今月の表紙:ハバロフスクのサーカス

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2013年9月号 No.623

行事予定

ハバロフスク旅行事後交流会

 8月のハバロフスク旅行に参加された方、お疲れ様でした。写真やビデオを見ながら旅の思い出を語り合いましょう。

【日時】9月23日(月・祝)14:00~16:00
【会場】横浜平和と労働会館5階
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

よこはま国際フェスタ2013

【内容】国際協力・国際交流・在住外国人支援・多文化共生に関わる団体の活動紹介・物品・食品販売。当協会もロシア料理・食品販売で参加予定です。準備・販売等のボランティアも募集中!

【日程】10月19日(土)、10月20日(日)
【場所】象の鼻パーク(みなとみらい線日本大通り駅より徒歩5分)
【主催】よこはま国際フェスタ2013プロジェクト

国際フェスタ ボランティア募集!

【日程・内容】
◆10月18日(金):食材買い出し・ロシア料理の調理
◆10月19日(土)、10月20日(日):会場準備・調理・販売・撤収
※いずれか1日のみの参加でも可

【お問い合わせ・お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

映画「きけ、わだつみの声」(1950年)上映会

「きけ、わだつみの声」上映会
 8月に引き続き、珠玉の反戦映画と評された「きけ、わだつみの声」(関川秀雄監督・1950年)の上映会を行います。
 本作出演者中の数少ない生存者で、日本ユーラシア協会常任理事・演出家の河崎保氏から貴重なお話を伺い、その後映画を鑑賞します。是非ご参加ください。

【日時】10月27日(日)14:00~16:30 映画出演者・河崎保氏のお話に続いて映画上映
【会場】横浜平和と労働会館3階会議室
【参加費】会員700円、一般1000円
【お申し込み締め切り】10月24日(水)
【定員】先着40名
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

キルギス交流会 11月開催!

「きけ、わだつみの声」上映会
 「天空の国」として知られる中央アジアの国・キルギスの大使一行やキルギス周辺出身の皆さんと交流してみませんか。
 キルギスに興味のある方はもちろん、まだあまり知らない方もこの機会に是非ご参加ください。詳細は追ってお知らせします。

【日時】11月23日(土)13:00~
【会場】本牧三之谷町内会館・三溪園
【内容】キルギス大使講演「キルギス大使から見た日本」(仮題)、グループディスカッション、三溪園散策、参加者交流
【参加費】会員1,500円、一般2,000円(予定。三溪園入場料、菓子・資料代含む)
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

その他の行事予定

【2013年】
●11/3(日) ロシア人墓地調査
●11/30(土) 会館まつり

【2014年】
●1/19(日) ヨールカ祭
●4/12(土), 4/13(日) 日本ユーラシア協会全国総会
※予定は変更される場合があります。

活動報告

第15回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

三年のブランク…

ハバロフスク

 2010年~2012年の丸三年間、仕事の都合で参加できなかったが、今年は参加ができた。三年間、参加していないとハバロフスクも変わるもの。今回は、いろいろなところで違いがあった。

 たとえば、私が企画提案した博物館めぐり。2009年の際には150ルーブル程度だった入館料金が何と400ルーブルになっていた。また、事前にネットで調べていたサーカスの料金もグンと跳ね上がっており、当日になってあわただしく徴収した。中には、持ち合わせがなく、ホテルに戻ってからクレジットカードで引き出す一コマも。

 やはり、毎年参加していないとこういうことになかなか対応できないということを知った。

ホームステイの中で…

ハバロフスク
 今回、ホームステイの中で大変うれしく感動したことがある。

 それは、ホストファミリーの夫のことである。ホームステイの醍醐味は何と言っても、手作りの家庭料理に舌鼓を打ちながらの楽しい会話である。もちろん、ウォッカの乾杯も欠かすことはできない。夫とともにウォッカの乾杯を重ねたが、何回目かの乾杯の時に満たしたグラスをテーブルに置き、夫はこう言った。「ヒロシマ、ナガサキ」。ホームステイの日は8月7日。前日が広島原爆投下の日。2日後は長崎原爆投下の日である。広島・長崎の死者の冥福を祈っての乾杯であった。

 旧ソ連時代のチェルノブイリ原発事故は有名だが、同時にセミパラチンスクの核実験も多くの悲劇を生んだ。核の悲劇をロシア国民も、日本国民もともに体験した。そのことを夫は言ったのである。

