今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2018年9月号 No.683

行事予定

簡単ロシア料理を味わう会 兼 サハリン旅行事後交流会

 ロシア料理を作るのは「手間がかかって大変!」と思われる方も多いでしょう。実際に、手間がかかるのは事実です。

 けれども、わずかな時間と一手間でできる簡単ロシア料理もあります。今回は、その簡単料理を作って味わいます。時間は15分。手間はマカロニをゆでることと、コンビーフを炒めることの二つだけ。

 マカロニというと、スパゲティと並ぶパスタの代表選手で、イタリア料理が頭に浮かぶでしょう。ところが、ロシア人もマカロニ大好き人間なのです。メニューは『水兵マカロニ』(海軍マカロニの表記もあります)。軍艦の中で、戦闘中でも手早く、さらに美味しく、満足して食べられる食事の一つです。

 その料理をほおばりながら、今夏のサハリン旅行事後交流会を行います。来年の旅行を考えている人の参加は大歓迎です。もちろん、食べに来るだけでも大丈夫。食べながら写真とビデオで旅行も味わいましょう。

日時 2018年9月23日(日)13:00~
会場 横浜平和と労働会館5F当協会教室
参加費 800円(他に、黒パン、バルト海の燻製イワシ油漬缶と紅茶も付きます。持ち寄り大歓迎です。)
*料理の準備と会場の都合上、参加者は「20人まで」とさせていただきます。事前にお申し込みください。

お申し込み・お問い合わせ先:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

よこはま国際フェスタ2018 ボランティア募集(10月5日、6日)

 神奈川最大級の国際協力・多文化共生イベント「よこはま国際フェスタ」(公式サイトはこちら)。今年は10月6日(土)・7日(日)、8日(月・祝)の3日間、10時30分から16時まで、昨年と同じくグランモール公園(横浜美術館前)で行われます。

 神奈川県日本ユーラシア協会は6日(土)のみ出店します。食販ブースでロシア料理(ボルシチ、ペリメニ)やジョージアワインを販売する予定です。

 前日の5日(金)・当日6日(土)には、調理や販売のボランティアスタッフも必要です。ご都合のつく方は担当できる日時や内容を協会事務局までお知らせください。ご協力をお待ちしています!

当協会ボランティアお申し込み・お問い合わせ先:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

第72回ロシア語能力検定試験

 10月6日・7日に横浜平和と労働会館4階で検定試験が実施されます。
 受験者の皆様には、学習の成果を発揮して合格されますようお祈り申し上げます。

お問い合わせ先:ロシア語能力検定委員会事務局(東京ロシア語学院内)
Tel: 03-3425-4011
E-mail: kentei@tokyorus.ac.jp

●10月6日(土)
【2級】筆記10:00~12:00、聴取12:00~12:25、会話(口頭作文)12:30~
【4級】筆記14:00~15:30、テクストの朗読(録音)15:30~

●10月7日(日)
【1級】筆記10:00~12:00、聴取12:00~12:25、会話(口頭作文)12:30~
【3級】筆記13:30~15:30、聴取15:30~15:45、テクストの朗読(録音)15:50~

※横浜ロシア語教室では、9月に3級・4級対策集中講座も行われます。教室ホームページをごらんの上、お申し込みください。

『戦争と人間』第三部 ノモンハン描写シーンを観てから学ぶ
『ノモンハンの真実』学習講演会

 本年度、総会でのジョイントコンサートで熱唱された古是三春さんが出版された書籍、『ノモンハンの真実』。その本の内容を、映画『戦争と人間』第三部のノモンハン戦闘シーンを鑑賞した後に、じっくりと学びましょう。

 「ノモンハンは近代的軍隊のソ連軍に、精神主義の前時代的な日本軍が完敗した」「戦車に肉弾をぶつけて戦った」というのが、かつての一般的な評価でした。ところが、ソ連崩壊後の情報公開によって、実は損害はソ連・モンゴル側の方が日本よりも多かったこと。一方的な完敗と言われていた戦車での戦闘は、実は日本側にも優勢な時期があったこと。航空戦で10倍以上のソ連軍を撃退したというのが、実は互角か、やや日本側が劣勢であったこと、など。綿密な調査と研究によって、それらが明らかになりました。

