今月の表紙:紅葉を見ながら大使と語ろう!キルギス大使交流会@三溪園

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2013年12月号 No.626

行事予定

ロシアの新年とクリスマスを祝う「ヨールカ祭 2014」1月開催

ヨールカ祭2014

 毎年恒例のロシア風新年会「ヨールカ祭」、来年は1月19日に横浜市従会館で行います。
 ロシア版サンタクロース「ジェッドマロース」、その孫の雪娘「スニェグーロチカ」が子供達へプレゼント。出し物は劇、合唱、マトリョミン、琉球三線、ドムラ弾き語り、オーボエ&ヴィオラデュオ、ピアノ演奏など多彩です。ロシア・ユーラシア料理の会食もお楽しみに。ロシア物産販売、日露文化体験コーナー、ビンゴゲームなども予定しています。
 会員、教室生徒、ユーラシア諸国出身の皆さんに親睦を深めて楽しむ最大の機会です。ご家族やお友達と誘い合わせて、ぜひご参加ください!

【日時】2014年1月19日(日)12:30開場 13:00開始
【会場】横浜市従会館4階ホール
【参加費】一般2,500円、会員・「ユーラシア」(旧ソ連)諸国出身者・高校生2,000円、小中学生1,000円、未就学児童無料
【お申し込み・お問い合わせ先】
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp


ヨールカ祭ボランティアスタッフ募集中!

 ヨールカ祭の成功にはボランティアスタッフの奮闘も欠かせません。前日からの調理準備や各種運営係も大歓迎!
 いずれもボランティアになりますが、ぜひご協力をお願いします。いずれか一日のみでも構いません。ご希望の方は事務局までお申し出ください。実行委員会へのご出席も歓迎します。
【内容】
1月18日(土):ロシア料理(ボルシチ、外套を着たニシン、ペリメニ、サラダ、シャシリク=予定)の調理、物品・運搬準備。時間は追ってお知らせします。
1月19日(日):運搬、会場設営・展示、受付・案内、料理提供、物販、文化体験コーナー各係員

新たな企画「アナザーウェイ―D機関情報―」ミニ上映会 12/23開催

 6月23日(日)に「沖縄決戦」、8月18日(日)に「きけ、わだつみの声」(95年版)、10月27日(日)に「きけ、わだつみの声」(50年版)の上映を行いました。毎回参加してくれた日朝協会の小黒事務局長から、「ユーラシア協会さんの上映会はいいね。こういう戦争と平和について考える映画をこれからも上映してください」という声がありました。
 そこで、今後もそのような上映会を企画していこうということが11月の理事会で決定されました。
 その第一回は12月23日(月・祝)に行います。上映作品は「アナザーウェイ ―D機関情報―」(1988年製作)です。

 第二次世界大戦末期、日本国内では「本土決戦」「一億玉砕」などという狂気の沙汰でした。しかし、中立国スイスに駐在武官として赴任していたある海軍中佐は冷静に事態を見つめました。「このままでは破滅する。何とか、その前に和平の道を開こう」と、たった一人の終戦工作を行おうとしました。実在の人物と事実を下敷きにした作品です。その海軍中佐を役所広司が演じています。役所広司はこの作品が初の主演でした。ぜひ、ご参加ください。

【日時】 2013年12月23日(月・祝)13:00~
【会場】 横浜平和と労働会館5階
【お茶代】 100円(黒パンつき)
【お申し込み・お問い合わせ先】
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

その他の行事予定

【2014年】
●2/23(日) NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会定期総会
●4/12(土), 4/13(日) 日本ユーラシア協会全国総会

冬休みのお知らせ

2013年12月28日(土)~2014年1月5日(日)
当協会の冬季時短営業・休業の予定は以下の通りです。
●2013年12月24日(火)~27日(金) 時短営業 12:00~15:00
●2013年12月28日(土)~2014年1月5日(日) 完全休業
●2014年1月6日(月)~ 通常営業
事務局にご用の方はご注意ください。
休業中にいただいた各種お問い合わせ・お申し込みへの返信、ご注文への対応は休み明けに順次行います。
ご不便をおかけしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

