聴いて、食べて、楽しくロシア通になりましょう!
第1部(13:30~14:30)は「ニージニー・ノヴゴロドを知る会」。
モスクワの東方、ヴォルガ川とオカ川の合流地点に広がるロシアの大都市ニージニー・ノヴゴロド。多くの歴史と秘密、また素晴らしい観光名所を有するこの都市について知ってみませんか?
ニージニー・ノヴゴロド国立言語大学の大学院生で、横浜ロシア語センターで1か月間、ロシア語教授法の研修を受けるために来日されたオリガ・ドゥボフスカヤさんをゲストスピーカーに招き、楽しいお話を聞かせていただきます。
第2部(14:45~17:00)は「新会員・新受講生歓迎親睦会」。新受講生や新会員の方々はぜひぜひご参加ください!
ロシア風クレープ「ブリンチキ」パーティーを開催します。楽しいお話や食事に興じながら、素晴らしい秋の夕べを共に楽しみましょう。
日時:2018年11月23日(金・祝) 第1部 13:00~14:30 第2部 14:45~17:00
会場:横浜平和と労働会館5階 横浜ロシア語センター教室
参加費:会員1,500円、一般2,000円、新会員・新受講生:1,000円
※第1部・第2部どちらかのみご参加の場合は500円引き
定員:20名(先着順)
お申し込み締切:11月21日(水)
お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
草原 父と娘 2人の若者
つつましい暮らしに起こったあの出来事
1949.8.29 セミパラチンスク(旧カザフ共和国)でソ連初の核実験
1991.8.29 セミパラチンスク核実験場閉鎖
その間の核実験回数は450回以上に及ぶ
2014年・アレクサンドル・コット監督作品
第27回東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞
出演:エレーナ・アン、ダニーラ・ラッソマーヒン、カリーム・パカチャコーフ、ナリンマン・ベクブラートフ‐アレシェフ
「再度の上映を」の声に応えて、11/25に「草原の実験」DVD鑑賞会を企画しました。8月に鑑賞できなかった方の強い要望がありました。予定では「ドクトルジバゴ」鑑賞会を企画していましたが、次年度に延期し、年内最後の鑑賞会は「草原の実験」となります。「海軍マカロニ」の他に、映画の舞台となる中央アジアの簡単料理もあります。心とお腹が満足する鑑賞会です。ぜひ、ご参加ください。
日時:2018年11月25日(日)13:00
会場:横浜平和と労働会館5階教室
参加費:500円(海軍マカロニ・中央アジア簡単料理・紅茶つき)
お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
西暦800年代後半、バイキングを率いたリューリク一族がキエフを制圧、その地をルーシと称した。その約100年後の977年、ルーシの支配者である大公スヴャトスラフが死去。領土は3分割され…。
大国ロシアの礎を築いた男たちの壮絶な戦いを描き、2016年ロシア映画興行収入第1位を記録した歴史劇。
日時:2018年12月2日(日)14:00
会場:横浜平和と労働会館5階教室
参加費:500円
お申し込み・お問い合わせ:
神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax 045-201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
PAGE TOP
10月6日~8日に、よこはま国際フェスタが、みなとみらい地区のグランモール公園で開催されました。当協会は6日に食販ブースとして出店しました。
今年のメニューはボルシチに加えて、去年まではピロシキであったのを、久しぶりにペリメニに変更しました。
6日はロシア語検定の日に当たるため、スタッフが分散し、また事前の準備不足もあって、スタッフの数は不十分なものになりました。
前日5日に4人のスタッフでボルシチとペリメニを調理しました。
今回ボルシチは会員の料理に詳しい藤田さんが主担当となり、牛肉をメインにしたこともあって、私の感覚では、過去2番目においしいものになったと思います。
しかし、当日は良い天気で人通りは多かったものの、気温が高く、ボルシチもペリメニも完売とはなりませんでした。
料理以外に、ワイン試飲やボトル売りも行いました。また民芸品も並べ、事務所の店頭ではなかなか売れなかった、トランプとかエプロンといった意外なものが売れました。いわしの缶詰などは早期に完売。少量しか用意していなかったのが残念です。
なお当日のスタッフは延べ7人でした。
(田中)
真夏日の国際フェスタ
今までで一番暑い国際フェスタでした。いつも着ているルパシカと、被っているシャプカは今回だけは両方ともだめでした。一度、着たのですが、すぐに汗びっしょり。着たままなら間違いなく、熱中症でした。
そんな陽気の中で、メニューはボルシチとペリメニ。声を張り上げての呼び込みも効果はなく、スタッフも手持ち無沙汰。ペリメニの実演も試みたのですが、売り上げはなかなか……。とにかく、今回は陽気に泣かされました。売れ残ったものは、隣近所に無料提供。せっかくの国際フェスタも残念な結果。来年は寒くなるように神頼みしましょうか?
