今月の表紙

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2021年10月号 No.720

行事予定

11月DVD鑑賞会案内「私のちいさなお葬式」

「私のちいさなお葬式」  コロナ禍、自宅で亡くなる方が出ていることがニュースになっています。また、コロナ以前でも大都市の集合住宅での独居老人の孤独死がよく報道されていました。

 年を取り、家族がいないという独居老人は今後も増えていくでしょう。それは、ロシアも同じです。

 実にタイムリーなDVD「私のちいさなお葬式」を鑑賞してみましょう。心臓が悪く、いつ死んでもおかしくないということを宣告されたエレーナ。誰にも迷惑をかけたくないと葬儀の準備を始めますが……。この後は、鑑賞会で。

 少子高齢化の日本。これは決して他人事ではありません。

日時:2021年11月28日(日)午後1時
会場:横浜平和と労働会館5階教室
参加費:500円(黒パン・紅茶付)

ロシア語能力検定試験

● 4級 10月30日(土) 14:00~ 筆記、テクストの朗読
● 3級 10月31日(日)14:00~ 筆記、聴取、テクストの朗読
● 2級 10月30日(土) 10:00~ 筆記、聴取、会話
● 1級 10月31日(日)10:00~ 筆記、聴取、会話

横浜会場:横浜平和と労働会館4F

活動報告

Back in the USSR!! 1966-1985 ソ連の歌番組を見よう

9月5日(日)横浜平和と労働会館4階

ソ連の歌番組を見よう  久しぶりの文化企画として、『ソ連歌謡』の著者・蒲生昌明さんをお迎えし、貴重な映像を見ながらソ連時代の歌番組や社会背景などについてお話をうかがいました。17名が参加しました。

 第1部は「ソ連の歌番組を見よう」と題して、日本の紅白歌合戦に当たる国民的年越し歌番組と、世相を反映する歌番組を鑑賞。ガガーリンの新年挨拶、ラリーサ・モンドルス、エレーナ・カムブロワ、珍しいカザフスタンのバンド・ドスムカサン、絶大な人気を誇ったアンサンブル・サマツヴェートイ、ムスリム・マゴマエフ、アーラ・プガチョワ、ロタール&エフレーモヴィッチ、トルクメニスタンのジャズバンド、バム鉄道建設に従事する学生たちの楽曲を楽しみました。

ソ連の歌番組を見よう  クイズを挟んだ第2部では、「知られざるソ連映画の中の音楽」として、日本未公開作品を含む映画の中のヒット曲を、見どころの解説付きで鑑賞しました。途中、映像と講話の音量バランスに不手際がありましたが、おおむね楽しんでいただけたと思います。以下、アンケートから参加者の感想を紹介します。

●知らなかった世界に触れることができた。新鮮な感じがした。

●当時の音楽番組や映画の音楽の動画が見られ、その時代背景や演者に関するちょいネタがとても興味深く面白かったです。TVが情報の中心だった時代のソ連社会の一側面を垣間見ることができた。

●当時モスクワ放送にいましたが、観ていない映像も多く久しぶりに青春のモスクワを堪能させていただきました。

●ソ連時代の歌をテーマとしたレクチャーは初めてだったのでとても懐かしく、よい企画でした。楽しめました。

●予告の時にアーラ・プガチョワの名前が出ておりぜひ行きたいと思い参加しました。たくさんの音楽を聴けたこと、また大好きなソフィヤ・ロタール、アンドレイ・ミローノフの曲もあり、とてもよかったです。特に映画に興味を持ちました。調べてインターネットで視聴しようと思います。

ソ連歌謡  新型コロナ感染症対策のため、交流会をもつことができませんでしたが、講師の蒲生さんから、終了後にメッセージをいただきました。

●1960~80年代のソ連にもあった「シャボン玉ホリデー」や「紅白」を彷彿とさせる歌番組。そして、日本で公開履歴のないあの時代のソ連の娯楽映画。それらから厳選し、来場されたお客様には貴重な映像と音楽でソ連時代にタイムスリップ。私が案内役を務めさせて頂きました。拙著『ソ連歌謡』(パブリブ刊、税込2530円)もよろしくお願いします。

 今後もコロナ禍に負けないちょっと珍しい企画を打ち出していきますので、請うご期待!

