今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2015年4月号 No.642

行事予定

5/17 初夏の親睦会

会員の皆様、受講者の皆様!
新会員・新受講者の皆様を歓迎して初夏の夕べをロシア風に楽しみましょう。
第1部は「第3回 ナターリヤ先生のロマンスと民謡を歌う会」(13:30~15:30)。
第2部はロシア風クレープ「ブリヌイ」パーティー(16:00~19:00)。
詳しくはリンク先のページをごらんください。
お申し込みは当協会事務局まで。

初夏の親睦会  初夏の親睦会

ウクライナ風イースターエッグ絵付け教室 開催中止

このイベントは講師側のやむを得ぬ事情により開催中止となりました。
大変申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

DVD上映会「戦艦ポチョムキン」―反乱から110年の記念日に―

 110年前の6月14日、当時のロシア海軍の戦艦ポチョムキンで水兵による反乱が起こりました。ロシア第一革命を象徴する出来事でした。支配階級に対し、人民が立ち上がっての革命だったのです。
 今回は、その6月14日(日)に開催します。是非、ご参加ください。

日時:2015年6月14日(日)14:00~
会場:横浜平和と労働会館5階
参加費:300円(黒パン・紅茶代)

【映画情報】
1925年/ソ連/74分/モノクロ/サイレント作品/監督: セルゲイ・エイゼンシュテイン/出演: アレクサンドル・アントーノフ、 グレゴリー・アレクサンドロフ、 ウラジーミル・バルスキー他

第17回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

第17回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 日程案:2015年8月5日(水)~10日(月) 5泊6日
ルート:アシアナ航空便にて羽田空港~仁川(韓国)経由~ハバロフスク空港
コース:ホームステイ(民家に1泊)、ダーチャ(ダーチャに2泊)
旅費:各コース総額 230,000円(燃油サーチャージ込み、オプション除く)
今年はサマーキャンプ・文化交流の他、ハバロフスク現地での原爆展参加、映画DVD「アンゼラスの鐘」上映会も予定。

活動報告

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会第11回(2015年度)定期総会

定期総会  司会の桜井さんによる開会宣言のあと、小新さんが議長として選出された。
 引き続き総会役員選出が行われ(資格審査=吉原、書記=滝沢)、柴田会長が総会のあいさつを行った。また、木佐森本部理事長が来賓あいさつを行った。
 資格審査委員より、13時現在会員数211名中、10名出席、120通の委任状が提出されていることを確認し、協会規約28条より総会成立が宣言された。
 活動方針提案についての提案が、各担当者より行われた(活動方針案は先月送付の別紙参照)。
 柴田会長より、今回は決算書・予算書作成がなされていないこと、ならびに決算・予算の執行は、今年度より理事長・事務局に引き継ぎたいということが表明された。予算案については、監査報告のあとに再度報告された。
 質疑応答:機関紙制作コストについて、シニア会費の場合は制作費のほうが高くなってしまっているという問題について、現状の報告が吉原事務局長より行われ、運送料や広告料の件について出席者から意見が出されたが、議長より理事会での検討をするという提案が出され、承認された。
 引き続き、決算報告・監査報告書代読が野口事務局次長より行われた。
 質疑応答:特になく承認された。
 予算案については、理事会に委ねることになった。
 今年度の予算については昨年度予算を本年度予算とすると提案された。
 新年度役員選出:田中理事長より選出方法について説明が行われた。
 提案された新年度の役員案が承認された。
 新旧役員のあいさつ:副理事長となった桜井さんがあいさつを行った。
 すべての提起が採決された。
 司会の閉会あいさつにより、本総会は終了した。
 終了 14時半

(書記・滝沢)

歴史を見つめ、真実を知る大切さ―柴田会長総会記念講演―

定期総会  総会後のジョイント企画として、柴田会長による記念講演が行われました。今回は戦後70年という節目にふさわしい「日ロ平和条約はなぜ結ばれないのか?」という演題での講演となりました。

 まるで大学の歴史学の講義のように、初めて目にする史料を駆使しての講演でした。何しろ、学校の歴史の授業では一度も目にしたことがない「カイロ宣言」「ヤルタ協定」「ポツダム宣言」「サンフランシスコ平和条約」「日ソ国交回復宣言」「日米安全保障条約」の全文を参照しながらの講演だったのです。中学校・高校の歴史の教科書は国語の教科書よりも分厚いのです。その分厚い教科書を縄文時代から始めるのですから、現代まで行き着くわけがありません。関戸自身も、中学校・高校では江戸時代までしか終わりませんでした。現在の日本を理解するために一番重要な明治維新以降の日本の歴史を教わることはなかったのです。その教わらなかった歴史を、柴田会長の 講演で知ることができました。