 核の悲劇を体験しながらも、政府も電力会社も再稼働に向けての議論に熱心である。草の根の友好を広め、国民の声で核廃絶を実現しなければいけないと感じた。

(文・関戸/写真・田中)

Eurasia Gallery ハバロフスク 2013年夏

ハバロフスク ハバロフスク
(左)ダーチャ (右)街角にて

ハバロフスク ハバロフスク
(左)図書館 (右)図書館の本

ハバロフスク ハバロフスク
(左)結婚式を挙げたカップル (右)ジナモ公園

(写真・田中)

8. 15を考える集い
映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」DVD上映会

 猛暑の8月18日(日)、「きけ、わだつみの声」(1995年版)の上映会を開催しました。お盆休みの最終日のためか、暑さのためか、参加者は5人でしたが、約2時間半の上映の後の座談会ではいろいろな話が出ました。

 関戸以外の4人の参加者は初めての鑑賞とのこと。「当時の人気スターを出演させたチャラチャラした映画と思っていたけれど、そうではなくて大変考えさせられる映画だった」「初めてみたけれど、重く大きなテーマを描写している」などの意見が出ました。また、日朝協会の小黒さんは、映画の中の朝鮮人慰安婦の件で「映画では金を払っていたけれども、実際には奴隷のように衣食住だけ与えられて無給だった。給料が出ても、軍票だから紙くずと同じだった」という貴重な意見も語ってくれました。

 映画の中では、フィリピンの農村を襲い、略奪・暴行・殺戮を行う日本軍の姿も描写されていました。武器を持たない農民を(女性も老人も子供も)機関銃で皆殺しにして、「こいつら、フィリピンからアメリカを追い出してやったのに、日本軍に感謝しない」という上官のシーンには言葉がありませんでした。

 私たちユーラシア協会は友好運動をしています。世界中がみんな友達同士になれば、戦争などは起こりません。誰も友達に銃を向けるなどということはしないのですから。けれども、物心ついたときから「鬼畜米英」と叩き込まれたら、何も考えることなく敵だからということで平気で銃を向けることになるのです。この地球に生まれた人間同士、憎みあったり、殺しあったりすることは最大の悲劇です。二度とこのような悲劇を起こしてはいけないと思いを深くする上映会でした。

(関戸)

教室案内

横浜ロシア語教室 第119期生徒募集

 10月15日(火)より順次、ロシア語教室新学期を開講します。
 今期は土曜日夕方に初めて学ぶ方のための「入門」クラスを今井イリーナ先生の担当で開設します。
 他、初級・中級・上級・応用・会話クラスも生徒募集中。
 3クラス・各30分まで見学無料。時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細は教室ホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


補習サークル創設!「ロシア語寺子屋」

 欠席した授業の課題や日頃の授業・宿題・独習でわからない点の補習が受けられます!当教室講師のサポートつき。

 次回は9月29日(日)13:30~15:30に行います。当教室生徒限定、定員8名。開催日の5日前までにご予約の上、使用教材名をお知らせください。お申し込みは教室事務局まで。

会員無料! 初心者歓迎!第119期公開講座


第119期公開講座

◆「ロシア語入門体験」
9/21(土)11:00-12:00
◆「ロシアの吟遊詩人」
9/21(土)13:00-15:00
講師:今井イリーナ(2講座共)
※詳しくはリンク先ページをごらんください。

日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 7,8,9月に1名ずつ入学し、現在7名が火・水・木曜日に学習中です。夏休みも明けて少し涼しくなり、また勉強に集中できるといいですね。

 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。お申し込みは事務局まで。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2013年度前期予定(残り):9/21
後期予定:
(前半)10/5, 10/19, 11/2, 11/30, 12/14, 12/21
(後半)1/11, 1/25, 2/1, 2/15, 3/1, 3/15
生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2013年度前期予定:4/20, 5/18, 6/15, 7/13, 8/17, 9/21
後期予定:10/19, 11/16, 12/21, 1/18, 2/15, 3/15
◆アンサンブルクラス(90分) 13:00~14:30
◆グループレッスン 暫定Aクラス(90分)14:40~16:10、Bクラス 開講待ち
※Bクラスはあと1名のお申し込みで開講可能です。空席についてはお問い合わせください。
※Bクラス開講決定後のレッスン時間は下記の通りになります。
Aクラス 14:45~15:45 (満席)
Bクラス 15:55~16:55 (空席3)
入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円、グループレッスン3,000円×6回=18,000円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

第九に挑戦!マトリョミン体験レッスン

マトリョミン体験レッスン
 10月5日(土)、毎月1回土曜日に行っている「みなとみらいマトリョミン教室」新学期を前に、当教室アンサンブルクラスのミニコンサートと体験レッスンを行います。

 かわいいマトリョーシカにベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」を歌わせてみませんか?ぜひ、気軽にお試しください。10月からの教室への参加も大歓迎です!