(文・滝沢/会場写真・五十嵐)

ウリヤノフスクで日本語を学ぶ人とオンライン交流しました

ウリヤノフスクとの交流会  9月26日(日)18時(現地時間13時)から、ロシア・ヴォルガ川沿岸の都市ウリヤノフスクで日本語を学んでいる学生さんとのZoomによるオンライン交流会が開かれました。

 そもそもの始まりは、東京の協会城東支部の柴田洋二さんが3年前にウリヤノフスクに滞在して、露日協会ウリヤノフスク支部と個人的に親しくなったことから始まります。

 露日協会ウリヤノフスク支部は日本との貿易に携わった人や日本アニメなどに興味がある若者が中心で、日本アニメが好きな若者は、同市にある日本センターで日本語を習っています。講師はリューバ先生で、6年間日本語をロシア国内で学び、日本センターで2年前から日本語を教えているそうです。

 しかし、日本語を母国語にしている人(いわゆる日本人)がいないので、「生の日本語」に触れたいと、現地で知り合った柴田洋二さんに声をかけて来たというわけです。

 そこで、横浜ロシア語センターでロシア語を学んで知るみなさんに、交流会への参加を呼び掛けました。横浜ロシア語センターからは、計13名が参加し、ウリヤノフスクからは10名が参加しました。ウリヤノフスクの参加者は20代がほとんどで、一番若い人は13才でした。

 まず日本側参加者から「この夏の思い出」を、最初にロシア語で続いて日本語で3分以内で話します。13人もいるので時間がかかりました。

 ウリヤノフスク側は、テーマを自由にしたため、みなさん「なぜ日本語に興味を持ったか」に終始しました。また、ウリヤノフスクの日本センターの会議室にみなさんが集まってのZoomだったので、ひとりひとりがカメラから遠くなり、顔の表情が良く見えなかったきらいありました。最後に、リューバさんから、これからもこの交流会を続けて行こうという提起があり、今後の交流の発展が期待されます。

 交流会の数日後、リューバさんから感想アンケートの用紙が送られてきたので、日本側参加者にメール添付し、回答を求めたところ、5日現在3通の回答がありました。アンケート結果については、ウリヤノフスク側も含めて来月号で報告します。

(木佐森)

教室案内

ロシア民族楽器「バラライカ」「ドムラ」教室

 ロシア民族楽器を本格的に習える当教室は毎月2回土曜日にレッスンを行っています。10月は9日、23日の予定。
 レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講、実質個人レッスンとなります。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。
 詳細はお問い合わせください。

時間:14:00~17:45の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
レッスン料(1回、税10%込):一般11,000円、会員9,500円
※オンラインの場合は各1,000円引き


横浜ロシア語センター 第135期 10月開講!

 第135期は10月9日(土)より順次開講します。入門~上級、会話、演劇など、今期も初心者から上級者まで様々な学習レベルに合わせた内容の講座を用意しました。

 見学も30分×3クラスまで可能です。詳しくは当センターホームページをごらんください。詳しくは当センターホームページをごらんください。

組織・財政

組織状況

(2021年9月30日現在)

 135期ロシア語講座の継続確認のため、134期非継続の方に連絡をしたところ、ロシア語講座非継続に伴い退会をしているという方が2人あり、9月末日現在の会員数は、8月から2人減って224名です。

 135期で新しい会員が増えることを期待したいのですが、入門体験講座に出席した人(4人)で、「入門クラス」を受講するとした人は、電話、メールで勧誘したのですが、現在のところゼロとなっているので、難しい状況になっています。

(木佐森)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2021/9/30
単位:円
摘 要本年度当該月収入前年度当該月収入対前年度増減
一般会計224,90092,933131,967
教育事業2,417,950767,5701,650,380
一般事業64,79770,668-5,871
合 計2,707,647931,1711,776,476
摘 要本年度当該月支出前年度当該月支出対前年度増減
一般会計543,620520,80522,815
教育事業311,790351,440-39,650
一般事業45,06861,980-16,912
支出合計900,478934,225-33,747
当該月収支1,807,169-3,0541,810,223
累計収支計861,110-602,2441,463,354

