NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会
春のロシア語日本語交流会

春のロシア語日本語交流会 3月23日(日)開催!

 今テーマは「私の好きな音楽」です。

 某大手音楽ショップの宣伝文句「No music, no life (Без музыки - без жизни.)」生まれてから今まで、音楽を聴かないときはありません。母と一緒に聞いて歌ったわらべ歌。幼稚園のお遊戯会で友達と一緒に踊った歌。学校の音楽の授業で聞いたクラシック。放課後クラブの皆で練習したロック。勉強の合間に聞いたリラックス曲。フラれたときに聴く哀愁のある歌謡曲。旅先でふと聴いた印象的なメロディ。休暇先のダーチャでラジオから流れた80-90年代ポップスなどなど…。

 いろいろあって迷いそうですが、 あなたが一番好きな音楽は何ですか?

 その音楽との出会い、思い出、聴いたり奏でたりすると貴方はどう感じるのかなど、あなたの声をお聞かせください。

 ウリヤノフスク、ムルマンスク、ウラジオストクなどから日本語を学習している人との交流会です。

 最初にロシア語で、続いて同じことを日本語で3分以内にお話しください。他の参加者のお話を聞くだけでもOKです。お申し込みをお待ちしております。

日時:3月23日(日)18:00(日本時間)
Zoomミーティングルームにてオンライン開催

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ヨールカ祭2025
リアル会場司会の半澤さんとピャタエワ先生
ヨールカ祭2025
総合司会の五十嵐夫妻
ヨールカ祭2025
ウラジオのマリーナさんがモスクワから挨拶
ヨールカ祭2025
ハバロフスク海外友好協会連盟の皆さん
ヨールカ祭2025
ウリヤノフスクのリューバさんの歌

今年のヨールカ祭には「ウズベギム」が初めて参加

 「ヨールカ祭2025」が1月19日(日)に横浜平労会館1F~5Fで行われた。同会館の2F音楽センターがリアルメイン公演会場となり、火曜初級1-1クラスの半澤忠彦さんとピャタエワ・アナスタシア先生が司会を務めた。ロシア側との総合司会は、ヴァリナ・ヴァレリヤ先生と土曜準上級1-2クラスの五十嵐大貴さんだ。

 第1部のオープニングは、毎回出演している、スラヴャーニェのコサックダンス「ガザチキ」で始まった。続いてジェットマロースとスニェグーロチカのダンス「突然の幸せ」。グルジアの「アチャルリ」、コサック剣舞「オイシャ・ティ・オイシャ」。最後は、全員で「マートゥシカ」を踊り通した。

 2番目の出演は、今回初めての参加の「ウズベギム」のウズベキスタン民族舞踊だ。今回は、ウズベキスタン南西部ブハラ地方の「ドイラの踊り」を2人で、続いて、西部ホレズム地方の「ラズギ」を代表竹内さんが踊った。最後は3人で、羽の付いた帽子をかぶり、手首が折れたようにヒラヒラさせるように踊った。

 3番目の演目は、木曜会話クラスの紙芝居「さるかに合戦」。途中で紙芝居の紙が?がれるなど苦難の披露となってしまったが…。

 4番目には火曜ロシア演劇講座の安達先生が、歌曲「君を知りそめし我に」を独唱。続いて安達先生自身が作曲した「モスクワー秋のノスタルジア」をピアノ演奏。第1部の最後は、佐野真澄さんと横山聡子さんのピアノ連弾「ラフマニノフピアノ協奏曲第2番第3楽章(佐野真澄編曲)」。

 第2部の始まりは、土曜準上級1-2クラスによる「大黒屋光太夫」の興味深い話。クラス5人全員で手分けして、光太夫の足跡を辿った。

 続いて、6時間の時差がある北極圏ムルマンスクから主催者の福島留美さんが、昨年10月に開催した「ムルマンスク-日本10周年記念祭」の模様を案内し、当日招聘したモスクワの日本和楽器グループGAKUが日本の音楽を、地元の舞踊グループ「セヴェロ・プリャス」が日本の踊りを披露した。

