今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2021年2月号 No.712

行事予定

2021年最初のDVD鑑賞会は『マチルダ 禁断の恋』

『マチルダ 禁断の恋』  コロナ禍で、人が集まることが難しく思うように行事が行えません。本来なら、2月に開催していた鑑賞会を3月に延期して開催します。

 取り上げる作品は、実話をもとに作成された歴史映画です。

 帝政ロシア最後の皇帝ニコライ二世とバレリーナの悲恋を描いたものです。

 こう書くと映画ファンの中にはユル・ブリンナーの『王様と私』やオードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。身分違いの恋は、しばしば小説や映画のテーマになります。

 詳述すると観る楽しみがなくなってしまうので、説明はここまでとします。

 是非、鑑賞会にご参加ください。

(関戸)

日時:2021年3月20日(土祝)13:00~
会場:横浜平和と労働会館3F会議室(変更になりました 2021.3.6)
参加費:500円(黒パン・紅茶代)

お申し込み先:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
TEL/FAX 045-201-3714
当協会イベント専用メールアドレス
event@kanagawa-eurasia.org

「カティンの森」展と見学会

「カティンの森」展  関戸の実家は栄区です。最寄り駅はJR本郷台。その駅から徒歩1分の「あーすぷらざ」で「カティンの森」展が開催されています。

 カティンの森事件は第二次世界大戦中の謎でした。これは万単位のポーランド軍将校が殺害された事件です。ポーランドは歴史上2度「消滅」した国です。地図の上からポーランドがなくなってしまったのです。18世紀末ロシア・プロシア・オーストリアに併合分割されたのが一度目。二度目は第二次世界大戦中、ドイツ・ソ連に併合分割されたことです。

 第二次世界大戦はドイツがポーランドに攻め込んだのが発端です。その後、ソ連も攻め込みポーランドはドイツ・ソ連に占領されました。その際にポーランド軍の要というべき将校をソ連軍は殺害したのです。いくら兵がいても、その兵を指揮・運用する将校がいなければ、軍隊として組織的な作戦行動はできません。ポーランド軍を自国の私兵のごとく運用するために将校を殺害したのが、このカティンの森事件です。

「カティンの森」展  長い間、謎とされていましたが、ロシアがその記録を公開し事件が明白になりました。以前、『カティン』をDVD鑑賞会で取り上げました。この展示では、将校たちの手紙の内容が示されています。愛する家族に向けて、「心配しなくていい。私は無事だ」「これから寒くなるので、セーターと靴下を送ってくれると嬉しい」「まだ顔を見ていない子どもに会いたい」という正直な気持ちが書かれています。戦争さえなければ、軍人でさえなければこのような悲劇はなかったはずです。

 どの国にも恥ずべき汚点の歴史があります。今、私たちはそれらの悲劇的な歴史を乗り越えて真の友好を深めていかなくてはいけないと思います。そのことを実感する展示でした。

 できれば、以下の通り「カティンの森」展の見学会を行いたいと思います。

「カティンの森」展 日時:2021年3月21日(日)13:00
場所:JR本郷台駅集合
参加費:400円(あーすぷらざ入館料金)
※上記料金で他の展示も観覧できます。館内では友好とつながりをテーマにした常設展もあります。ユーラシア諸国のみならず世界の展示もあります。同時に見学したいと思っています。

(関戸)

お申し込み先:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
TEL/FAX 045-201-3714
当協会イベント専用メールアドレス
event@kanagawa-eurasia.org

活動報告

60周年の今年はオンラインで ~ヨールカ祭2021~

ヨールカ祭2021  1月17日日曜日、今年で60周年を迎える横浜ヨールカ祭は、リモートヨールカ祭になりました。リモートになったおかげで、ロシアのハバロフスクから8人、ニージニノブゴロドから4人、ウクライナのキエフから11人、オデッサから2人、ウズベキスタンのタシケントから4人、あと、モスクワ、ウラジバストーク、シンガポールからも参加。国内でも沖縄から4人など国内外から合計69人が参加しました。

