今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2016年5月号 No.655

行事予定

5月29日(日)第67回ロシア語能力検定試験

5月29日に、4級と3級のロシア語能力検定試験を行います。
横浜会場は横浜平和と労働会館4階です。
受験される皆さんが実力を発揮できるようお祈りいたします。
10月の検定試験では、1級~4級全ての試験が行われる予定です。

●4級 5月29日(日)
筆記(文法、露文和訳、和文露訳)
10:00~11:30
テクストの朗読(録音)11:30~
●3級 5月29日(日)
筆記(文法、露文和訳、和文露訳)
13:00~15:00
聴取 15:00~15:15
テクストの朗読(録音) 15:20~

平和のための戦争展

神奈川県日本ユーラシア協会は1階ホールにて「シベリア抑留」パネル展示で参加します。ぜひご来場ください。

5月30日(月)~6月1日(水)
会場:かながわ県民センター1階展示場・2階ホール(横浜駅西口より徒歩5分)
時間:10時~19時 入場無料
主催:平和のための戦争展inよこはま実行委員会 TEL 045-241-0005

新受講生・新入会員歓迎 初夏の親睦会 「横浜港見学」

横浜港 新受講生の皆様! 新会員の皆様!
Добро Пожаловать!(ようこそ!)
皆様を歓迎して、横浜港にて初夏の親睦見学会を行います。

会員の皆様、受講生の皆様、講師の皆様、横浜港を見学しながら大いに親睦を深めましょう。
オリガ先生、タチヤーナ先生、マリヤ先生も参加される予定です。
横浜港についてのロシア語の易しい単語を学びましょう。
アルファベットを知らなくても大丈夫、振り仮名をつけます。
お飲み物、手作りピロシキ、黒パン、他茶菓子を用意します。

大桟橋ターミナル「くじらのせなか」

日時:2016年6月19日(日)13:00~16:00
集合場所:横浜ロシア語教室(横浜平和と労働会館5階)
参加費:新受講生、新会員(1月から6月まで入会の方)500円、会員1,000円、一般1,500円(当日会員になられたら会員価格でOK)
予定:
13:00-14:00 港についてのロシア語の勉強
14:00-14:30 バス「あかいくつ号」で桜木町から大桟橋へ(バス代100円各自払い)
14:30-16:00
【晴れバージョン】大桟橋ターミナル見学、「くじらのせなか」で交流茶話会
【雨バージョン】動画や映像で横浜港を知る。教室での交流茶話会

バス「あかいくつ号」

※会場の都合により先着20名様で締め切らせていただきます。お早めにお申し込みください。
お申し込み先:NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 横浜ロシア語教室
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館1階
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: yokohama@rosiago.org

第18回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

ハバロフスク市民交流の旅 日程 2016年8月9日(火)~14日(日)
ホームステイコース 110,000円
ダーチャコース   120,000円
航空券(別途) 68,000~86,000円
※航空券は遅くなると高くなります。お申し込みはお早目に。
詳細はチラシ画像をクリックしてごらんください。(PDFファイルが開きます)。

6/12 旅行説明会開催!

2016年6月12日(日)14:00~
横浜平和と労働会館5階 当協会教室

お申し込み・お問い合わせ先:神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

活動報告

風薫る中に響き渡る鐘の音 ~パスハ(復活大祭)見学~

横浜ハリストス正教会  パスハ 横浜ハリストス正教会  パスハ 横浜ハリストス正教会  パスハ

 5月最初の日曜日の1日。昨年に引き続き、今年も横浜ハリストス正教会のパスハに参加しました。当日は会員の高木さん、中垣内さん、スタッフは桜井さんと関戸が顔を揃えました。

 地下鉄の駅からは坂道を登り、着いたときには心地よい汗をかいていました。時間どおりの開催を知らせる鐘が五月の風の中に響きました。水野神父の祈りの声の合間に、信者の方達の聖歌が加わります。その聖歌の声は教会の中の参列者の胸を打ちます。祈りの後に、各自蝋燭を持ち、大十字架を先頭に教会を周回します。戻ってからは再び祈りが行われます。

横浜ハリストス正教会  パスハ 横浜ハリストス正教会  パスハ

 昨年、大十字架を持たれて先導された教会関係者の佐久間さん から、いろいろな説明を受けながら見学を続けました。関戸は次の日の勤務があるので、少し早めにお暇しましたが、他の方は残って熱心に見学をされていました。中垣内さんは最後までいらして、午後食事も一緒にされたとのこと。関戸も次の日の仕事がなければおつきあいしたかったのですが。桜井さんはプロのカメラマン顔負けの重装備で写真を撮っておられました。きっと素晴らしい写真が撮れているでしょう。

横浜ハリストス正教会  パスハ 横浜ハリストス正教会  パスハ

 日本国民は、好むと好まざるとに関わらず、神道や仏教の様々なしきたりの中で暮らしています。それと同じで、ロシアや他の旧ソ連諸国の人々も、正教会のしきたりの中で生活しています。「相互理解と親善」はユーラシア協会の理念です。そのためには、正教会の教理や伝統についてしっかりと理解しなくてはいけません。今後も機会があれば、このような行事にどしどし参加していきたいものです。

