今月の表紙:神奈川県日本ユーラシア協会創立50周年記念行事(9月30日、横浜市従会館)

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2012年10月号 No.612

行事予定

よこはま国際フェスタ2012

【内容】国際協力・国際交流・在住外国人支援・多文化共生に関わる団体の活動紹介・物品・食品販売。当協会もボルシチ等のロシア料理・食品販売で参加します。この機会に是非遊びにきてください!
【日程】10月20日(土)、10月21日(日)
【場所】象の鼻パーク(みなとみらい線日本大通り駅より徒歩5分)
【主催】よこはま国際フェスタ2012プロジェクト


ボランティアスタッフ募集!

国際フェスタの当協会ボランティアスタッフも募集しています!
前日・当日の調理、会場設営、販売、後片付け等を手伝って下さる方は事務局までお申し出ください。できる範囲で構いません。是非ご協力ください。ご連絡をお待ちしています!

【連絡先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp ※電話は12-18時、日曜休み

DVD鑑賞会のお知らせ 映画「デルス・ウザーラ」

とき:11月25日(日)13:00~
ところ:横浜平和と労働会館5階
お問い合わせ:神奈川県日ユ協会

活動報告

台風を吹き飛ばすほどの楽しさ
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 創立50周年記念行事開催
半世紀の歴史を考え、次の半世紀の道しるべに

 9月30日は台風が近づく日曜日。開催そのものが心配されましたが、午前中の天気を見て、催行決定。会場の横浜市従会館4階ホールでひときわ目立ったのは正面に掲げられた横断幕です。柴田会長手ずからの労作です。その50の数字は金色でした。金婚式にちなんだのでしょうか。

 いよいよ1時から式典開始。祝電・メッセージの紹介から始まりました。その中で涙が出るほどうれしかったメッセージは元常任理事福島留美さん(ムルマンスク在住)からのものでした。

 その後は、創立当時の初代事務局長・現会長の柴田さんの基調講演。半世紀の歴史と現在の友好運動について話していただきました。学校の教科書には絶対に載っていない大変貴重な話ばかりでした。

 続いて、「カリンカ」をロシア語で歌う講座。川北ナターリア先生と通訳の高橋さんが歌詞とメロディーを参加者に手ほどき。原語のカリンカの流麗さは訳詞よりも数段格調高いものでした。

 ロシアの文化紹介はさらに続き、北川翔先生のバラライカコンサート。伴奏の長尾さんのギターとともに奏でる曲の美しさは文章で表現できないほど。バラライカを日本で一躍有名にした映画「ドクトル・ジバゴ」ララのテーマの調べを聞きながら、亡き父との思い出にひたりました。「あなたに逢えたら」、「行商人」のメロディーも参加者の心にしみ通りました。

 そして、お待ちかねのレセプション。ロシアらしくウォッカでの乾杯。「スィールニキ」と「ハチャプリ」には列ができました。今日の記念に民芸品や食品を買う参加者も。来賓からも祝辞を頂きました。また、マトリョミン、マトリョーシカ絵付け、バラライカとドムラの体験コーナーも同時進行。民族衣装のコスプレ写真撮影は終了間際まで続きました。樋口さんのドムラの弾き語りに続き、締めくくりはマトリョミン演奏。ロシア民謡メドレーやロシア国歌が奏でられました。

 楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、閉会を迎えました。半世紀という歴史を持つこの神奈川県連の取り組みは、次の50年に続くものです。読み上げた福島さんのメッセージに「多くの会員が集まって支え、幸せな協会」とありました。本当に多くの人に支えられて来たのです。次の50年もその多くの人たちと共に歩んでいきたいと強く感じました。

(関戸)

二度目のハバロフスク

~第14回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 参加感想文~

 三十数年ぶりに、ハバロフスクの街に立った。さわやかな青空の下、緑の丘陵に、白い高層住宅が点在していた。

 カルチャーショックの第一は、アムール河沿いの高台に建つ、新しいが歴史を感じる大寺院。中に入ると、多くの信者が集まっており、ロシア人の信仰心といぶきを感じ、私の体は、コウチョクした。

 第二に、ロシア人の家庭のホームステイを体験できたことである。美しい奥さんと彼女のお母さんが迎えてくれた。コンクリートむき出しの大きなアパートの一角に、彼女たちの住居はあった。部屋の中に入ると、南欧風に統一された小ぎれいな部屋。奥さんとおばあちゃんのあたたかい接待。お酒が進む。

