今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2018年4月号 No.678

行事予定

ゴールデンウィークの締めくくりはこれで決まり!5/6開催
『蛙になったお姫さま』DVD鑑賞会

『蛙になったお姫さま』DVD  今年も楽しいゴールデンウィークがやってきます。5/5はこどもの日。それにちなんで、大人も子供も楽しめるロシアのアニメを鑑賞しましょう。

 かつて、旧ソ連では児童の情操教育を目的として、子供のために味わい深い多くのアニメが作成されました。その歴史は革命後の1920年代から始まるのです。21世紀の現在は日本もアニメ大国としての地位を確立していますが、その歴史は旧ソ連には及びません。アメリカのディズニーよりも多くのアニメを作成していたとも言われています。

 今回は、その中から民話からヒントを得て作成された『蛙になったお姫さま』を鑑賞します。蛙の姿に変えられてしまった姫を救うために、王子が助けに行く物語です。子供の夢をかきたてる天空を舞台とした、アニメならではの映像のすばらしさをぜひご覧ください。大人もこの日だけは、子供の心に戻ってアニメの世界を楽しみましょう。ゴールデンウィークの締めくくりは、楽しいロシアアニメで。

日時:2018年5月6日(日)14:00~
会場:横浜平和と労働会館5F
参加費:500円(黒パン・飲み物代)

現代ロシア映画鑑賞会 5月13日開催!
『ロシアン・スナイパー』

『ロシアン・スナイパー』DVD  309人もの敵を倒したソ連の天才女性スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコ。5月9日の大祖国戦争勝利記念日にあわせて、彼女の半生を映画化した「ロシアン・スナイパー」(セルゲイ・モクリツキー監督作品)を鑑賞します。

 女性が従軍することの意味や、多くの敵を射殺し「死の女」と恐れられたパブリチェンコの素顔を探りませんか。

日時:2018年5月13日(日)14時~
場所:横浜平和と労働会館5階教室
茶菓子代:500円
観賞作品:「ロシアン・スナイパー」(邦題)
原題:Битва за Севастополь/Незламна
制作:ロシア・ウクライナ 2015年
日本語字幕 123分

お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

ハバロフスク旅行&サハリン旅行、8月開催

サハリン旅行  「第20回大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 ウラジオストク、ウスリースク訪問付き」を8月16日~21日に、「北辺の『日本』樺太・サハリンへの旅 文豪たちの足跡と北の『ひめゆり』を訪ねて」を8月11日~15日に開催します。

 今回は初めて日露の文豪が訪れたサハリンへの旅を企画しました。旅程や料金等の詳細については追ってお知らせします。

 6月3日(日)午後2時より、横浜平和と労働会館5階教室にて旅行説明会を行います。興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

活動報告

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 第14回定期総会

第14回定期総会  4月1日午後1時10分より、司会を務める内藤祐太氏により、開会宣言がなされた。

 議長に中垣内隆彦、総会書記に滝沢三佐子、資格審査委員福島由照の諸氏が選出され、承認された。

 ユーラスツアーズの坂田恒衛氏が来賓挨拶をおこなった。

 資格審査報告では正会員218名のところ11名出席、委任状112通を確認し、規約に基づき総会が成立したことを宣言。

 田中豊造理事長の指名に従い、活動報告、活動方針提案を担当者より報告した。

 財政報告は野口福美事務局次長が会計報告、予算提案をとりまとめて行った。

 会計監査は監査人所用により欠席のため、木佐森会長が代読した。

 質疑を求めたが、発言がなかったため、諸報告、方針を採決した。

 田中理事長より役員選出の提案を行った。議長より立候補を求めたが、いなかったので提案を拍手で承認した。

 新理事となった内藤祐太、井村真也、福島由照の諸氏が新役員挨拶を行った。

 議長が総会役員の解任を宣言。

 午後1時58分、司会が総会の閉会を宣言し終了した。

(書記:滝沢)



テルミンとパリャーノチカが初登場~総会記念ミニコンサート~

みなとみらいマトリョミン教室アンサンブル「MMM+」  総会終了後は記念コンサート。今回はテルミンが初登場。関戸もテルミンの実物を見るのは初めてでした。マトリョミンと違い、両手を上下と左右に広げて演奏する姿は興味深いものでした。そのテルミンで、映画『サウンドオブミュージック』のメドレーが奏でられました。