 第一部の最初は、横浜ヨールカ祭の1960年代から2020年までを写真でまとめた60年の記録映像。続いて、昨年20年ヨールカ祭のかわいい子どもたちのダンスなどのダイジェスト映像。

 ハバロフスクからは、市内中央レーニン公園で開催されている「氷の祭典」の実況中継とハバロフスク民族歌舞団ラーダスチによる「ファンタジー北のリズム」「若者のお祭り」「ロシアの情熱」。続いて沖縄から、横浜で毎月三線教室を開いている比嘉さんとウクライナのカタリンさん、石川さん親子による琉球宮廷舞踊と三線の演奏。沖縄の古民家での撮影。

ヨールカ祭2021  そして、ロシア語教室の出番。木曜会話クラスによる合唱「もし冬がなかったら」。土曜中級Ⅳクラスの人形劇ウクライナ民話「てぶくろ」。土曜初級Ⅲクラスのレールモントフの詩の朗読「パールス」とロシアの街ガイド「ウラジバストークの街角」。日本語とロシア語で司会をしているヴァレリヤさん(歌)と五十嵐さん(ギター伴奏)による中島みゆきの「ホームにて」。そして、ジェイナリエワさんとトロンベコワさんによるキルギス民族舞踊「火の踊り」と続きます。

 10分の休憩のあと7つのテーブルに分かれての30分グループセッション。最後は、皆で映像を見ながら「ピヤチミヌート」(5分)を熱唱して6時30分に閉会しました。今回のリモートヨールカ祭は午後3時から3時間半の長丁場になり、3時間半の司会を担った五十嵐さん夫妻に参加者から熱い感謝の拍手が起こりました。

(木佐森)


海外の参加者からの感想

 こんばんは、素晴らしい行事を行っていただきありがとうございました。プログラムは面白くて、実り多かった。また会うのを楽しみにしています!

アントン・メリニチューク
(キエフ言語大学学生)

***

 今日のお祭りに関与された皆様、本当にお疲れ様でした!
 このような内容の充実した難しい行事を開催して下さって本当にありがとうございました。多少の技術的問題があったにせよ、本当に素晴らしかったです。また参加者も多かったですね。皆さんは立派です!
 特に心に残ったのは、司会者のお二人の「ホームにて」でした。とっても気持ちがこもっていました。
 友人の皆様、またお会いしましょう!
 どうもありがとうございました!

敬 具
ユーリヤ・ナウモワ
(キエフ言語大学日本語講師)

***

 きょうはありがとうございました。
 とても楽しかったです!

アレクサンドラ・シューストヴァリ
(キエフ言語大学学生)

***

 今日は正月の行事をありがとうございました。本当に楽しかったです!

エリザヴェータ・ペトローヴァ
(キエフ言語大学学生)

***

 今日はヨールカ祭に参加して、本当に楽しかったです。
 特に他の学生たちとの会話や司会の二人の歌が気に入りました。
 このような出会いが最後にならず、また開催されることを願っています。
 どうもありがとうございます!

アントン・クジミン
(キエフ言語大学学生)

***

ヨールカ祭2021  野口さん、こんにちは。ヨールカ祭の開催、ありがとうございました。私たちの会員の有志たちは電話回線を繋げてヨールカ祭のプログラムを見ていました。その人たちから沢山の良いコメントと貴協会へのお祝いの言葉のメールを受信いたしました。また、今日は私へ沢山の電話がありました。私たちが一緒に試みた実験は成功したのですよ。
 野口さん、お願いがあります。どのような外国から参加されたていたかを教えて下さい。
 私が資料を作成するために、私たちの他にどのような方たちが参加されていたのか知る必要があるのです。
 唯一、残念だったことは、ヨールカ祭の最初を見ることができず、日本ユーラシア協会の会員皆様にご挨拶ができなかったことです。私たちのオペレーターは4時(現地時間)から繋ごうと試みていましたがうまく行きませんでした。
 皆さんに私からのご挨拶をお伝えください、ご自愛のうえ、健康でいてください。
 私には今後の活動についていくつかの提案があり、貴協会に提案させていただきたく思っています。

