの難局を克服する事が求められています。

(柴田)

文化・芸能

演劇・映画

映画レビュー『ファウスト』

 昭和天皇を描いた「太陽」で、日本での知名度が上昇したアレクサンドル・ソクーロフ監督の最新作。2011年第68回ヴェネチア映画祭でみごと金獅子賞(最優秀賞)に輝いた。

 文豪ゲーテの傑作「ファウスト」は、オペラや演劇でもメジャーな演目。今回はこれまで「ボヴァリー夫人」といった文芸作品も手掛けているソクーロフ監督が、ドイツ人俳優を起用し、全編ドイツ語で挑む新たなファウスト像だ(ロシア国内ではソクーロフ自身によるボイスオーバー・バージョンも上映された)。

 あらゆる学問に精通する学者ファウスト。しかし、宗教的社会は彼の探求心をよしとせず、生活の困窮もあって彼は自暴自棄に陥っていた。そんなファウストが高利貸ミュラー(メフィスト)を訪れた際、策略に引っかかって純粋無垢な娘・マルガリータ(グレートヒェン)に一目ぼれ。しかし、酒場での乱闘からマルガリータの兄を殺害してしまう。

 彼女の好意を得るために、ミュラーを介して悪魔に魂を売るファウスト。マルガリータとの一夜と引き換えに、地獄への旅路をミュラーと共に行くことになる。しかし彼は自らの過ちに気づき、悪魔の翻弄を断ち切って再び自由を得るのだった。

 プラハで撮影されたという映像は、19世紀ドイツの情景がリアリティたっぷりに再現されている。また、高利貸ミュラーを演じた舞踊家・アントン・アダシンスキーのグロテスクさと異形ぶりも必見。

(シネマ・ジャック&ベティで上映中、8月18日より川崎・神奈川アートセンターアルテリオシネマで上映)

(滝沢)

文 芸

なぎさの静けさ (2)

ジャブライロフ・スレイマン

 子供達は食卓につき、続いて大人達もついた。長い説教の効果あり、誕生日の少年もしぶしぶ水から上がり、適当にタオルに包まれどっさり椅子に腰をおろした。海遊びにもどりたくて仕方なく、できるだけ早く食事を済ませるつもりでいた。

 だがお祈りの言葉や願い事、そして皆が用意した誕生日プレゼントのゲームは、彼の注意を招き、食事が終わると他の子供としばらく海岸で遊んでいた。

 日差しがどんどん強くなり、涼しさを求め大人達は海に入ったり出たりしていた。子供もゲーム遊びの隙間に時々水に入った。

 ゲームや子供との遊びに飽きた少年は、海に戻りずっとそこにいることになった。頭を潜らせ滑らかな海底を見たり、上向きになり浮きながら雲を眺めたりしていた。また時には足が底につかないところまでに瞬時に進んだりしていた。その時、息が恐怖で切れ、すぐに撤退し気持ち良い安心と自信を感じていた。

 とうとう真夏の暑さや満腹感が効き、 疲れた大人達は日陰でうたた寝し、子供達は落ち着いて波に湿った砂で遊んでいた。

音 楽

ウズベキスタンに於けるクラシック音楽の発展 (7)

D・オフチンニコフ

 50年代~60年代にかけて、ウズベキスタンの音楽は、新たな発展段階に到達した。

 先立つ時代に、しばしば、民族的テーマの本質に迫った民族音楽の理解が深まり、現代的作曲技法に到達した民族音楽のより本質的な特徴ある作品の創作が課題になった。ウズベキスタンの作曲家達は、困難な創作上の課題を、独力で解決し始め、以前には良く行われた共同作業をしないでも済むようになった。

 この段階での典型的オペラとして、マイサラの悪戯(ユダーコフ、1959年、ソ連の各共和国及び外国で上演された。)注)、ハムザ(S・ババーエフ、1961年)、詩人の魂(アシラフィ、1962年、1967年改訂版)、闇からの光(R・ハムラーエフ、1966年)、二人姉妹(最初の子供向けオペラ、S・ババーエフ、1967年)がある。音楽劇のなかでは、より組織的に交響楽団を使い、音楽と一体となった舞台芸術である、母なる大地(アクバローフ(1965年)が際立っている。この時代には、カンタータ・オラトリオのジャンルで、輝かしい作品が創作された。ウズベキスタンの女性達(ハミラーエフ、1957年)、レーニン党への頌歌(ブルハーノフ、1959年)党への頌歌(1961年)とタシケント物語(1964年)(アクバーロフ)、交響詩-レーニンへの追憶(ユダーコフ、1962年)、レーニンの春(1962年)、乾杯(1964年)(S・ババーエフ)等である。