 テルミンの後はマトリョミンアンサンブル。こちらは「日本の四季」のメドレーから。「早春賦・夏の思い出・里の秋・雪の降る町を」という日本の愛唱歌・童謡が会場にしみわたりました。さらに日本の歌のメドレーでは、「さくらさくら・荒城の月・ふるさと」が演奏されました。文章だけで、音の素晴らしさを伝えられないのは残念。「翼をください」の後は、「ドレミの歌」で締めくくられました。

パリャーノチカ  女性だけのマトリョミンアンサンブルの後は、軍服姿の「パリャーノチカ」の出番。旧ソ連の戦時歌謡の力強いうたごえが会場に響きました。

 伴奏は1000曲のレパートリーを持つ岡田桃子さん。うたごえ運動では知らない人がいない名伴奏者です。その伴奏とともにさまざまな曲が歌われました。今までの音楽行事では聞いたことのない歌もありました。

パリャーノチカ  そして、歌の背景や由来なども古是三春さんから説明があり、会場からは「おお、そうだったのか」「ええっ、知らなかった」という声が。

 関戸の印象に残ったのは「鶴」です。うたごえ運動の中では、女性の歌しか知らなかったので、男性の力強い歌声は刺激的でした。

 また、「セヴァストーポリワルツ」では、19世紀のクリミヤ戦争(トルストイが従軍し、ナイチンゲールの看護活動が有名)でも20世紀の独ソ戦でも激戦地となったことが説明されました。

 さらには、アンコールにも応えてくれて、「心さわぐ青春の歌」が歌われ、会場からは大喝采でした。

 総会後の二つのコンサート、今年の神奈川がさらに伸び行くことを感じさせるものでした。

(関戸)

教室案内

横浜ロシア語教室 第128期生徒募集中!

 4月16日(月)より順次開講いたします。「入門」(木曜夜=織田桂子先生、土曜昼=フョードロヴァ・スヴェトラーナ先生)「ロシア現代文学講読」(木曜昼=竪山洋子先生)「ロシア人とのコミュニケーション術」(土曜夕=トマルキン・ピョートル先生)を新規開講予定です。奮ってお申し込みください。

 初級~上級、会話、日本案内、個人レッスンも生徒募集中。

 料金や時間割などの詳細は教室ホームページをごらんください。見学は3クラス・各30分まで無料です。

 受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


ロシア語体験講座開講される

体験講座  第128期に向けた体験講座が3月24日の午前と午後の2回開催されました。

 午前11時からは初心者を対象とした「初めてのロシア語」で、4月から土曜日の入門クラスを担当されるフョードロヴァ・スヴェトラーナ先生が担当され、参加者は全部で11名でした。

 受講者の皆様は、ロシア語のアルファベットについての先生の説明を聞いた後で、前に出てホワイトボードに自分の名前をロシア語で書く体験をしました。

 受講者の皆さんが先生の話を聞くだけでなく、自ら積極的に前に出て授業に参加されるアクティヴ・レッスンでした。

 また最後には今年ロシアで開かれるサッカーワールドカップの開催都市名と会場名をロシア語で書いてある地図で探して読んで、それらがある場所を確認しました。 

体験講座  午後1時からは、「ロシア人とうまく付き合うために知っておきたいこと」をテーマにしたトマルキン・ピョートル先生の講義が行われ、様々な学習レベルの方が11名参加されました。

 ほぼ10年ぶりの当教室復帰となるトマルキン先生が流麗な日本語で、日本とロシアの文化や習慣の違いからくる挨拶等の行動の理解の違い、生じうる誤解の可能性などについて分かり易くお話し下さいました。

 先生自身の体験も含めて具体的な例を挙げられながら進められた講義には参加者全員が引き込まれ、異文化交流問題に関心を深めることができ、講義終了後は早速新講座の受講申し込みがありました。

(野口)

教室内装工事のお知らせ

 2017年4月に横浜平和と労働会館5階の教室を大幅に改装しましたが、再度改装を加えることになりました。

 入って右側の部屋、3番・4番教室の間の固定壁を、駅側の1番・2番教室と同じく可動壁に替えるものです。

 時間帯により教室の広さとそこを使うクラスの人数のバランスが崩れる問題を解決し、収容人数の幅を広げて用途に柔軟性を持たせる目的があります。

 工事は4月23日(月)の週の平日に行い、ロシア語の授業が集中する土曜日には終了している見込みです。

 工事中はご不便をおかけしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

(事務局)

