12月23日、24日の2日間にわたり、ロシア文学を原文で楽しむ読書会を開催しました。
対象者をロシア語検定3級以上の方とし、予習用にオーディオ・ブックのURLと、本文サイトを提示し、予め声を出して、また、辞書を引くなどして読了してきていただきました。
1日目は、ブーニンのロシア語で書かれた来歴を読み、和訳して、物語の背景を確認し、本文から抜粋した文章で、物語の全体像を把握するために、登場人物の人物像とあらすじを確認しました。
その後、練習してきていただいた音読をしました。これには、通訳の訓練法であるシンクロリーディングを用い、ラジオ劇場の音声を聞きながら、本文を声に出して読んでいきました。皆さん、とても上手にできていました。
そして、1章と2章前半をあらすじや人物像把握のために読んだ箇所をのぞき、抜粋箇所のみ、ロシア語で読み、日本語に口頭翻訳していきました。かなりハードだったと思いますが、皆さん、とても素敵な訳にしてくださいました。シンクロリーディングで集中力を使い果たしたとは思えない、素晴らしいパフォーマンスをしてくださいました。
2日目は、2章後半から3,4章をやはり抜粋箇所を精読していきました。文法的に解析しないと読めない箇所、行間を読み取るのに重要な箇所などは立ち止まってディスカッションしながら進みました。3章は恋人たちのやりとりが詳細に描かれていますが、多くを読み取れる章ですので、丁寧に読んでいきました。
最後の15分はディスカッションにあてました。読後感を語りあい、その後、ロシア人読者の感想も読んで、物語の意図を考察しました。
終了後、書評や感想をそれぞれロシア語か日本語で書いていただきました。
◆ W・Kさんの書評
Писатель изобразил пейзаж, животных, героев и их одежду очень ярко и подробно. Поэтому читатель чувствует как будто он смотрит картины или фильм, и понимает сцены.
Читатель может узнать чувства героев из подобного изложения их действия и поведения. В этом произведении используются метафоры эффективно. Они помогают читателю понять содержание конкретно. Особенно, часть конца, о щеглах – это выражение будущего Стрешнева: изменение его жизненной пути.
(原文ママ)
◆ K・Gさんの感想
イワン・ブーニンという作家を今回はじめて知りました。講師や他の参加者の助けを借りながら原文を読み進めることで訳文では把握しがたいロシア語ならではの雰囲気を感じ取ることができました。特に、作中の風景や恋人同士のやり取りの描写はとても繊細で趣のあるものでした。
◆ O・Aさんの感想
非常に充実した授業でした。先生のお話を聞いて読み飛ばしていたところに深い意味があることに気づかされました。特に、最後の一節、一文に深い意味。作品全体が見直されました。さすがにブーニンの作品・短編は素晴らしいと思いました。
他にも、「音声を事前によく聞いてきたけれど、とても美しい言葉だと思いました。」「とても興味深かったです。講座のための準備は非常に自分のためになりました。難しかったのですが、得難い時間を過ごしました」などのご感想を聞かせていただきました。
そして、「次回は、チェーホフのかもめや短編が読みたい。トルストイの民話など。」「チェーホフが読みたい(ロシアの有名作家ならなんでも読んでみたい)。」「なんでもいいからまたお願いします。」というように、アンケートに書いてくださいました。
(竪山 洋子)
「最後の逢瀬」
1912年8月12日 イタリア・カプリ島にて執筆
登場人物
ストレーシュネフ・アンドレイ 鉤鼻、後ろにそらした小さな頭。やせ型、肩幅が広く、背が高い。風雪にさらされた顔。ごわつき縮れた白髪交じりの顎ひげを蓄え、筋張った首。また、長いブーツは古びており、上着の裾には、野うさぎの血が固まって黒いシミになってこびりついていた。
ベーラ 薄い明るい色の上着をはおった小さな女性。胸に十字架、黄金の、祖母の形見だった。最後の財産だ。…小さな足は、軽くて、ヒールの高い、パンプスを履いていた。彼女自身がとてもお気に入りのものだった。
あらすじ
第1章:ストレーシュネフは使用人に命じて、馬に鞍をつけさせた。両親がどこに行くのか尋ねるが、「子供じゃないんだから」と答える。両親は「申し合わせた逢引きに駆け付ける若者よ!」と冷やかしているのか、心配しているのか。
第2章:白い息を吐いて、馬は、霜でガラス細工のようになった低木の中をやっと通り抜けていった。山の斜面には、刈り取り後の畑の中に粗末な田舎屋敷がたっていた。
第3章:夜明け前、寝台近くの床にろうそくが灯っていた。ストレーシュネフは、シャツをはだけて、頭の後ろに手をまわし、仰向けに長々と寝ていた。ベーラは、ひざにひじをついて、悲痛をかかえ、彼のそばに座っていた。
第4章:中庭で空近い太陽がぎらついていた。昇降口が雪で真っ白になっていた。4輪馬車がやってきた。ベーラは、高そうで軽いが、使い古して、流行おくれの毛皮のコートを着て、昇降口に出てきた。
日本人には難しいロシア語の発音をいかに効率的に教えるか、ロシア語を教えている人なら誰もがいつも考えていることでしょう。
この度のミニシンポジウムでは、竪山洋子先生に、発音の矯正の難しさと学習初期における発音教授法の大切さを踏まえて具体的な問題提起をしていただき、 徳永晴美先生(写真)に、この私たち共通の悩みをどう解決できるか、蓄積された知見と経験をもとに講義していただきます。
ロシア語を教えている方ならどなたでも参加できます。この貴重な機会をお見逃しなく!!
詳細はホームページをごらんください。
日時:2019年1月26日(土)
第1部 問題提起と講義 16:30~17:30
第2部 質疑応答と懇親会 17:40~19:00
会場:横浜平和と労働会館3階会議室
受講料:一般3,000円、会員1,500円
対象者:ロシア語教授に携わっている方・教えたいと考えている方
定員:20名
お申し込み締切:1月24日(木)
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
横浜ロシア語センター ホームページ
ウクライナへ渡航する方、言語や文化に関心のある方にお勧めです。
今期から当教室に復帰された担当のピスクノーワ・オクサーナ先生はNHKのロシア語講座でもおなじみですが、ウクライナ語も教えられます!これまでにロシア語を学んだことのある方も、お互いの言語の似ているところや違うところを発見しながら、楽しく習うことができるでしょう。
月・水・木・金曜日10:30~17:00の間、1コマ90分で個人・ペアレッスンのご相談に応じます。初心者から上級者まで、どなたでも歓迎します。
詳細は教室ホームページをごらんください。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
教室ホームページ
レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講しています。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。
今後の日程:今後の日程:1月12日、1月26日、2月9日、2月23日、3月9日、3月23日
(変更の場合がありますので、見学・受講ご希望の方は事前にお問い合わせください。)
生徒募集クラス:
16:00~16:45ドムラ中級
17:00~17:45バラライカ初級
※12月から各1時間ずつ開始を繰り上げます。
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円
お申し込み・お問い合わせ:
eurask2@hotmail.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714