 正しい歴史認識をこの学習会で身に付けましょう。

日時 2018年10月28日(日)13:00~
会場 横浜平和と労働会館5F当協会教室
参加費 500円(資料代、黒パン・イワシ缶と紅茶付)

お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp

活動報告

現代ロシア映画鑑賞会「草原の実験」報告

草原の実験  8月5日(日)に神奈川県日本ユーラシア協会教室で、本年3回目の現代ロシア映画鑑賞会を開催し、5人が参加しました。

 1949年8月にセミパラチンスク(旧カザフ共和国)で、ソ連初の核実験が行われ、以来多くの核実験被害者を出してきました。今回はそうした事実にインスピレーションを得たアレクサンドル・コット監督の寓話的作品「草原の実験」(2013)を鑑賞。

 草原の広大さ、韓国・ロシアの混血女優、エレーナ・アンの凛とした美しさ、衝撃のラストシーンに目を奪われました。

 観賞後、セミパラチンスクに行かれたことのある石井みどりさんから「セミパラチンスクの広大な実験跡地に立った時、ソ連時代に実験を止める事が出来たすごさを感じました。何か学べるのではと、期待をしていました。けれど、終章は核実験により総てを破壊。大きな宿題を戴きました」と感想を述べられました。

 次回はセルゲイ・ボドロフ監督「ベアーズ・キス」(2003)を予定。
 日程が決まり次第チラシなどでお知らせします。

(滝沢)

8・15企画『ひまわり』DVD鑑賞会

ひまわり  「8・15」に一番近い8/19の日曜日、参加者5人で『ひまわり』鑑賞会を行いました。

 イタリヤ・フランス・旧ソ連の合作映画で、ロケ地は当時困難であった旧ソ連。もちろん、イタリヤでのロケもふんだんにありました。イタリヤでの海の青さの美しさは素晴らしいものでした。それと対照的に、戦闘の際のソ連の冬の苛酷さが強調されました。

 マルチェロ・マストロヤンニ演ずる夫は、その東部戦線での戦いで落伍するのです。助けようとすれば、自分も一緒に倒れてしまうのです。肩を貸そうとする戦友に「置いてってくれ」と言い、雪の中に埋もれてしまいました。その夫を雪の中から救いだし、命を助けたのがソ連女性でした。ソフィア・ローレン演ずるイタリヤに残った妻は夫の戦死を信じずに、ソ連まで夫を探しに行くのです。やっと探し当てた時には、命を助けてくれた女性と結ばれ、可愛い子供までいたのです。傷心の帰国をした妻のところへ、夫は行きますが、妻も再婚していました。

 愛し、愛されて結ばれた男女が戦争に引き裂かれる悲劇です。そして、その切ないメロディーは、映画音楽の最高傑作の一つです。紙面だけでお伝えできないのが残念。参加者の3人は未見だったので、「本当に悲しいこと」「自分だったらどうするだろう」「男の身勝手」などの感想が聞かれました。

(関戸)

サハリン旅行断片記

第1回 北辺の旧「日本」樺太・サハリンへの旅
2018年8月11日(土)~ 8月15日(水) 4泊5日

1. 合流の地、千歳での夕食
 参加者6人揃ってホテルを出て外食。ぶらつくと参加者の角さんが、赤ちょうちんで「めし」と書いてあるのを見つけました。6人すぐに入れるというので店へ。北海道らしくジンギスカン定食があったので、迷わず注文。赤ちょうちんなので酒も豊富。参加者の川北さんとウォッカで乾杯しました。ショットグラスではなく大ぶりのブランデーグラス。飲みでがありました。顔合わせ直後の楽しい夕食。旅の成功を思わせました。

2. 二度目のプロペラ機
 千歳空港からサハリンのユジノサハリンスクまでの飛行機を見てビックリ!。何と、プロペラ機だったのです。プロペラ機に乗るのはこれが二度目。最初はアエロフロートの国内線で、イルクーツクからハバロフスクまでの便。初めての海外旅行で乘りました。それから36年ぶりのプロペラ機。乗り心地は悪くなく、座席も二列ずつだったので、ゆったり。それにしても国際線がプロペラ機とは。驚きの出発となりました。