GW休業のお知らせ

 4月29日(日)~5月6日(日)まで、ゴールデンウィークのため協会事務所と各種教室は原則として休業いたします。ご用の方は休みの前後にお願いいたします。何卒ご了承ください。

(事務局)

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講しています。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。

 今後の日程:5月12日、6月2日、6月30日、7月14日、7月28日、8月11日、8月25日、9月1日、9月15日(予定は変更の場合あり)
生徒募集クラス:
17:00~17:45ドムラ中級
18:00~18:45バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室 アンサンブル/グループレッスン

日程:毎月1回、土曜日開講
2018年度前期日程:4月21日、5月19日、6月16日、7月21日、8月18日、9月15日

◆グループレッスン:Aクラス 13:00~14:00
◆アンサンブルクラス(90分)14:10~15:40

講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階
神奈川音楽センターホール


組織・財政

組織状況

(2018年3月31日現在)

 3月は、新入会者が12名となりましたが、ロシア語教室を退校するのに伴って協会を退会する旨の連絡が来た人や12か月以上会費未納の人の退会処理をしたため、13名が退会者となり、会員数は2月に比べ、1名減の218名となりました。新入会者12名の内11名は、ロシア語教室受講生ですが、ロシアのダーチャにたいへん興味があるという人が入会してくれました。強いお力をお貸しください。

(木佐森)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2018/3/31
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計544,948622,266-77,318
教育事業3,499,8322,655,840843,992
一般事業645,679485,390160,289
合 計4,690,4593,763,496926,963
前年同期(単位:円)2017/3/31
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計1,718,8481,876,555-157,707
教育事業970,321928,28042,041
一般事業466,181364,131102,050
支出合計3,155,3503,168,966-13,616
当期剰余金1,535,109594,530940,579
合 計4,690,4593,763,496926,963

 3月は、128期ロシア語教室新学期の授業料の納入が続き、収入が計250万円と大きくなり、前年比128%になりました。
 それに比べ、その他の会費収入が前年比85%、物販・イベント収入が前年比83%と前年を下回ってしまいました。
 ヨールカ祭には届かないにしても、協会活動を活発にして、毎月核になるイベントを開催できるようにしていきましょう。

(木佐森)

お勧め商品

睡蓮の池で見つけた幻想イラストレーション
妖精たちが見たふしぎな人間世界 3,132円(税込)

妖精たちが見たふしぎな人間世界 発行:マール社
著者・編者:スヴェータ・ドーロシェヴァ
翻訳:竪山洋子
ISBNコード:978-4-8373-0672-6

 人間が実在するという証拠を、妖精たちが文章とイラストで報告する幻想イラストレーション画集。妖精の目から見た愛すべきへんてこな人間の世界を、アヤシくも美しい絵で魅せてくれます。
 ニールセン、デュラック、バルビエ…19世紀末イラストレーターたちを敬愛するウクライナの気鋭アーティストが日本初上陸!
 本書は神奈川県日本ユーラシア協会横浜ロシア語教室講師でもある竪山洋子先生が翻訳されました。ぜひご一読ください!

グルジア(ジョージア)風ミックススパイス「フメリ・スネリ」
400円 (税込)

フメリ・スネリ ソ連時代からロシア人にも親しまれている調味料。仕上げに少し加えるだけで、いつもの料理がグルジア風に大変身!
内容量:30グラム
原産国:ロシア
原材料:海水塩、コリアンダー、フェヌグリーク、バジル、マジョラム、ディル、チャービル、ミント、パセリ、ローリエ、粉唐辛子、ターメリック
賞味期限:2018年12月25日
保存方法:直射日光、高温多湿を避けて保存してください

文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

Russia Airplay Chart TOP10  プーチン圧勝&冷ややかに諦めている国民、対照的な雰囲気がとても不思議なロシアから、2018年3 月第3週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中4曲が新曲!

 10位にプレトニョーワの«Белая»。純白の愛を狂おしく歌っています。8位に元ヴィアグラメンバー・ブレジネワが久々の登場、新譜«Ты мой человек»(貴方は私の男)がチャートイン。

 7位に、ニューシャのダンス系ミュージック«Ночь»(夜)が登場。最近は後進を育成するオーディションバラエティ番組で審査員やコーチをしたり、創作活動以外も多忙を極めています。

 5位に、チマチーと共に人気を二部する、ブラックスター発のフェイスシンガー、クリードの«Слеза»(涙)がランクイン。«Самая самая»などが大ヒットして、昨年は1年間に8曲もリリースしてたんですね。ひょっとしたらブラックスターの稼ぎ頭かもしれません。独立もありうるか?