 詳しくはチラシ画像をクリックしてごらんください。

組織・財政

組織状況

(2013年8月31日現在)
 7月26日以降 入会2名、退会5名。今年度年初会員数218名、今年度累計入会者数46名、退会者数27名、 8月末会員数237名(19名増)。

 年末までにロシア語能力検定試験、よこはま国際フェスタ、「きけ、わだつみの声」上映会、ロシア人墓地調査、キルギス大使との交流会、会館祭りなどの諸行事があります。これらの行事に際しては必ず入会申込書、機関紙見本、チラシなどを用意し入会の勧誘を行いましょう。会員は日本とユーラシア諸国民の相互理解、親善の絆です。政治の世界で近隣諸国との緊張が激化している今こそ、協会の真価が試されます。日本と世界の平和の為、日々の地道な努力を重ねましょう。

(柴田)

会費納入のお願い

 今月は会費請求月に当たりますので、2013年10月から2013年12月まで(ロシア語教室生徒は2014年3月まで)の請求書を該当の方に同封させていただきました。
 ご納入方法は請求書記載の通りです。郵便振替の場合は同封の振替用紙をご利用ください。
 会員の種類が変更になった場合は、会費も変わりますので、こちらの会費一覧表をご覧の上、新しく当てはまる会員の種類を事務局にお申し出ください。改めて金額をお知らせします。
 また、協会を退会される場合はその旨を事務局にご連絡の上、会費未納分がある方は速やかにご納入ください。
 ロシア語教室を退学される場合、協会も自動退会にはなりません。協会も同時に退会される場合はお申し出ください。
 会費のご納入や退会のお申し出と請求書送付が入れ違いになりました場合は何卒ご容赦ください。
 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

(事務局)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2013/8/31
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,159,2094,499,576
教育事業5,178,1002,752,290
一般事業2,309,1652,262,350
当期剰余金 -867,742
合 計8,646,4748,646,474
前年同期(単位:円)2012/8/31
摘 要収 入支 出
一般会計1,253,4194,660,527
教育事業4,489,8802,648,863
一般事業3,304,3662,449,792
当期剰余金 -711,517
合 計9,047,6659,047,665

 前年度に比べ収入総額、当期剰余金とも後退しています。ゆるがせにできない事態です。
 9~12月の期間に奮闘して、この後退を前進に変化させねばなりません。119期ロシア語教室の成功がそのカギを握っています。ここに全力を注ぎましょう。

貸借対照表 (2013/8/31)
科 目本年8月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産4,307,9283,841,731466,197
固定資産1,884,7751,884,7750
資産合計6,192,7035,726,506466,197
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産6,192,7035,726,506466,197

(柴田)


文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10
 平年より早く秋風が吹いているロシアから、8月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中2曲が初登場、2曲がカムバック!

 9位に欧州音楽祭典ユーロヴィジョンで5位入賞の実績を持つ、ベラルーシ出身の青い瞳コルドゥンのНе грустиがランクイン。8位に、リューベとリュドミーラのデュエットДолгоが3ヶ月ぶり返り咲きです。6位に、7月初旬にリリースしたばかりのバスコフの新譜Не было бы печалиがランクイン。今年5月にモスクワで行なわれた第3回RUTVロシア音楽の祭典で、キルコーロフ、レプス、メラーゼなどの恐ろしい競合を抑えて、見事最優秀アーティストに輝きました。3位に、セレブロМало тебяが2ヶ月ぶり返り咲きです。

 第1位に輝いたのは、ヴィンターシュЗнак Водолея。強敵歌姫ニューシャを10位に落として首位奪取。おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、7月8~14日/MOPA)

映画・演劇

カタルシツ公演「地下室の手記」

地下室の手記
7月31日 於:赤坂レッドシアター

原作:ドストエフスキー
脚本・演出:前川知大
出演:安井順平、小野ゆり子
撮影:田中亜紀

 人気劇団「イキウメ」の別プロジェクト、「カタルシツ」。「語る室」と書くようだが、今回の演目を見るとカタルシスの意味もあるように思える。ドストエフスキーの「地下室の手記」をベースに、帝政ロシアを現代日本に移行させ、主人公をニートの独身中年男性へと転換。