活動報告

紅葉を見ながら大使と語ろう!
11月23日(土・祝)キルギス大使交流会@横浜三溪園

キルギス大使交流会
 「大使が実は先輩だった!」ということが発覚して企画したこのイベントですが、ついに11月23日(土)に実現に至りました。当日はぴかぴかの晴天。天候にも恵まれ、キルギス大使、リスベク・モロドガジエフ閣下を初めとした大使館の方々、大勢の参加者とスタッフ、美しい自然に囲まれ、とても素敵な一日となりました。

 キルギスの方々は日本語がしゃべれるの?と心配されていた方も多かったのですが、なんと大使は日本語がぺらぺら。それどころか、誰がキルギス大使館の人か、日本人か分からないくらい、顔もとてもそっくり。大使の講演によると、キルギス人と日本人はもともと同じ人種で、「魚が好きな人は日本に、肉が好きな人はキルギスに移り住んだ」そうです。キルギス語も文法が90%日本語に似ていたり、政治体制が日本と同じ議会制をとっていたり、共通点はとても多いようでした。

キルギス大使交流会

 講演の後はキルギスのお菓子を囲んでグループディスカッションを行いました。キルギス大使館の方々による素晴らしいおもてなしで、揚げパン(ボルソク)とチャクチャクをご用意いただきました。私は揚げパンがとても気に入り、はちみつをつけて食べるのがとてもおいしく、何個もいただいてしまいました。材料をキルギスから取り寄せて作っていただいたようです。各班ではキルギスの音楽について、言語、文化などについて皆で語り、大変盛り上がりました。「バイカル湖は実はキルギス人が名づけた」ということも教わりました。

キルギス大使交流会

 後半は、三溪園にて自然を楽しみながら大使と共に散策をしました。天気も良く、すがすがしく、紅葉が実に見事でした。ガイドの中島さんにご案内をいただきながら、参加者で和気あいあいと散策しました。大使と大使の奥様、お嬢様は三溪園に初めていらしたそうですが、横浜なのに京都みたいだとびっくりされていました。横浜というとみなとみらいのイメージが強く、新しい街だと思っていましたが、こんなに素敵なところがあるなんて…と感動された様子でした。キルギスからお客様が見えたときに、ぜひ案内したいともおっしゃっていただき、私たちとしてもとても嬉しい思いでした。

 おいしいお菓子、美しい自然に囲まれて、とても気さくで優しいキルギス大使館の方とお話しできて、楽しく有意義な一日になったと思います。参加者の方々にも、楽しかったと言っていただいただけでなく、キルギスに行ってみたい、とキルギスに関心を持っていただくこともできました。このような企画をぜひ今後も続けていきたいですし、キルギス大使、大使館の方々とも親睦を深めていきたいと思います。

(髙橋)

横浜外国人墓地 ロシア人墓碑調査

2013年11月3日(日)

水漬くかばね、草むすかばね

横浜外国人墓地 ロシア人墓碑調査

 11月3日(日)は三連休の中日。人数は少なかったのですが、墓地調査を行いました。スタッフは田中さんと関戸。参加者は4人でした。

 今回は、沢田和彦埼玉大学教授から指摘されていた、不明の墓を見つけるための調査でした。6人いたので、3人ずつの2グループに分かれて調査を開始。その中の一コマです。関戸は伊藤さん・萩野さんと一緒に調査しました。その際、墓地の一角の藪の中にいくつかの墓石が埋もれるように存在しているのを発見しました。横浜外人墓地は関東大震災のため、かなりの墓石が倒壊しました。その墓石は数百にものぼり、放置されたり防空壕のような穴に放り込まれたりしました。また、墓地も斜面の部分は崩落しました。そのため、半分ほど埋まっていたのです。