3. ガイドのサーシャさん
 今回の旅行で、全日程のガイドを勤めてくれたアレクサンドル(サーシャ)さん。地元の大学教授で、日本語はペラペラでした。案内の際には、大学教授らしく多角的で深い説明をしてくれました。また、参加者の意見や要望も良く聞いてくれて、大変ありがたかったです。

4. 稚内市サハリン事務所
 サハリン初日の夕食後に、稚内市サハリン事務所主査の中川善博さんを招いての懇談会。唯一のサハリン体験者で副団長の内藤さんの企画でした。発展著しい現状が語られました。21世紀になってから「ロシアの成長地点」であるとの話。ただ、観光の点ではいささか不足気味で、まだ「万人向けの観光地」にはなっていないということでした。次回も、この企画は続けたいと思いました。

サハリン 5. 活気ある町
 旅行2日目は、ユジノサハリンスク市内観光。関戸はモスクワ・サンクトペテルブルグには行ったことがありません。極東地域ばかりです。ハバロフスク、ウラジオストック、イルクーツクです。それらの街よりもユジノサハリンスクは活気があるように思いました。当時、「豊原」と呼ばれたこの町は、札幌を模して造られました。碁盤の目のような街並みで、初めてでも地図を見れば迷うことはありません。成長の息吹をそのまま感じる町並みです。

6. 宮沢賢治を追体験
 市内観光は郷土史博物館からスタート。サハリンの自然や歴史、その発展が分かります。古代の展示では化石や鉱物の展示がありました。宮沢賢治は1923年に当時の樺太を訪れています。盛岡高等農林学校卒で農学校教員時代は土壌について教えていた宮沢賢治は、「石こ賢さん」と呼ばれるほど化石や鉱物に興味を示していました。現に樺太滞在中に植物採集をしており、化石や鉱物も対象でした。その宮沢賢治が見たであろう展示を追体験しました。

7. 日本にないもの
 郷土史博物館の外に、「奉安殿」が残っていました。昭和天皇の御真影(写真)を納めたものです。日本では、戦後GHQの命令で全て取り壊されました。旧ソ連の国土となったサハリンでは、ここ以外でも行くところ行くところに残っていました。まさに、北辺の旧「日本」を感じるものでした。

8. 日本語表記がうれしい
 チェーホフも調査旅行でサハリンを訪れました。過酷な流刑地のサハリンで医師として収容所の政治囚と接して、その記録を残しました。この経験を『サハリン島』という作品にしています。それらが展示されているのがチェーホフ博物館です。チェーホフは収容所で数多くの囚人の記録をカードにしていました。サーシャさんの勧めで、そのカードを旅行団全員が日本語で書きました。博物館に保存されるので次回に行った時には見てみたいものです。そして、何よりうれしいのは展示説明が日本語でも表記されていることです。ロシア語が分からなくても、この博物館は大丈夫です。

サハリン 9. 宮沢賢治の足跡
 旅行3日目は、全旅程中で最も遠距離移動。宮沢賢治の足跡を辿るコース。宮沢賢治は大泊(現コルサコフ)から鉄道で北上。残念ながら、当時の鉄道は廃線となってしまい、鉄道ではなく自動車でした。落合(現ドリンスク)では、廃墟となった旧王子製紙の巨大な煙突が印象的でした。昭和初期には日本のパルプ生産の半分を、この樺太が占めていたのです。「夏草や兵どもが夢の跡」を実感します。そして、落合から栄浜(現スタロドブスコーエ)へ。宮沢賢治が降りた駅は跡形もなく、ただ枕木の一部がわかるだけでした。しかし、当時と変わらぬハマナスの赤い色が強烈でした。この栄浜は『オホーツク挽歌』に描写されています。また、この栄浜での幻想的な風景が『銀河鉄道の夜』のモチーフとなりました。95年前の宮沢賢治の姿を思いました。

サハリン 10. カニの美味さ
 さらに北上し、白浦(ブズモーリエ)へ。途中、宮沢賢治が詩の中に残した「白鳥の湖」を車内から遠望しました。白浦では、鳥居。これは皇紀2600年(1940年)に建立されたものです。およそ80年前の鳥居がそのまま残っています。もちろん、碑文は日本語で表記されています。その後、街道沿いのカニの屋台へ。大きなカニを手づかみで味わいました。今朝捕れたばかりという新鮮さ。殻を鋏で開き、白身の肉をほおばりました。

