今テーマは「私が好きなYouTube/TV番組」です。
忙しい朝の合間に、朝晩の通勤通学の時に、休憩の時に、お昼休みに、放課後に、帰宅してから、晩御飯を食べながら、寝る前に、週末についつい視聴する好きな番組がありますか?自分のお気に入りの番組とその魅力についてお話しください。テレビ番組でもいいし、YouTubeなどのインターネット番組でもOKです。
ウリヤノフスク、ムルマンスク、ウラジオストクなどから日本語を学習している人との交流会です。
最初にロシア語で、続いて同じことを日本語で合計3分以内にお話しください。発表の後、参加者から質問がありますが、通訳が常駐していますので、ご安心ください。他の参加者のお話を聞くだけでもOKです。お申し込みをお待ちしております。
日時:6月22日(日)18:00(日本時間)
Zoomミーティングルームにてオンライン開催
2019年のサハリン旅行以来の夏の旅行企画が決定しました。
今回は初めてみんなで行くウズベキスタン交流旅行です。
今回のテーマは「シルクロードの魅力とふれあいの旅」と称し、王道のサマルカンド観光はもちろんのこと、陶器の町「リシタン」で日本語を学ぶ”Noriko学級”の児童・学生たちとのふれあいも体験できます。
日本でもブームが起こりつつある”ウズベキスタン”の魅力をお楽しみください!
旅行の詳細は、リンク先のPDFファイルをごらんください。
今年は戦後80年。体験者も少なくなりました。映像や書物での継承が大事です。
今回の「8・15」は『カティンの森』です。第二次世界大戦は1939年9月1日にナチスドイツのポーランド侵攻が始まりです。そして、2週間余り後にソ連も侵攻し、ポーランドは2国に侵攻を受けました。その際に多くのポーランド軍将校が捕虜となり、カティンの森で銃殺されました。この事実をソ連はナチスドイツの仕業としました。
この時、殺害された将校の中に、この映画の監督であるアンジェイ・ワイダの父も含まれていました。歴史的事実を白日のもとに明らかにして映像で父の仇を討ったのです。是非、ご覧ください。
日時 8月17日(日)午後2時~
会場 横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費 500円(黒パン・紅茶付)
5月25日(日)、第85回ロシア語能力検定試験3級、4級クラスが全国で実施されました。横浜平労会館4階会議室で実施された横浜会場では、3級の申込者が28人でしたが、当日10人の方が欠席です。4級でも、8人の方が欠席し、受験者は24人となってしまいました。
恒例のアンケート結果は、3級、4級とも「ロシア語を何処で学習しているか」では、これまでは、「独習」が多かったのですが、今回は「通学している学校」が4級は43%、3級は38%と最も多くなっています。大学の授業でロシア語を学んでいる人が増えたのでしょうか。「独習」は、それぞれ4級26%、3級27%です。
検定試験を受験することを決めたのは、4級では「学校の先生からの勧め」が最も多く43%ですが、3級では「ホームページ」が61%と多くなっています。学習が進むと自分で判断するようになるのでしょうか。
「ロシア語の活かし方」では、4級は「個人的趣味」(60%)に留まっていますが、3級になると「仕事・ビジネス」と「個人的趣味」が同数で38%になります。「個人的趣味」の中では「ロシアの音楽・バレエ」が一番多いです。
「自由記述欄」は以下の通り。「学んでいる人が少ないからこそ価値がある。日本語を学ぶロシア語話者との言語交換を通じて、改めてロシア語学習の重要性を実感している」(3級)「会話の学習が出来るところがもっとあれば良いと思う」(3級)「ロシア語をからめた仕事につきたいものです」(3級)「文法で苦戦することが多々ありましたが、今では会話の方面にまで興味をもてるようになりました」(3級)「難しい言語ですが、継続して頑張ります」(3級)「ロシア語はロシア連邦だけだの物だという人が多いこと。他の国々でも通用するし、役に立つことを広報すべきだと思われる」(3級)「過去問がインターネットで利用できると良い」(4級)「検定用問題集が欲しい」(4級)
(木佐森)
G・W最終日、「子どもの日」に因み、ロシアアニメ「蛙になったお姫さま」を鑑賞しました。
観ていて気付いたこと。日本の『竹取物語』の5人の貴公子がかぐや姫に求婚する話や、『桃太郎』の家来となる犬・猿・雉と同じように熊・鹿・鳥・?が主人公の王子の家来となることなど、民話・お伽話は世界共通なのかと。民話やお伽話の普遍的なテーマが時代や国を超えて共鳴し合っているのは、物語の力を感じさせます。また、アニメならではのファンタジックな映像は大変興味深かったです。
残念だったのは参加者が3人だったこと。今後も楽しんでいただける鑑賞会を企画するので是非、ご参加ください。
(関戸)
Всех желающих изучать японский язык мы приглашаем на индивидуальные курсы японского языка при обществе ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава.