 伊藤さん・萩野さんは藪をかき分け、雑草を取り除き墓石を丁寧に調べてくれました。お二人とも「軍手がないとだめですね」「のこぎりやなたがないとこれは取れませんね」といいつつ、一生懸命取り除いてくれました。伊藤さんがこう言われました。「私の父はレイテ海戦で死にました。乗っていた『千代田』という軍艦が沈められて全員戦死でした。海の底ですから遺骨も戻りません。戦死公報が来ただけでした。こんな荒れ果てたお墓を見ると、遺骨も戻らない父と同じように、切ない気持ちになります」と目に涙をためて話をしてくれました。

 その話を聞いたとたん、関戸は冒頭の言葉を連想したのです。関戸は大学で国文学を専攻し、卒業論文は万葉集でした。大伴家持を調べていた際、「海行かば」の作者であることを知りました。「水漬くかばね」は伊藤さんのお父様であり、「草むすかばね」は目の前の墓であることを思いました。

 望郷の念にかられながらも、この横浜が終焉の地となった人たちが多くいるのです。このことを知った私たちがこの墓地に眠る人たちを見守っていく必要があるのではないでしょうか。伊藤さん・萩野さんともに、「次回は、軍手とのこぎりとなたを持って来ましょう」といっておられました。次回は、管理事務所にも相談し、墓地の整理もしたいものです。

(初期の目的である不明の墓は田中さんのグループが発見しました。大収穫です。)

(文・関戸/写真・萩野)


ついに発見!所在不明だった墓

横浜外国人墓地 ロシア人墓碑調査

 11月3日に行われたロシア人墓地で、2チームのうちもう一方のチームの報告です。

 今回の調査の第1の目的は、ここに埋葬されているはずであるが、まだ見つかっていないロシア人(実際にはアルメニア人)のイワン・サゴヤンとその妻ツル・サゴヤン(日本人と思われる)の墓を発見することでした。

 私たちのチーム3名は、墓地の下のほうから捜索しました。既に調査済みの場所は避け、またロシア正教の十字架も避けました。小さな 十字架だけで名前のプレートしかない墓も含めて、しらみつぶしに調べましたが、なかなか発見できません。

 そのうち他の地図で6番という区域に、まだ調査していないのではと思われるロシア正教の墓の一群を見かけました。早速調べましたが、サゴヤンの墓はありませんでした。

 ところが一群の墨の隣にあった非ロシア正教の墓のイタリックの文字を何気なく読んでみると、それがなんとサゴヤンと書かれていたのです。(写真上)

 正確にはIVAN SAGOYANと妻のTSURU SAGOYANです。

 二人はともに1888年に生まれ、イワンは1952年に、ツルは1962年に東京で死去しています。

 これまでの調査では、ロシア正教の十字架とキリル文字のみを注目していたために、発見できなかったのです。

 こうなると、非ロシア正教のロシア人が、他にもまだ埋葬されている可能性が出てきたので、別の角度で調査する必要があります。

(田中)

会館まつり報告

 11月30日(土)は横浜平和と労働会館の年に一回の会館まつり。昨年は開催されなかったので2年ぶりの祭りでした。ところが、今回は会館まつり四半世紀の歴史の中で、最も来場者の少ない祭りとなりました。

 県連としては、1Fの事務所前にサモワールを据えて、黒パンつきの紅茶の売店を出しました。いつもなら、開会の時にはどのフロアも人がたくさんいるのに今回は寂しい限り。一般の来場者がほとんどいなくて、内輪の集まりかスタッフばかり。

 11時~17時の開催中、売れた紅茶は21杯。もっと売れると思っていたのですが…。せっかく用意した黒パンもかなり残りました。残った黒パンはその後の理事会でつまんだので無駄にはなりませんでしたが、それにしても残念。

 反省会では「ユーラシアさん、いつも2Fで出し物やるのに今年はどうしたの?」「今年は歌も演奏もなかったねえ」との声も。次回は物産もコンサートも出るようにしましょう。