敬 具
ゾーヤ・ロイトマン
(ハバロフスク対外交流協会会長)

***

 新年のヨールカ祭は、私にとって慣れない形態で行われましたが、好感を持ちました。なぜならどこかは夕暮れで、どこかはまだ朝という多様な都市の人たちが同じ時間に集まったからです。ましてや参加者たちは違う言葉を話す多様な国の人たちでいろいろな違いがあるにもかかわらず、諸国民の友好の祭典であるこの一つの空間に集まっていたのですから。

 私の子供の頃は、「新年のヨールカ祭」は劇場化したパフォーマンスや芝居を連想したものですが、日本バージョンのヨールカ祭は、昨年のヨールカ祭のビデオを見る限り、ダンスパーティのように思えました。おそらく、宮廷貴族たちが舞踊を競った平安時代から始まる古き伝統が影響しているのでしょう。

 沖縄のビデオを大変興味深く見ながら、私にとっては謎多き琉球王国のメロディーと舞踊が織りなす日本列島最南端の島の驚くべき精神を感じとることができました。私は沖縄に行くのを夢見ていますが、ヴァーチャルであったとしても「日出ずる国」のこの部分を、このビデオのおかげで見ることができました。

 また私が好感を持ったことは、かなり多くの日本人がロシア語を学んでいることでした。それがどんなに難しい事か私は分かりますので、「もし冬がなかったら」を歌い、「てぶくろ」をロールプレイで読み、私が学校で教わって知っているレールモントフの詩「パールス」を朗読されたパフォーマンスを見て感嘆しました。

 それに劣らず素晴らしかったのは、後半でこの会合の参加者たちがお互いに話し合うことができ、多様なテーマで交流し、違う国の生活について多く知ることができたことでした。

 私たち全員のためにこのような卓越した祭典を開催して下さった皆様に感謝したいと思います。

セルゲイ・ソロモノフ
(モスクワ)


ヨールカ祭、横浜市姉妹都市提携55周年イベントに登録

横浜市姉妹都市提携55周年  1月17日に開催された「ヨールカ祭オンライン2021」が、2020年横浜市の姉妹都市(オデッサ、ムンバイ、マニラ、バンクーバー)提携55周年イベントの事業報告に搭載されました。

 1月17日のヨールカ祭には、横浜市国際局国際政策部からお二人の方が参加、オデッサからも横浜市からの紹介でミグダリスキーさんが参加しました。

 横浜市の担当者とミグダリスキーさんとは10年ぶりの再会ということで、第2部のブレイクアウトルームで話が弾みました。

 横浜市の姉妹都市提携55周年事業報告は、横浜市ホームページ 「2020年に4つの都市(ムンバイ、マニラ、オデッサ、バンクーバー)と姉妹都市提携55周年を迎えました!」 で見ることができます。

(木佐森)

組織状況

(2021年1月31日現在)

 昨年12月末の会員数は、227名でした。今年に入り、サンクトに留学が決まった斎藤さんが2月5日の飛行機で渡露するので、帰って来るまで休会処理になりました。留学滞在記は適時送ってくれるとのことです。楽しみにしています。

 しかし、1月に会費を請求し、15カ月以上滞納の人を退会処理したため、退会処理者は9名になっています。新しい入会者は、ロシア語教室の個人レッスンのお一人です。そのため、1月末の会員数は218名となってしまいました。