 第三に、ハバロフスク市民の対外交流への熱心な絶えることのない活動。私の参加した今回の旅行の、体験と印象も、これらの交流活動のたまものであった。

 撮った写真を、ひと月たってながめてみた。思っていた景色と写真がしめす「現実」が、少しくい違っていた。奥さんのかざり付けたダイニングルームの写真をそえ、私の印象記をしめる。

(八代)

教室案内

横浜ロシア語教室第117期公開講座、好評のうちに終了
「ウクライナ語ってどんな言葉?」「やさしいロシア語」

 10月から横浜ロシア語教室の講師となるオクサーナ・ピスクノーワさんを迎えて教室の公開講座を行いました。

 ウクライナ出身ということで今回の講座テーマにもウクライナ語を取り入れ、ロシア語とは少し違うアルファベットを紹介。ロシア語にある文字とない文字があるはずなのに、何故か最終的にアルファベット数がロシア語と同じ33個に落ち着いている所が不思議でした。

 ウクライナ語は普段はあまりなじみのない言語ですが、意外にもウクライナから来られている方は協会にも大勢います。「ロシア」でひとくくりに認知されている気がしますので、ロシア語に少し飽きた、という方はこれを機に真剣にウクライナ語を勉強されてみてはいかがでしょうか?

 今回は2講座通じてのべ30名近くの方々に参加していただき、ありがとうございました。

 今後も会員、生徒の皆さんが興味を持てそうな講座を検討していきたいと思います。

(森)


横浜ロシア語教室 第117期、10月開講

 10月13日(土)より、第117期ロシア語教室が開講します。水曜昼の入門クラスは開講が決定しました。土曜昼のクラスも11月10日の開講を目指し、引き続き生徒募集中です。
 また、初級・中級・上級・応用・会話の既存各種クラスも随時編入可能。
 時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細はホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。基本的には個人レッスン。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2012年度後期予定(毎月2回、土曜日開講):前半:10/20、11/10、11/24/、12/8/、12/22 後半:1/12 ※1月2回目、2月、3月日程は未定
時間・内容はお問い合わせ下さい。
講師:北川 翔
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:60,000円

みなとみらいマトリョミン教室

日程:毎月1回、土曜日開講
2012年度後期予定:10/20, 11/17, 12/15, 1/19, 2/16, 3/16
※2月・3月は変更の可能性もあります。
◆アンサンブルクラス(90分)
13:00~14:30
◆グループレッスン(60分)
Aクラス14:45~15:45(空席1)
Bクラス15:55~16:55(空席2)
入学金:3,000円(継続の方、会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円、グループレッスン3,000円×6回=18,000円
会場:横浜平和と労働会館2階
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

組織・財政

組織状況

(2012年9月30日現在)
 年初会員数:221名、9月末会員数:223名。
 年初比2名増。前月比4名減。会員拡大目標:250名、年度末まであと27名、毎月10名の純増で達成可能です。 がんばりましょう!

財政状況

 収支、財産状況ともほぼ2012年度予算どおり順調に推移しています。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2012/9/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,451,7285,204,750
教育事業5,491,5762,833,463
一般事業3,807,7822,582,662
当期剰余金 130,211
合 計10,751,08610,751,086
前年同期(単位:円)2011/9/30
摘 要収 入支 出
一般会計1,757,8403,907,891
教育事業5,092,8502,484,810
一般事業2,573,0451,601,352
当期剰余金 1,429,682
合 計9,423,7359,423,735

貸借対照表 (2012/9/30)
科 目本年9月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産4,683,4593,359,1331,324,326
固定資産1,884,7752,340,000▲455,225
資産合計6,568,2345,699,133869,101
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産6,568,2345,699,133869,101

※固定資産の減少は長期貸付金の減少によるもの。

(柴田)

お勧め商品

ロシアンドール小物入れ 3,675円

ロシアンドール小物入れ
高さ16cm、小箱部分・直径8cm。色:ブラウン。スカート部分がぱっくり開いて小物入れとなるロシア人形。ロシア風のゴージャスな装飾で楽しませてくれます。

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

イベント報告

「JOC感謝の集い」にロシア民謡アンサンブル派遣


アンドレイさんとエフゲニヤさん
 NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会は10月4日、JOC(日本オリンピック委員会)からの依頼により、ザ・プリンス パークタワー東京(赤羽橋)B4F大ホールで開催された同会の「2009~2012 JOC感謝の集い」にロシア民謡アンサンブルを編成、派遣しました。

 この集いは2009年から2012年までの間にオリンピックに参加し金、銀、銅のメダルを取った選手に感謝し、次期オリンピック出場選手を励ます為に開催されました。

イリンさん、マリーナさん、マキシムさん
 バラライカ奏者:クリコフ・マキシム(東京芸術大学大学院生)、民族舞踊:1)シュポト・エフゲニヤ(法政大学大学院)、2)オルロフ・アンドレイ(ロシアシティバレエ団)、歌手:ルザエヴァ・マリーナ、ピアノ:イリン・ユーリーが出演、柴田会長がパーティーに参加しました。