(関戸)

教室案内

横浜ロシア語教室 第119期生徒募集

 開講から2か月、今期からロシア語学習を始めた方も少し慣れてきた頃でしょうか。初級から中級にステップアップして難しさを実感している方も、是非頑張って続けてください。
 火曜初級I、木曜実践会話、土曜中級III、入門、初級Iは満席ですが、その他のクラスは引き続き生徒募集中です。
 3クラス・各30分まで見学無料。時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細は教室ホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


オンラインロシア語講座「話してみよう!旅のロシア語」近日公開!ソチ編も予定

 当協会ロシア語講師の須藤サーシャ先生と会員有志が出演、大山麻稀子先生が脚本・演出、田中豊造理事長が撮影・編集を担当したオンラインロシア語講座が近日公開されます。

 ロシア旅行に役立つフレーズが盛り込まれたスキットで楽しく学びましょう。来年のソチオリンピック観戦旅行に役立ちそうな続編も撮影中です。

 授業の動画視聴は有料ですが、気軽に受講できる料金設定になる予定です。
 「NetYouLand」「ニコニコチャンネル」にて近日公開。視聴方法とURLは決定次第、協会・教室関連サイトにてお知らせします。
 乞うご期待!!

「ロシア語寺子屋」補習授業

 12月22日(日)13:30~15:30を予定しています。参加ご希望の方はお申し込みの際に氏名、クラス、使用教材名、補習希望範囲を12月17日(火)までに事務局へお知らせください。
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: yokohama-rosiago@hotmail.co.jp

日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 生徒の一時帰国や休学が相次ぎ、定期的に授業を受けているのは1~2名。火曜と木曜の受講希望者歓迎します。
 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。お申し込みは事務局まで。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2013年度後期予定:
(前半)10/5, 10/19, 11/2, 11/30, 12/14, 12/21
(後半)1/11, 1/25, 2/1, 2/15, 3/1, 3/15
生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円

発表会に向けて練習中

「バラライカ」「ドムラ」教室発表会
 2014年5月、北川翔先生門下生の合同発表会が行われます。当教室のドムラ生徒も会に向けて練習中です。
 現在の教室生徒数はドムラの個人レッスンが2名のみです。夕方5時のドムラ初級、6時のバラライカ初級クラスは生徒募集中です。見学も可能ですのでぜひお問い合わせください。


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2013年度後期予定:10/19, 11/16, 12/21, 1/18, 2/15, 3/15
◆アンサンブルクラス(90分)
13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
Aクラス 14:45~15:45 (空席1)
Bクラス 15:55~16:55 (空席3)
入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円、グループレッスン3,000円×6回=18,000円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

組織・財政

組織状況

(2013年11月30日現在)

 会員動向 11月1日~11月30日 入会5名、退会1名、休会1名。
 今年度年初会員数218名、今年度累計入会者数61名、退会者数37名(休会1名)。
 実増25名、11月末会員数(243名)。会員拡大の目標実増8名は大幅に超過達成されました。

(柴田)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2013/11/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,710,6225,966,957
教育事業8,549,5853,570,700
一般事業2,849,0352,523,030
当期剰余金 1,048,555
合 計13,109,24213,109,242
前年同期(単位:円)2012/11/30
摘 要収 入支 出
一般会計1,829,4716,455,597
教育事業7,524,6063,590,963
一般事業4,186,1422,941,929
当期剰余金 551,730
合 計13,540,21913,540,219

貸借対照表 (2013/11/30)
科 目本年11月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産6,224,2255,104,9781,119,247
固定資産1,884,7751,884,7750
資産合計8,109,0006,989,7531,119,247
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産8,109,0006,989,7531,119,247

 財政は本年度も現時点で無借金、健全経営。今期剰余金1,048,555円を確保しています。前年度比で事業収入が大幅に落ち込んでいるのが残念ですが、教育事業の前進でこれを補っています。全体的に見て立派な成績です。11月末の総収入目標1,448万円には137万円ほど及びませんが、総支出も1,448万円に対して1,310万円と138万円下回っていますので良くバランスが取れています。