新しいスタッフがやってきたのは、大変な幸運でした。何しろ、てきぱきとペリメニを皮から作り、来場者の目の前で茹でたてを出すことができたのですから。その腕前は次回にぜひ発揮してもらいましょう。
(関戸)
10月28日(日)『ノモンハンの真実』学習講演会が行われました。
前日までの申し込みは19名。ところが、当日は事務所に電話が入り、飛び込みで7名が増え、トータルで26名の参加に。これほどの盛況になるとは思っていませんでした。中には静岡県や宮城県から来られた方も。会場が手狭に思えるほどでした。
戦争と人間第三部のノモンハン戦闘シーンの上映は約一時間。初めて観るという方も多くいました。その後に、「ノモンハンの真実」著者の古是三春講師の話。驚くことばかりでした。そのいくつかは……。
(1) 戦車の戦闘は日本側の惨敗という定説を覆し、むしろ優勢であったこと。当時の日本軍戦車隊は世界でもトップクラスの技量を持ち、戦車の性能も優秀であったこと。ところが、当初のみ参戦し、すぐに後方に移動したため、真価を示せなかったこと。
(2) 損害はソ連・モンゴル側が多かったこと。
(3) 逆に、絶対優勢と言われていた航空戦は、事実誤認がひどく、日本側がやや劣勢であったこと。
これらのことは、映画とは正反対でした。他にもいろいろな話があったのですが、関戸は海軍マカロニを調理していたため、全部は聞けませんでした。海軍マカロニを頬張りながらの学習会だったのです。講義自体は、1時間ほどでしたが、終了後の質疑応答や座談会も有意義でした。関戸も父のシベリヤ抑留の件をいくつか話しました。話は盛り上がり、来年はノモンハン80年を記念して、もっと大きな学習会にしようとことになりました。来年の学習会もご期待ください。
会の後、何人かは桜木町駅前の店で冷たいビールで喉を潤しました。
(関戸)
第72回全国ロシア語能力検定試験が、10月6日(土)7日(日)に、北は稚内、釧路から南は福岡まで全国14会場で行われました。横浜会場は、毎回、事務所がある横浜平労会館4階会議室です。受験者は1級7名、出席率87%。2級16名、出席率80%。3級19名、出席率79%。4級19名出席率90%。出席率では4級が一番で、1級が2番でした。毎回恒例のアンケ―トは、みなさまにご協力をいただき、どの級も回収率100%でした。
1)「ロシア語を何処で学習していますか」では、1級は、やはり、独習が42%ですが、専門学校(横浜ロシア語センターなど)で学習も28%。2級は、独習が31%、通学している学校が37%。3級は独習が5%と少なく、専門学校と通学している学校がそれぞれ36%、31%となっています。4級は、専門学校と通学している学校がそれぞれ21%、26%なのに、独習が各級最高の47%となっています。
2)「検定試験を何で知ったか」では、ホームページが各級とも1番で、70%前後ですが、3級は、学校の先生から勧められたが52%になっています。
3)「ロシア語の活かし方」では、1級は、もちろん「仕事・ビジネス」で85%。2級になると62%に落ち、3級になると「個人的な趣味」が68%で1番に、4級も63%です。
まとめると、3級受験者は大学や専門学校で学習している人が多く、先生からの指導も重いようです。最近、ロシア語を学習し始めた4級受験者は、一人で担当の先生の指導もなく、ロシアへの旅行などの個人的趣味として学習しているようです。
2級、4級の記述欄には「ロシア語は楽しくて美しく面白い」などのコメントあり。また、検定試験については、「対策問題集がない」「和文露訳用紙に罫線がほしい」などの記述も。今回の検定試験には試験監督として延べ5名が立ち会いました。
(木佐森)
PAGE TOP
9月29日(土)ロシア語体験講座開催報告
9月29日(土)にロシア語第129期体験講座が行われました。
10:30からは「初めてのロシア語」。小林淳子先生と織田桂子先生が講師を務め、9名の参加者がありました。初歩のロシア語への導入として、初めてでもできる簡単なやりとりを体験し、アルファベットなどを勉強しました。
参加者の中からは、土曜日10時の入門クラスに数名が入学されました。残念ながら金曜日のクラスは生徒が集まらず成立しなかったため、今期の入門クラスは土曜のみの開講となります。
10月20日から既に新学期の授業が始まっていますが、初歩を独習された方なら、今のうちに入れば十分ついて行けるでしょう。まだまだ入学お申し込み受付中です。
13:30からは「イントネーションと発音」。タラルイキナ・オリガ先生が専門を生かして今期から新設した講座です。
ここには中級~上級の受講生から講師まで、常連の方々が中心に参加し、和やかな雰囲気で授業が進みました。意思の疎通に不可欠なイントネーションに特化した興味深い授業です。
こちらのクラスも成立し、毎週土曜13時に開講中。学期途中からの参加も歓迎します!
