今月の表紙:2013国際ジュニア体操競技大会 アルトゥール・ダラロヤン選手(ロシア)

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2013年10月号 No.624

行事予定

よこはま国際フェスタ2013

【内容】
●お買い物で国際協力!
●世界の味を楽しむ!
●横浜を感じる!Cプラットクルーズ!(特別遊覧船)
●考える。着る。世界を知る!
●聴く。観る。踊る!
●会場内で子どもボランティア!
●当協会もロシア&ユーラシアの料理(ボルシチ、シャシリク、モルス)・食品販売で参加予定です。ボランティアスタッフも募集中!
●入場無料

【日時】10月19日(土)・20日(日)10:30~16:00
【場所】象の鼻パーク(みなとみらい線日本大通り駅より徒歩5分)
 神奈川県日本ユーラシア協会:食版ブース806
【主催】よこはま国際フェスタ2013プロジェクト


国際フェスタ ボランティア募集!

【日程・内容】
◆10月18日(金):食材買い出し、調理
※時間等の詳細はお問い合わせください

◆10月19日(土)、10月20日(日):会場準備・調理・販売・撤収
(現地集合)9:00~17:00(一部参加でも可)
※現在、10月20日(日)のスタッフが不足しています。ぜひご協力ください。

【お問い合わせ・お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声
映画出演者・河崎保氏講演とDVD上映の集い

「きけ、わだつみの声」上映会
 本作出演者中の数少ない生存者で、日本ユーラシア協会常任理事・演出家の河崎保氏から貴重なお話を伺い、その後映画を鑑賞します。詳しくはチラシをごらんください。

【日時】10月27日(日)14:00~16:30 映画出演者・河崎保氏のお話に続いて映画上映
【会場】横浜平和と労働会館3階会議室
【参加費】会員700円、一般1000円
【お申し込み締め切り】10月24日(水)
【定員】先着40名
【お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

横浜外国人墓地ロシア人墓碑調査

 横浜開港150周年を記念し、2008年5月に開始したロシア人墓碑全調査も6年目となりました。墓碑のロシア文字が判読できる方ならどなたでも歓迎。※カメラ・筆記用具持参のこと。

 参考・第1回調査内容はこちら

【日程】11月3日(日)10:00集合
【集合場所】みなとみらい線「元町・中華街駅 5番出口(地上入口、元町側)
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

キルギス大使交流会 @横浜三溪園 「紅葉を見ながら大使と語ろう」

キルギス大使交流会
 秋の横浜三渓園にて、キルギス大使リスベク・モロドガジエフ閣下と語りながらキルギス文化、日本文化を味わいませんか?
 キルギス・中央アジア好きの方、国際交流に興味がある方、紅葉を楽しみたい方、どなたでも大歓迎です。
 詳しくはチラシをごらんください。

【日時】11月23日(土)13:00~15:30
【会場】本牧三之谷町内会館・三溪園
【内容】キルギス大使講演「キルギス大使から見た日本」(仮題)、グループディスカッション(キルギスのお菓子付き)、三溪園散策、参加者交流
【参加費】会員1,500円、一般2,000円(三溪園入場料、菓子・資料代含む)
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

その他の行事予定

【2013年】
●11/30(土) 会館まつり

【2014年】
●1/19(日) ヨールカ祭
●4/12(土), 4/13(日) 日本ユーラシア協会全国総会
※予定は変更される場合があります。

活動報告

ハバロフスク旅行事後交流会

 三連休の最終日、9月23日(月・祝)には9名が集合。旅行団は全部で16人でしたから、半数以上が参加したことになります。

 黒パンとハバロフスクのお土産にもらったチョコレートをつまみながら、旅の写真をながめながらの思い出話。

 「日本人墓地に行けてよかった。お墓の前で亡くなった方々の冥福を祈りました」「子供たちのキャンプ場は本当に楽しかった」「以前から興味があったダーチャの体験ができてよかった」などの感想がありました。やはり、友好を目的とする協会の理念が参加者の方々にも受け止めてもらえたようです。主催者として本当にうれしい言葉でした。