 今年、21年は、当分、コロナ禍が続くと思われるので、一人一人の会員を大事にして行きましょう。

(木佐森)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2021/1/31
単位:円
摘 要本年度当該月収入前年度当該月収入対前年度増減
一般会計174,890134,44040,450
教育事業116,900222,580-105,680
一般事業70,252306,823-236,571
合 計362,042663,843-301,801
摘 要本年度当該月支出前年度当該月支出対前年度増減
一般会計491,547348,117143,430
教育事業228,870533,358-304,488
一般事業6,680235,403-228,723
支出合計727,0971,116,878-389,781
当該月収支-365,055-453,03587,980
累計収支計-365,055-453,03587,980

 コロナ禍のため、ロシア語の個人レッスンも少なくなり、当協会最大の行事であるヨールカ祭もリモートになったため、教育事業収入だけでなく、ヨールカ祭参加費、ヨールカ祭での物品販売などが含まれる事業収入も昨年に比べ23万円も少なくなっています。その分、ヨールカ祭の会場費や料理の材料費など12万円ほど少ないですが…。

 一般会計支出で、昨年より、14万円も多くなっているのは、昨年の10月~12月までの3カ月分本部会費を1月になってから上納したためです。

 支出が収入を上回る状況は、ロシア語教室の134期新規開講がある3月まで続きます。コロナ禍により、教室での「対面授業」が難しくなっているため、新規入門クラスの受講生を何人確保できるか不透明なので、今年の財政は厳しい局面になることが心配されます。昨年は、200万の「持続化給付金」を確保できたので、なんとか年を越えられたようなものです。

(木佐森)

お勧め商品

ボロディンスキー・ライ麦パン 350g/540円(税込)

ボロディンスキー・ライ麦パン 旧ソ連など東ヨーロッパで最もポピュラーなライ麦パンの一つです。おだやかな酸味と甘み、表面に載ったコリアンダーの独特の爽やかな香りが特徴です。約14枚にスライス済み。
賞味期限:2021年5月1日
原産国名:ラトビア

そばの実 ロシア・アルタイ産 800g/750円(税込)

そばの実 ロシア有数の穀倉地帯・アルタイ州で生産された高品質の商品が入荷しました。
「シチーとカーシャは日々の糧」というロシアのことわざにある通り、ロシアで一般的なそばの実のカーシャは、生活になくてはならない食材です。
そばの実1:水2の割合で、沸騰したお湯に投じて15分。塩とバターで味付けすればできあがります。ぜひお試しください!

原材料名:そば
賞味期限:2022年3月15日
原産国名:ロシア

キルギスの白いはちみつ 250g/1,630円(税込)

キルギスの白いはちみつ 天山山脈の麓に咲くエスパルセットの花を蜜源とするほのかな甘い香りの白いはちみつです。
特長的な乳白色は30度の低温ではちみつ中の水分を飛ばす際に攪拌することで得られます。
トーストや紅茶のお供に最高の相性です。

原産国:キルギス
製造日:2019年10月11日
賞味期限:製造日より3年
※1歳未満の乳幼児には与えないでください

文化・芸能

芸 能

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10  1月半ばから国産新型コロナワクチン「スプートニクV」の一般接種を開始し1日2万単位で発症していた患者数が現在2万を切り概ね順調なロシアから、2021年1月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。今月は10曲中3曲が新曲、1曲が返り咲き!

 ニレットとのデュオ曲が6位でキープしているユーチューバー・クラーヴァの、ソロシングル≪Пьяную домой≫(この酔っ払いの私を家へ送って)が初登場8位に。

 5位にドロフェーヴァの≪gorit≫がランクイン。彼女はウクライナの人気デュオユニット「ヴレーミャ・イ・ステクロー」の女性Voでロシアでも大人気。数年前はユニットで≪Имя 505≫ ≪#Навернопотомучто≫ ≪На стиле≫など数々のヒットを飛ばしたことが記憶に新しいです。

 2位にハビブの≪Ягода малинка≫(ラズベリーの実)が突然ランクイン。本名はハビブ・シャリポフでカザン出身。新曲≪Ягода малинка≫は2017年に開設した自身のYouTubeに2ヶ月前にUPされて、今までの視聴回数は4千万回に登ります。人気急上昇です。

 ダブロの≪Юность≫(青春時代)が半年連続首位キープ。YouTubeにリリースされた同曲は、2021年1月下旬の時点で視聴回数1億回を突破。自身のYouTubeチャンネルも登録者数がもうすぐミリオン達成。おめでとうございまーす!:-)

※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。更新再開しました!