今期の授業は10月15日(月)より順次開講しました。初学者対象の入門クラスは土曜午前に新規開講し、5名が入学しました。また、金曜夜に「通訳メソッドで学ぶビジネスパーソンのロシア語」、土曜昼に「イントネーションと発音」も新しく開講しました。既存の初級~中級クラスにも今期からの編入者が多く入学し、嬉しい限りです。
料金や時間割などの詳細は教室ホームページをごらんください。見学も歓迎。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
教室ホームページ
ウクライナへ渡航する方、言語や文化に関心のある方にお勧めです。
今期から当教室に復帰された担当のピスクノーワ・オクサーナ先生はNHKのロシア語講座でもおなじみですが、ウクライナ語も教えられます!これまでにロシア語を学んだことのある方も、お互いの言語の似ているところや違うところを発見しながら、楽しく習うことができるでしょう。
月・水・木・金曜日10:30~17:00の間、1コマ90分で個人・ペアレッスンのご相談に応じます。初心者から上級者まで、どなたでも歓迎します。
詳細は教室ホームページをごらんください。受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045-201-3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp
教室ホームページ
レッスン内容は奏法の基本から音楽理論や高度な内容まで。毎月土曜日に開講しています。初心者の方も、以前習っていて中断された方も歓迎します。
今後の日程:11月17日、11月24日、12月1日、12月15日
(変更の場合がありますので、見学・受講ご希望の方は事前にお問い合わせください。)
生徒募集クラス:
17:00~17:45ドムラ中級
18:00~18:45バラライカ初級
※12月から各1時間ずつ開始を繰り上げます。
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円
お申し込み・お問い合わせ:
eurask2@hotmail.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714
日程:毎月1回、土曜日開講
2018年度後期日程:10月20日、11月17日、12月15日、1月19日、2月16日、3月16日
◆グループレッスン:Aクラス(現在休止中、受講生3名で開講可能)
◆アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30
講師:檜垣 紀子
会場:横浜平和と労働会館2階
神奈川音楽センターホール
※11月17日のみ3階会議室
お申し込み・お問い合わせ:
eurask2@hotmail.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714
PAGE TOP
音 楽
日本におけるモスクワ文化の日 祝宴コンサート
10月17日、「日本におけるモスクワ文化の日祝宴コンサート」がマンダリンオリエンタル東京ホテルで開かれました。
会場は、ホテルの宴会場をぶち抜いた横長の臨時のホールで、正面中央にステージが作られていました。
ゲストには、ロシア大使夫妻も含め多彩な顔触れがそろいました。
恒例のセレモニー・出演者の紹介が終わり、いよいよコンサートの開始です。
ステージの狭さ故か生伴奏ではなく、録音されたものを掛けそれをバックに歌う形でした。
一部は、全員がソプラノのパートを歌う女性6人組「ソプラノ」の演奏です。
黒の衣装をまとったモデル級のスタイルの美女達が登場すると、モーツァルトのトルコ行進曲を歌とスキャットにアレンジした曲が流れます。それを軽快に歌い、スキャットする彼女たちを聴いたとたん、アカデミックな教育を受けたことを確信しました。正確な音程に透明でクリアな美しい歌声がのり、安心して音楽の流れに身を任せることができました。
13曲も歌ってくれましたが、団塊の世代でロシア民謡で育った私には、ロシアンポップスはとても新鮮でした。一人一人がソリスト級の実力を備えている「ソプラノ」は実に魅力的なグループです。
男性の4人組「クアトロ」の登場で、二部がスタートしました。
真っ赤なタキシードに黒のズボンがよく似合います。
グループの名前がイタリア語なので?イタリア歌曲でスタートです。
そして、スローバラード風のポップな曲の後が何と「カチューシャ」、会場が一気に盛り上がりました。これでなくては!歌詞を一緒に口ずさむ会場の皆さんもうれしそうです。
その後もバラエティーに富んだ演奏を聞かせてくれましたが、9曲目が私の最もお気に入りの曲である「モスクワ郊外の夕べ」。中途半端に覚えているロシア語に日本語を混ぜて一緒に歌わせていただきました。これでなくては!さらに「カリンカ」と続き会場のテンションは上がりっぱなしです。
最後の曲は何と私達の世代ではザ・ピーナッツの歌でおなじみの「恋のバカンス」。満足満足。
アンコールの声に応え歌ってくれたのは、これもお馴染みの「見上げてごらん夜の星を」をアカペラで静かに歌い始めた。ぐっとくる。会場は大満足!