 次は日本側からで、土曜上級2-2クラスの難波悠子さんが、昨年の夏、モスクワにある「全ロシア博覧センター」を旅行した時の楽しい話である。

 再びロシア側の演目に移り、ウラジオストックからは当横浜ロシア語センターで以前講師をしていたマリーナ・ルザエワさんの教え子らによる、モスクワや雪あそびなどの映像。

 ハバロフスクからは海外友好協会連盟代表のゾーヤ・ロイトマンさんら、みなさんからお祝いの言葉。そして、ハバロフスクが誇る民族アンサンブル「ラーダスチ」の激しく、優雅なダンス。

 ウリヤノフスクからはJGO代表のリューバ・チリコワさんがヴァイオリンの音色に合わせ日本の童謡「通りゃんせ」を熱唱した。最後は、参加者全員ご存知「百万本のバラ」「モスクワ郊外の夕べ」を合唱し、お開きとなった。

 4Fのパーティー会場では、前日の18日に準備した「オリビエサラダ」「スープペリメニ」「ボルシチ」「フプル」が並べられた。織田先生の「お点前」もあり、出演者や横浜ロシア語センターの先生たちを含めて会話が盛り上がっていた。参加者は、リアル参加者40名、国内リモート参加者15名、ロシア各都市リモート参加者20名の計75名だった。

(木佐森)

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ヨールカ祭2025
民族舞踊団「スラヴャーニェ」
ヨールカ祭2025
ウズベキスタンダンスアンサンブル「ウズベギム」
ヨールカ祭2025
4階パーティー会場
ヨールカ祭2025
みんなで歌おう

横浜ロシア語センター春期集中講座「動詞と前置詞の支配」

 第141期終了後の春休みに、中級者対象の集中講座を開講します。

 動詞を使うためには、動詞だけではなく、前置詞や名詞の格変化を必ずセットにして覚えます。そのようにして表現のニュアンスを理解し、ロシア語らしい自然な伝え方も身につけましょう。

 

横浜ロシア語センター 第141期 生徒募集中!

 第141期も終盤に差し掛かってきました。ロシア語初級~上級、会話、演劇、ウクライナ語初級クラスを開講中です。
 第142期は4月から開講します。受講継続をご希望の方は早目のお申し込みをお願いいたします。
 既存クラスへの中途編入も歓迎しますので、検討されている方は是非一度今期中にご見学ください。
 新学期には初めて学ぶ方のためのロシア語とウクライナ語の入門クラスも開講を予定しています。体験講座も含め、詳細は後日ホームページに発表予定です。

 

Курсы японского языка

Всех желающих изучать японский язык мы приглашаем на индивидуальные курсы японского языка при обществе ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава.

Наши курсы ориентированы в первую очередь на русскоговорящих, проживающих в Японии, поэтому большинство наших преподавателей владеют русским языком на высоком уровне. Возможны аудиторные и онлайн-уроки. Мы внимательно выслушаем Ваши пожелания и подберём оптимальную учебную программу.

За справкой обращайтесь по электронному адресу eurask2@hotmail.co.jp или в офис общества ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава (просьба заранее сообщить о своём визите по электронной почте).

日本語教室のご案内

 当協会の日本語教室は、主にユーラシア(旧ソ連)諸国出身のロシア語を母語とする方を対象としています。

 日本での生活に必要な日常会話や日本語能力検定試験対策など、それぞれの目的やレベルに合わせて個人レッスンで丁寧にお教えします。

 ロシア語版ホームページもありますので、学習希望者にぜひご紹介ください。

 

ロシア民族楽器 バラライカ&ドムラ教室

 毎月原則2回、横浜平和と労働会館6階会議室で第2・第4土曜日に開講中。

 2月のレッスンは8日、22日の予定です。お問い合わせは神奈川県日本ユーラシア協会事務局まで。

時間:14:00~18:45の間、各45分
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館6階会議室

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組織状況

 2025年の会員数は、194名から始まりましたが、15ヵ月以上会費未納だった人を1月の会費請求時に「退会処理」とさせていただきました。残念ながら、「退会処理」した方は2名おられました。そのため2025年1月末の会員数は、2名減の192名となっています。