ロンドン五輪金メダリスト
 パーティーには有名な選手、JOC役員、文部科学省代表、国会議員など約400名が出席しました。

(柴田)


催し物情報

チャイコフスキーハイライツ3大コンツェルト
貴女に贈るロシア貴公子たちの宴

第13回チャイコフスキーコンクールの覇者、セルゲイ・アントノフ(チェロ)をはじめ、セルゲイ・マーロフ(ヴァイオリン)、イリヤ・カザンツェフ(ピアノ)によるチャイコフスキー作品演奏。

とき:11月8日(木) 19:00開演(18:30開場)
ところ:かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール
料金:一般5000円、学生2500円(全席指定・税込)
問合せ:かつしかしんふぉにーヒルズ03-5670-2233

スタニスラフ・ブーニンピアノリサイタル「幻想」

とき:11月18日(日)19:00開演(18:30開場) ところ:サントリーホール
料金:S席15000円、A席12000円、B席9000円、C席6000円(全席指定・税込)
問合せ:日本アーティストチケットセンター 03-3944-9999

報告会「2012年夏 子どもたちの保養 チェルノブイリと福島」

とき:11月25日(日)
14:00~16:00(13:30開場)
ところ:ICA地球ひろば セミナールーム600 ※入場無料、事前申込み不要

★2013チェルノブイリ27周年 救援カレンダー
~チェルノブイリと福島の子どもたち~

定価:1,000円(送料別)
☆10月中旬完成予定
サイズ:上下見開き時(A3)縦42cm×横30cm/カラー
※10部以上は1割引・送料無料
申込方法:メール、FAX、子ども基金のサイトほかより
チェルノブイリ子ども基金
TEL/FAX 03-5228-2680
E-mail cherno1986@tokyo.email.ne.jp

ユーラシア通信

バルト諸国縦断旅行記
第1回「フィンランド・ヘルシンキで感じるロシア」

 かつての旧ソ連の共和国、現在はEU加盟国として発展を遂げているバルトの国々。2012年9月、エストニア、ラトビア、リトアニアの3カ国に加え、フィンランドとロシア領カリーニングラード州を含めて旅行してきました。各地域を連続的に見ることで、それぞれの国の特徴や共通点をよりはっきりと感じることができましたので、これから何回かに分けてお伝えしたいと思います。

 日本を離れて最初に訪れたのは、フィンランドの首都ヘルシンキ。

 成田から飛行機で9時間半、「日本から一番近いヨーロッパ」というキャッチフレーズで、欧州への乗り継ぎ地として日本人旅行者からの人気も高い都市です。余談ですが、ロシアのウラジオストクとサハリンも全く同じフレーズで語られているあたり、ユーラシア大陸にまたがるロシアの広大さを象徴しているように思います。

 さて、フィンランドは長きにわたりスウェーデンの支配下にありましたが、19世紀初頭に時のロシア皇帝・アレクサンドル1世がスウェーデンとの戦いに勝利したことでロシア帝国領となり、以後、1917年のロシア革命に際して独立するまで、同帝国内の立憲君主国として発展してきたという歴史があります。

ウスペンスキー大聖堂

 写真はロシア帝国時代に建立された正教会のウスペンスキー大聖堂です。スラブ・ビザンチン様式の教会とのことですが、赤レンガ造りの外観のおかげか、どこか西欧的な雰囲気も感じます。現在ではルター派プロテスタントのヘルシンキ大聖堂と並び、ヘルシンキのランドマーク的な存在となっています。

 ヘルシンキはロシア第二の都市サンクトペテルブルクから車や電車で6時間という近さから、ロシア人の訪問者も少なくありません。週末で行って帰ってこれる手軽な観光・買い物スポットとして人気を集めているようです。また逆にサンクトペテルブルクに来るフィンランド人も多く、フェリーを利用した72時間以内滞在のクルーズツアーならばビザも不要という手軽さも手伝ってか、特に夏季には街のあちこちでフィンランドからの観光客の姿を見かけます。最近では2010年にヘルシンキ~サンクトペテルブルク間を3時間半で結ぶ特急列車が運行を開始したことで、両都市の往来はますます活発になっています。

 ところで、ヘルシンキはロシアへの玄関口であると同時に、エストニアの首都タリンまで、バルト海をはさんで高速船でわずか1時間半という距離に位置する「バルト諸国への玄関口」でもあります。次回はエストニアについてお伝えいたします。