 エルジェイ&フェデュクとブリトーを後退させ、肉食女性ロボダのハイコストパフォーマンス«Парень»(青年)が首位に。おめでとうございまーす!:-)

※記事全文はブログでごらんください。

【画像引用元】 Ольга Бузова→Okras
Элджей→Okras
Слава →http://www.womanhit.ru/

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2018年3月19~25日/MOPA)

演劇・映画

遊劇社ねこ印工務店プロデュース チェーホフ上演企画第2弾
5丁目の猫 第2回公演「かもめ」~4幕の喜劇~(群像社)

3月15日 於:下北沢シアター711

「かもめ」

 「敷居の低いチェーホフ劇」をめざす遊劇社ねこ印工務店。昨年はチェーホフ・フェスティバルを主催し個性的な劇団を招聘、今年は同劇団自身が「かもめ」を十年ぶりに再演した。

 今回の脚本は群像社の堀江新一翻訳版を採用し、普通に演じればゆうに2時間という作品を1時間半程度にした「入門者にもやさしい『かもめ』」。とはいえ、これだけオーソドックスな演出にもかかわらず、カット部分があってもまったく不自然でないところがすごい。昨今小劇団でよく見られる、原作戯曲をコラージュし大幅に改編するような演出ではないのがかえって新鮮だ。

 印象に残るのは女性登場人物たち。コースチャに片思いのマーシャやその母親ポリーナは反目する親子でありながら、男性に対する希望と失望を共有していて面白い。ニーナが女優になって戻ってきたときの変わりようは、清純なルックスとの落差が大きく驚かされる。そしてアルカージナは、時間が経っても変わらない俗っぽさに可笑しさがあるのだが、コースチャの自殺を経てどうなっていくのか、いろいろ想像してしまう。

 ところで堀江訳では、コースチャの自殺に使われた凶器について「ピストルか猟銃か」というこだわりを展開し、自殺未遂の際は「猟銃」と訳している。翻訳者のこだわりを舞台でどう表現するかは演出家の腕の見せ所。敷居の低いチェーホフ劇は、原作戯曲を読んでみようという気分にもさせてくれるから不思議だ。

(文:滝沢 三佐子/撮影:桒原 正巳)

映画『ラブレス』

(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品/2017年/ロシア)

「ラブレス」

 『父、帰る』『裁かれるは善人のみ』など、人間のもつ心の闇や不条理性を描くことで高い評価を得ているズビャギンツェフ監督の最新作。

 『ラブレス』の原題は«Нелюбовь»。お互い、新しいパートナーがいる離婚協議中のジェーニャとボリス。ふたりの間には12歳の息子アリョーシャがいるが、両親の新しい生活にアリョーシャは必要とされていなかった。喧噪のなかで息子の養育を押し付け合った翌日、アリョーシャは登校中に行方不明となる。ジェーニャとボリスは、失踪した息子を必死で探し続けるが…。

 親子、夫婦の問題は古今東西共通のものだが、家族愛の不在や可変について容赦ない描写はズビャギンツェフ監督の得意とするところ。ロシア語の映画だけど全然ロシア映画っぽくないのもこの監督の持ち味といえる。2017年カンヌ映画祭審査員賞受賞。

 4月7日より横浜ブルク、川崎チネチッタ、5月19日よりジャック&ベティで公開。

文:滝沢 三佐子
(C)2017 NON-STOP PRODUCTIONS
(C)WHY NOT PRODUCTIONS

ユーラシア通信

「数年前とは見違えるようになっている」
新大使着任記念ウズベキスタン投資プレゼンテーション

ウズベキスタン投資プレゼンテーション  新大使着任記念ウズベキスタン投資プレゼンテーション「経済改革の新展開」が、3月12日(月)都内のホテルニューオータニで、ROTOBO(ロシアNIS貿易会)主催にて開催されました。新たに駐日ウズベキスタン大使のファジロフ・ガイライト氏(写真)は、1974年8月生まれで、同国外務副大臣(2015年~17年)を務めた後、昨年の12月22日に着任されたそうです。

 ファジロフ大使は「ウズベキスタンにおける経済改革の新展開」というテーマで「国内で様々な部署で改革が進められており、数年前とは見違えるほどになっている。とりわけ公務員改革による、職務意識が向上してきている。」と胸を張りました。