 交流会の後半は、田中団長の苦心の作の旅のDVD。家庭訪問やダーチャはコースの違う参加者同士の紹介から。自分が参加していないところはどうなのか、興味を持って鑑賞しました

 この旅行が草の根からの友好を実践しているということを感じる交流会となりました。

第15回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅

第1日目 8月6日(火) 第1部 成田からハバロフスクまで

 今年第15回のハバロフスク旅行の参加者は、全体で去年より1名少ない15名でした。コース別の内訳はホームステイコースが5名、ダーチャコースが10名と、例年とは反対にダーチャコースのほうが多数派になりました。

機内食

 8月6日9時30分に、成田空港第1ターミナルのロビーに参加者全員が集合しました。副会長の関戸さんが簡単に挨拶した後、ユーラスツアーズ滝澤さんの案内の元、手荷物を預け、チェックインを済ました後、各自出発ロビーに移動しました。そして11時30分発のアエロフロートSU4679便のエアバスに乗り込みました。以前はツボレフ機で狭く、最初は冷房が効かなくて暑かったのですが、エアバスになってからは快適です。あいにく成田空港は雨で、悪天候の中、11時15分機は無離陸。すぐに雲の中に入り、その中を上昇中、時々雲の切れ目から千葉の印旛沼などが見えました。しばらくして雲海の上に出、それ以降ハバロフスクまで地上が見えることはありませんでした。機内サービスとして飲料が配られ、その後昼食が配られました。年々内容が質素になってきている気がします。

洪水のアムール河

 ハバロフスクが近づくにつれて、機は下降し始め、雲の切れ目からロシアの大地とアムール河が見えるようになりましたが、その様子は去年とはまったく違っていました。もとより河の幅は広いのですが、今年はさらに広がり、流れも幾本にもなり、三日月湖も本流につながっていました。洪水が起きていたのです。後から触れますが、水につかっているダーチャも見えました。その様子を見つつ、15時55分(ハバロフスク時間)機は無事ハバロフスク空港に着陸しました。ハバロフスクの天気は曇りでした。私たちはタラップを降り、迎えのシャトルバスに乗車し、到着ロビーへ。以前は歩いてロビーに移動したものですが、今はたいていシャトルバスで移動です。ロビー内のロシアでの最初の関門、入国管理のゲートの前に並ぶことになりましたが、このときになって、イミグレーションカードが必要なことを気づき、あわてて参加者に空港に備え付のカードを配り、書き方がわからない人には、関戸さんやもう一人のスタッフの野口さんと手分けして教えたりしました。そこは何とか全員無事通過、手荷物受け取り所で荷物を受け取り、入国ロビーに出たときは17時近くになっていました。そこには去年と同じガイドの、オリガさんが迎えに待っていました。挨拶をした後、全員がそろったところでロビーを出、空港前で待機していた大型バスに乗り込みました。

ハバロフスク空港

 バスの近くで私たちを撮影している、大柄で太った、長髪でひげ面の男を見ました。この人は、私たちのダーチャ訪問を取材に来たTV局のカメラマンでした。この人が2日間、私たちと同行することになります。もちろん移動は彼の車ですが。バスの中でオリガさんが、ハバロフスクについての説明を始めます。空港からハバロフスク中心への道路に入ると、拡幅工事中でした。混雑解消のため、4車線にするとのこと。このあたりが混雑するのは見たことがありませんが、この説明を聞いて思い出しました。昔、仕事で北海道に行き、苫小牧の近くの4車線道路をタクシーで走っているとき、運転手から、その道路を通勤時間帯の混雑解消のため8車線にするという話を聞きました。まばらにしか車が走っていないのを見ながら、そこでの混雑とはどれほどのものかと思い、また土地の余っている北海道をうらやましく思ったことを。そして同様にこのロシア、ハバロフスクでも。プーチン政権の極東重視政策の表れかもしれません。