そして、最後に「クワトロ」に「ソプラノ」が合流して(ソプラノの6人は真っ赤な衣装に着替えた)、日本でもスタンダードになった名曲「百万本のバラ」を会場と一体となって歌い上げました。
食わず嫌いであったロシアンポップスも、これからは聴いていきたいと思った楽しい一夜でした。
神奈川県協会からは、10名が参加しました。
(文:金子/写真:木佐森)
12月9日会館まつり「山之内重美とロシア歌謡を歌おう」に期待が!
山之内重美さんのロシア浪漫Vol15「露西亜ア・ラ・カルトを歌う」が、南青山のMANDALAで10月31日(水)に行われました。
第1部は、ソ連製タンゴの「黒き汝が瞳」で始まり、草原歌曲の「ウラルのぐみの木」や都会の哀歓を歌ったオクジャワの「真夜中のトロリーバス」など9曲。
第2部は、山之内さんの親友であるエカテリーナさんのピアノの弾き語りで「バイカル湖のほとり」、自作の歌詞を付けたチャイコフスキーの「ピアノコンチェルト第1番」など6曲。さらに、2人で「鶴」「百万本のバラ」など4曲。最後は会場全体で「心さわぐ青春の歌」など3曲を熱唱しました。
会場は、70年代に青春を過ごした“若き人々”などでいっぱいでした。
12月9日(日)横浜平労会館2階音楽ホールで行われる「山之内重美とロシア歌謡を歌おう」(12:40~13:10)に大きな期待がかかります。
(木佐森)
演 劇
劇團旅藝人『どん底』生き生き、ゴーリキー。
10月7日 於:ザムザ阿佐ヶ谷
阿波踊りをしているような群衆に「生き生き、ゴーリキー」のコピーが載ったフライヤー。それにしても、このキャッチフレーズに得体のしれない明るさを感じてしまうのはなぜだろうか。
舞台はムシロを敷き詰め、中央に囲炉裏。素朴な日本昔話の雰囲気だが、登場人物たちはどれも木賃宿になだれこんできたわけありの極貧人間だ。世間への不満やひがみが宿の中で爆発する。観客も無事ではいられない。ムシロから飛んでくる埃を予防するためにあらかじめマスクが配付されており、粉塵の中での観劇である。
出演者は一様に着物をアレンジしたボロボロの衣装を身に着けているが、色彩は意外に明るい。上演時間はロシアなみに3時間20分、原作どおりに演じられた。
パンクないでたちのワシリーサとペーペルがすばらしかった。睨みつけるペーペルと、投げやりな啖呵を切るとワシリーサの対決は実にかっこよく、愛憎半ばする男女のかけひきが胸をすく。今回、巡礼者ルカは翻訳・脚本も手がけた演出の桂佑輔が代役で舞台に立っているのだが、年齢設定からして若すぎるのか、終始お面をつけたままで時として声がくぐもってしまったのが残念。
ルカにそそのかされた「役者」が命を絶ち、ペーペルが宿の主人コストゥイリョフを殺してから、舞台は一気にカオス化。ここが「生き生き、ゴーリキー」のキャッチフレーズにふさわしいエネルギッシュな展開が見られた。
劇團旅藝人は、公開作品ごとにキャストやスタッフを集める企画公演形態をとる劇団。