 続いて、同国南東部スルハンダリヤ州の副知事は、同州の経済の主力は綿花などの農業だが、古都テルメスで加藤 九祚先生の発掘による古代の遺跡の観光に力を入れていると報告。

 最後は、中央アジアで唯一、成田航路を配備しているウズベキスタン航空東京事務所のハルベコフ代表が、同会社は23機の飛行機を所有しており、成田―タシケントは週2便確保しているので、キルギス、カザフ、タジクなど他の中央アジア諸国への航空路としても有効に活用されているとしました。

 会場は、100人を超えるビジネスマン・ウーマンで、いっぱいになりました。

(木佐森)

日ロ経済交流の実践化が進んでいる
新任ガルージン駐日大使が挨拶 ロシア工業団地セミナーin東京

ロシア工業団地セミナー  3月1日に着任したミハイル・ユリエビッチ・ガルージン駐日ロシア大使(写真)を迎えて、「ロシア工業団地セミナーin東京」が、3月16日(金)ROTOBO(ロシアNIS貿易会)主催で、ホテルニューオータニでにて開催されました。ガルージン大使は2001年~2008年駐日公使、10年~12年ロシア外務省第3アジア局長、12年~17年駐日インドネシア大使を歴任。当協会会報9月号で、いち早く駐日大使に就任する旨を報じましたが、同大使は「北方領土は、第2次世界大戦の結果ロシア領になった」とする強硬派としても知られています。

 16日のセミナーでは、着任の挨拶も兼ねてか、「安倍・プーチン両首脳の話し合いにより、日ロ経済協力の実践化が進んでいる。ロシア外務省ではサンクト郊外で生産したトヨタのカムリを使用している。」など20分以上に渡り、原稿なしにとつとつと話しました。

 今回のセミナーは、全部で9個の報告があり、午後2時から途中コーヒーブレイクを入れて、みっちり3時間半、午後5時半まで密度の濃いセミナーになりました。

 先ずは、成功例のハバロフスク郊外での日揮による、2015年開業のトマト(2.5ha)、キュウリ(2.5ha)栽培とスーパーでの販売(ロゴはノーヴイジェニ)。年間1300トンを生産販売しており、今後さらに、隣接地で5haの拡張を図る計画があるとの報告でした。

 進出にともなう様々な法手続きなどは、ドイツ企業のノエール・コンサンティングが一切処理しますと報告が続き、続けて、ロジステックは、モスクワ・サンクトなど国内12拠点に大規模物流倉庫(現在ブリジストン・横浜タイヤが契約)を持つMLP社が受け持ちますと副社長のグレブ氏は胸を張りました。その他、現地生産の仕方、現地企業の活用法、工場建設の案内などきめ細かい報告が続き、日本企業のロシア進出も本格的になって行く期待が持てるセミナーとなりました。

(木佐森)

旅客事業には中央アジア諸国間の横の連携が必要
外務省中央アジア対話

中央アジア対話  外務省の中庭の桜が咲き始めた3月23日(金)、外務省7階北国際大会議室で、「観光分野を含む中央アジアとのビジネスの現状とその可能性」をテーマに「中央アジア+日本」対話が開催されました。

 富山未来仁外務省中央アジア・コーカサス室長の司会、相木俊宏中央アジア担当特別代表(大使)の基調報告で始まり、中央アジア各国からの報告へと続きました。タジキスタンからは旅行会社スカイ・ツアー社長。カザフスタンはアクモラ州観光情報センター代表、キルギスはキルギス・ツアーオペレーター協会代表、トルクメニスタンは国営観光公社アシガバットシャハット社長、ウズベキスタンからは国家観光発展委員会委員長。日本側からは、JATA(日本旅行業協会)理事長と地球の歩き方事業本部長が、それぞれ日本側の状況及び「地球の歩き方」の編集方針を報告しました。

 各国とも、多くの日本旅行者に来てもらいたいと熱心なプレゼンがありましたが、そこには、民間、国営企業、役人という違いがあり、一番のプレゼンはタジク民間旅行会社のスカイ・ツアー社長で、心を籠めて最善の準備をしている状況が感じられました。またキルギス代表からは、日本外務省の海外安全情報が同国南部地域をレベル2(不要不急の渡航の中止)としているが、通常に戻して欲しい旨の要望がありました。 