横浜ハリストス正教会  パスハ 横浜ハリストス正教会  パスハ

(文・関戸/写真・桜井)

教室案内

横浜ロシア語教室 第124期 生徒募集中

 4月から124期ロシア語教室が開講されました。水曜夜と土曜昼に初めて学ぶ方のクラス「入門」を新設。2クラスとも定員近くまで生徒が集まりました。今期から教授内容を見直し、ロシアで発行された外国人向けのテキスト「ロシアへの道」を使い、コミュニケーションを意識した授業を行っていきます。ぜひご期待ください!まだ始まったばかりなので、4月に入りそびれた方も今なら挽回できるでしょう。「寺子屋」での補習もご利用いただけます。

 初級・中級・上級・会話・演習の各クラスも生徒募集中です。中途編入も可能です。見学は3クラス・各30分以内まで無料です。

 詳しくは教室ホームページをごらんください。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


授業補習サービス「ロシア語寺子屋」

 授業を欠席した分や日頃の授業でわかりにくい箇所の補習の場として、気軽にご利用ください。
 予約のない時間帯には、当教室在籍中の方ならどなたでも簡単な質問やロシア語会話が随時、自由にできます。
 個別補習をご希望の方は3日前までに、お名前、現在の受講クラス、使用中の教科書名と範囲、連絡先電話番号を事務局までお知らせ下さい。

【5月の寺子屋開催日】
5月14日(土)13:30~
5月28日(土)15:00~

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 これまでドムラのみの開講が続いていましたが、4月から久しぶりにバラライカクラスも再開しました。
 しばらくお休みされていた方もこれを機にまた始めてみてはいかがでしょうか?

2016年度前期(2016年4月~9月)
レッスン予定日:前半:4月2日、4月16日、5月7日、5月14日、6月4日、6月18日
後半:7月2日、7月16日、7月30日、8月20日、9月10日、9月24日
生徒募集クラス:
17:00~17:45ドムラ中級
18:00~18:45バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

檜垣紀子先生  4月より檜垣先生を講師に迎えて新たなスタートを切った当教室。
 やさしく手ほどきを受けながらゆったりとレッスンできるグループレッスンには現在余裕がありますので、ぜひお気軽にトライしてみてください。見学も歓迎いたします。

日程:毎月1回、土曜日開講

2016年度前期日程:4/16、5/21、6/18、7/16、8/20、9/17

※レッスン日に見学随時可能です。発表会、協会行事等で演奏の機会もあります。是非お気軽にご参加ください!

◆アンサンブルクラス(90分)  13:00~14:30 (お問い合わせ下さい)
◆グループレッスン
 Aクラス 14:45~15:45 (空席3)
 Bクラス 15:55~16:55 (空席2)

入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,600円×6回=21,600円、グループレッスン3,085円×6回=18,510円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:檜垣 紀子

組織・財政

組織状況

(2016年4月30日現在)

 年初会員数:209名、入会者累計19名、退会者累計19名、現在会員数:209名。

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2016/4/30
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計710,650672,93537,715
教育事業3,315,8543,733,519-417,665
一般事業835,549956,988-121,439
合 計4,862,0535,363,442-501,389
前年同期(単位:円)2015/4/30
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計2,555,4992,656,496-100,997
教育事業950,455987,958-37,503
一般事業523,315581,307-57,992
支出合計4,029,2694,225,761-196,492
当期剰余金832,7841,137,681-304,897
合 計4,862,0535,363,442-501,389

貸借対照表 (2016/4/30)
科 目本年4月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産7,979,7686,811,0291,168,739
固定資産9,604,7759,604,7750
資産合計17,584,54316,415,8041,168,739
流動負債1220122
固定負債000
負債合計1220122
純資産17,584,42116,415,6821,168,739

 財政の縮小均衡状況が続いていますが、みなさまのご努力により、一般会計(会費収入)は前年度を上回ることができました。ロシア語教室の拡大(教育事業)や物販販売力(一般事業)を強化して、この流れを強めていきましょう。

(木佐森)

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10   蕗タンポポが咲き始めたロシアから、4月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。今月は10曲中4曲が新登場!  先月2位だったとても切なく心に残る旋律と歌声アレクセーエフの「Пьяное солнце(酔っ払った太陽)」が、4ヶ月首位だったヨールカの記録にストップをかけ、1位になりました!彼のこの歌が、今ロシアの街中彼方此方で響き渡っています。おめでとうございまーす!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2016年4月18~24日/MOPA)

