「8・15」を考えるDVD鑑賞会『死刑執行人もまた死す』
お盆休みの最終日、8/18(日)に4人が集まり、『死刑執行人もまた死す』を鑑賞しました。1942年6月のチェコ総督ハイドリヒ暗殺事件を下敷きにして作成された映画です。製作は翌年の1943年。いかにこの事件が大きな出来事であったかを示します。
未見の方のために詳細は申しませんが、非常に印象に残ったのは、暗殺の容疑者または関係者が次々と処刑される際、仲間を裏切らなかったという場面です。死を恐れず抵抗の歌を歌い、処刑場へのトラックに載せられる仲間に対して、収容所の皆から別れと励ましの言葉が送られます。自らの命と引き換えにしても、生まれ育った故郷を軍靴で踏みにじるナチスに屈しなかったのです。ナチスはチェコの国土を占領しましたが、チェコ国民は心までは占領されなかったのです。勇気とは何か、改めて知ることができました。戦争と平和を考えるに相応しい鑑賞会でした。
(関戸)
サハリン旅行断簡(1)
1. 広島からの参加者
関戸は昨年から岡山県の高校に勤務し、広島に住んでいます。その地元広島から3人の参加者がいました。支部長黒川さん、ロシア語サロンや行事でご一緒している上野原さん、その友人で愛媛県から来られた藤田さん。広島の旅行の取り組みは、神奈川よりも活発です。その中で、神奈川主催の旅行に参加してくれたことに感謝です。ご満足頂けたなら、うれしいです。この繋がりが来年も続いたら最高です。
2. 成田からの出発
昨年は直行便がなく羽田集合・千歳前泊でしたが、今年は成田出発で全員が集合しました。全参加者は9人。そして、旧ソ連時代から60回以上、訪ソ・訪ロ経験のある石川さん。これには驚きです。初の訪ロの方から超ベテランまでが揃って、ユーラスツアーズの滝沢さんの見送りを受けて、元気よく出発しました。この中で、荷物の大きさに驚いたのは副団長の内藤さん。撮影のためのビデオやカメラを持ち、体よりも荷物の方が大きく見えました。
3. ガイドのミカさん
ユジノサハリンスク(豊原)に着くと、ガイドのミカさんが待っていてくれました。ミカさんは日本人で、北海道北見出身とのこと。サハリンにはもう10年以上滞在していて、安心して頼めるガイドでした。今回の旅行では、全日程を担当してはいなくて、初日・二日目と最終日だけでしたが、本当にお世話になりました。
4. 欲張りすぎた日程
旅行二日目は、今回の旅行中、一番の強行軍でした。何しろ、午前中にユジノサハリンスク、午後はコルサコフ(大泊)と二つの都市を駆け足で廻ったのです。宿泊場所のホテル・メガパレスから、目の前のガガーリン公園を散策し、郷土史博物館へ。昨年同様、宮沢賢治も見たであろう、鉱物や資料を見学しました。次に、これまた徒歩でチェーホフ博物館へ。残念なことに、昨年書いたカードは倉庫に収蔵されて閲覧ができませんでした。でも、初参加の方は日本語表記のある展示に満足。そして、タクシー三台に分乗して、今回初めて見学するサハリン州歴史博物館へ。これは、最新の博物館で規模も大きいものでした。ミカさんも、「じっくり見ると三日必要です」とのこと。この博物館は、次回、時間を確保してしっかり見学したいものです。
教会の前を通り、徒歩でロープウェイへ。サハリンには極東一というのが三つある、とミカさんが言っていました。極東一のショッピングモール、レーニン像。最後がこのロープウェイで極東一のスピードなのです。かつては「旭山」と言われ、当時も今もスキー場が併設されています。その中腹に山の空気展望台があり、そのカフェでサハリン市街を一望しながらの昼食となりました。
午後はユジノサハリンスク駅までタクシーで降りて、駅前の路線バスに乗ってコルサコフまで。コルサコフでは博物館の見学がありましたが、改装中で半分しかできませんでした。でも、おかげで無料でした。歩いて、バスターミナルでバスに乗り、展望台へ。かつて大泊と言われた港を一望しました。そして、その中に朝鮮人労働者の鎮魂碑がありました。マスコミで徴用工問題が取り上げられていますが、「樺太」にも悲劇があったのです。ミカさんからは、「できれば、コルサコフでも一泊して、日本軍上陸の地を見学するのもいいですよ」と、言われました。これも、来年の検討課題です。
夕食は地ビールの店、「ペンギンバー」。帰りは、バスターミナルから路線バス。本当は駅前で下車し、徒歩でホテルまでという予定でしたが、強行軍でちょっと……。すると、運転手が関戸に向かって、「司令官(!?)、ホテルまで行きますよ」との神の声。それにしても、司令官とは大げさな。(笑) ホテルに帰り着いて、最年長の日塔さんの万歩計では一日で15000歩とのこと。いかに強行軍か。これは、あまりにも欲張りすぎた日程であったと反省しています。(泣)
5. 交通ルール
これだけ歩いて、今年気づいたことがあります。それはマナーの良さです。道路を横切るときには、車が歩行者に必ず譲ってくれることです。時速80kmぐらいで走っている車が横断歩道に立つと止まるのです。そして、全員が渡るまで笑顔で待っていてくれます。このマナーの良さに気づきました。また、帰りのバスで混んできたときのことです。年配の方が乗車すると分かると、若者が年配者に席を譲るのです。日本のように優先席などはありません。今まで、スマホをいじっていた若者がバスの停車する前に、年配者がいるとドアが開く前に席を立っていました。全て、さりげなく、当たり前のように。これは、今回、市民の足である路線バスに乗って気づきました。これは日本も見習ってほしいものです。
…次号に続く(文・関戸/写真・内藤)