西洋と日本の演劇様式を融合し、現代日本で古典を上演するというのがコンセプトだそうだ。原作を翻案にするのではなく、原作と真っ向勝負を挑んで、なおかつ不思議な明るさを放っている。不思議な劇団である。
(文:滝沢 三佐子/写真:劇団提供)
映 画
東京国際映画祭2018
第31回東京国際映画祭のコンペティション部門に、CIS諸国関係としてはカザフスタンのエミール・バイガジン監督作品『ザ・リバー(原題: Ozen)』、ドイツ・アゼルバイジャン合作、ファイト・ヘルマー監督作品『ブラ物語(原題:The Bra)』が出品された。
上映に合わせてバイガジン監督、ヘルマー監督と主演女優数人が記者会見とQ&Aに登場、映画祭を盛り上げた。
『ザ・リバー』は、厳格な父のもと、草原の真ん中にある1軒家に暮らす5人の兄弟たちの物語。彼らは父に反発しつつ隠れて流れの急な川で遊んでいた。ある日、奇妙ないでたちの都会から来た少年が目の前に現れ、兄弟たちは彼の持っているゲーム機に心を奪われる。ある日、都会の少年を誘って川へ泳ぎに出かけたが、都会の少年は川岸へ向かったまま行方を断つ。
禁欲的でスタイリッシュな映像、抑制されたセリフで緊張感漂う。使ったレンズは1本だけで、小津安二郎監督の撮影を参考にしたそうだ。本作品の長兄はアスラン。同じ名前の主人公が登場するバイガジン監督の前2作と併せて「アスラン三部作」の最終作とされる。肉体的暴力が衝撃的な『ハーモニー・レッスン』(2013、フィルメックス映画祭審査員特別賞)、経済危機下の1990年代カザフスタンで犯罪に手を染める少年の物語『Раненый ангел』、精神的抑圧を描いた『ザ・リバー』であるが、バイガジン監督によると『ザ・リバー』では、過去の登場人物たちを含めた精神の解放を描いたという。
一方の『ブラ物語』はセリフ無しのコメディ作品。
定年退職を控えラストランを運転していた機関士ヌルラン。走行中、青いブラジャーが列車に引っかかった。定年後の孤独から逃れるため、落とし主を探す決意をしたヌルラン。線路沿いの家々を訪ね、持ち主を探すうちに、あるとんでもない方法を考えつく。
ロケ地はアゼルバイジャンで、どことなく牧歌的な旧ソ連時代を感じさせる。ほほえましいエロティシズムを醸し出すキャストもすごい。ミキ・マノイロヴィッチ、ドニ・ラヴァン、サヨラ・サファーロワ、ポリアナ・マノイロワ、イルメナ・チチコバ、パス・ベガ、そしてチュルパン・ハマートヴァといった、セルビア、フランス、スペイン、ブラジル、ロシアの俳優・女優が出演。
ヘルマー監督によると、「セリフのない映画だが、サイレントでもない。言葉がなくても成立するストーリーは最大の挑戦。どんな国のどんな人にも字幕なしで見てもらえる普遍的なアートだと思う」だそう。
(文・記者会見Q&A写真:滝沢 三佐子/スチール写真:(c)2018 TIFF)
芸 能
雪と氷点下がやって来たロシアから、2018年10月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中4曲が新曲、1曲が再登場!