(桜井)

報告会&上映会「タイガの森フォーラムのこれまでとこれから」

9月10日 於:東京・神楽サロン

タイガからのメッセージ
 「タイガの森フォーラム」は、国際環境NGO・FoE Japanを核とし、タイガの森を将来に残すことを目的に2009年設立された。機関紙の表紙にアムールトラの写真を提供してくれた団体でもある。昨年秋に、アムール川の支流でもあるビキン川流域に居住する先住民族ウデヘの人々を記録した「タイガからのメッセージ」を完成させ、各地で上映活動を行っている。今回のイベントでは、上映会ならびにコラボレーションを組む「銀座ミツバチプロジェクト」代表とのディスカッションが主なプログラムだった。

タイガからのメッセージ
 映画「タイガからのメッセージ」は、ウデヘの人々がタイガから受けてきた恵みや伝統的生活様式を紹介し、タイガを伐採の危機からどのように守ってきたかを中心に、ビキン川流域を世界遺産に登録しようという動きを伝える。それと同時に、ウデヘの人たちが直面する就業問題や廃棄物処理問題なども織り込んだ最新の記録映画といえる。撮影中、東日本大震災と原発事故が発生したために、日本人として保護活動にどのようにかかわっていくかという新たな視点も投影され、ラストがいささか散漫になったきらいがある。とはいえ、ロシアのタイガは日本海の漁場を育て、日本の自然環境にも大きな影響をもたらすという観点に立てば、日本人にとって他人事ではすまされない問題でもある。

タイガからのメッセージ
 フォーラムでは、タイガの森を維持しつつウデヘの人々の生活向上を支えるための、新しい「ツーリズム」と「東洋ミツバチ飼育」のプロジェクトを紹介。いずれもビキン川流域の自然保護を第一に、先住民族がタイガの恵みを受けながら暮らしていくことを念頭においたもので、これからの自然保護活動の先進的なモデルになるだろう。

 神奈川県連でもハバロフスク旅行を毎年行っているだけに、今後はこうした団体との知恵も借りながら新しい可能性を探ってみてはどうだろうか。

(滝沢/写真提供:タイガの森フォーラム)

かわいいロシア

近くで見つけたかわいいロシア

 大型スーパー内の雑貨店で見つけた陶器製の小物入れです。他に二種類あります。つやつやした手触りでかわいい。

(前田)


ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!

 字数は読み物なら400字~800字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内で。この神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」に関するご意見やご感想なども歓迎します。月末締切。投稿は郵便・FAX・Eメールのいずれかでお願いします。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

歴史・社会

許せない歴史の偽造 ~自由社、育鵬社の歴史教科書~
ロシア革命について(4)

 ソ連崩壊後明らかになったように、レーニンの目指した労働者・農民・知識層のための社会主義、共産主義社会の建設は、彼がテロリストの凶弾に倒れた後、後継者スターリンの社会主義からの逸脱・個人崇拝と帝政時代の内務官僚の支配機構への復帰などによって、ニセ「社会主義」、「帝政型ソヴィエト」の建設に変質してゆきました。二つの路線の間では長期に亘って激しい権力闘争、「粛清」などが行われました。スターリンはこの闘争に勝利しましたが絶対王政のような古い形式・内容のソ連は民衆の不満によって1991年、結局資本主義ロシアに変貌しました。

 10月革命は労働者・農民など被抑圧階級(大多数の国民)が地主、資本家など抑圧階級(少数の富豪たち)から政治権力を奪い取る革命でした。これは、ロシア国内はもとより、世界中の資本家、地主たちを震え上がらせました。こうした政権が成功すれば世界資本主義は終焉に向かいます。

 日本や西欧の資本主義諸国は、この政権を潰す為ロシア国内の反革命勢力を強力に支援し、また、シベリアに大規模な干渉軍を送ったのです。

 これは極めて乱暴な内政干渉でした。育鵬社版は「わが国も1918(大正7)アメリカなどとともにシベリア出兵を行い、共産系軍と戦いましたが成果がないまま撤退しました。」とだけ記し、日本は兵力7万3千人(総数)、約9億円(当時)という断トツの兵員・戦費を投入、約5千人の死者を出し敗退したことを隠しています。ロシア側の損害は死傷者8万人、6億ルーブル以上の被害と言われています。(正確な死傷者数は未だに不明です。)

 両社の教科書はこうしたことには全く触れず、あたかもスターリン独裁のニセ「社会主義」が本物の社会主義であるかのように描き社会主義に対する一般国民の恐怖心を煽り、不当な干渉戦争を正当化しています。

(柴田)