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2020年1月15日~21日/MOPA)

【新連載】あのズヴェズダー*は今
2. アンドレイ・グービン (Андрей Губин)

*ロシア語でзвезда=スターの意。

全盛期のグービン  1974年4月30日現ロシア連邦バシコルトスタン共和国首都ウファ市生まれで、本名はクレメンチエフ・ヴァレーリエヴィチ・アンドレイ。芸名に使われているグービン姓は継父グービン・ヴィクトルから来ている。前父クレメンチエフは書類上の父親であり生物学的関係は無い、という複雑な家庭で生まれ育った。幼少の頃はチェスにサッカーに夢中だったが、骨折が原因でスポーツ界から去り、ウファの研究所研究員であり旧ソ連雑誌社の風刺画家でもあった継父の影響で、ときどき絵や記事を書いていた。ところが、8年生のときに雑誌「アガニョーク」に、「時代はペレストロイカなのに学校ではまだ古いことを教えている」という手紙を送ったら掲載された。これを受け学校側は同系雑誌の閲覧を禁止、アンドレイはそれから一度も授業で呼ばれなくなり、学校を卒業はできたものの中等教育証明書は与えられず、教師らは20年間も彼を「愚かで失礼な生徒だった」と酷評していた。

 結果の良し悪しに拘らず、伝える力・影響力が潜在的に備わっていたアンドレイは、その後才能を開花させ、7年生(1987年頃)のとき最初の歌≪Мальчик-Бродяга≫を書いた。これは後の1995年にリリースされた。その翌年、ギター伴奏で収めた≪Я-бомж≫という社会政治的内容を含む音楽ディスクをリリース、200枚売れたという。またオスタンキノ塔にあったテレビ局「ソ連ツェントラーリヌィエ・テレヴィージェニエ」の傍で路上演奏をしているところを当局の若者向け番組のメインディレクターの目に留まった。

 その後は甘いルックスと声質で幾万の女性ファンを魅了するスーパーアイドル的存在のシンガーソングライターとなり≪Лиза≫ ≪Зима-холода≫ ≪О тебе мечтаю я≫ ≪Облака≫ ≪Плачь любовь≫など数々のスーパーヒット曲をリリース。また自身の歌手活動の傍ら、女性デュオ・カラメーリの音楽プロデューサーとして活動したり、露ダークファンタジー映画「ナイトウォッチ」ので好演して人気を博した故ジャンナ・フリスケに≪Ля-ля-ля≫ ≪Мама Мария≫などの楽曲提供もした。

現在のグービン  2000年台中期にステージから去った。印税収入だけで倹約生活に入り、表舞台には今も殆ど出て来ない。また、同時期に左顔面に三叉神経痛が発生。睡眠不足、過労、慢性ストレスが原因だと通告された。

 私生活では、これまで2人の女性と内縁関係があったものの、結婚は一度もしていない。また4年前民放TVの番組でアンドレイの非嫡出子だという青年アーティストが現れたが、同局の別番組「百万ルーブルに値する秘密」で行われたDNA検査で否定された。また同番組で「最高額に値する、20年以上も隠している秘密」を打ち明けることを薦められたが、拒否。出自か芸能界か女性か…打ち明ける日がいつしか来るのだろうか。

(MOPA)

【参考資料】
Wikipedia. Губин Андрей
www.youtube.com
≪Пик популярности≫
≪Секрет на миллион≫

演 劇

ロシア語劇団コンツェルト 第50回本公演「生ける屍」

12月26日 於:早稲田奉仕園 スコットホール

『生ける屍』  新型コロナウィルスの影響は、アマチュア劇団の活動にも影を落とし、節目となる第50回本公演となる今年は、観客数を毎回20人以下に絞り最前席にはフェイスシールド配布という重装備での上演となった。