日本人墓地

 空港を出発してから10分ほどして、先の大戦終了後、シベリア抑留で倒れた日本人が埋葬されている日本人墓地に着きました。手前で、この時間、閉まっていると思っていた花屋が、まだ開いていたので何本か花を買って墓地に入りました。一時期、草が伸び放題でしたが、今年はきれいに手入れされていました。墓は土葬ですが、ほとんどの墓には墓標らしきものはなく、石材で長方形に囲ってあり、名前が刻まれた金属の銘板が打ち付けられているだけでした。銘板がない墓もありました。まず私達は記念碑としての墓柱の前に花を手向け、代わるがわる線香を立ててお祈りしたあと、手分けしてそれぞれの墓に、線香を立ててまわりました。そこには15分ほどしかいられませんでした。例年、日本人墓地へは、旅行の最終日、空港に向かう途中に立ち寄っていましたが、ハバロフスクに到着した日に立ち寄ったのは、初めてでした。どちらの場合も、スケジュールの関係で、短い時間しかいられないのは、残念なことです。

 墓地を後にして私達のバスはホテルに向かって、再び走り出します。

教会広場

 中心部に近づくにつれ、景色は草原と点在する小さなドーム(集合住宅)から、大きなドームと建物に変わってきます。レーニン広場のそばを過ぎて、ムラビヨフ・アムールスキー通りに入ると、ヨーロッパ風の建物が目立つようになります。この通りの終端にありアムール河が望めるコムソモール広場(今は教会広場とも呼ばれる)で、バスは右折し、広場に立つウスペンスキー寺院を左に見ながら走ると、ほどなくして今晩の滞在先の背の高いインツーリストホテルに到着しました。時は18時を過ぎていました。でもハバロフスクの夏では、日没にはまだほど遠い時間です。

~第2部に続く(田中)

教室案内

横浜ロシア語教室 第119期生徒募集

 10月15日(火)より順次、ロシア語教室新学期を開講します。今期は土曜日夕方に初めて学ぶ方のための「入門」クラスを今井イリーナ先生の担当で開設します。
 他、初級・中級・上級・応用・会話クラスも生徒募集中。
 3クラス・各30分まで見学無料。時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細は教室ホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


第119期公開講座実施

公開講座
 9月21日(土)11時より「ロシア語入門体験」、続いて13時より「ロシアの吟遊詩人」の公開講座が開講されました。

 入門体験講座には119期の受講を既に決めていた方や検討中の方、計3名が参加し、この秋開講のクラスのオリエンテーションも兼ねてロシア語学習を体験しました。

 「吟遊詩人」講座にはロシア語中級者~プロの通訳者まで6名が参加し、オクジャワ、ヴィソーツキイ、ガズマーノフなどの歌の歌詞をじっくり読み込んで味わい、最後にロシアの吟遊詩人を特集したテレビ番組のビデオを鑑賞しました。ロシアの歌に造詣の深い講師と参加者とのやりとりも楽しく、大変好評でした。

補習サークル「寺子屋」主催 日本語教室・ロシア語教室合同ピクニック

 ロシア語を学んでいる人はロシア語で、日本語を学んでいる人は日本語で話しましょう!
 10月27日、合同ピクニックが開催されます。この両教室の合同交流会はこれからも開催される予定ですが、初回はロシア語教室第119期開講を記念してピクニックで大いに楽しみ、横浜能楽堂の見学もしようという欲張った企画になっています。
 詳しくはリンク先のページをごらんください。

※希望者があればその後(15時頃~)補習も可能です。10月22日(火)までに氏名、クラス、使用教材名、補習希望範囲をお知らせください。

日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。お申し込みは事務局まで。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2013年度後期予定:
(前半)10/5, 10/19, 11/2, 11/30, 12/14, 12/21
(後半)1/11, 1/25, 2/1, 2/15, 3/1, 3/15
生徒募集クラス
17:00~17:45 ドムラ初級
18:00~18:45 バラライカ初級