10位に、クリャヴェルの9月の新曲«Когда ты станешь большим»(君が大きくなるとき)がランクイン。自分の息子娘に対する父の愛と願いを綴った心温まる歌です。5位に露芸能界の貴公子ラーザレフの新曲«Шёпотом»(囁き声で)。人気トリオ・5staFamilyの元Voカラウロワの新曲«Маячки»(小さな灯台)が3位になりました。スイートな容姿と歌声が印象的な歌手。ヒット曲に恵まれ、司会業や音楽コンテスト審査員にも抜擢され、サウンドプロデューサーとの恋愛も順調です。
キルコーロフとクリードを首位から落とし、リョーシャ・スヴィクの«Малиновый свет»(ラズベリー色の光)が今月の首位を占めました。エカテリンブルク出身。幼少からエミネムなどのHIPHOPに傾倒し、音楽の世界に入り、ユニットPuzzleで活躍。ソロ転向1年後の2017年にリリースした«Я хочу танцевать»でヒットしました。今回の曲もEDM(エレクトロダンスミュージック)仕上げで、7月にリリース後YOUTUBEには3100万回の視聴回数を記録しています。最近ロシアではEDMが流行で、ニューシャやマトラングやなどがリリースしスーパーヒットしたのは、この音楽ジャンル。おめでとうございまーす!:-)
※記事全文はブログでごらんください。
【画像引用元】
Леша Свик→https://24smi.org/
Юлианна Караулова→http://www.peoples.ru/
Сергей Лазарев→http://www.peoples.ru/
Денис Клявер→http://www.peoples.ru/
(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2018年10月22~28日/MOPA)
今年はこちらで「ロシアにおける日本年」ということで、ロシアの至る所で日本祭が開催されています。
こちらムルマンスクでも勿論です。日露友好を目指す弊NPO団体「ムルマンスクの中の日本」は2018年年明けから報道関係者や博物館や図書館などからお声がかかり続いていて多忙。インタビューに対応したり、日本文化について講演したり、文化祭に参加したりして、東奔西走しています。
最近では、10月20~28日まで州立図書館共催でムルマンスク初の日本文化祭「Дни Японии(弊団体ではНеделя Японииと名づけている)」を開催。初日のオープニングにはモスクワ日本大使館一等書記官の高口様から祝辞を戴き、私も伝統文化についてミニレクをした後、着物着付けと武道ショー。その後はワークショップと映画鑑賞をしました。そして最終日は、日本の甘味無料試食会と日本留学講座を開催。参加者は延べ300人。来て頂いた方々も私共も大満足の日本祭になりました。
図書館による祭りの報告はこちら(ロシア語)
サイト中TOPの写真は、日本留学斡旋会社「Study in Japan Guide」のザパーラ社長との2ショット。大使館の一等書記官の高口様との写真、浴衣着付け教室・武道デモの様子、書道・工芸講座の様子、旅行体験談の様子、クイズ大会の様子、日本の甘味無料試食会などなど…
(福島 留美/ロシア・ムルマンスク在住)
横浜ハリストス正教会バザーに初出店 11月3日
今までは、客として参加していた横浜ハリストス正教会バザーでしたが、今年は有志で出店しました。
メニューはおなじみの海軍マカロニ。バザーでは初物ということで、皆さん「これ、何の料理?」と買っていかれました。「イギリス人と同じ位紅茶を飲み、イタリア人と同じ位マカロニを食べるのがロシア人です」と話すと、皆さんビックリ。「じゃあ、食べてみよう」ということで11時開始直後から売れ行き好調。
関戸一人で調理し、販売していましたが、かつての教え子が手伝いに来てくれました。二人でルパシカとシャプカで販売。また、協会からもスタッフがやって来てくれました。教え子はロシア正教会の教会を見るのは初めてで、「初めて中を見たけれど、とても美しいですね」とイコンに驚いていました。
残念なことに、1時過ぎに雨がポツポツと降り始めました。そこで、終了が宣言され、完売とはなりませんでした。
売り上げは、実費を差し引き、全額を東日本大震災復興のために寄付しました。正教会の水野神父も「またお願いします」とのこと。今後も参加し続けたいです。
(文:関戸/写真:滝沢)
除村吉太郎記念 日本ロシア語情報図書館ご利用のすすめ
神奈川県日本ユーラシア協会の会員の皆様は無料で日本ロシア語情報図書館の利用ができます。図書の館外貸出は3冊迄。場所は東京ロシア語学院の1Fです。
この図書館の前身は1953年創立の日ソ図書館です。ロシア・旧ソ連を対象とする専門図書館としてロシア語文献を中心に資料を収集・整理・公開し、広く利用者の皆様に親しまれてきました。
さて中垣内は専修大学出身で生田校舎で見つけた本がここには有ります。残念ながら日本ロシア語情報図書館では禁帯出ですが、1970年前後に発行された本で«СОВЕТСКИЙ СОЮЗ»というソ連の各共和国ごとに地理の事が書かれている本です。旧ソ連の地域研究をする上でどうしても欠かす事の出来ない本達です。その内ロシア連邦共和国の極東について書かれた本の外観の写真を載せておきます。ロシア連邦共和国だけで7冊、ウクライナ共和国が2冊、後は各共和国ごとに1冊ずつと統計集1冊で確か全部で23冊有ります。ソ連の地理の本としては傑作ですので、是非日本ロシア語情報図書館へおいでの際はご覧下さい!もし専修大学を卒業された方、今在籍中の方は専修大学生田校舎図書館本館の2Fの書庫にあり、貸出も行っていますのでそちらもご利用下さい!