 東西冷戦下、旧ソ連は最大の極悪国家というイメージを持っていました。一番の理由は「北方領土」と「日ソ中立条約」の一方的破棄でした。「ソ連は汚い。いきなり攻め込んで来た」「独ソ戦のとき、日本は条約を守っていたのに」「シベリヤ抑留で多くの日本人を死なせた」「北方領土を返せ」などと周囲の人は言っていました。関戸の父はシベリヤ抑留を体験していました。父は「俺たちは騙された。シベリヤ抑留は確かに悲劇だが、その原因は日本にある。日本が中国人民の国土に70万もの軍隊を置いたからだ。そのことを条約破棄にすりかえている。俺だけでなく、全ての日本人が騙されていたんだ」と言っていました。

 冷戦下周囲の人たちが言っていたこと、父が語っていたこと、それらの答えが柴田会長の講演で氷解しました。「カイロ宣言」では、枢軸国の侵略に対しての連合国の一致協力しての戦いであることが分かりました。その中で重要なことが戦勝国となっても無賠償・無併合を堅持するということです。戦争とは、国境線を越えて領土と資源の奪い合いになることです。その戦争の原因となる領土を要求しないという大原則が明記されているのです。悪名高い「ヤルタ協定」ではソ連が一方的に条約破棄をしたのではなくアメリカからの依頼があったことが明白になりました。また、「ポツダム宣言」はカイロ宣言をより明確に条文化したものであることがわかりました。このポツダム宣言をもっと早く受諾していれば「広島・長崎」の悲劇、ソ満国境の悲劇は避けられたと思います。「サンフランシスコ条約」「日米安全保障条約」はともに「日本国憲法」を踏みにじり、憲法以上の法規であることが感じられます。多くの命と引き換えに購った日本国憲法こそが最高法規であるはずなのに、憲法以上の法が存在するのです。また、日本政府がいわゆる「北方領土」を放棄したことがわかります。

 日ロ平和条約が結ばれないのは、「安保」という日本国憲法以上の法規があり、それは戦争をするための法規であるからです。そのことを痛感した講演でした。日本ユーラシア協会は「相互理解と親善」を理念とし、世界平和に寄与することを運動の目的としています。身近なところからそのことを実践していきたいものです。

(関戸)

県連総会マトリョミンコンサート

マトリョミンコンサート マトリョミンコンサート
 毎年県連総会後に演奏する機会をいただき、MMMメンバー一同感謝しています。

 音程に集中するあまり、かわいいマトリョーシカを持ちながらいつも真剣な表情をしてしまいますが、「花のワルツ」では間奏中にピューンピューンと機械音で遊んでみたりして、自分たちも聴いてくださっている皆様も笑顔になっていただけたと思います。

 例年に比べると参加者は少なめでしたが、今回初めてマトリョミンを目にされたという方にはじっくり体験もしていただき、見事に「かえるの歌」を弾いておられ、楽しんでいただけてうれしい限りです。

 今後もマトリョミンの魅力を十分にお伝えできるよう、美しいハーモニーと時には面白いパフォーマンスを考えていきたいと思っています。

(文・檜垣/写真・桜井)

いろいろなマトリョミン

「まあ~、可愛い」「ロシアではこうなの?」興味津々の「こねこ」上映会

映画「こねこ」  3月最後の日曜日、29日の午後にDVD上映会を行いました。参加者は非会員の一人だけ。2/22の「ウクライナの夕べ」の参加の際に知ったとのことでした。人数は寂しかったのですが、上映自体は興味津々。

 主人公の猫「チグラーシャ」が登場すると、「まあ~、可愛い」と思わず声が出ました。また、シーンのあちこちにロシアの生活が描写されているので、「ロシアではこうなの?」と驚きの声も。たとえば、室内では日本と同じように裸足であること。チグラーシャを木から落とすカラスが真っ黒ではなく、白半分黒半分であること。外気はマイナス20度ぐらいでも室内は薄いパジャマ一枚でいられること、など。やはり、私たちの日常生活では知りえないロシアの暮らしぶりは新鮮な驚きなのですね。そのようなことを感じられる上映会でした。非会員であっても、今後はホームページをチェックして上映会にも参加したいとのうれしい話もいただきました。