講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円


みなとみらいマトリョミン教室

 マトリョミンは他のどんな楽器とも違う、触らないで弾くという不思議な奏法がとても面白い楽器です。
 ワンフレーズ弾くぐらいなら触れたその日からでもOK。
 可愛さ、不思議さ、ロシアっぽさなどもさることながら、楽器としてのポテンシャルも非常に高く、弾く人の内面を如実に映し出します。
 会社や友人同士の集まりに持って行くと、話題性もパフォーマンス性も抜群で、注目の的です。
 一度、教室に遊びにいらっしゃいませんか。見学、体験も大歓迎です。

日程:毎月1回、土曜日開講

2013年度後期予定:10/19, 11/16, 12/21, 1/18, 2/15, 3/15
◆アンサンブルクラス(90分)
13:00~14:30 (満席)
◆グループレッスン
Aクラス 14:45~15:45 (空席1)
Bクラス 15:55~16:55 (空席3)
入学金:3,000円(継続の方、休学1年以内の方、当協会会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円、グループレッスン3,000円×6回=18,000円
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

組織・財政

組織状況

(2013年9月30日現在)
 会員動向(8月31日~9月30日)入会5名、退会8名、休会1名。今年度年初会員数218名、今年度累計入会者数51名、退会者数35名。
 9月末会員数233名(年初比15名増、前月比4名減)。

(柴田)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2013/9/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,400,1204,966,787
教育事業6,490,7722,934,270
一般事業2,429,7702,284,892
当期剰余金 134,852
合 計10,320,80110,320,801
前年同期(単位:円)2012/9/30
摘 要収 入支 出
一般会計1,454,3195,204,750
教育事業5,491,5762,836,663
一般事業3,808,2912,579,462
当期剰余金 133,311
合 計10,754,18610,754,186

貸借対照表 (2013/9/30)
科 目本年9月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産5,310,5224,686,559623,963
固定資産1,884,7751,884,7750
資産合計7,195,2976,571,334623,963
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産7,195,2976,571,334623,963

 一般会計、一般事業とも前年比微減、教育事業は前進。全体としては微減。当期剰余金は微増。健全財政は保っていますが、全体としては停滞気味で総会決定の9月末目標1,185万円を9%下回っています。あと3か月で挽回しましょう。

(柴田)


文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

Русская Десятка ロシア・トップ10

ロシア・トップ10
 ななかまど(ロシア語でリビーナ)が燃えるように赤くなり深い秋を感じさせるロシアから、9月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中3曲が初登場!
 10位にファイヴェスタ・ファミリーの"Буду с тобой"。5位に、ヂーマ・ビラーンの"Малыш"がランクイン。4位に、デニス・クリャヴェルの新曲"Странный сон"がランクイン。第1位に輝いたのは、ダンバランらの痛快ディスコナンバー "Lendo Calendo"。ヴィンターシュが一気に圏外に去り、手堅く首位奪取。おめでとうございます!:-)

(チャート詳細と全文はこちらから)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart、9月16~22日/MOPA)

映画・演劇

俳優座「三人姉妹」

「三人姉妹」
9月19日 於:東京・六本木 俳優座稽古場

 数ある「三人姉妹」の中で、今回の演出は少々風変りだ。幕があくとステージ上は病院の一角。医師や看護師が入れ替わり立ち代わり往来し、カルテに見立てた台本を手にしている。三人姉妹が個室病棟から登場、第一幕「イリーナの名前の日」の場面が始まる。白衣の医師や看護師たちは、三姉妹の家に出入りしている軍人たちだ。普通のドレスを着たオリガ、マーシャ、イリーナを演じるのは、劇団のベテランの女優たち。プログラムによると、「オーリガと呼ぶ女」「マーシャと呼ぶ女」「アンドレイと呼ばれる男」「ヴェルシーニンと呼ばれる男」などとなっている。三姉妹と兄嫁ナターシャ以外は「…と呼ばれる~」とされている。舞台上の登場人物に感情移入する前に、観客は登場人物を客観的に見ることを要求されそうだ。まるで「三人姉妹」という戯曲が病院内で展開されるドラマセラピーのように。