(柴田)


お勧め商品

ソチ五輪ピンバッジ ロシア国旗 2,100円(税込)

ソチ五輪ピンバッジ
サイズ:2.7cm×2cm
材質:金属製
来年2月に迫るソチオリンピックを記念したロゴ入りピンバッジ。
「4」の形がhと対称になっていてロシア風の書き方に基づいているのが興味深いです。
※クロネコメール便発送可能。

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10
 クリスマスツリーが満を持して登場したロシアから、11月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中5曲が初登場、先月チャートインしていたエヴァ&ピッツァ&ブブリク&ヴィンターシュが一気に圏外!

 3位に、日本の露ポップス好きにはお馴染みヴィアグラのПеремирие。メラーゼ名義の新生ヴィアグラ誕生です。

 第1位に輝いたのは、露芸能界のスーパースター・ビラーンのМалыш。これまで首位にしがみ付いていたピッツァを大きく退け、堂々ガッチリGET。おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、11月18~24日/MOPA)

映画・演劇

現代劇センター真夏座 第125回公演「三人姉妹2014」

11月29日 於:文京シビックセンター

「三人姉妹」
 東京・文京区を拠点に40年以上にわたり活動している真夏座の定期公演。今回は、劇団を率いる池田一臣による、「三人姉妹」を大胆に翻案した作品である。

 舞台は、3.11後の北海道。宗谷郡にある架空の村、夢野村。10年以上前に2基の原発が造られた。東日本大震災後、原発は稼働を停止しているが、再稼働が検討されているという設定だ。三人姉妹(織江=オリガ、茉莉=マーシャ、七奈=イリーナ)は、原発建設に尽力した父とともに、東京・目白からこの村に移り住んだ。東京を懐かしく思いながら、織江は独身のピアノ教師として多忙に過ごし、茉莉は倦怠期を迎えた主婦、七奈は二十歳を迎えたばかりの大学生として暮らしている。そこへ新しい原発の所長・東郷(ヴェルニーシン)がやってきて、茉莉は彼と恋に落ちる。また、原発再稼働の欺瞞を暴く新聞記者・大谷(トゥーゼンバッハ)は七奈に好意をよせ、大谷にライバル意識を抱く原発職員・岩田(ソリョーヌィ)と対峙している。学者をめざす長男・太郎(アンドレイ)は、地元の娘・信子(ナターシャ)と結婚し、信子はしだいに家庭内での実権をほしいままにしていく。

「三人姉妹」
 太郎の借金や町の大火事の場面も「三人姉妹」そのままだが、結末は全く違う。原発再稼働に反対した東郷は罷免され、茉莉は東郷の元へ駆け落ちする。大谷と岩田の決闘はなく、七奈は大谷と結婚、太郎夫婦が「子供の教育のため」と称し目白に移り、織江は、北海道に残ることを決意する。非常に明るい希望をもって2014年1月を迎える点が原作とは違っている。

 現実には原発問題は決して明るい展望がない。そんな中「三人姉妹」に原発を絡めることはやや無理があるように思われる。しかし、オリジナルの「三人姉妹」を知っていると、翻案の大胆さとパロディ的な要素を楽しめる。

(文・滝沢/写真・劇団提供)

催し物情報

ニキータ・ミハルコフ監督作品「遥かなる勝利へ」(上映中)

『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』に続く三部作の完結編。
ところ:シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ
2014年冬には横浜シネマ・ジャック&ベティでも上映予定

ロマン・カチャーノフ没後20周年映画「こねこのミーシャ」

日本初公開の「こねこのミーシャ」「迷子のブヌーチカ」のほか、「レター」「ミトン」も同時上映。
とき:12月21日(土)~
ところ:ヒューマントラストシネマ渋谷 03-5468-5551
料金:1000円均一、親子割引=小学生以下同伴で、子ども1人あたり500円