 それでも重苦しい1年をしめくくるべく、19世紀ロシアの家と社会の問題を題材としたトルストイの戯曲「生ける屍」が取り上げられたことに今年の“閉じ込められた気分”が凝縮されていた。

 物語の主人公は、フェージャとその妻リーザ、そしてリーザに想いを寄せるフェージャの友、カレーニン。フェージャはリーザが自分を愛していないと思い悩み、家を飛び出してしまう。その後、ジプシーの女マーシャと関係を持ったフェージャだが、マーシャの両親に拒否され再び放蕩を繰り返した。

 一方、リーザはフェージャの帰りを待っていたが、消息がつかめない。カレーニンはフェージャへのうしろめたさを持ちつつも、“フェージャは死んだ”としてリーザと結婚する。ところが、フェージャは戻って来た。愛のない結婚が是とされ離婚することが困難な時代、夫の失踪を偽装したとして、重婚罪のため法廷で裁かれることになったリーザ。裁判官たちは彼女の罪をあげつらう。そこへフェージャが現れ、自分の生存を知るすべがなかったことを証言し、自らをピストルで撃つ。

 劇の前半は、フェージャがリーザの元を離れてさまよう様が少しわかりにくく感じたが、後半は一転不条理な裁判劇となり面白さ倍増。感染予防のため取られた客席の形態から、観客も裁判を傍聴しているような雰囲気でのめりこめる。

 フェージャを演じた三輪晃太郎は早大1年生だが、リーザとの愛に悩み苦しむ妖艶なフェージャを体現、重苦しいトルストイの愛憎劇に耽美な色合いを添えて思わず引き込まれた。

(文・滝沢三佐子/撮影・伊藤優花)

映 画

『Away』

「Away」

(ギンツ・ジルバロディス作品、ラトビア、2019年)

 飛行機事故をたった1人生き延びた少年が、黒い影を逃れながら、小鳥とともに森を駆け抜ける。クリエイター、ジルバロディスがたったひとりで作り上げたセリフなき深淵なアニメーション。
 横浜ジャック&ベティで公開中。
 画像は「Away」東京国際映画祭ポスター



「未体験ゾーンの映画たち2021」

ヒューマントラストシネマ渋谷で公開中

『スプートニク』  今年はなんと4本ものロシア映画が公開されます。
○「コスモボール」(2020年)
○「スプートニク」(写真右、2020年)(C)Vodorod Pictures LLC, (C)Art Pictures Studio LLC, (C)Hype Film LLC, (C)NMG Studio LLC, 2020
○「パニック・イン・ミュージアム モスクワ劇場占拠テロ事件」(2018年)
○「タイム・ガーディアンズ 異界の魔女と時をける少女」(2020年)
 上映スケジュールは、緊急事態宣言の状況で変更の可能性があります。ホームページでご確認ください。


ソヴィエト映画特集

とき:2月20日(土)~3月19日(金)
ところ:シネマヴェーラ渋谷
1920年代のサイレント作品を含む名作25本を4期に分けて上映。

(文・滝沢 三佐子)

ユーラシア通信

書評「対ロ交渉学」

木村汎著/藤原書店/2019年7月10日初版第1刷発行/4,800円+税

『対ロ交渉学』  木村汎先生のシリーズ「プーチン大統領」の第4冊目は「対ロ交渉学」と言う風に名前を変えて一昨年発売されました。少し遅くなりましたがここに書評を送ります。

 今回の本は「本書の構成、第1部?第3部」から成り立っています。第1部では交渉について馴染みが薄い人々の便宜を図る為に主として欧米諸国で発展、展開してきた国際社会における外交交渉に関する復習、第2部はロシア式交渉の特色についての検討、第3部は第2部で紹介したロシア式交渉法を前提にして、それに対する日本側の対抗法を論するとなっています。

