旅の思い出新たに
第16回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 事後交流会報告
9月23日(火・祝)は旅行からほぼ一ヵ月後。楽しい思い出を語るための事後交流会が開催されました。遠方からの参加は無理とのことで事前にお二人の不参加の知らせがあり、当日は別の用事のため地元神奈川の参加者が不参加となりましたが、他は全員参加。旅行団は6人が顔を合わせました。また、次年度の参加を目標にして今年の旅行の雰囲気を味わうために旅行には参加しませんでしたが、1人がお見えになりました。
まずは各自が持参した写真の交換から。神奈川の不参加者の方からは旅行に参加した皆様へということで全員分の写真が届けられていましたので、それもこの日の参加者には配りました。そして、ダーチャとホームステイのそれぞれの感想を述べ合い、お互いの知らなかったことを語り合いました。その後は、一番のお楽しみのDVD上映。田中理事長苦心の作です。楽しい映像に見入りながら、一ヶ月前の旅行を感慨深く思い出していました。
主催者として、何よりもうれしいのは「他の旅行では味わえない」「キャンプ場の子供たちの笑顔が忘れられない」「ダーチャでお世話になった人に、来年も会いたい」「ホームステイでロシアの本当の姿を知ることができた」という言葉を聞くことです。苦労もありますが、これらの言葉を聞くと「よし、来年も頑張るぞ」という気持ちになります。
この記事を読んでいる皆様、来年はぜひご参加を。
(関戸)
徳永晴美先生特別講義
「ロシア語習得―もう一歩前へ進むコツ!???」
去る9月13日、徳永晴美先生の特別講義「ロシア語習得―もう一歩前へ進むコツ!???」が行われました。以前、徳永先生のNHK・TVロシア語講座によってロシア語の魅力を知り、その世界を覗き見ることになった私としては、こんな素晴らしい機会を逃す手はないと思い、事務局から連絡をいただくと直ぐに申し込みました。
当日は、3連休の初日・快晴の行楽日和であるにも関わらず、50人余り入る会場は満席、改めて先生の人気の高さを実感すると同時に、早く申し込んでおいて良かったと思ったものです。
先生は、TV講座の頃と変わらず今もとてもエネルギッシュで、あっという間に会場全体を引き込んでしまいます。マヤコフスキーの詩を例に挙げ、言葉を学ぶからには「音」を大事にしたい、「音」があってこそ伝わるものがあるというお話に、まずハッとさせられました。「自分なりのテーマでノートを作る」「日本語とロシア語のニュースをインターネットで検索し等価表現を収集」といった勉強法のお話では、「ゆっくりエンジョイして」行うようにとのアドバイスに勇気をもらい、是非実践していこうと決意を固めました。その後も、映像を活用した練習法や、日本人の苦手な発音のコツなどの紹介が続き、充実した内容の楽しい2時間は、あっという間に終わってしまいました。
講義後のサイン会では、一人一人に時間をとって朗らかにユーモアを交えながらお話しされていた先生。是非、第二弾の開催を…と密かに願っております。
(山成)
9月13日は三連休の始まりの土曜日。その中を平和と労働会館4Fの会場を参加者が埋め尽くしました。三人掛けのテーブルの隙間がなくなるほどの盛況ぶり。改めて徳永先生の魅力を感じさせてくれました。上智大学時代の教え子も多く参加され、徳永先生の人を育てる姿勢がそのまま会場に現れた気がします。同じ教師として、何十年か後に関戸もこうなりたいものです。
開会は柴田会長の挨拶から。ご自身の中学校時代を振り返り、英語は敵性語として扱われたこと。アメリカはハーバード大学の学生を語学兵として戦線に派遣したこと。言葉を知ることについて、戦争中の日米はこれほどの違いがあったことを示し、語学学習の意義を訴えました。
そして、徳永先生の講義は笑いの絶えない楽しい内容でした。難しいロシア語もこういう雰囲気で勉強すれば苦になりません。最近のウクライナ情勢については、プーチン大統領の言葉をテレビ朝日の字幕では「報復措置」となっていたが、ロシア語では「それ相当の措置」という意味であること。ロシア語を知らない人がそのまま字幕の訳を信じたら、「ロシアは凶暴な国だ」という印象を持ってしまうこと。
また、「音」から入るのが本当の語学であること。現在の語学教育は結局、大学入試のための読み書きに終始していること。関戸の父もシベリヤ抑留で最初に覚えたのは、ソ連兵に銃を突きつけられての「ストーイ(止まれ)」「ラボータイ(作業しろ)」「ダワイ(来い)」という命令形であったことを思い出しました。生まれたばかりの赤ん坊は文字など知りません。母親から耳で聞いて言葉を覚えていくのです。本来の語学教育は「音」から始まるということを強く思いました。
そして、上達のコツは気がついたことをその場でチェックしていくこと。具体的にはポストイットを貼り付けて常に興味を引くようにしていくこと。一つの言葉を覚えるにも、その言葉に関連していることを複数記して、立体的なノートを作ることなどを話していただきました。
興味を引いたのは、日本で翻訳されているトルストイの『復活』です。徳永先生に拠れば、訳に微妙な違いがあり主人公の行動がロシア語通りになっていないとのことです。これでは本当に翻訳したとは言えないのではないでしょうか。
講義の合間には、ご自身の留学中の経験の失敗談や、大学での教え子との対話があり、時には爆笑も。時間が経つのを忘れるほどの楽しさでした。
終了後は、著書のサインセールと参加者の懇談で時間を過ごしました。
(関戸)
写真:桜井 他
北川記念ロシア民族楽器オーケストラ5周年コンサート 物産展報告
9月20日(土)、降り出しそうな曇り空の夕方でしたが東京目黒区のめぐろパーシモンホール大ホールで上記のコンサートが行われました。神奈川からは物産展を出しました。事務所で田中理事長と合流し、販売する民芸品・食品その他を積み込んで出発。販売はしませんが、予約注文を受けつけるということでバラライカとドムラも。会場では、本部の木佐森さんも一緒になり、持参したチョコレートを並べました。
このチョコレートが大好評。開場したらその途端、売れ始めてあっという間に完売しました。もっと大量に用意しておけばよかったと思いました。また、ボルシチの素もすぐに売り切れ、その後に来た人から「もうないの?」と言われるほど。そして、今まで出店しても売れなかったカシミヤのショールのような高額なものも売れました。民芸品も休憩の度に今日のコンサートのお土産に買っていかれる方も多く、来るときには関戸の車のトランクは一杯でしたが、帰りには柴田会長夫妻を乗せても余裕なほど軽くなりました。やはり、こういうコンサートに来る方はロシア大好き人間なんですね。
コンサート自体は、関戸は外のモニターで見ていましたがそれだけでも十分にそのすばらしさを堪能しました。コンサートの題名は「家族」。北川翔さんのみならず、三代続く続く北川家との絆での出演者の数々の歌声や演奏は心に染みとおりました。そして、特筆すべきは笑福亭鶴瓶のサプライズ登壇です。北川翔さんとの関わりや自身のロシアでの体験を、全くの打ち合わせなしの飛び入りで語ったのです。その中に大変感銘を受けた言葉があります。「どんなものでも続けていくことが大切だ」という言葉です。残念ながら、バラライカもドムラも日本では知名度は低く、まだ馴染みのない楽器です。けれども小さいながらもこのような心にしみるコンサートを続けていけば、立派に根付くと思います。
物産では黒字を出し、ロシアの文化を改めて感じることのできたコンサートでした。
(関戸)