クリスマス/アヴェマリア サンクトペテルブルグ室内合奏団

曲目:三大アヴェ・マリア、G線上のアリア、タイスの瞑想曲、パッヘルベルのカノンほか
とき:12月21日(土)15:00開演
ところ:横浜みなとみらいホール
料金:全席指定 4,500円、未就学児童入場不可

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団 第九

曲目:ベートーヴェン「レオノーレ」序曲第2番、第3番、「交響曲第9番、合唱つき」
とき:12月28日(土)14:00開演
ところ:横浜みなとみらいホール
料金:S席1万円 未就学児童入場不可

ユートピアを求めて
ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム

デザイナー松本瑠樹(1946-2012)の世界的なポスターコレクションから、旧ソ連草創期のモダニズム・デザインを紹介。 とき:2013年10月26日(土)~2014年1月26日(日) 9:30~17:00
(月曜日・12月29日~1月3日休館)
ところ:神奈川県立近代美術館 葉山
問合せ:046-875-2800(代表)

ユーラシア通信

冒険家・渡辺大剛さんの死を悼んで(4)追悼イベント

追悼イベント
 「今回、君の旅の終着点だったムルマンスクに、自分が本人に成り代わりそれを見定めて来ることを誓います。」

 告別式での大剛さんの親友横山さんの誓いを果たし弔うため、渡辺さんご一家と親友横山さんが、9月7日夜中にムルマンスク空港に到着しました。外は日本の冬並みの気温。

 夜が明けて自転車愛好家集団のエルマコフ代表と会い、バスに乗車。国道M-18を南下しました。北極圏特有の荒涼感があり涼し気な森を見ながら現地に着いたのが18時頃。

 最初は最終野営地点を訪れました。苔むしたその場所に、アマゾナイトと呼ばれる鉱石が。「大剛はオーロラになって飛び回ってるって、親父さんが言ってたんだろ?だからその色に近い石を置いたの。」仲間が目印にと置いたものでした。

追悼イベント

 その後、事故地点へ。そこには、皆で議論しながら作り上げた富士山のモニュメントと石碑が設置してありました。慰霊碑の前で「息子さんの到来の知らせを聞いて、本当に楽しみにしていたんです」「こんな素晴らしい息子さんを生み育ててくれて感謝します」と愛好家らが次々に語り、ご家族一同言葉を詰ませていました。

 18時半頃、その慰霊碑から横山さんと愛好家有志による追悼サイクリング開始。日本の国道では毎時60キロの速度制限がありますが、ロシアの国道では、市街地から離れているところで最大110キロまで出せます。日本の高速道路並みに走行している脇を、自転車でムルマンスクまで行く。危険で過酷。なんとかオレネゴルスク市に着いて、自転車組は野宿。

 イベント2日目。同市からトランスラップランディアという道路を一行は進みました。国道とほぼ平行し車の往来が少ない道路ですが坂・ダート・草原が多く、昼食休憩のときに横山さんは過労でダウン。周囲はリタイヤを勧めましたが、「続けます」と返しました。

追悼イベント

 ムルマンスク市に到着したのは20時過ぎ。横山さんは感極まって叫んでいました。スタート時(写真左上)には参加者4人だけでしたが、ゴール時(写真右上)には13人まで増え、皆一体感に包まれていました。

 帰国前日の夜、私達はアリョーシャの像に集合、お別れの会をしました。(写真右)石像は岬の上にあり冷たい風が吹いているのに、1時間半もその場所を離れずに温かい日露交流が繰り広げられていました。

(MOPA/ロシア・ムルマンスク)