 9月の財政状況は、135期授業料の入金があり、教育事業収入が240万となりました。そのため、9月の単月収支は、180万円の黒字となり、1月からの累計収支も、8月はマイナス92万円でしたが、9月末現在では、86万円の黒字となっています。しかし、年度後半期の協会の収入は、9月、10月の授業料収入が主たるもので、それを11月から来年2月までを食いつないでいる状況です。

 昨年9月の教育事業収入が少ないのは、コロナ禍のため132期(20年前半期)の終了が1カ月程度遅れたため、後期(133期)の開始が11月となり、授業料収入が1ヵ月延びたためで、昨年10月の教育事業収入は200万円を上回っています。これからも、ロシア語講座受講生が増えないと協会財政の厳しさは続きます。

(木佐森)

文化・芸能

劇団青年座第242回公演「ズベズダ―荒野より宙へ―」

9月12日 於:三軒茶屋・シアタートラム

ズベズダ―荒野より宙へ―  新型コロナ感染症拡大のために、公演が1年延期になった作品だが、今年はガガーリンが有人宇宙飛行を成功させてからちょうど60周年、ソ連の宇宙開発がテーマの作品としてふさわしい上演となった。

 ときは第二次世界大戦後。戦勝国の「戦利品」として、ドイツ人科学者はアメリカとソ連に争奪されていた。弾道弾ミサイルV-2の設計者フォン・ブラウンはアメリカへ亡命。その他の科学者・技術者はモスクワ郊外のゴロドムリャ島に幽閉されていた。そこでは、強制収容所生活を生き延びたソ連ロケットの父セルゲイ・コロリョフ、彼を「密告」したとしてコロリョフとは不仲のヴァレンティン・グルシュコが兵器・ロケット開発部門で働いていた。

 度重なるスターリンからの命令で、V-2ロケットの改良実験を繰り返す科学者たち。ある日、ラジオから流れてくる音楽の変化がスターリンの死を告げる。

 次の最高指導者となったフルシチョフは、スターリンを批判しエネルギッシュにロケット開発を推し進めた。アイゼンハワーにライバル意識を燃やすフルシチョフ。スプートニクの成功で米ソの宇宙開発競争に火が付いた。ソ連はルナ月探査計画、ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行を成功させ、アメリカをリード。しかし、キューバ危機で状況は一変する。

ズベズダ―荒野より宙へ―  舞台は極めてスピーディーな場面展開で進む。同心円を描く複数の通路を配した楕円形の舞台に、スーツ姿の人物たちが現れては去る。舞台装置を変えるのではなく、人物の登場によって場面の変化をイメージさせる手法。通路が研究所の長い廊下に見立てられ、人物たちが先を急ぎながら会話をすることによって、スタイリッシュなアメリカの連続ドラマのような印象を与える。また、舞台の形は土星の環にも宇宙船にも見え、舞台空間が宇宙の一部であることを表している。ロケットを兵器として開発しないNASAの出現に、存在が秘匿されているコロリョフの焦りとも諦めとも思える情感が迫る。

 さらに驚異的なのは、セリフにおける専門用語の羅列。まるで宇宙ロケットの専門家が戯曲を書いたようなセリフの連続なのだが、作家の野木萌葱氏によると本人にとって宇宙開発時の米ソのことは「“わからない”の巨大な壁」だったそうだ。しかし編集者の大堀久美子氏はこの作品を「分かった気にさせてくれる」戯曲と表現している。ガガーリンが選ばれた選考基準やライカ犬世話係のエピソード、豪快でひょうきんなフルシチョフは本当にこんな言葉を吐いていたのではないかと思わせるほど、不思議なリアリティに満ちている。

(文=滝沢 三佐子/撮影=坂本 正郁)

ヴィソツキーとオクジャワ ~ロシア『抵抗する歌声』の文化~

9月6日 於:両国・シアターΧ(カイ)

日向寺康雄氏  あらゆる芸術の根幹にある「詩」を知り、「詩」を考える企画「詩のカイ」の第4回目。講師はモスクワ放送のアナウンサーとして在ロシア30年の日向寺康雄氏(写真)。

 戦後、バルド(吟遊詩人)運動を牽引した二人の芸術家、ブラート・オクジャワとヴラジーミル・ヴィソツキーを中心に、「詩」に潜み、「詩」に託されたロシアの魂について映像を交えた講演が行われた。