 舞台の進行は比較的オーソドックスだ。モスクワに帰ることを夢見ながら、田舎での無為な日々を過ごす三姉妹と兄が、自分の若さや才能がどんどん劣化していくさまが淡々と描かれる。しかし、ときおり挿入される「365歩のマーチ」や「黒の舟歌」など日本の歌がなぜか印象に残る。それは勝手な選曲ではなく、演出によって場面に一番ふさわしい日本の歌が選ばれているためだろう。特に、これらの歌とともに青春期を過ごした世代の観客は、100年前の三姉妹の気持ちを十分共感できたと思う。

 もしこの演目がドラマセラピーならば、自分の選んだ道が目標に届かなくても、それは納得できることであり、後進への踏み台になるのだという慰めをもたらすだろう。

(記事:滝沢/写真:劇団提供)

シス・カンパニー公演「かもめ」

9月5日 於:渋谷・Bunkamura シアター・コクーン

 何はともあれキャストの顔ぶれがすごい。作家志望の青年トレープレフを生田斗真が演じ、彼の恋人ニーナ役が蒼井優、アルカージナの愛人にしてニーナを女優の道に引き込んだトリゴーリンに野村萬斎、そして、トレープレフの母で女優アルカージナ役に、意外にもチェーホフ戯曲を演じるのは初めてという大竹しのぶ。脚本・演出はかつて有頂天をいうインディバンドから、「ナイロン100℃」という劇団を率いる演出家に転身したケラリーノ・サンドロヴィッチ。

 小劇場から狂言までさまざまな出演者とスタッフが入り乱れる本公演は、演出家ケラのファンである私にとって大きなチャレンジであると感じたが、幕があがるとすごくまともなチェーホフ劇が展開されていた。生田斗真はハムレットのように悩み多き美青年、大竹しのぶは大女優の貫録そのままにアルカージナを演じ、野村萬斎は世渡りに長けた小説家ぶりを発揮。蒼井優のニーナも可憐にして危うさが際立つ演技で喝采をあびた。

 不条理な劇展開が得意のケラ的演出に、アドリブが少ないのはやや物足りない感じ。しかし、トレープレフと再会したニーナの台詞は鬼気迫るものがあり、ラストシーンは圧巻だった。

 今回残念なことは、出演者の所属事務所がバラバラなため、舞台写真の提供がなかったこと。コピーライトの関係で、チラシ写真のみ紙版の機関紙紙上だけの掲載です。

(滝沢)

催し物情報

下斗米伸夫法政大学教授講演
「ロシアを読み解く新視点―《古儀式派》と現代」

10月19日(土)14:00~16:00(開場13:30)法政大学市ヶ谷キャンパス(ボアソナードタワー22階/JR,東京メトロ市ヶ谷駅)
参加費:一般2000円、学生1000円、日ロ交流協会会員1500円(募集40人)
申込:住所・氏名・連絡先を明記の上、ファクス、Eメール、郵便のいずれかで下記あて。
NPO日ロ交流協会
Tel: 03-5563-0626 Fax: 5563-0752 nichifo@nichifo.org

ボリス・ベレゾフスキー ピアノ・リサイタル

1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。曲目は、ラフマニノフ「前奏曲」「ピアノソナタ第2番変ロ短調」、ドビュッシー「前奏曲集第1春から」、ラヴェル「夜のガスパール」など。
とき:11月24日(日) 15:00開演
ところ:よこすか芸術劇場(大劇場)
料金:S席4500円ほか、未就学児童入場不可