協会Facebookページ始めました

 12月より協会全体のFacebookページもできました。協会活動の様々な情報を発信していきますので、ぜひごらんください。宣伝も歓迎です。

都会の文化人が田舎の支部の仲間に!この傾向は今後ポピュラーに!?
~日ユ協会呉支部からの報告・一杉さん歓迎会~

一杉さん歓迎会
 日本ユーラシア協会呉支部は、11月10日(日)11時30分から13時30分まで、広島県呉市上蒲刈島県民の浜、輝きの館にて、一杉さん夫妻歓迎会を行いました。

 一杉次郎さんは、東京で活躍後、日本ユーラシア協会神奈川県連合会の事務局長として協会の発展のために貢献されました。その後ウズベキスタン共和国・タシケントで5年間暮している間にエルビラさんと結婚されました。そして、夫婦で瀬戸内のダーチャ暮らしをされるため呉市蒲刈町上蒲刈島へ引っ越してこられたのを期に、夫婦そろって呉支部会員になられました。一杉さんはロシア語やロシアオペラに造詣が深く、エルビラさんは日本に来られる前は、タシケントで料理の先生をされていたと伺いました。これを機に呉支部の文化水準を引き上げてくださることを期待しています。

一杉さん歓迎会

 それを受けた歓迎会は、瀬戸内のおいしい料理とお話だけでは物足りないと飾り付けや余興を取り入れました。長年子ども達を集めて読み聞かせの集いをしている新入会員が、絵本「マトリョーシカちゃん」の読み聞かせ、英語の先生をしていた新入会員はロシア民謡「一週間」の、エルビラさんにあわせた替え歌を作って披露、その後みんなでその歌を日本語で歌いました。古くからの会員がオカリナで伴奏しました。若い新入会員がスマホを駆使してロシア語で自己紹介すると、伊原広島県連理事長が「ステンカラージン」をロシア語で歌われ、それではと呉支部副支部長の藤井も「バイカル湖のほとりを」をロシア語で歌いました。どの歌もオカリナの伴奏付きでした。歌の次は「呉支部25周年シベリア鉄道で行くバイカル湖・イルクーツクの旅」で好評であった、「メビウスの帯」パフォーマンスとクイズで盛り上がりました。一杉次郎さん、エルビラさんのオペラとタシケントとダーチャの話はとても新鮮でした。

一杉さん歓迎会

 最後は、カチューシャを日本語とロシア語で歌って締めくくりました。エルビラさんの「タシケントでは川魚ばかりでした、海の魚がとてもおいしくて健康的なのには驚きました。すぐそばに海があって魚釣りが存分にできるここがとても気に入りました」、というお話はとても印象に残りました。すぐにエルビラさんに、料理教室の講師をしてほしいとリクエストがありました。今後この出会いがどう発展していくのかとても楽しみです。

(藤井/呉支部)

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

歴史・社会

日露領土問題の歴史(8)オランダ領千島

フリース
 17世紀、マラッカ諸島をめぐるイギリス東インド会社との闘争に勝利したオランダ東インド会社はインドよりさらに東方のアジア地域に進出した。

 1643年、オランダ東インド会社のマルチン・ゲルリッツエン・フリース(Maerten Gerritsz de Vries、1647年没、オランダの航海家・探検家)が択捉島と得撫島に上陸し、千島列島の領有権を宣言した。

 フリースはオランダ東インド会社に所属していたが、1643年に東インド総督の命を受けて日本の東方沖にあるとされた金銀島捜索のために結成された第2回太平洋探検隊の司令官としてカストリクム号に乗船、僚船ブレスケンス号とともに同年2月にインドネシアのバタビアを出航した。ところが、5月に房総半島沖で暴風雨に会って僚船を見失い、単独で太平洋を北上した。他方、ブレスケンス号は一旦千島列島沖まで北上したが南下して7月28日(寛永20年6月13日)に盛岡藩領、陸奥国山田浦(岩手県山田町)に漂着、船長らが上陸したところを盛岡藩に捕えられ江戸に護送された。しかし、長崎のオランダ商館長がキリスト教宣教師の潜入や日本への領土的野心を目的とするものではないと釈明したのを江戸幕府が了解したため釈放された。それを知らずにフリースは北上を続け、樺太東方沖の北緯48度54分まで達した。この間に択捉島と得撫島をヨーロッパ人では初めて発見して、それぞれスターテン・ラント(オランダ国の土地)とコンパニース・ラント(オランダ東インド会社の土地)と命名して領土宣言をした。 8月にバタビアに戻る途中で立ち寄った厚岸で松前藩の役人に遭遇して取調を受けたが、間も無く出発を許された。