11. 悲劇と歓喜
 旅行4日目は一番の早起きで、真岡(現ホルムスク)へ。途中、熊笹峠を越えました。ここは日ソ両軍の激戦地となったところです。この峠を突破されたら一気に真岡市街へ。そのため、日本軍は必死の抵抗を行いました。大きな戦勝記念碑が建てられ、当時のトーチカも残っています。そんな歴史とは裏腹に、今は観光名所となっているとのこと。結婚式まで行われているそうで、その際に祝杯を割ったガラスの破片があちこちにありました。悲劇の歴史と現在の歓喜。あまりの違いに言葉を失くしました。

12. 「オケアン」の再現
 博物館見学と高台からの見学、旧王子製紙工場跡見学の後、カフェで昼食。この時、小学生の団体と一緒になりました。一つのグループは20人程度。それが入れ替わり、食事に来るのです。持っていた紙で兜を作りました。角さんは鶴を。すると、「僕にも」「私にも」と子ども達が並びました。紙がなくなったので、食堂の人に「ウ ヴァス イェスチ ブマーシカ?」(紙ありますか?)と聞くと、「ハラショー」と、持ってきてくれました。折っていると、次のグループが食事に来ました。先生に「イズヴィニーチェ   イェッショー アジーン ミヌータ」(すみません、あと一分)と頼んで、残っていた一人に渡しました。今回、ハバロフスク旅行は実施できなかったが、その際のオケアンキャンプ場での子ども達との交流そのままの状況でした。思い出に残る一コマでした。

サハリン 13. 北のひめゆり
 真岡というこの言葉を特別に感じるのは、北のひめゆりとも言われる悲劇があったからです。真岡郵便電信局の電話交換手9人の自決です。当時の郵便局の建物はありませんが、同じ場所に郵便局があります。参加者の梅津さんと、その郵便局で切手とハガキを買いました。郵便局からは綺麗な海が見えます。しかし、1945年8月20日の海にはソ連軍の軍艦があり、艦砲射撃を加えたのです。「捕虜になるのは死にまさる屈辱」という教育を叩きこまれていた当時の人々には降伏という選択はありませんでした。綺麗な海からは信じられない悲劇があったことを思いました。

14. 詩の朗読
 旅行最後の夜は、夕食後に全員が関戸の部屋に集まりました。そして、宮沢賢治の詩を二編、全員で朗読しました。その詩は『オホーツク挽歌』と『樺太鉄道』です。宮沢賢治が樺太を訪れた理由は、教え子の就職を、王子製紙に勤務している高等農林時代の先輩に相談するためでした。それは表向きの理由で、前年死去した妹トシを想っての旅行であったということが研究者の常識です。そのことについて、参加者全員で、語り合いました。宮沢賢治が隣にいるのか、と思うくらい、発言する人は宮沢賢治になり切っていました。普段、国語教師として教室で宮沢賢治を教えていますが、ここでの語り合いはとても勉強になりました。また、大いに感銘も受けました。ここでの語り合いを教室で教えていきたいです。

15. ここはどこ?
 旅行最終日は、午前中にショッピングモールへ。モール内は「ここはどこ?」、東京?大阪?と思うぐらいの規模。内容も充実しており、「極東最大」という評判通り。実際、参加者が迷ってしまったほどなのです。このショッピングモール一つ見ても、サハリン全体の活気や成長が感じられます。

(文・関戸/写真・内藤)

教室案内

横浜ロシア語センターロシア語講座(横浜ロシア語教室より改称)
第129期10月開講!