ユーラシア通信

★ここが変わった!8年ぶりのウラジオストク 第3回


ウラジオストク  2008年以来、8年ぶりに訪れたウラジオストクの旅行記も、いよいよ最終回となりました。

 この間に感じた最も大きな変化、それは立派な建物や美味しい食べ物ではなく、なんといっても、街ですれ違う人々の雰囲気が穏やかになったことでした。

 かつて、ロシアを旅するときは、草原が広がる郊外の小さな街はともかく、ある程度以上の規模の街では、なんともいえないピリピリとした空気を背中に感じながら歩いていました。旅行者だから目立つのか、それとも日本人が珍しいのか…どこに行くにも、あちこちからの視線を感じながらの行動を強いられていました。物盗りや悪質な官憲などに遭遇することも少なくなかったので、いったん宿の外に出たあとは、どんなに天気が良くて気持ちよかろうが気を抜かず、カバンは前に抱きかかえ、常にキョロキョロと周りに目を配り、狙われないようにと気を張って行動していました。それだけに、一日の予定を終えて宿に戻るときはいつも、ドッと疲れが出るようでした。

ウラジオストク  ところが!今回のウラジオストク旅行では、空港や鉄道駅など一部の例外を除いて、そういったものを感じることがほとんどありませんでした。街を歩いていても妙な殺気がなく、道行く人たちの表情にもどこか余裕があるように感じられました。カフェやレストランのウェイター・ウェイトレスさんたちも、決して媚びる感じはないもののニコッと一瞬微笑んでくれたりするし、お釣りを投げるなどの行動で悪名高い?レジ係の女性たちでさえ、対応が悪いということは全くありませんでした。旅行者にとっては、以前と比べて、旅のハードルが間違いなく下がっているといっていいでしょう。

ウラジオストク  ロシアはソ連崩壊後の混迷から遠ざかるにつれ、市民生活も一歩一歩確実に向上し、治安も改善しています。他方で、路面電車やソ連時代の車など、「古き好きソ連」を感じさせるものが失われていくのは寂しい気持ちもしますが、ノスタルジーだけでは生活できないのも事実。表面上の冷たさに隠れた温かい心、お客好きで世話好きといった良い意味での「ロシア人らしさ」を失わず、ますます魅力的な国にしていってほしいなあと思うのでした。

ウラジオストク ウラジオストク

(桜井)

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 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。もっと面白くしたい方、新しい企画を思いついた方、協会や機関紙について感想や意見のある方は、読むだけでなくぜひ投稿してください。

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 文章は1記事800字以内が目安で、長ければ編集・分割して掲載する場合もあります。

 担当者に忘れられない限りボツになることもほとんどないので、今のうちがチャンスかも?

 原稿はメールやFAXや郵便で下記へ送ってください。締切は毎月末で、翌月15日頃に発行されます。投稿をお待ちしています!

(機関紙編集部)

歴史・社会

太平洋戦争の遠因となった日露戦争(2)

 NHK大河ドラマ「坂の上の雲」第三部が2011年1月から始まりました。

 NHKはこの企画意図を「『坂の上の雲』は、国民ひとりひとりが少年のような希望を持って国の近代化に取り組みそして存亡をかけて日露戦争を戦った『少年の国・明治』の物語です。…中略…この作品に込められたメッセージは、日本がこれから向かうべき道を考える上で大きなヒントを与えてくれるに違いありません。」としています。

 しかし、このドラマは司馬遼太郎が原作で「事実に基づいて書いた」と述べているにも拘わらず、非常に一面的で、日露戦争を戦争遂行者の目線で見たものであり、総合的、科学的に見たものでは無い上、彼自身が後に謙虚に認めているように肝心の事実関係にも重大な間違いが多いのです。        

 このテレビドラマは「戦争する国・日本」への、NHKという公共機関を使った、日本支配層の意図的なプロパガンダと断定せざるを得ません。

 以下に幾つかの問題点を挙げます。

 原作者司馬遼太郎は「日露戦争はロシアからは侵略戦争、日本からは祖国防衛戦争であった」と「坂の上の雲」で書きました。しかし、後に彼はこれが間違いであったことを認め、生前この作品の映像化を「迂闊に映像に翻訳すると、ミリタリズムを鼓吹するように誤解されるおそれがあります」として強く拒み続けました(1986年NHK教育テレビでの対談)。

 この本を書いた4年後1986年の著作「ロシアについて」(文芸春秋)では「日露戦争のあと、他国に対する日本人の感覚に変質が認められるようになった。在来保有していたおびえが倨傲にかわった。」(p.246)とも言っています。

 日本が祖国防衛戦争というからにはロシアが日本に攻撃を加えて来、これに対して日本が自国の自由と独立を防衛するため戦うのでなければなりません。

ニコライ二世  奇襲攻撃を仕掛けた日本の明治天皇も、奇襲を受けたロシア帝国皇帝ニコライ二世も共に宣戦の詔勅で「祖国防衛戦争」を国民に訴えていました。然し、戦いの場はいずれも自国ではなく韓国、中国でした。

 戦争の口実はいつの世にも「武」即ち「戈(ほこ)を止める」=防衛、安全保障です。

 当時、両帝国は没落しつつある清国の領土「満州」とその属国である韓国における利権をめぐって対立し、交渉中でした。これは自国の国外における権益の争奪戦です。決して祖国防衛ではありません。他国侵略、植民地争奪戦です。日本は満州と韓国両方の権益を要求し、ロシアは「満州」の権益を自国に、韓国の権益を日本に分割することを提案していたのです。

~次号に続く~

(柴田)