ザ・プーチンズ 小島さる太郎

とき:11月22日~23日
ところ:五反田アドス

MET(メトロポリタン・オペラ)ライブ・ビューイング

映画館で観る迫力オペラ。1作品3500円、3枚つづり鑑賞券9000円。いずれもロシア語上演。
●上映期間 11月2日(土)~8日(金):V・ゲルギエフ指揮 チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」
●上映期間 11月16日(土)~22日(金):ショスタコーヴィッチ「鼻」(ゴーゴリ)P・スメルコフ指揮
●上映劇場:東京 東劇(03-3541-2711「オネーギン」18:30、「鼻」19:00)
神奈川 109シネマズ川崎(0570-007-109 11:00より1回上映)
109シネマズMM横浜(045-664-0109 11:00より1回上映)

ロシア国立モスクワ・クラシック・バレエ

ステパネンコ、マラーホフ、ガリムーリンを輩出した名門!英ロ合同のプロダクションによる鮮やかな舞台、衣装にも注目!
演目:チャイコフスキー:「白鳥の湖」
日時: 11月16日(土)15:00開演
会場:神奈川県民ホール 大ホール
料金:S席7,500円、A席6,000円、B席4,000円
出演:エカテリーナ・ベレジナ、アルチョム・ホロシロフ 他
チケット問い合わせ:神奈川芸術協会(045-453-5080)

横浜みなとみらいホール オルガン・1ドルコンサート
vol.182 椎名雄一郎 ≪ロシア≫

ロシアのオーケストラの響きをオルガンに乗せて演奏します。
2014年3月20日(木)12:10~12:50
場所:横浜みなとみらいホール
料金:入場料:1ドル または 100円(当日払い、前売りなし)

ユーラシア通信

冒険家・渡辺大剛さんの死を悼んで(3)慰霊碑設置へ

第1回会合
 長い意匠検討の末、7月に発注しました。8月中旬に完成し設置という段取り。しかし心配はありました。それは、「沿道における慰霊碑等設置禁止法案」が議会で検討され近く施行されるからでした。離れた所ならいいんじゃないか?でも上に聞くのは厄介だから、道路から離れた場所に内緒で設置しよう。有志は皆そんな考えでした。

 8月上旬に日本大使館領事部に用事があり、その際に本事件を担当された領事と面会する機会がありました。領事は自身の経験を交えながら、出来る限りの支援はするから、できれば許可を取った方がよいと助言されました。共同責任者が南方へ休暇中で8月末帰宅、電話しても圏外で音信不通。手続、許可には時間を要するから8月末に動いたのでは間に合いません。ご好意に甘え、独断で支援をお願いしました。

慰霊碑設置作業
 ムルマンスクへ帰宅してから、某紙に気になる記事を見つけました。"Памятный знак могут снести(慰霊碑は撤去されるかもしれない)"有志皆の気持ちが籠められた慰霊碑、撤去されたくない。その記事に従い、関係各署へ根回し開始。州内とはいえ管轄が複数にまたがるので、厄介でした。露外務省ムルマンスク州分室と州知事宛てに先行して懇願書を送り、念押しで公式書簡を送付するよう領事部にお願いもしました。国道管理局M-18に連絡が着き、8月9日に露外務省ムルマンスク分室から依頼があり8月23日頃回答書を出す、と道路保全維持課の所長から伺いました。領事部が根回ししてくれたんだ、感謝。

慰霊碑
 州の道路交通省から回答書を受け取りました。中央分離帯から19m離れた場所に設置を許可し、設置時には国道管理局M-18の職員が同行する、というものでした。車線幅3mに側道1.5m、約5m差し引いてもまだ14mも先です。随分遠いな、拡張工事でもするのかな、という疑問はありましたが、抗えません。有志メンバーが9月5日夜を徹して設置しました。

(MOPA)