 10月15日(月)より順次開講。初めて学ぶ方を対象とする入門クラスは金曜夜(小林淳子先生担当)と土曜午前(織田桂子先生担当)に新規開講します。また、新しく金曜夜に「ビジネスパーソンのロシア語」(竪山洋子先生)、土曜昼に「イントネーションと発音」(タラルイキナ・オリガ先生)も開講予定です。

 9月29日(土)には2つの体験講座も行われますので、興味のある方はお気軽にご参加を。詳細は同封のチラシをごらんください。

 料金や時間割などの詳細は教室ホームページをごらんください。見学も歓迎。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。


横浜ロシア語教室 改称のお知らせ

ロシア語委員長 大山 麻稀子
会長 木佐森 雅道

 神奈川県日本ユーラシア協会が運営する横浜ロシア語教室は、第129期(2018年10月)より下記の名称に改称いたします。

横浜ロシア語センター ロシア語講座
Центр русского языка в Йокогаме
Курсы русского языка

 横浜ロシア語教室は現在、100名近くの受講生と15名の講師を抱え、ネイティブ講師のほとんどと日本人講師の2名がРКИ(Русский язык как иностранный=外国人向けロシア語教授法)の免状を有し、РКИに沿った授業をおこなっています。また、講師を対象とするシンポジウムや勉強会も定期的に開いており、ロシア語教育の研究とその実践に力を入れています。そのために、単なる教室ではなく、語学教育を充実させるために研究も行う場として改称することが必要になりました。

 今年の秋には、ニージニー・ノヴゴロド国立言語大学からロシア語教授法のインターン生を受け入れることになり、将来的に同大学とパートナーシップを結ぶ予定です。

 また、将来的にはロシア語講座以外の様々な講座の開設も視野に入れて、小規模なイメージのある教室ではなく、センターとして事業を展開できるようにすることも計画しています。

 横浜ロシア語教室はこの10月より、横浜ロシア語センターとして新たに出発します!!

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講しています。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。

 今後の開講日程はお問い合わせください。

生徒募集クラス:
17:00~17:45ドムラ中級
18:00~18:45バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室 アンサンブル/グループレッスン

日程:毎月1回、土曜日開講
2018年度後期日程:10月20日、11月17日、12月15日、1月19日、2月16日、3月16日

◆グループレッスン:Aクラス(現在休止中、受講生3名で開講可能)
◆アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30

講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階
神奈川音楽センターホール


組織・財政

組織状況

(2018年8月31日現在)

 年初会員数219名。7月末会員数229名。8月末会員数226名。2018年度入会者数累計33名、退会者数26名。

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2018/8/31
単位:円
摘 要本年度収入前年同期収入対前年同期増減
一般会計1,208,4061,199,9998,407
教育事業6,794,2945,095,4031,698,891
一般事業1,327,4831,157,237170,246
合 計9,330,1837,452,6391,877,544
前年同期(単位:円)2017/8/31
摘 要本年度支出前年度支出対前年同期増減
一般会計4,212,4444,370,770-158,326
教育事業3,143,8582,618,690525,168
一般事業820,659916,042-95,383
支出合計8,176,9617,905,502271,459
当期剰余金1,153,222-452,8631,606,085
合 計9,330,1837,452,6391,877,544

夏期カンパありがとうございます

 残暑が、まだまだ続いておりますが、みなさまは夏バテもせずに、ご活躍のことと思います。

 会員の浅見様から「毎月のユーラシア協会の会報を楽しみにしております。色々な行事を企画されていらっしゃるのに、参加することが出来ず、申し訳なく存じます。ほんの気持ちばかりですが、同封させて頂きましたので、お納めくださいませ」というお手紙とともに、1万円のカンパが同封されておりました。

 浅見様のありがたいお気持ちを大事にして、当協会の活動活性化のために、使わせていただきたいと思います。浅見様に感謝申し上げるとともに、みなさまにご報告いたします。

(神奈川県日本ユーラシア協会会長 木佐森 雅道)

お勧め商品

「ロシアへの道2 中級教科書」3,456円 (税込)

ロシアへの道2 Дорога в Россию: Учебник русского языка 2 (базовый уровень).
発行:サンクトペテルブルグ
出版社「ズラトウスト」 2011年
編者:V.E.アントーノワ、M.M.ナハービナ、A.A.トルストゥイフ
ISBN 9785865474005 R61167
A4版変形、全256ページ 、ロシア語

 文法の習得、読み書き、聞き取り、会話まで、全ての分野をバランスよく学べる外国人向けのロシア語教科書。全7課。
 入門編を終えて、これから文法をしっかり身につけたい方向けの「基礎レベル」。
 当協会横浜ロシア語センターでは中級クラスで使用しています。
 例文には実際に使ってみることができそうな現代ロシアの様々な事物が登場します。
 格変化や人称変化などの文法概念も、豊富な図版で楽しく見て理解できるよう工夫されています。

文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

Russia Airplay Chart TOP10  世界規模の酷暑から何とか逃れたロシアから、2018年8月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中6曲が新曲の、熱い戦い!