 その男は40歳にして彼女なし、母親の死後仕事もせずにひきこもる。学生時代からいじめられ仕事でも蔑まれた彼は、「これでも40歳までは努力してきたのだ」と語る。他人とうまく関われない彼は社会に復讐をとげるため、ニコニコ動画を使った罵詈雑言のストリーミング生放送を思いつく。怒涛の自己憐憫と社会憎悪の発端となったエピソードは、どれも私たちの身近に起こりそうなものばかり。しばらくしてニコニコ動画の視聴者が発するコメントが、流れるように彼の背後に映し出される。回想の中で、彼は高校のクラスメートを見返そうと試みるが失敗し、やけくそで足を踏み入れた風俗店でソープ嬢に恋をする。風俗から足を洗いたい彼女は、まじめそうな彼の家に押しかけ助けを求めるが、ヤクザとの対決に尻込みした彼はあっさり彼女を捨ててしまう。

 ダメ男の遠吠えと冷徹な視聴者のコメントがなんとも珍妙。幾度も爆笑が会場を包んだ。言いたいことをぶちまけることによって得られるはずだったカタルシスが、やがてニコニコのコメントに飲み込まれる。「地下室の手記」を現代日本に移し替えるという着想が、こんなにもしっくりするとは、世の中が帝政ロシアの時代に逆行しているようでこちらも冷笑してしまった。

(滝沢)

映画評「オーガスト・ウォーズ」

オーガスト・ウォーズ
渋谷TOEI、横浜ブルク13ほか

 2008年8月8日に始まったグルジアの南オセチア侵攻をベースにしたとされるこの映画、配給元では「巨大ロボット戦争」のような宣伝がされているが、これはヒロインの息子の空想上のキャラクターであり、SF映画と喧伝されるのは間違いだ。

 バツイチのクセーニャは元夫の頼みで一人息子チョーマを夫の故郷、南オセチアの農村に送り出した。その間、自分は新しい恋人とソチへ旅行しようと画策したのだが、国境地帯で侵攻事件とのニュースが。ソチ旅行をドタキャンして南オセチアに向かうクセーニャ。すでに戦闘が開始され、彼女を乗せたバスが襲われる。九死に一生を得たクセーニャは、ジャーナリストを装いロシア平和維持軍と共に戦線を突破する。一方、息子のチョーマ。祖父母と父が目前で砲撃を受け死亡し、自らも頭を負傷する。時々送られてくる母クセーニャからのショートメールを見ながら助けを待つが、出血がひどくなるにつれ母の姿が空想上のロボットへと変わっていく。

オーガスト・ウォーズ
 「世界で一番危険な5キロ」を、敵方のジープを奪って逃走するクセーニャの強さは圧巻。戦闘シーンも着弾の音なども非常にリアルで、美しいコーカサスの景観との対比が際立つ。

 過去ロシアでは、第1次チェチェン戦争時、戦地へ派兵される息子を守るため母親が行動を起こすなど、女性の並外れた行動力が当時のロシア政府を動かした。この映画ではロシアVSグルジア戦争においてロシア側の正当性が主張されている。ロシアの正義が息子を守る母親の必死の行動と、祖国と老母を守るロシア兵士ならば、コーカサスの正義とはいったい何なのか。そんな立ち返りも求めたい内容だった。

(滝沢)

催し物情報

もう一度スクリーンで観たい秋の洋画名作集

「ドクトル・ジバゴ」(1965、デヴィッド・リーン監督作品)
とき:9月14日(土)13:15、15日(日)11:00、16日(月・祝)16:00、17日(火)14:15、18日(水)12:00、19日(木)14:15、20日(金)19:00
ところ:神保町シアター(地下鉄神保町A7出口徒歩3分)
料金:一般1200円、シニア1000円、学生800円
問合せ:03-5281-5132

エカテリーナ コンサート 音楽は心ひとつに

出演:エカテリーナ(歌手・ピアニスト)、大貫祐一郎(ピアノ)、梅垣達志(ギター)、須田俊子(筝)、クリコ・マキシム(バラライカ)、島敏光(司会)
とき:10月16日(水)18:00開場、18:30開演
ところ:ヤマハホール7F(東京都中央区銀座7-9-14、銀座駅A3出口より徒歩4分、新橋駅より徒歩7分)
料金:4,500円(全席自由)
ご予約・お問合せ:チケットぴあ0570-02-9999 Pコード208-861
企画:エカテリーナ事務所