日本ロシア語情報図書館の開館時間は火曜日~金曜日の午後1時から5時までで、休館日は土曜、日曜、月曜、祝日、年末年始、特別整理休館日は8月1日~8月15日です。
Tel 03-3429-8239 Fax 03-3429-8616
E-mail biblio@m3.dion.ne.jp
日本ロシア語情報図書館ウェブサイト
(中垣内)
書評「樺太40年の歴史 ―40万人の故郷―」
原暉之・天野尚樹 編著
一般社団法人全国樺太連盟 発行
2017年3月31日初版第1刷
サハリン(樺太)へおいでになった方々お疲れ様でした。旅行はいかがだったでしょうか?
この本は一般に書店ではお求めいただけません。一般社団法人樺太連盟に購入したいと連絡すると定価2000円(税込)送料360円でお求めいただけます。もし少し読んで確かめたい方は神奈川県立図書館でお借り下さい。中垣内も神奈川県立図書館で借りて読んでから購入しました。普通に書棚に置いてあります。
著者は北海道大学名誉教授の原暉之先生、山形大学人文学部准教授の天野尚樹先生、京都大学東南アジア地域研究研究所政治経済共生研究部門助教の中山大将先生、奈良大学文学部教授の三木理史先生です。
さて内容ですが、 序章樺太の地理と人びと。第1章漁業根拠地からの離陸、1905~15年。第2章森と共に生きる人びと、1915~24年。第3章炭鉱で生きる人びと、1925~1930年。第4章平時から戦時へ、1937~45年(一)樺太の政治構造。第5章平時から戦時へ、1937~45年(二)戦時下の樺太社会。第6章樺太の戦争、1945~1949。となっています。
そのうち序章では42頁もさいて樺太の位置と気候、海・森・土壌、樺太に暮らした人びと、についてが書かれています。「札幌新千歳空港から40程北上すると、北海道の最北端・宗谷岬が眼下に見えてくる。そこから先が宗谷海峡である。飛行機で海峡を北上するとわずか7分程で剣先のようにとがった西能登呂岬「クリリオン岬が目に入る」、「宗谷岬から西能登呂岬までの距離は43キロ現在の地図にはこの宗谷海峡に日本の国境線かある。しかし今から70年程前までこの海峡は[しょっぱい川]と呼ばれていた。そこに国境は無かった。[川]の向こう岸には40万もの日本人が暮らしていた。北海道の向こう側は[海外]ではなかったのである。1905年から1945年まで日本の国境はサハリン島上の北緯50度に引かれていた。その南側が日本領樺太である。本書はこの樺太40年の歴史の叙述である」(以上本文序章より)とあります!
あとの内容はご自身で読んでいただきたいのですが、今でも「樺太」時代の事を伝えていこうとする一般社団法人「全国樺太連盟」という団体がある事を知りました。「樺太」についてもっと知りたい。そう思わずにはいられない1冊です。
(中垣内)
書評「ロボット(R.U.R.)」
岩波文庫 660円+税/チャペック 作 千野栄一 訳
「ロボット(R.U.R.)」は、カレル・チャペックの「山椒魚戦争」と並び称されるSFの古典である。人類は未来、科学の進歩と共に、人々を苦しめてきた労働をロボットに移行する。それは、人が一切れのパンを得るために苦労せずともよいことを可能にしたのである。元来、ロボットという語は、古代スラブ語で隷属という意が含まれる。労働=ロボットという図式化は、やがて生産しなくなった人類へ跳ね返り、ここに人類の黄昏が始まる。人々が日々、心労を賭して労働に勤しむのが大事か。新しい価値観構築や次世代への創造があるからである。それを忘れた瞬間、人間自身が隷属する立場へ転化される。
AI知能が盛んな昨今、この予言的な本を、本屋で手にとれることは、幸福なことである。新聞記者であったチャペックの鋭角な理論構成の文明批判の書である。
(中出)
投稿歓迎!
「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
ただし、作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。
毎月末締切、翌月15日頃に発行される見込みです。
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部
〒231-0062 横浜市中区桜木町3-9 横浜平和と労働会館1階
Fax 045‐201-3714
E-mail eurask2@hotmail.co.jp
(機関紙編集部)
PAGE TOP