 10位に、90年代から活躍している、露ロック界の草分け的存在ノチヌィエ・スナイペルの«Инстаграм»(インスタグラム)。8位に、アルトゥール・ピロシコフの芸名で大人気のマルチコメディータレント、レッヴァの新譜«Чика»(チカ)。6位に、ロボダの«Superstar»(スーパースター)。5位に、白目のコンタクトレンズがトレードマーク、エルジェイの新曲«360°»がランクイン。コケティシュな笑顔で人気、トリオユニット・セレヴローの元Voで、スーパーヒット曲«MAMA LOVER»を引っさげ日本に来日ライブ経験があるテムニコワの新曲«Не модные»(モードじゃない唇)が3位になりました。

 新星ラッパー・ツゴが6月中旬にリリースした新譜«Panda E»(パンダ・イェー)が、あれよあれよいう合間に首位に上り詰めました。おめでとうございまーす!:-)

※記事全文はブログでごらんください。

【画像引用元】
CYGO→http://readtiger.com
Елена Темникова→https://infourok.ru/
Элджей→https://promodj.com/
Артур Пирожков→http://revva.ru/
Loboda→http://www.muz1.tv/
Ночные снайперы→http://metalkings.org/

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2018年8月20~26日/MOPA)

演劇・映画

第12回 シアターχ国際部隊芸術祭 かぐやAVECアインシュタイン
クルガン人形劇場 ガリバー「かぐや姫」

8月11日 於:両国・シアターχ(カイ)

「かぐや姫」  ロシアの人形劇団が日本の昔話を上演するとどんな舞台になるのか。人形の造詣も舞台演出もまったく想像できず足を運んだが、人形浄瑠璃の黒子のような衣装を着けた人形遣い3人が、すり足でパペットを操るノン・バーバル劇は、まさに能を観るような緊張感あふれる舞台だった。

 音楽と若干の効果音以外は音らしい音がなく、場内は張りつめたように静か。だが 時にパーカッシヴ、時に雅楽のような荘厳さをもつ音楽と舞台照明が、静寂と躍動、闇と光を効果的に際立たせる。

 鬱蒼とした竹林に住む老人が竹の中に小さな女の子を見つけて連れ帰る。あまりのかわいさに老婆も夢中。競い合うように二人で彼女の世話をするさまが、時にほほえましく時に滑稽だ。竹林で金をみつけ、次第に裕福になっていく老夫婦。一方、女の子はあっという間の速さで成長していく。小さな可愛らしい少女が美しい乙女に変化するシーンは、まるでさなぎが蝶に脱皮するような神秘的なシーン。

「かぐや姫」  適齢期となった娘に言い寄る男は数知れず。しかし、娘は関心を示さず家にこもりきりだ。ある日、娘は帝に求婚される。帝の夢の中で竹林の逢瀬を果たすものの、月からの使者がやって来て帝の軍勢との間で闘いが起きる。帝は敗れ、娘は月へ旅立って行く。

 月に帰った娘が見下ろす地球は、あまり青くない。彼女の心中に去来するものは何なのか。ノン・バーバル劇は最後まで含みを持たせたまま幕を閉じる。

 人形劇場ガリバーは、ロシアの西南、カザフスタンに近いクルガン市を拠点に活動。本作は、日本人スタッフと『夜に輝く(Сияющая в ночи)』と題して“かぐや姫”を基にしたもので、演出は日本人演出家、西村洋一氏による。2013年初演以来、同劇場の主要レパートリーの一つで、2016年にロシアの国家的賞である「黄金のマスク」賞にもノミネートされた。人形劇=子ども向けという既成概念を打ち砕くロシアの実験精神あふれる人形劇は、もっと日本でも知られてほしいと思う。