 中央アジアへの旅行の一番の問題点は、定期直行便がないことで、ウズベキスタン航空が夏期に週2便飛んでいるだけで、あとは仁川か香港経由になってしまいます。会場からの質問でも、「中央アジア5か国間を横に動きたいが、航空便が突然キャンセルになったり、時間が大きく変更されたりしてたいへん困っている」「5か国間相互の入管審査を簡単にして欲しい」などの要望が出されていました。神奈川からは板垣さんと木佐森が出席しました。

(木佐森)

「サハリンを忘れない」発売記念トークイベントに参加して

サハリンを忘れない  サハリンは、1945年まで南半分が南樺太として日本領土であった。しかし、戦後はソ連領となり、ほとんどの日本人は引き揚げたが、朝鮮の方と結婚するなどして、サハリンに残らざるを得ない日本人も存在した。その殆どが女性であった。本書は、そのようなサハリン残留邦人の生活実態に迫ったルポルタージュである。著者の後藤悠樹氏は2006年からサハリンを取材している。ときには、3ヶ月間アパートを借りて取材したこともあった。その動機は、サハリンには今でも日本の人が住んでいて、どのような生活を送っているのか興味を抱いたためだという。そして、「歴史」は、1人1人違うということを表現したかったからだという。宗谷海峡の向こうにあるふるさとニッポン。しかしながら、彼ら彼女らにとってはサハリンも同様にふるさとなのである。

 ソビエト支配下となった樺太(サハリン)にたった一人残留せざるを得なかった当時13歳の松崎節子さんや、敗戦後の貧困のため、14歳の時に結婚させられて以来約60年、西海岸の小さな村に住み続ける笑顔が素敵な渡辺ハツエさん、また韓国系住民でありながら、日本から聞こえてくる雑音混じりのラジオをいつも聞いていた盲目のよしこさんなど、1人1人が壮絶な人生を生きてきた。我々はそれを「知らない」ですまされるのか。戦争が終わって70年を過ぎ、当時を知る人も少なくなってきた。今こそが最後のチャンスであろう。

 NPO法人日本サハリン協会は、残留邦人の支援を行う団体で、「百万本のバラプロジェクト」を推進している。6月には、加藤登紀子さんのコンサートツアーもウラジオストクとサハリンで開催される予定である。また、8月には神奈川県ユーラシア協会でも、サハリン訪問を企画している。サハリンの現状を是非観ていただきたい。

「サハリンを忘れない」
定価2,500円+税
A5版288頁(オールカラー)・並製
発行元:DU BOOKS

(内藤)

初出店のバラホルカ 黒パンのブテルブロートは完売!

 3月11日(日)、東京の秋葉原ハンドレッドスクエアで第4回バラホルカ(ロシア語で『ノミの市』の意味)が開催されました。4月1日(日)の総会記念コンサートに出演したパリャーノチカの古是さん主催。ソヴィエト・ロシアや東欧諸国、中国・北朝鮮まで含めてのグッズや軍装品のフリーマーケットです。関戸は昨年の第一回から参加していました。今回は有志のボランティアとして出店を企画しました。内藤さんと一緒に飲食を担当し、黒パンに、チーズ・ハム・オイルサーディン(協会販売のもの)の三種のブテルブロートと紅茶のセットを提供しました。午前11時から夕方6時までの長丁場でしたが、用意した50食は完売。黒パンがなくなったので、フランスパンを急遽、買い出ししたほどの売れ行きでした。夜7時~9時はコンサート。パリャーノチカのメンバーと在日ロシア人のグループによる歌と踊り。この時には田中理事長も参加。楽しいコンサートに大満足。

 初参加で完売のバラホルカ、今後もいろいろな形で出店をしていきたいものです。

(関戸)

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。もっと面白くしたい方、新しい企画を思いついた方、協会や機関紙について感想や意見のある方は、読むだけでなくぜひ投稿してください。

 ユーラシア(旧ソ連地域)関連ネタなら文章でも写真でも絵でも、ジャンルを問わず何でもOK。

 ただし全てボランティアで、自分のオリジナル、または権利者の許可を得たもの、著作権法に触れないものをお願いします。ペンネームや注意事項があればそれも忘れずに。

 文章は1記事800字以内が目安で、長ければ編集・分割して掲載する場合もあります。

 原稿はメールやFAXや郵便で下記へ送ってください。締切は毎月末で、翌月15日頃に発行されます。投稿をお待ちしています!

(機関紙編集部)

歴史・社会