(木佐森)

財政状況

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2025/1/1~1/31
単位:円
摘 要本年度当該月収入前年度当該月収入対前年度増減
一般会計196,585125,79070,795
教育事業232,885349,485-116,600
一般事業57,23083,310-26,080
合 計486,700558,585-71,885
摘 要本年度当該月支出前年度当該月支出対前年度増減
一般会計407,980365,49642,484
教育事業389,455291,02298,433
一般事業43,75746,248-2,491
支出合計841,192702,766138,426
当該月収支-354,492-144,181-210,311
累計収支計-354,492-144,181-210,311

 神奈川県協会の収入は、横浜ロシア語センターのロシア語教室・ウクライナ語教室及びバラライカ・ドムラ教室などの授業料が大部分を占めています。
 そして、授業料収入の多くは10月の後期講座が始まる時に納付され、3月までの授業料となります。その分、1月は、個人レッスンの授業収入だけとなります。
 そのため、2025年前期講座が始まる前の3月までは、収支はマイナスとなるのが通例です。
 今年も協会収支はマイナス35万円からはじまりました。昨年に比べると20万円のマイナスとなっています。

 また、一般会計支出が昨年より4万円多いのは、5F教室に40インチのテレビモニターを購入したからです。
 これで、各教室に大型のテレビモニターが完備されたことになります。

 なお、前会長である柴田順吉氏の奥様である柴田綾子さまから1万円のご寄付をいただきました。協会発展のために使わせていただきます。ご寄付ありがとうございました。

(木佐森)

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ボロディンスキー・ライ麦パン

ボロディンスキー・ライ麦パン 350g / 540円(税込)

会員の皆様にも人気の、旧ソ連など東ヨーロッパで最もポピュラーなライ麦パンが再入荷!
おだやかな酸味と甘み、表面に載ったコリアンダーの独特の爽やかな香りが特徴です。
あらかじめ約14枚にカットされています。
本場の味をぜひお楽しみください。
原材料:ライ麦(50%)、小麦、砂糖、ライ麦モルト、砂糖シロップ、食塩、イースト、コリアンダー
内容量:350g
原産国名:ラトビア
賞味期限:2025年5月22日
保存方法:直射日光を避け、常温で保存してください

 
ウクライナ産 ボルシチの素

ウクライナ産 ボルシチの素 210g / 540円(税込)

本格的な伝統ウクライナボルシチ5-6人前がこれ一瓶で手軽に作れます!(水、肉、じゃがいも、キャベツを別途ご用意ください。)
作り方は瓶のラベルに日本語で記載されています。寒い季節にぜひお召し上がりください。

内容量:210g
原産国:ウクライナ
製造元:「ルーツィク・フーズ」(ルーツィク市)
賞味期限:2026年10月2日
保存方法:直射日光を避けて保存してください

 
ベリョフスカヤ・パスティラ

ベリョフスカヤ・パスティラ各種 200g / 760円(税込)

ロシア・ベリョフ市発祥の、荒く潰した酸味の強いロシア品種のりんごをベースにした伝統的なリンゴ菓子。

小麦粉を全く使わずにリンゴピューレ、卵白、砂糖だけで作られた、もっちりした甘酸っぱいリンゴ生地のスイーツです。

現在、ブラックカラント、チェリー、シナモンの3種類を販売中。また、ロールタイプ400g/1,580円も取り扱いがあります。売り切れの際はご容赦ください。

内容量:200g
原産国名:ロシア
保存方法:直射日光、高温多湿を避け、冷暗所に保存してください。

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ロシア・トップ10

【芸能】Русская Десятка ロシア・トップ10

 米大統領就任までにクルスク奪還とできるだけの領土獲得を目指していたが、いざ就任後ゴールポストが動かされ、未曾有の経済危機と労働者不足危機に直面しているのに尚も続けるのか、それとも停戦取引に挑むのか瀬戸際に立たされているロシアから、2025年1月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中、1曲が新曲、1曲がカムバック曲でした。