 まずはオクジャワ。モスクワのアルバートで生まれたオクジャワは、ジョージア人の父とアルメニア人の母を持つ。両親は熱心な共産党活動家だったが、スターリン時代の粛清に遭い、彼は祖母のもとで育てられた。長じて大祖国戦争に学徒兵として従軍し、2度負傷する。戦後はロシア語・ロシア文学の教師となるが、この頃から発表していた自作の詩曲が人気を得て、「雪解け」時代に故郷のモスクワに戻る。

 一方ヴィソツキーは、ごく普通の家庭に生まれモスクワの演劇学校を卒業したのち、反政府的なユーリー・リュビーモフ率いるタガンカ劇場に入り個性を発揮、「ギターを抱えたハムレット」として人気を博した。のちにオクジャワの勧めで市民の心を歌にするシンガーソングライターとなったヴィソツキーは、独特のだみ声と発声法で強烈な印象を与えた。

 ソ連当局の文化政策に二人の作品はそぐわないものだったが、知識人に受けたオクジャワが当局から静観されたのに対し、タガンカ劇場所属のヴィソツキーは目の敵にされた。1980年7月のモスクワ五輪のさなかヴィソツキーは急死。

ヴィソツキーとオクジャワ ~ロシア『抵抗する歌声』の文化~  二人の歩みを聴きながら貴重な映像を鑑賞する。その最たるものが「モスクワ・プログレス出版所の労働者の招きでやって来たヴィソツキーの歌声の生録音」だ。提供者はモスクワで長く活動された日本人翻訳者。1979年12月の録音だそうで、ユーモアを交えて語るヴィソツキーの話し声を聴くことができる。また、アフガニスタン戦争の映像を背景にした「山頂を目指して」という曲は、今日のアフガン情勢を考える上で非常に示唆的だ。

 さらに圧巻なのは、ヴィソツキーの葬儀を撮影したビデオ映像。10万人以上が参列した葬儀に彼の人気をうかがい知ることができる。

 日向寺氏いわく、ロシアにおける詩は「言葉に魂をのせる」もの。オクジャワとヴィソツキーは、その詩を紡ぐバルドの申し子であった。現代ロシアにおいて、すでにバルドは廃れてしまったが、「言葉に魂をのせる」ロシアの「詩」はほかの形式に変わりながら生き続けているという。

(滝沢 三佐子)

ユーラシア通信

『2022年チェルノブイリ36周年救援カレンダー』ができました

2022年チェルノブイリ36周年救援カレンダー  チェルノブイリ子ども基金は1996年から、ウクライナとベラルーシの甲状腺手術後の子どもたちの保養プロジェクトを現地のサナトリウムで開催。2008年からは、甲状腺手術後の子どもたち、他の臓器の腫瘍病や血液・リンパ系の病気の子どもたち、また甲状腺手術を受けた親とその子どもたちを保養に招待しています。また姉妹団体「未来の福島こども基金」では福島の子どもたちの保養支援などを行っています。

 今年も保養に参加した子どもたち、日本の里親から支援を受けている子どもたちの写真で構成されたカレンダーができあがりました。

 カレンダーの収益は、チェルノブイリと福島の原発事故により被災した子どもたちの救援金にあてられます。皆さんのご協力をお願いします。

カラー、サイズ:縦30cm×21cm(見開きA4サイズ)
撮影:チェルノブイリ子ども基金 佐々木真理
(※2・5・7・8月の写真:ベラルーシ子ども健康回復センター「希望」提供)
デザイン:川島進デザイン室
発行・制作:チェルノブイリ子ども基金
定価800円 送料別(9部まで200円)(10部以上:1部700円/送料無料)
お申し込み方法:E-mail 、Faxまたは郵送でお申し込みください。

ブラチスラバ世界絵本原画展
こんにちは(Ahoj)!チェコとスロバキアの新しい絵本
BIB(Biennial of Illustrations Bratislava)2019年展を見る

 「ブラチスラバ世界絵本原画展 こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本原画展」が、茅ヶ崎市美術館にて開催されている。

 2020年に、奈良県立美術館から始まり、千葉市、足利市、うらわ美術館を経て、当館と巡回した美術展であり、幅広く愛されているのが、特長である。

 絵あそびという世界があるのなら絵本の絵は、まさにペンと絵具の二次元的世界から子供のもつ空想力で、三次元的世界へ移行できる世界である。この子供のベーシックな世界こそ、大人になっても唯一続いていく遠近調節可能の優しい思い出に縁どられた共有世界である。