 今後も皆様の興味や関心を引くような上映会を企画していきたいものです。

(関戸)

教室案内

横浜ロシア語教室 第122期 4月開講

 第122期は4月15日(水)より順次開講予定です。
 申込2名以上でクラスは成立し、既存のクラスは原則として同じ曜日・時間帯・講師で持ち上がりとなります。授業回数は3名以上なら17回、2名なら15回です。
 また、火曜夜と土曜昼に初めて学ぶ方のための「入門」クラスを新設します。詳しくはホームページまたは先月号同封のチラシをごらんください。
 見学は3クラス・各30分以内は無料です。検討中の方は参考にぜひご利用ください。
 受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


寺子屋便り(2015年4月)

 補習サークル「ロシア語寺子屋」はこれからも皆さんのロシア語学習を応援してまいります。
 楽しくロシア語を学び続けるためにどうぞ気楽にご利用ください。
 簡単なことから理解しにくい文法テーマまで、分かり難いところは早めにクリアするように致しましょう。

第122期(2015年)前半の予定 4月18日13:30~15:00
4月25日15:00~16:30
5月 9日13:30~15:00
5月23日15:00~16:30
6月13日13:30~15:00
6月27日15:00~16:30

初めて学ぶ人も、ロシア語だけでコミュニケーション!
~ロシア語入門体験講座~

ロシア語入門体験講座  3月28日(土)、「ロシア語入門体験講座」が横浜平和と労働会館5階教室で行われました。講師は新学期から火曜夜の入門クラスを担当するタチヤーナ・シプコーワ先生です。参加者は飛び入りも含めて7名。全くロシア語のわからない人に、ロシア語だけでどのように教えるのか、外国人向けロシア語教授法を専攻したシプコーワ先生の授業方法に興味が高まります。

 まずは自己紹介。«Я-Татьяна. А Вы?»と最も単純な言い回しと身振りで「私、タチヤーナ。あなたは?」と言っているのが分かります。この方法で繰り返し一人ずつ名前を聞いて板書。

ロシア語入門体験講座  続いて、«Как дела?»(調子はどう?)の質問とその答え、«Хорошо.»(良い) «Нормально.»(普通) «Плохо.»(悪い)を、笑顔・普通の顔・困り顔の3枚の丸いカードで理解させ、先生の質問に受講者が自分の調子を答えます。今回は挨拶程度ではなかなか出ない「悪い」まで、3種類全部の答えが揃いました。

 次にアルファベットを一つ一つ発音しながら板書します。この時にも先程の3語が繰り返し登場し、生徒をほめる時には「ハラショー」。文字の書き方にもまた「良い」「普通」「悪い」があることをさりげなく解説して、この言葉は表情や調子を表す以外にも使えることがわかります。

 アルファベットの説明が終わると、最初に先生が板書した自分の名前を各々紙に書き、机に置いて名札にしました。

 その後様々な子音と母音を組み合わせた発音の練習をしたり、数人が隣の人に「私は○○、あなたは?」とリレー方式で自己紹介をしてみたりしたところで、あっという間に終了時刻。«До свидания.»(さようなら=また会うまでの意)と解散しました。

 日本語は一切使っていないのに、繰り返しと視覚の助けで初めてロシア語を学ぶ人ともコミュニケーションは取れており、短い授業時間の中でも段階を踏まえて組み立てた流れの中で、生徒がただ先生の説明を聞くだけでなく、話して、読んで、書いて、最初から自分で参加できているのも素晴らしいところです。野口先生やピスクノーワ先生も見学していましたが、ロシア語を教える立場の方々にも参考になったのではないでしょうか。

ロシア語入門体験講座  新学期の入門クラスは火曜日19:15~20:45(シプコーワ先生担当)、土曜日12:30~14:00(織田桂子先生担当)に開講予定です。是非ご参加ください!