 この時代の交響楽的作品の分野では、標題音楽が多かった。そのような作品として、叙事詩(アクバーロフ、1962年)、カラカルパキスタン組曲(1956・1962年)と交響詩-祝宴(1965年)(コズロフスキー)がある。ウズベキスタンの若い作曲家達は、交響曲のジャンルに、傾注し始めた。T・クルバノーフ(1964・1976年)ハミラーエフ(1966・1967年)その他により、交響曲が書かれた。協奏曲(最初の作品は40年代に作曲された。)の分野での芸術的探求も続けられた。ピアノ協奏曲第6番(ムーシェリ、1962年)、バイオリン協奏曲(アクバーロフ、1965年)、トランペット協奏曲第2場番(S・カリム・ホッヂ、1967年)等である。室内楽器への関心も高まった。この時代にアクバーロフによる2つの弦楽四重奏曲、ホラズムのテーマによる四重奏曲(B・I・ゼイディマン、1963年)、ピアノ五重奏曲(ギエンコ、1965年)弦楽四重奏曲(カリム・ホッヂ、1965年)が作曲された。

 ウズベキスタンの作曲家にとって新しい分野である映画音楽が出現した。その好事例として、(金持ちと小作、アヴィツェンナ(注)、地平線への道―ブルハーノフ)、(ハムザ、お前は孤児ではない。―アクバーロフ)、(フルカート―ユダーコフ)、(純白のコウノトリ、群衆の中の一人―ヴィリザーホフ)その他の作品がある。

(次回に続く)

(訳・一杉 次郎/タシケント)

催し物情報

アレクサンドラ・スム ヴァイオリンリサイタル

プロコフィエフ「5つのメロディ」、ルトスワフスキ「スビト」ほか。
とき:7月31日(火) ところ:トッパンホール
料金:全席指定4000円、学生2000円
問合せ:パシフィック・コンサートマネジメント
03-3552-3831

上原彩子の「展覧会の絵」

2002年の第12回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門にて日本人として初めて、かつ女性として世界で初めての優勝を果たした上原彩子のソロ・リサイタル。
とき:8月26日(日)14:00
ところ:横浜みなとみらいホール
料金:一般4800円、シルバー(65歳以上)4000円、小・中・高校生4000円
問合せ:神奈川芸術協会 045-453-5080

ボリショイサーカス 招待券あります!

とき:8月3日(金)10:30開演
ところ:横浜文化体育館
【招待券】15枚限定、先着順にお譲りします。
お申し込みは神奈川県日本ユーラシア協会事務局まで。
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

お勧め商品

ロシア民族衣装ドレス 21,000円

ロシア民族衣装
サイズ:
ワンピース部分=着丈121cm、胸囲110cm
ブラウス部分=袖丈44cm、胸囲93cm
スカート部分の素材は麻です。飾りテープは赤、黄、オレンジのビタミンカラー。民族衣装としては珍しいのでお勧めです。
※Sサイズの表記が付いていますが、実寸では日本人Mサイズ程度です。
ロシア製、一点限り。

男性用ルバーシカ (亜麻) 8,925円

ロシア民族衣装
色:飾りテープ=赤、青 生地=麻
サイズ:着丈 80cm、胸囲 116cm、袖丈 66cm、襟周 43cm、腰ひも 136cm
ロシア製
Mサイズのルバーシカ。
そのまま着用しても、添付の腰ひもで留めてもOK。

掲載商品の詳細は協会事務所でごらんください。紙面で紹介しきれなかった素敵な商品もまだまだあります! 協会ロシア物産オンラインショップ「うにべるま~ぐ」もぜひご利用ください。

歴史・社会

許せない歴史の偽造 ~自由社、育鵬社の歴史教科書~
ロシア革命について(1)

 前号で両社教科書の日露戦争の叙述における極端な一面性に触れたが、ロシア革命も同様な説明を行っている。

 自由社:「長引く戦争のさなか、1917年ロシア革命がおこった。食糧難にあえぐ都市の市民の暴動に兵士が合流し、ロマノフ王朝が倒れた。」

 育鵬社:「ロシアでは相次ぐ敗戦による生活物資の不足に民衆の不満が噴出して、1917年、レーニンの率いるソビエト政権が成立しました。」

 ここでは市民や民衆の食糧難・生活物資の不足が暴動や革命の原因であるかのように描かれている。

 しかし、革命とは被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り政治・経済・社会体制を根本的に変革することである。少なくともこの二つの階級の動きについて記述する必要がある。

 例えば、子供向けの学習百科事典「学研キッズネット」は【ロシア革命】について以下のように記述している。

 後進国といわれたロシアの,皇帝の専制政治の打倒から,世界最初の社会主義政権の樹立までの連続的な革命。

〔第1革命〕 日露戦争さなかの1905年,首都ペテルブルク(現サンクトペテルブルク)で「パンと平和」をもとめて皇帝に請願する労働者・市民に対して軍隊が発砲し,2000〜4000人の死傷者を出すという「血の日曜日」事件がおこった。労働者はソビエト(代表会議会)をつくり,まずしい農民も立ちあがった。このため政府は戦争をつづけることを断念,国会の開設を約束した。

〔三月革命〕 第一次世界大戦でロシアの国民生活は圧迫され,労働者のストライキがあいついだ。大戦中の1917年3月,首都ペテルブルクのストライキは,軍の一部や市民をまきこみ大規模なものとなった。ソビエトがこれを指導したが,議会の代表者(ケレンスキー)による臨時政府がつくられ,ニコライ2世は退位しロマノフ朝はたおれた。臨時政府は集会・ストライキなどの自由を約束したが,戦争はつづけた。

(柴田)