ロシア民謡歌声喫茶(第10回)

主催:アストライアの会/共催:au bon cafe/協力:日本ユーラシア協会、ミンスクの台所
ゲスト:ロシア民族アンサンブルGARMOSHKA(ガルモーシカ)
とき:9月22日(日)14:00~17:00
ところ:豊島区立勤労福祉会館第七会議室(池袋駅西口より消防署先、徒歩約10分)
費用:2,000円(お茶代込み)
連絡先:049-258-3218(松原さん)
備考:ロシア語で歌ってほしい曲、日本語で歌いたい曲の事前申し込み受付中

マトリョミンデュオ・H.P.Liddell  マトリョミンの小さな演奏会Vol.7

日時:9月22日(日) 19:00~
場所:名曲喫茶ヴィオロン(阿佐ヶ谷駅より徒歩5分)
チャージ:¥1,000(コーヒー付き)
静かな夜にマトリョミンと手回しオルゴールのしらべを楽しんでみませんか。
お問い合わせ:helen.liddell71@gmail.com  檜垣

ホーメイの夕べ トゥバ共和国の超人的な倍音喉歌

出演:ホーメイグループ「ユジュム」、巻上公一 (日本トゥバホーメイ協会代表)
9月18日(水)19:00 開場 19:30開演
会場:横浜みなとみらいホール小ホール
料金:全席自由 3,000円
お問い合わせ:横浜みなとみらいホールチケットセンター 045-682-2000

♪会員プレゼント♪
ボリショイ劇場ソリスト 魅惑のトランペットコンサート
ペア先着10組20名様をご招待!

アンドレイ・イコフ
 9月27日(金)、関内ホールでボリショイ劇場ソリスト、アンドレイ・イコフのトランペットと歌曲のアンサンブルによる多彩なコンサートが開かれます。
 日頃の感謝を込めて、会員の皆様に本公演チケットをペア先着10組20名様にプレゼント!是非ご応募ください!

【お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp
※お申し込みの際は氏名(関係会員名)と連絡先電話番号をお知らせください。
【応募受付開始】9月17日(火)
【応募資格】神奈川県日本ユーラシア協会会員(家族・友人も可)・教室関係者で、チケットを神奈川県日本ユーラシア協会事務所(桜木町駅徒歩5分)に直接受け取りに来られる方。(受け取りは代理の方でも可)

♪コンサート情報♪
出演:アンドレイ・イコフ(Tp),V・パンチェンコ(Mz),&中村愛(Hp)
プログラム:ヴェルディ(J=B・アーバン編曲)≪運命の力≫より幻想曲 (イコフ)/チャイコフスキー バレエ白鳥の湖より「ナポリの踊り」 (イコフ)/ルビンシュテイン(プーシキン作詞)「夜」op44 - 1a(パンチェンコ)/グリエール 即興曲 (中村愛)ほか
日時:9月27日(金)19:00開演
会場:関内ホール(JR・市営地下鉄・MM線関内駅より徒歩)
入場料:全席指定 2,500円
主催・問合せ:サウンドポート045-243-9999、ロシア文化フェスティバル組織委員会03-5919-1051
チケット購入【関内ホールチケットカウンター】045-662-8411

ユーラシア通信

冒険家・渡辺大剛さんの死を悼んで(2)事故の経緯

 年の瀬に突然入った冒険家・渡辺大剛さんのムルマンスク州での事故死。日本では全国区で速報されましたが情報が少なく、起きたのが厳寒期で実況見分が困難なため、様々な憶測が飛び交いました。

 極夜と吹雪ばかりの日々。26日早朝、薄闇の中、宿泊地点から出発。テント、防寒具、自転車等の重み(推定合計20kg位)に耐えながら少しずつ扱ぎ進んでいました。

 朝10時頃、渡辺さんの後方車は、渡辺さんが着用していた反射安全ベストの2本線とペダルの反射板に気づき、迂回しました。しかしその後々方車は後方車の行為に何も予知せず突進し、渡辺さんの自転車に追突しました。その後々方車を運転していたのが、カンダラクシャ市の南、ゼレノボルスキー町に住む元同町長で、現在実業家のボリス・ロジャンスキー容疑者です。

 渡辺さんは投げ出され地面に全身を強打し、背骨と両足を骨折。容疑者はすぐに車を降り、近くを走行している車に助けを求めましたが、救急車が到着した頃には渡辺さんは息を引き取っていました。(※日本のネット上では「ひき逃げ」とか「当て逃げ」とかいう情報もありますが、違います。)