日本語教室

月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。
入学金5,400円、受講料(1回)3,200円(税込)。
個人レッスンのため、受講日時や学習内容は応相談。
お申し込み・お問い合わせは協会事務局まで。


ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 毎月2回、土曜日に開講します。魅力的なロシアのメロディーを、ご自分の手で体感してみませんか?初めての方でも歓迎、楽器レンタルもご相談に応じます。

2015年度前期(前半)予定:4/4, 4/18, 5/9, 5/23, 6/6, 6/20

生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2015年度前期予定:4/11, 5/16, 6/20, 7/18, 8/22, 9/19

※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席2)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席1)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

満員の会場を沸かせたマトリョミン発表会

 2011年4月にも会場になった山手のイギリス館でのマトリョミン発表会。まるでその発表会を祝福するかのように、桜の花も盛りを迎えた3月28日(土)に会場を満員にして開催されました。当初よりも参加者が多かったため、急に椅子を追加してセッティングするほどの盛況ぶり。

 今回のコンサートは始まって以来最多の出演者数でした。そのため、ソロ演奏は映画音楽あり、シャンソンあり、日本の懐メロあり、Jポップありの盛り沢山。それぞれすばらしいメロディを奏でてくれました。文字だけで音を伝えられないのが本当に残念。アンサンブルではチャイコフスキーの「花のワルツ」の流麗な調べが会場に響きました。また、震災から4年の歳月を感じさせる「花は咲く」は参加者の心に染み渡りました。

 そして、ビックリしたのはミュージカルソーとヴィオリラです。大きなノコギリを湾曲させてバイオリンのように弾くミュージカルソーは初めてです。それと大正琴のように鍵盤と弦を駆使しての演奏は聴くだけでなく、見ていてもすばらしいものでした。また、オルガニートとアイリッシュハープの伴奏によるカントリーやシャンソンは絶妙の調べ。マトリョミンによる世界一周を感じさせました。

 関戸は司会を務めていたのですが、少々残念なこともありました。演奏の合間にマトリョーシカの話をしたのですが、マトリョーシカのルーツは神奈川県の箱根の「七福神の入れ子人形」であることを知っている人がほとんどいなかったことです。ロシアと神奈川はこんなところでつながりがあるのです。このすばらしい演奏を通じて、ロシアとロシアの文化、そしてロシアとのつながりをもっともっと深めたいと思いました。

 春の訪れを感じる土曜の午後、すばらしい演奏に心を豊かにしました。

(関戸)

組織・財政

組織状況

(2015年3月31日現在)

 今年度年初会員数219名、入会者累計6名、退会者累計16名。3月末会員数209名。

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2015/3/31
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計461,278510,831-49,553
教育事業2,631,1522,942,506-311,354
一般事業852,8811,118,408-265,527
合 計3,945,3114,571,745-626,434
前年同期(単位:円)2014/2/28
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計2,012,2312,181,185-168,954
教育事業791,778823,890-32,112
一般事業488,191454,70733,484
支出計3,292,2003,459,782-167,582
当期剰余金653,1111,111,963-458,852
合 計3,945,3114,571,745-626,434

貸借対照表 (2015/3/31)
科 目本年3月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産6,326,3376,615,826-289,489
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計15,931,11216,220,601-289,489
流動負債05,000-5000
固定負債000
負債合計05,000-5,000
純資産15,931,11216,215,601-284,489

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ロシア語はじめの30日 1,944円(税込)

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A5・160ページ
著者:中澤 英彦

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グルジアワインあります

グルジアワイン 現在計4種類を協会事務所1階で販売中。
銘柄と価格は次の通りです。
● ツィナンダリ(白・辛口 1,400円)
● アラザニ(白・甘口 1,200円)
● アラヴェルジ(赤・やや辛口 1,200円)
● アラザニ(赤・甘口 1,200円)
※取り扱う銘柄は随時変更される場合があります。売り切れの際はご容赦ください。
※現在発送は承っておりません。当面は店頭販売のみとさせていただきます。

ユーラシア通信

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(機関紙編集部)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  ときおりウラガン(烈風)が襲う早春のロシアから、3月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中3曲が新曲!
 9位に小悪魔女子アーニャ・プレトニョーワ率いるヴィンターシュのシックな新曲«Дыши»。バスコフが、歌手でありプロデューサーでもある新恋人ソフィとデュエットした«Ты мое счастье»が7位にランクイン。
 6位にスタヴロポリ出身のロックユニット、グラードゥスィの«Привычка сбегать из дома»が入りました。
 第1位に輝いたのは、ニューシャの«Цунами»。歌姫快挙、5ヶ月連続首位です!おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2015年3月16~22日/MOPA)