 日本近海における金銀島探索は、1612年のオランダのビスカイノ以来2度目であったが、ビスカイノは日本の東方沖を捜索したために、ヨーロッパ人による日本北方の航海はフリースが最初であった。

フリースの地図
 フリースは奥州から蝦夷地、千島列島、樺太にかけての沿岸の実測地図を制作したが、濃霧のために宗谷半島方面についての探索が出来なかったために宗谷海峡を発見できず、蝦夷地と樺太を同一の島と見誤った。

(次号に続く/柴田)

一冊の古書に、秘密保護法を想う

協同組合論
 私の手元にボロボロで、変色した一冊の古書がある。

 それは私の恩師、横浜国立大学経済学部教授,故平館利雄の翻訳書「協同組合論」(1931年版、エム・カントール著)である。内容は資本主義的協同組合論の批判、マルクス・レーニン主義の協同組合論、1930年代のソヴィエト連邦における諸協同組合の役割、特にコルホーズ運動の実践等々を論じたもので、正確な題名は「協同組合の理論と実践の概論」である。

 1960年にモスコーで開催された戦後最初の日本産業見本市に参加した私は横浜商工会議所主催の報告会で講演したことを契機に地元中小企業貿易業者のために教職を擲って対ソ貿易の協同組合を設立することとなった。

 その参考とするためこの本を探したが戦時中に発行禁止となり、所持しているだけでも逮捕、監禁されたので大方焚書されてしまった為、古本屋でも探すことは出来なかった。

協同組合論

 戦時中、日本銀行に勤務していた松島松太郎氏がこの本を隠し持っていたことを知り、私は同氏をご自宅に訪れこの本を譲り受けることが出来た。その際、松島氏はこの本の奥付に次のように記されたのだ。

 「柴田順吉君 松島松太郎/戦時中、土中に秘めて/難をのがれた、しみも/なつかしい古本を/新しい世の中をつくる/君に」

 戦時中には軍機保護法、スパイ防止法、治安維持法、特定秘密保護法など様々な法律が制定され侵略戦争の妨げになる一切の物事が弾圧された。神の国日本を絶対化するため国家神道以外の一切の宗教も例外ではなく、キリスト教徒、創価学会員、仏教徒も弾圧された。

 「生物の社会」という本が社会主義を連想させる「社会」という文字があるだけで検閲の網にかかったのは有名な話である。

協同組合論

 「協同組合論」も検閲にかかり、原文の意味が判らないほど伏せ字だらけになった。

 左のページの点線・……が伏せ字の部分である。最後の行には「………完全な死滅のためには完全な…・…・‥必要である」と記されている。これでは何が何だかわからない。

 この本だけではない。

 戦前、100万部を突破するまでになった最大の大衆月刊誌「キング」は「キング」が敵性語であるという理由で『富士』に改題された。「キング・レコード」も同様に、『富士音盤』と変更された。信じられないかもしれないが本当の話である。

 戦後68年も経った今、安倍総理は「私は右翼と言われても構わない。」と公言し、与党自民党の石破幹事長は「徴兵拒否は死刑!」、「デモはテロ」などと発言している。

 秘密保護法が可決されたら、何が起こるであろうか想像に難くない。今ここでこの悪法に反対の声を上げなければ悔いを千載に残すことになる。ドイツの人たちが言うように傍観者は客観的には共犯者である。

(註:平館利雄、松島松太郎に就いてはネットでご検索ください。)

(柴田 順吉)