 一方終着点では、日本の有名な冒険家の到来をムルマンスク市民皆心待ちにしていました。しかし2週間後に急逝。地元の自転車愛好家有志らはこの遠隔地からの同胞の死を特に悼み、慰霊碑設置をすぐ発起しました。この有志から、設置に際しご遺族の了承が取るよう依頼を受けました。

 日本大使館領事部から連絡先を戴き電話。告別式後1週間しか経っていない家庭から、まだ身内の死を受け入れられない、何とも言い表せない虚無感を感じました。ですが、こちらの提案に感謝し了承してくれ、慰霊碑設置へ向け本格的に始動しました。

(MOPA)

スポーツ記事執筆ボランティア募集中

 体操、新体操、フィギュアスケート等々のスポーツ記事を書いてくれる方を募集します。
 全くのボランティアですが、興味のある方は下記までお問い合わせください。
 eurasia-sports@hotmail.co.jp

(担当・森)
新体操  体操

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

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ロシア学校用ノート
ロシアの学校で使われている昔ながらのノート。
薄い緑色の表紙に科目、クラス、学校名、名前を書く欄があります。
中は方眼、端から数センチの所にピンクの縦線。
205×165mm。ロシア製。
※協会事務所でのみ販売中

歴史・社会

日露領土問題の歴史(6)

 1635年(寛永11年)には松前藩士がサハリン島(樺太)に上陸。

 1633年から1639年(寛永15年)まで幕府は5次に亘って鎖国令を発し、封建支配の妨げになると考えられたキリスト教の禁止を徹底させ,また、西日本の大名が貿易によって勢力を強めることを防いで,幕府が貿易の利益を独占しようとした。

 鎖国は、外交・貿易の権限を徳川幕府が制限・管理した政策である。鎖国の下、外国に向けてあけられた4つの窓口(長崎、対馬、薩摩、蝦夷)を四口などと呼んだ。海外との交流・貿易を制限する政策は江戸時代の日本だけではなく、同時代の東北アジア諸国でも同様な「海禁政策」が採られていた。

 1639年、モスタヴィチン(露)、オホーツクに到達。

 1669年(寛文9年)シブチャリ(染退、現、静内町)の総首長シャクシャインが北海道全島のアイヌを結集し、松前氏に反抗したが、鎮圧された*。

 1550年代にはシャモ(和人)は蝦夷が島(北海道)南部の小部分、松前半島の和人地を占めるに過ぎなかったが、その後徐々に蝦夷地(アイヌ居住地)を侵略し勢力範囲を拡大していった。松前藩は和人地と蝦夷地を分離して、シャモとアイヌの混住を禁止し、蝦夷地への移住を拒否したアイヌ人は強制的に和人とし、百姓化(改氏改名)した。

 1643年3月~12月 オランダの航海家M. G.デ フリース、東インド総督の命令をうけて1643年、第 2 回太平洋探検隊の司令官としてカストリクム号に乗船、日本の東岸を北航して、サハリン(樺太) 東岸のテルペニエ (知床)岬の北、北緯 48度54分に到達した。この間、択捉 (エトロフ) 島と得撫(ウルップ)島を発見して、それぞれをスターテン・ラントとコンパニース・ラントと命名し、サハリンと千島のアイヌとも接触。帰路の8月16日~9月1日、北海道の厚岸(あっけし) で船を修理したが、そのさい松前藩の蝦夷交易船上乗役小山五郎兵衛の船体調べを受けている。この航海はヨーロッパ人による日本北辺調査の最初にあたり、フリースは奥羽北岸からサハリン南東岸にかけての実測地図をのこした。

 蝦夷と樺太は接続している。国後は蝦夷と一体で,択捉島(ステートランド)、択捉水道(フリース海峡)、右方に大きなウルップ島(コンパニーズランド)が見える。

 1644年幕府、「正保御国絵図」を作成。
 松前藩提出の国絵図に基づいて作成され、北方には北海道のほか樺太・千島と思われる島々も記載されている。

 千島と思われる島々は、北海道東部に固まった小島として描かれていて、それぞれに名前が付けられている。クナシリ・エトロフの名前も見られるが、キリタップ、カムチャツカと思われる名前も見られる。島の大きさや位置関係はほとんどでたらめで、この地図が、交易相手のアイヌの伝聞からまとめたものである事は明らかである。

(次号に続く/柴田 順吉)