 かつてのチェコスロバキアは、主義主張の違いや、スロバキアの経済成長度等の対立を含めた政治的問題で、1993年1月1日、連邦制を解散し、独自の国家体制の道を歩み始めた。いわゆるビロード離婚である。しかしスロバキアの首都ブラチスラバで、2年に1回優れた絵本原画が集まり開催された本展覧会は、1967年に創設され、現在に続く。ボローニャ国際絵本展が、未発表のイラストのみを対象としているのに対し、ブラチスラバは刊行されている作品が対象である。

 27回目となる本展は、きくちちきさんが、「もみじのてがみ」で金牌を受賞している。情緒豊かな日本的な作品であり、安らぎの空間がそこにはある。

 現在では、ブラチスラバ国際絵本原画展はユネスコの後押しも含む国際アンデルセン賞と並び称される賞となっている。又、唯一非営利として開かれている。国を超えよう。夢を語ろう。そのためにこの展覧会はある。チェコもスロバキアも、ロシアも中国もイランも、そしてチェコと友好のある日本も子供と夢を語りあえるグローバルな世界である。忘れていた柔らかな語らいの空間である。

●場所 茅ヶ崎市美術館(高砂緑地内)
●日時 2021.9.11(土)~11.7(日)10:00~17:00 月曜休み
●観覧料 一般800円 大学生600円市内在住及び65歳以上400円 高校生以下、障碍者と介護者1名無料
 尚、本展は、関連イベントとして、学芸員との対談や、絵本作家の講演会を設けている。詳細は下記まで。
 茅ヶ崎市美術館 0467-88-1177

(中出)

マトリョーシカは1組が…え~とっ…3個?5個?7個?10個?

 「5個!」とお答えになった方、そうですよね~。マトリョーシカは1組5個…なのをよく見ますが、実は上記の物、全部あります。更には15個、20個、そして…なんと、30個!?の物も。それらは物語り仕立てになっていたりもします。

 さて、マトリョーシカの絵柄は、有名人をはじめ、様々な人物や動物等もありますが、まっ先に浮かぶのは、あの女の子。プラトークというスカーフを被り、前髪と顔だけ出していて、そのパッチリ大きな目は、何とも愛くるしい。そして、ジャンパースカートのようなロシアの民族衣装のサラファンを着て、前かけをしています。

 また、手には何かを持っている子も多いですね。それは花や苺だったり、バラライカ等の楽器、鶏、あるいは果物やキノコの入ったかご…その他、色々です。ちなみにキノコはロシアのラッキーアイテム…なのだとか。(てんとう虫も)そうそう、猫を抱いている子もいますよ。いかにもロシア!ですね。

 ところで、かつて、日本人はマトリョーシカに黄色と赤のイメージを持つ人が多かった様です。実はそれ、1970年の大阪万博の影響だとか。その時、万博で売られていたのが、黄色のプラトークで赤いバラを持ったマトリョーシカ。セミョーノフ(ロシアのマトリョーシカの有名産地)の物でした。そのイメージが日本人に焼きついたのでしょうね。万博…といえば、1900年のパリ万博でマトリョーシカが銅賞を受賞したことにより、世界中の多くの人から称賛を浴び、ロシア各地で量産が始まったそうです。

 今でも、たとえ大量生産であっても、その絵付けは一つ一つが手作業。似ていても、全く同じ顔は無い!…のだとか。もし、気に入った子が見つかったら、それは運命の出会いかも?お家に連れて帰ってあげて下さいね。(勿論、お金を払ってからですが…)

 最後に、家では直射日光に当てるのは厳禁です。色あせしたり、乾燥によるひび割れの原因となります。又、開け閉めは、回さないでね。塗装がはがれたり、ふたのゆがみがおきてしまいます。そうっ…と上下に開けて下さいね。

(とくなが なつみ)

投稿歓迎!

 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
 催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
 作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
 デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
 また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。毎月末締切、翌月15日頃に発行見込み。

※投稿記事は誹謗中傷や公序良俗に反するもの以外ほぼ原文のまま掲載していますが、必ずしも協会としての見解を反映するものではありません。

(機関紙編集部)

歴史・社会