 9位に気だるい歌声が特徴のシンガーソングライター、タチアナが率いているモヤ・ミシェルの新年1発目の新曲≪Город ангелов≫(天使たちの街)。2009年から活動しているので、昨年はグループ創立15周年でした。昨年は夏に新曲を1曲リリース、バスタとのデュエットもありました。でも、多くは創作活動とコンサートに注力していたようです。

 クリスマスが過ぎ、定番クリスマスソングも圏外に。

 昨年から既にTOP10入りはしていたものの虎視耽々と首位を狙っていた(?)アンナ・アスティの新曲≪Топит≫(溺れる)が、今月首位を奪取しました。新曲リリースすればたちまちミリオン再生達成する大ヒットシンガーですが、2023年末にイヴレーワ主催「ヌードパーティー」騒動による謹慎処分から僅か1ヶ月で復帰宣言。 そして昨年末には大胆に、出演契約のための実に贅沢な規定を更新提示しました。 なんでも、VIPアクセス付きのビジネスクラスの航空券、移動用の高級スモークフィルムカー、5つ星ホテルの広々とした部屋、温かい食事、スイス製チョコレート、高級アルコール(ジャック・ダニエル、レミーマルタンXO、モエ・エ・シャンドン)、スナック、新鮮なパイナップルとセロリのジュースを提供する義務があるそう。 海外公演を契約するにはこの他に別途条件が定められて、アンナ本人に直接200ドルとインターネットが無制限に使えるSIMカード3枚、チームメンバー1人あたり 100ドルの提供が義務づけられるそう。公演中の撮影には事前に合意する必要があります。違反した場合、契約先は 1億ルーブルの罰金を科せられるそう。 別情報では、更にモスクワ郊外に4700万ルーブルの家を購入したとか。一括でしょうか分割でしょうか。今は露の政策金利爆上がりで、住宅ローンも上がっているので、支払い相当キツイと思うのですが。とてもバブリーなアーティストで、日露文化フェスにはとてもお呼びできませんナ。 2024年10月29日にリリースされ、現在のYouTube再生回数は820万回。おめでとうございまーす!:-)

(Tophit.ru, Russia Airplay Chart, 2025年1月17日~23日/MOPA)
画像は https://vk.com より

※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。

 
「歌の夜」

【音楽】コンサート「歌の夜 Вечер песен

1月21日 於:東京・AKASAKA B-flat

 ロック・グループ、ムミー・トローリのヴォーカル、イリヤ・ラグテンコと、ギタリストのユーリー・ツァーレルの2人が来日、「歌の夜」と題したコンサートを開催した。今回はイリヤのヴォーカルとユーリーのピアノという編成。主催者Black Corporationによるプライベート・ライブという形で行われたのだが、この時期デュオとして公演をした背景には、2022年にムミー・トローリとしてロシアのウクライナ侵攻を非難したことによる国内コンサートがしづらくなった状況があると考えられる。観客は、日本人配偶者とみられる数人を除き、ほぼロシア人。開演1時間前から場内でお酒やおしゃれな軽食を楽しみ、同年代が集まったクラブのような雰囲気。

 登場したイリヤは終始サングラスをかけ、少しふくよかになった感じだ。ユーリーのもじゃもじゃヘアは変わらず。ふたりともジャズダイニングという大人の空間にあわせた落ち着いたスーツに身を包み、ステージに立った。前半はあまり馴染みのないラブソングややワルツを披露。もともと音楽学校でピアノを学んでいたユーリーのピアノ演奏がすばらしかった。

 休憩をはさんでの後半は、往年のムミー・トローリのヒット曲≪Дельфины≫ ≪Утекай≫ ≪Владивосток 2000≫ ≪Это по любви≫ ≪Невеста?≫などをピアノによるしっとりとしたアレンジで披露し、会場も大合唱、一気に盛り上がった。さらに、これまでも何度か来日するたびに歌っているおなじみの≪Девочка≫を日本語とロシア語で歌い、日本の古い歌や井上陽水の「リバーサイドホテル」を日本語で熱唱。日本でのコンサートであることを印象づけた。