2014年 チェルノブイリ28周年救援カレンダー
~ チェルノブイリ・福島 命は宝 ~

チェルノブイリ28周年救援カレンダー
 チェルノブイリ子ども基金制作・広河隆一氏撮影の2014年版カレンダーが発行されました。チェルノブイリと福島の子どもたちの保養の写真で構成されています。
 同基金では、2011年3月11日の福島原発震災以降、チェルノブイリの子どもたちへの支援を続けながら、福島の子どもたちへの支援も行っています。姉妹団体「未来の福島こども基金」は、福島県各地に食品放射能測定機、ホールボディカウンターを贈ってきました。現在は、保養施設「沖縄・球美の里」(理事長 広河隆一氏)の保養費用と、甲状腺検診の支援を行っています。
チェルノブイリ28周年救援カレンダー
 カレンダーの収益はチェルノブイリと福島の原発事故により被災した子どもたちへの救援金にあてられます。
 皆様も是非ご協力ください。

●撮影:広河隆一 ●定価:1000円(送料別) ●カラー ●サイズ:縦42cm×横30cm  見開きA3サイズ ●デザイン:スタジオ・ギブ ●発行:チェルノブイリ子ども基金

【問い合わせ・申し込み先】
チェルノブイリ子ども基金
〒162-0816 新宿区白銀町25 メゾンド原207号室
TEL/FAX 03-5228-2680
E-mail:cherno1986@tokyo.email.ne.jp

投稿歓迎!

 ユーラシア関連記事、写真、本紙に関するご意見・ご感想など歓迎します。記事は1記事800字以内を目安にお願いします。紙面の都合により若干編集する場合、分割して掲載する場合がありますがご了承ください。ペンネームでの掲載・肩書をご希望の場合はお書き添えください。特に記載のない場合はフルネーム(WEB版では苗字のみ)で掲載させていただきます。締切は毎月末になります。投稿はEメール・郵便・FAXのいずれかで。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

スポーツ

2013国際ジュニア体操競技大会

 9/22-23 横浜文化体育館

国際ジュニア体操競技大会

 体操競技の国際ジュニア大会が関内にて開催された。7年後、2020年の夏季五輪が東京に決まり、年齢的なピークに適合するのがこのジュニア世代の選手たち。今年はロシアから男女各2名、ウクライナからは男子2名が参加した。

ハバロフスク ハバロフスク ハバロフスク

 女子種目別段違い平行棒ではマリア・ボンダレヴァ(ロシア/写真左)が3位、男子吊り輪でイリヤ・キバルタス(ロシア/写真右)が優勝、アルトゥール・ダラロヤン(ロシア)が2位と鉄棒で3位をそれぞれ獲得した。個人総合は残念ながらメダル獲得はならなかったが、各選手が難度の高い技に挑戦した。

国際ジュニア体操競技大会
 会場となった横浜文化体育館には在日ロシア人応援団の姿も見られ、会場では度々注目を集めていた。この大会は2年に一度開催されているが、1991年以降はこの横浜文化体育館で連続して行われているため、地域の大会としてすっかり定着しており、観客にロシア人の姿が見受けられるのは毎年のことになった。特に今年は大きな国旗を持ち込み、応援にも一層熱が入っていた。

(森 美和)

その他の写真はこちらから

スポーツ記事執筆ボランティア募集中

体操、新体操、フィギュアスケート等々のスポーツ記事を書いてくれる方を募集します。
全くのボランティアですが、興味のある方は下記までお問い合わせください。
eurasia-sports@hotmail.co.jp

(担当・森)

写真満載!協会スポーツ専門サイト「ユーラシアスポーツ」

お勧め商品

ロシア産そばの実

ロシア産そばの実
内容量:900g 原産地:ロシア
ビタミンB1,B2の多い健康食品。
ロシアで暮らしたことがある人には懐かしいカーシャ(お粥)の材料でもあります。
ロシアで暮らしたことの無い人も、一度試してみて下さい。

ツリー・オーナメント(4)兵隊の歴史セット 2,000円(税込)

ツリー・オーナメント
様々な革命や戦争を生き抜いた兵士をイメージして作られています。
色やデザインの異なる軍服を身にまとった兵隊さんたちは、まるで歴史図鑑の1ページから出てきたかのよう。
人形の上部に金具が付いているのでクリスマスツリーなどに飾れます。
高さ8.5cm。コストロマ アルテリ社(ロシア)製。

