神奈川県における「2005ロシア語週間」



◆当日のレポートはこちら

2005年のロシア語週間は、全国的に10月24日〜31日の間、開催されます。
2003年、2004年と多彩に展開されてきたロシア語週間は、
ロシア科学文化国際協力センターと日本ユーラシア協会の共催、
在日ロシア大使館の後援で行われているものです。
これまで、日本でのロシア語教育発展を願う、東京ロシア語学院、ロシア語通訳協会、
東京外国語大学、大阪外国語大学、東京大学、関東国際高校などの関係者によって、
講演会、模範授業、詩の朗読、一人芝居、セミナー、懇談会などの形で進められてきました。

今年の代表団メンバーは、外国語としてのロシア語や、ロシア文学の教育の問題や
ロシアの教育の発展について教師や学生と「円卓」を囲んで話し合うことが出来ます。

モスクワ大学のO.N.コロトコヴァ氏は、「ロシア語のイントネーションの特徴」、
「日本人学習者を対象とした教材に於ける、外国語としてのロシア語教授法の基本的傾向」
のテーマで講演します。
また、教授法の助言、ロシア専門家のためのマスター・クラス、
ロシア語集中講座の教授法に基づいたオープン・レッスンを行ったりすることが出来ます。

O.G.パラモノフ氏はロシアの詩人の作品を朗読したり、
ロシア文学のマスター・クラスやオープン・レッスンを行ったりすることが出来ます。

I.G.ジモヴァ氏は「教師の新聞」の活動やプロジェクト、
「今年の教師」コンクールについて語ることが出来ます。

各大学、及び市民講座の皆様におかれましては、この機会を有意義な形で活用し、
日本に於けるロシア語の普及に積極的に役立たせて下さるよう希望します。

参加予定メンバー:
1)アレクサンドル・セルゲーエヴィッチ・サルィモフ氏
 ロシア科学文化国際協力センター副議長
2)オレグ・ゲンナージエヴィッチ・パラモノフ氏
 ロシア語、ロシア文学講師、2005年全ロ教師コンクール優勝者。
 講演やロシア詩人の作品朗読をします。
3)イリーナ・ゲオルギエヴナ・ジモヴァさん
 「教師の新聞」副編集長、講演「今年の教師コンクールの特徴」
4)オリガ・ニコラーエヴナ・コロトコヴァさん
 モスクワ大学助教授、文学部外国留学生ロシア語教育担当責任者
5)タチアーナ・フィリッポヴナ・コロジェーエヴァさん
 サルィモフ氏夫人

当会では10月29日(土)に上記5名の方々をお迎えして以下の行事を行いました。

10:30 JR桜木町駅に出迎え
10:45 当会ロシア語教室見学
11:00 横浜平和と労働会館(2F音楽ホール)にて
     1)柴田理事長挨拶、
     2)A.S.サルィモフ氏挨拶、
     3)O.N.コロトコヴァさんによる初心者向けの模範授業
      「ロシア語の発音とイントネーション」
     4)ロシアの詩の朗読とパーフォーマンス
13:00 「横浜国際フェスタ2005」の当会展示ブース見学、食事(ボルシチ、ブリヌイなど)


楽しかった“神奈川県における「2005ロシア語週間」”

柴田理事長の挨拶 サルィモフ氏の挨拶

 先日行われたロシア語週間の催しは、国際フェスティバルと日程が重なって
参加者数が少なかったにもかかわらず、予期していた以上に面白く、内容豊かなものでした。
 柴田理事長、サルィモフ団長の挨拶(通訳:スヴェトラーナ先生)の後、
まず、海外でのロシア語普及に取り組んでいるロシア科学文化国際協力センターの
サルィモフ氏が、センターの様々な活動を紹介した後、「教師の新聞」副編集長の
ジモヴァ女史が、ロシアにおける教育の問題点等を論じました。
ジモヴァ女史の話には、ソ連からロシア連邦へと確かに時代は変わったんだなと
思わせるものがありました。

「教師の新聞」ホームページをごらん下さい。

ジモヴァ女史の講演 コロトコヴァ女史の発音指導

 続いて、モスクワ大学助教授のコロトコヴァ女史による、ロシア語アルファベットの
発音を指導する模擬授業。これは、一番参考になりました。
興味深かったのは、ロシア語で黙るのと、日本語で黙るのでは、舌や唇の形が
自然に異なってくる、という指摘でした。コロトコヴァ女史は、「まずロシア語で黙ることを
教えましょう」と言います。この教授法は、私にとって新たな発見でした。
また、ТとЧ、СとШ、РとЛなどの発音の違いも、舌と唇の位置を明らかにしながら、
非常に分かりやすく教えてくれました。

パラモノフ氏による詩の朗読 記念撮影

 最後に皆を恍惚とさせたのが、ロシア文学講師のパラモノフ氏によるマヤコフスキーの
詩の朗読でした。「何だ、ただの朗読か」と侮ってはいけません。ロシアでは文学作品を
朗読する夕べの会というものがあり、それを拝聴するためには相応の値段のチケットを
手に入れねばならず、音楽コンサートとほぼ同等の扱いを受けています。
 パラモノフ氏の朗読は…「素晴らしかった!!」の一言に尽きます。
際立ったアクセントが通念としてなく、抑揚があまり要求されない日本語を母語として持つ
私たちにとって、それはこれまで日本語で聞いてきたどのような詩の朗読とも異なるものであり、
想像しがたいほどの音楽性と叙情性を有したものでした。
 ロシア語の魅力を改めてしみじみと感じた一日でした。      (大山麻稀子先生より)

 
国際フェスタを見学に訪れた代表団


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