演劇・映画

KAAT×地点「三人姉妹」

3月21日 於:KAAT 神奈川芸術劇場

三人姉妹  一昨年のドストエフスキー「悪霊」で難解な舞台を見せた地点。今回はチェーホフシリーズの再演として「三人姉妹」を上演した。

 普通にやれば3時間の作品が上演時間80分。天井からぶら下げられた逆さの白樺林、透明なボードで作られた塀はマグリットのシュールな世界を想起させる舞台装置だ。

 出演者たちは四つん這いでいざりながら登場する。「今日は私の名前の日」というイリーナのセリフを音節単位で分解し、それぞれの役が自分の置かれている状況を口々に叫んでいる。

 第一幕第一場から第二幕の火事の場面までが同時進行のセリフとなっており、「三人姉妹」をよく知らない観客にはなんの場面か理解に苦しみそうだ。

 役者たちは取っ組み合いをしながら、床に転げまわってしゃべる。また、時々手で顔を覆い隠して泣き出し、ナターシャだけが甲高い声で笑う。

 演出の三浦基氏は「これが私たちのリアリズム演劇だ」という。つまりディスコミュニケーションそのものが、めざすリアリズムなのであろう。

三人姉妹  不倫相手と涙の別れをしたマーシャを除けば、校長という社会的身分が確定したオーリャ、婚約者が自殺してもたいして動揺しないイリーナ、要領のよさではぴか一のナターシャはある意味勝ち組だ。

 「生きる意味がわかったら」というセリフも彼女らが発すると、わかったところで現実は変わらないという冷めた感じに伝わってくる。

 それが私たちのリアリズムだとしたら、現代のリアリズムはなんと皮肉な世界だろう。思わず「三人姉妹」ブラックユーモア編と名付けたい気分になった。

(文・滝沢三佐子/撮影:西野正将)

映画紹介「神々のたそがれ(Трудно быть богом)」

アレクセイ・ゲルマン監督作品/2013年

神々のたそがれ  構想から撮影まで15年の歳月をかけながら、制作途中で急逝したアレクセイ・ゲルマン監督の遺作。彼の妻と息子によって仕上げられたストルガツキー兄弟のSF小説は、3時間弱の壮大なモノクロ叙事詩となった。

 地球より800年ほど遅れた惑星アルカナルに派遣された地球人の一人ドン・ルマータは、異教の神の子として崇拝されていた。アルカナルでは人々が糞と泥にまみれた生活を送り、大学が破壊され知識人が殺された。灰色軍と黒衣の宗教団体が熾烈な主導権争いをくり返し、ついにドン・ルマータが灰色軍に逮捕される。傍観するしかなかった彼だが、神の領域を侵す行動に出る。

神々のたそがれ  前作「フルスタリョフ、車を!」でも恐怖と滑稽が同居する作品だったが、今回はスクリーン全体を埋め尽くす被写体の迫力とグロテスクな場面の多さに、カラー作品だったら正視できないと思われた。

 「冷酷な抑圧者を倒しても、弱い群れの中から次の抑圧者が生まれてくる」という台詞が、つらい神の心境を代弁する。

 (東京・ユーロスペースで公開中。4月下旬、横浜・シネマリンで公開予定)

(滝沢三佐子)

映画紹介「ザ・トライブ(Плем’я)」

ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督作品/2014年/ウクライナ

ザ・トライブ  聾学校の寄宿舎に来たセルゲイは、そこで「族(トライブ)」という強盗や売春を行う学生組織に手荒い洗礼を受ける。驚くべきことに、一見平和そうな聾学校で教師すら「族」の犯罪に手を染めており、毎夜女子学生らを売春に行かせて資金を稼ぐ。

 セルゲイもそうした行為に加担していくうちグループ内でも一目置かれるが、リーダーの愛人であるアナに恋して上納金を貢ぐようになる。彼女への想いが日ごと膨らむセルゲイ。イタリアへ行こうとするアナを引き留め、売春をやめるように迫るが拒絶され、仲間から裏切り者としてリンチを受ける。怒りを抑えられなくなったセルゲイのラストシーンは言葉で表現できないほどショッキング。

ザ・トライブ  これまでロシアでもチュルパン・ハマトヴァ主演の「聾唖者の国」など、手話を使った映画はあった。しかしこの作品は、出演者全てが映画初出演で実際の聴覚障がい者。台詞なし、音楽なし、字幕なしで進行するが、これほど暴力的で雄弁な手話は見たことがない。

 視覚情報が全てであるため異常なほど集中でき、132分があっという間に終わる。

 (ユーロスペース、ジャック&ベティで公開予定)

文・滝沢三佐子
写真 (C) GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014
(C) UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014

歴史・社会