パニヒダ ~永眠者の記憶の祈り~日露修好に尽くされたロシア使節ムラビヨフ艦隊乗組士官
ロマン・モフェトとイワン・ソコロフを偲んで
私共、神奈川県日本ユーラシア協会では、横浜ハリストス正教会との共催にて、以下のように「パニヒダ」(ロシア語: Панихида, 英語: Memorial service (or panikhida)、東方正教会において永眠者の為に行われる奉神礼)を横浜外国人墓地において行う予定です。
横浜外国人墓地に最初に葬られたのはロシア太平洋艦隊所属のロマン・モフェトとイワン・ソコロフという海軍軍人でした。
尚、2006年のロシア人墓地慰霊祭以来、地道に続けられてきた当会の調査、提言活動が実を結び、2010年9月には、立派な墓誌が在日ロシア大使館によって横浜外国人墓地に建立され、関東大震災などで倒壊していた10基の墓碑も、モフェトとソコロフの墓の周囲に再建されました。 今回のパニヒダでは、埋もれた歴史に光を当て、21世紀を迎えた今日、改めて日本とロシアの相互理解と親善を深める一歩としたいと思います。
当日は、横浜ハリストス正教会管轄司祭・グリゴリイ水野宏神父に執り行っていただきます。 横浜ハリストス正教会管轄司祭・グリゴリイ水野宏神父の開催の意義のメッセージ「横浜外国人墓地パニヒダに寄せて」も併せてごらんください。 記
日時:2016年11月6日(日)14:00~15:30
※当日は300円以上のご献金をお願いいたします。
式次第: 以 上 ◆ 横浜外国人墓地パニヒダに寄せて
横浜ハリストス正教会 この度、横浜外国人墓地において、最初の被葬者である二人のロシア人ロマン・モフェトとイワン・ソコロフにパニヒダを献じることができ、地元・横浜を管轄する正教会の司祭として大変光栄に存じます。 正教会は、使徒と呼ばれるキリストの弟子たちの伝統を継承してきたグループであり、世界に約二億数千万人の信徒がいます。その信徒人口のうち、ほぼ半数を占めるのがロシア人であり、ウクライナやベラルーシなど、ロシア帝国領だった地域の人々も合わせれば、七割近くに達します。 この正教会において永眠者のために捧げられる祈りがパニヒダです。永眠者が生前の罪を神に赦されて天国に安住することを祈り、かつ自分たちもまた永眠者の生前の信仰を受け継いで、将来天国において共に永遠の安息に与れるよう祈願する内容です。 その祈願を最も端的に示しているのは、パニヒダの最後に唱えられる「永遠の記憶」(ロシア語で「ヴェーチナヤ・パーミャチ」)という言葉といえます。この意味は、私たち人間の側の「故人への思い出」を指しているのではなく、神に対して「どうか永眠したこの人を、そして今祈っている私たちをも、永遠に覚えていてください」ということです。 ロマンとイワンの死から二年後の1861年、函館のロシア領事館付きの司祭としてニコライ・カサーツキン(後の大主教)が来日しました。彼は日本に正教会を創立し、神田のニコライ堂をはじめ、多くの聖堂を日本全国に建て、聖書やその他の祈りを日本語に翻訳し、最後は明治45年に日本の土となりました。そのニコライの宣教の甲斐があって、多くの日本人がロシア人と同じ信仰に帰依することができたわけです。 その意味において、ロマンとイワンの二人が非業の死を遂げ、横浜に葬られたことは単なる一事件ではなく、むしろ日露交流が前進していくうえでの重要な礎だったと言えるでしょう。 今回のパニヒダを通して、ロマンとイワンの永遠の安息のみならず、将来の日露交流の益々の発展を祈ってやみません。 |
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