(文:滝沢 三佐子/写真提供:シアターχ)

【映画情報】「ヒトラーと戦った22日間」

 (コンスタンチン・ハベンスキー監督・主演 2018、原題:Собибор 、ロシア・ドイツ・リトアニア・ポーランド)

 絶滅収容所ソビボルに収容されたソ連軍人を中心に企てられた最大の反乱を描く。
 9月8日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館で公開。

ユーラシア通信

モスクワスケートサーカス

8月8日 会場:かつしかシンフォニーヒルズ(東京都)

モスクワスケートサーカス  これまでボリショイサーカスは何度か観ましたが、今年の夏、初めてスケートサーカスを鑑賞する機会を得ました。

 舞台当日は台風が接近して大雨大風、それでもこの機会を逃すまいと大人2人で子供5名を引き連れ、青砥まで赴きました。

 幕が上がった瞬間から華やかな音楽に耳を奪われ、目は色とりどりにキラキラと輝く衣装に釘付けでした。広い体育館で催されるサーカスと異なり、パフォーマンスが繰り広げられる舞台が間近にあり、そのために一層出演者の華やぎがこちらに伝わってきました。妖精のような衣装をまとい、竹馬のような背の高いスケート靴を履いて踊る「四季」というパフォーマンスは圧巻で、幻想的な世界に引きずり込まれました。また、空気で膨らませた巨大人形が演じるコミカルな劇は、その一挙一動がおかしくてたまらず、隣の子供たちは笑い転げていました。

モスクワスケートサーカス  個人的には、サーカス以上にスケートサーカスは華麗で洗練されており、またぜひ来日してほしいと思いました。夏の思い出に残る、素敵な一日に感謝です。

(文・大山/写真・木佐森)

※神奈川県協会からは、ロシア文化フェスティバル事務局のご厚意により、12名が参加いたしました。

書評「よろこびの日 ワルシャワの少年時代」

I・B・シンガー 作/工藤幸雄 訳

 東欧文学の創造力には、各民族性の違いと共に、大きな問題点が内在するとすれば、ユダヤ人が使うイデッシュ語の存在がある。信仰も違えば、容姿もちがい、服装さえ違う。歩んできた歴史的道程も違う。この滅びの言語ではシンガーなどを通じて大輪の花を咲かせた。本書には、短編が19話書かれている。彼の父は、ラビであり、裁判官でもあり、最も貧しい人々が集まると言われたクロフマルナ通りの相談役でもあった。ゆえにタルムード(モーゼが教えた律法といわれる)の研究に余念がなかった。そんな父を見つめつつ、シンガーの少年時代は過ぎていった。貧しくてもそれなりに平和であった。当時、ワルシャワ市民の30%が、ユダヤ系人で、彼らの信仰深い、美しくも平穏な生活が、ドイツのナチスの台頭で、一変する。千年王国を掲げるドイツのホロコーストで、8割滅んだのだ。本書は、豊富に戦前の写真を載せ、当時のヘブライ人の生活、風俗が織り込まれている。学生の姿、街中のにぎわい、ブリキ職人の仕事場、道端でアヒルを商う女性。生き生きと当時の状況が伝わってくる。ナチスの台頭と共に、シンガーは、米国に亡命し、離れた地から、東欧の混沌を見つめることになった。

 1978年、ノーベル文学賞を受賞する。ソール・ベローによって、イディッシュ語は英訳され、幅広い読者を得た。

(中出)

アエロフロート機内誌「オーロラ」休刊のお知らせ

 年に4回、季節ごとに当協会機関紙に同封し、会員のみなさまに長年楽しんでいただいていたアエロフロート・ロシア航空の日本語版機内誌「オーロラ」ですが、2018年夏号をもって休刊するというお知らせが来ました。

 残念なことですが、みなさまにお配りすることができなくなってしまいました。いつの日か、再刊されることを熱望しています。

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。もっと面白くしたい方、新しい企画を思いついた方、協会や機関紙について感想や意見のある方は、読むだけでなくぜひ投稿してください。

 ユーラシア(旧ソ連地域)関連ネタなら文章でも写真でも絵でも、ジャンルを問わず何でもOK。

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(機関紙編集部)

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