 MCは最小限で、アンコールをふくめ全27曲。筆者の近くに座っていたロシア人女性たちとは、ムミー・トローリが全盛だった90年代後半から2000年代にかけて「青春時代」を送った同世代であることがわかり、当時の話に花が咲いた。同時に「娘は興味がないといって来なかった」「夫にライブに行きたいといってチケットを買ってもらった」などの内輪話も。アンコールの後は、客席から「来てくれてありがとう」などの声が飛び、在日ロシア人への慰問のような印象を強くもったコンサートだった。

(滝沢 三佐子)

 
「蝶の渡り」

【映画】「蝶の渡り」

(英語タイトル:Forced Migration of Butterflies、ナナ・ジョルジャゼ監督作品、ジョージア、2023年)

 ソ連からの独立を目前に、喜びに騒ぐ若者たち。しかし独立後すぐに起こった内戦で国内は分裂し、共同体は離散、喜びは消えてしまう。それから27年後。希望に燃えていた若者たちも年を取り、画家コスタの半地下の我が家は売れない芸術家のたまり場となっていた。そこへかつての恋人ニナが帰郷。ニナに一目ぼれしたアメリカ人絵画コレクターも加わり騒動が起こる。

 祖国の自由と独立が多くの困難に阻まれ、人々も辛酸をなめた国ジョージア。それでもジョージアの人たちは、渡りをする蝶のように、明るくたくましく生きている。女性監督ナナ・ジョルジャゼの映画とジョージアへの愛が詰まった集大成。

 1月24日より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺、2月22日より横浜シネマリンで公開。

(文:滝沢 三佐子/写真:(C)STUDIO-99)

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アントン・ドーリン氏 アントン・ドーリン氏と共に写真撮影

アントン・ドーリン氏 講演会 “Big Talk about Cinema”

 ジャーナリスト、映画評論家として知られるアントン・ドーリンが初来日、講演会が行われるということをネットで知り、嬉々としてチケットを購入、2024年1月22日の夜に有明まで赴いた。会場では、神奈川県日本ユーラシア協会同僚の滝沢さんと合流、質疑応答を含めれば二時間を超える講演会であったが、素晴らしい機会だった。

 ドーリン氏は優れた映画評論家であるだけでなく、プーチン政権に毅然と反対の声を挙げるロシア知識人の一人でもあり、自由主義と民主主義の確固とした支持者である。

 会場では、動画の中でしか知らなかった彼を実際に見ることができた感動で胸がいっぱいになった。しかも、「外国エージェント」としてロシア当局から迫害されており複雑な生活を余儀なくされているであろう彼は、険しい顔つきをしていてもおかしくなかったが、実に優しい瞳をしていた。

 坂本龍一の音楽から始まり、黒沢監督の「羅生門」、「ゴジラ」「クラウド」など日本映画の話から世界各国の映画や近年の話題作まで見事な博識ぶりを披露したドーリン氏、私は映画をあまり見ないため、そちらの話題は正直不得手だったのだが、「映画は時代を映し出す」、「時代が危機に瀕している時には映画も危機に瀕する」のであり、「技術面一つ取っても、映画というのは最もナショナリスティックではない芸術」という彼の一つ一つの言葉には説得力があった。

 残念だったのは、在日ロシア人を対象にした講演会だったのか、通訳などが一切おらず、なおかつドーリン氏のロシア語が早口で聞き取りが非常に大変だったこと。でもその代わりに会の終了後に気さくに本人の傍に近づき会話する機会を得、しかも一緒に写真撮影までOKしてもらえた。翌日の1月23日は彼の誕生日。プレゼントを用意していったが、おそらく受付に言付けて終わるのだろうと思っていたところが、本人を目の前に直接渡すことができたのは嬉しかった。

(文:大山/写真:滝沢)

 

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 「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
 催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
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※投稿記事は誹謗中傷や公序良俗に反するもの以外ほぼ原文のまま掲載していますが、必ずしも協会としての見解を反映するものではありません。

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