 今回の書評では細かい章の構成は省きますが、内容の中垣内の感想等を申し上げます。

 第1部、交渉の一般理論では欧米の交渉術について難しい記述があり、政治家は大変だと思いました。地球は半ばヨーロッパ白人(ロシア、東欧を含む)が動かしているのだなあと思いました。木村先生はアメリカでソ連について学んだ方なので余計そう思いました。

 第2部では帝政ロシアからソ連、プーチン期のロシアの特異な交渉術について書かれていましたが、ロシアと言う国は独裁者を生み出しやすいのか、、或いは独裁者によってのむ国が発展する体質があるのか?と思いました。

 第3部では日本式交渉ですが、これも又、日本もユニークなやり方で外交を展開している様でした。日本とロシアが上手く行かないのは何故なのか考えさせられる内容でした。598頁に及ぶ文章で少し分厚い本ですが神奈川県日本ユーラシア協会の会員の方は是非ご一読ください。協会事務所の近所の紅葉坂にある神奈川県立図書館で本書は貸し出しをしています。4回にわたる木村汎先生の本の書評でしたが、木村先生は去年天国に旅立たれました。この場をかりてご冥福をお祈りします。

(中垣内)

太陽をいっぱい…食べちゃお!

 今回は、ロシア人が大好きな食べ物「ブリヌイ」と「スィルニキ」を、まだご存じでない方へお話しします。

 「ブリヌイ」はロシア風クレープのようなもの。でも少し厚く、ふんわりとしています。ロシア人は「ブリヌイ」を普段からよく食べますが、特に、春の祭典「マースレニツァ」には欠かせません。「マースレニツァ(バター週間)」の語源は「ブリヌイ」に塗るバター(マースラ)から。また、「ブリヌイ」の丸い形は太陽を表しています。厳寒の地で暮らすロシア人は、太陽を…、いえ、「ブリヌイ」をいっぱい食べて、早く春の来るのを待ち望んでいるのでしょう。10枚、20枚…なんて、ペロリと食べてしまいます。 ちなみに「ブリヌイ」は複数形で、単数は「ブリーン」。

 「ブリヌイ」の食べ方は、皿に何枚も山のように積まれた上から1枚ずつ取り、バターを塗って、好きな具を巻いて食べます。キャビア、イクラ、ハム、サーモン、チーズ、その他いろいろ。また、サワークリーム(スメターナ)を添えてたべることも。

 それから、お茶の時間に“おやつ”としても食べます。そのときは、蜂蜜やジャムを塗ったり、果実を添えたりして…甘い「ブリヌイ」ですね。

 さて、次は、「スィルニキ」について。それはカッテージチーズをホットケーキの生地に練り込んでフライパンで焼いたものをイメージしてください。 焼きチーズ菓子です。「スィルニキ」は「ブリヌイ」と共に、ロシアの伝統的は料理(お菓子)です。

 最後に、余談ですが、日本で売っている「ロシアケーキ」という名のお菓子。クッキーの真中のくぼみにジャムを絞ったアレ…ですが、実は、日本生まれのお菓子なのです。「ロシアケーキ」とロシア人に言っても通じないようで…。

(とくなが なつみ)

アニエスベー 日本初の写真展 "5 days in Moscow, 1987"

5 days in Moscow, 1987  フランスのファッションデザイナー、アニエス・ベーが1987年、ELLE誌のためにソビエト連邦時代のモスクワへ5日間の旅に出たときの写真100点以上をモノクロとカラーで展開。彼女がファインダー越しに見たソ連の生活とは?

期間:2021年1月15日(金)~3月14日(日)
場所:アニエスベー ギャラリー ブティック(東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F)
営業時間:13:30~18:30
定休日:月
電話:03-3406-6010

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
 催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
 作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
 デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
 また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。毎月末締切、翌月15日頃に発行見込み。

(機関紙編集部)

歴史・社会