グレベンニコフ工房製 ドムラA 97,000円(税込)

ドムラ
材質:共鳴板=エゾマツ/ボディ=カエデ/ネック、指板、保護板、駒、ヘッド、表面版=ローズウッドまたはカエデ/ニス=合成樹脂/フレット=真鍮
【当協会バラライカ・ドムラ教室講師 北川翔先生ご推薦の楽器です!】
「初心者から中級者向けの楽器です。弦高、棹の太さもちょうど良く、音も響くので、非常に出来の良い楽器です。アンサンブルやオーケストラで使っても問題ないでしょう。」
制作:ワレーリー・グレベンニコフ工房(ロシア)

歴史・社会

日露領土問題の歴史(7)

 1648年デジニョーフ、太平洋に到達。デジニョフ岬(мыс Дежнёва)はロシア、チュクチ半島にある岬でアジアの最東端であると同時に、ユーラシア大陸の最東端でもある。名前はこの岬を発見したセミョン・デジニョフにちなんでつけられた。

 1652~58年、ステパーノフ(ロシア人のアムール地区隊長)サハリン探検。

 1789年、クナシリ・メナシの蜂起(アイヌ最後の蜂起)が起きる。

 <クナシリのフルカマップ首長マメキリ、セツハヤフら41人が一斉に蜂起し、松前藩の足軽、飛騨屋の現地支配人・通辞・番人ら22人を殺害、シベツ付近のアイヌ89人も加わり、メナシ地方(標津・羅臼付近)の支配人、番人ら49人を殺害しました。和人で生き残った者はわずかに4人、この事実が松前城下に伝わり、260人の鎮圧隊が組織され、ノッカマップ(根室)に到着した鎮圧隊は、アッケシの首長イコトイ、ノッカマップの首長ションコ、クナシリのトウフツ首長ツキノエらに取調べを行わせました。翌日、直接の加害者である37人に死罪が申し渡され、指導者であったマメキリから順番に牢から引きだして次々と首をはねていきましたが、6人目の時、牢内が騒がしくなり、大勢がペウタンケと呼ばれる呪いの叫びをあげ、牢を壊そうとしたので、鎮圧軍は牢に鉄砲を撃ち込み、逃げる者は槍で突き刺し、牢を引き倒して37人全てを処刑しました。その後、処刑した者全員の首を塩詰めにして松前に運び、胴体はその場に穴を掘って埋めて標柱が立てられましたが、現在もその場所は特定されていないそうです。クナシリ・メナシの戦いのはなぜ起きたのでしょうか。取調べの記録によると、飛騨屋の支配人、番人らが行ったアイヌの人々に対する非道、漁場労働の報酬としてはるかに少ない物品(米・煙草・マキリ)しか与えなかったこと、女性に対する暴行が日常化していたこと、毒殺あるいは釜で煮殺すと常に脅迫していたことなどが重要な背景として挙げられます。そして、戦いのリーダーであるマメキリの兄、クナシリの総首長サンキチが、メナシ領ウェンベツの支配人勘兵衛が持ってきた酒を呑んで死に、マメキリの妻が和人からもらった飯を食べて死んでしまいました。毒殺であったのかどうかの真相は今となってはわかりませんが、「アイヌを根絶やしにする」という脅しが現実味を帯びてきたのです。>(science of SIRETOKO より)

 松前藩は、鎮定直後に飛騨屋の責任を問い場所請負人の権利を剥奪、その後の交易を新たな場所請負人・阿部屋村山伝兵衛に請け負わせた。一方、幕府は、寛政3~4年、クナシリ場所やソウヤ場所で「御救交易」を行いアイヌの不満を鎮めた。

 1689年、ロシア、清国とネルチンスク条約締結。その内容は満洲(現・中国東北部)での国境を黒竜江・外興安嶺(スタノヴォイ山脈)の線に定めるというもの。これによってロシアは念願であった不凍港を獲得できなくなった。

(次号に続く/柴田 順吉)