Наши курсы ориентированы в первую очередь на русскоговорящих, проживающих в Японии, поэтому большинство наших преподавателей владеют русским языком на высоком уровне. Возможны аудиторные и онлайн-уроки. Мы внимательно выслушаем Ваши пожелания и подберём оптимальную учебную программу.
За справкой обращайтесь по электронному адресу eurask2@hotmail.co.jp или в офис общества ≪Япония-Евразия≫ префектуры Канагава (просьба заранее сообщить о своём визите по электронной почте).
当協会の日本語教室は、主にユーラシア(旧ソ連)諸国出身のロシア語を母語とする方を対象としています。
日本での生活に必要な日常会話や日本語能力検定試験対策など、それぞれの目的やレベルに合わせて個人レッスンで丁寧にお教えします。
ロシア語版ホームページもありますので、学習希望者にぜひご紹介ください。
4月に第142期ロシア語講座が開講して、入門クラスに5人の方が入講され、新会員登録をされました。一方、ロシア語講座非継続の方2人、12ヵ月以上会費未納の方2人、計4人の方が退会となりました。入会者5人と退会者4人で、1名増の会員数は189名となっています。
(木佐森)
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 | 2025/5/1~5/31 | ||
---|---|---|---|
単位:円 | |||
摘 要 | 本年度当該月収入 | 前年度当該月収入 | 対前年度増減 |
一般会計 | 99,900 | 133,200 | -33,300 |
教育事業 | 472,400 | 438,935 | 33,465 |
一般事業 | 55,439 | 62,032 | -6,593 |
合 計 | 627,739 | 634,167 | -6,428 |
摘 要 | 本年度当該月支出 | 前年度当該月支出 | 対前年度増減 |
一般会計 | 467,569 | 615,436 | -147,867 |
教育事業 | 423,620 | 545,664 | -122,044 |
一般事業 | 17,160 | 95,028 | -77,868 |
支出合計 | 908,349 | 1,256,128 | -347,779 |
当該月収支 | -280,610 | -621,961 | 341,351 |
累計収支計 | 371,273 | 1,385,612 | -1,014,339 |
教育事業収入は、5月に開講した土曜ロシア語入門クラス受講生2名、火曜初級クラスと木曜中級クラスへの編入者各1名の方が授業料を納入されましたので、昨年に比べ、5月分の教育事業費は多くなっています。支出欄を見ますと、全体的に昨年より支出が少なくなっています。それだけ協会の活動が弱くなっていることが見つけられます。また、1月からの累計収支も昨年より、100万円少なくなっています。10月の次期143期講座開講まで財政的に厳しい状況が続きます。
(木佐森)
ビタミンB、食物繊維、ルチンが豊富に含まれ、スポーツ選手やバレリーナに健康食として愛されているそばの実。そば粥や雑炊、スープの具などでお召し上がり下さい。
原材料名:そばの実
原産国:ロシア(アルタイ地方)
内容量:800g
標準ゆで時間:9分
ストレスや疲れを癒し、免疫力を強化するといわれる健康茶「イワン・チャイ」をブレンドしたフレーバー紅茶。
原材料:紅茶、ヤナギラン、ドライキイチゴ、香料
内容量:37.5g (ティーバッグ25袋入)
原産国:ロシア
保存方法:直射日光を避け常温で保存してください。
現在、諸事情により通販サイト「うにべるま~ぐ」に出品していない商品が多数ありますが、協会事務所では原則として平日・土曜の12時~18時に購入可能です。営業時間内に事務局員が外出する場合がありますので、来所の際に確実を期する場合は事前にご一報ください。
各国戦争シンクタンクによると、じりじりと占領面積を獲得しながらも今年末には自国軍死傷者数100万人突破予想、経済も外交もピンチに陥っているロシアから、2025年5月第3-4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。10曲中4曲が新曲、1曲リターンの嵐!
久しぶりの登場です。子役時代からの活躍もあり、芸歴が長く、露芸能界のアイドル(もうオジドル?)ラーザレフの新曲≪Если бы я мог≫(できるなら)が8位にランクイン。
7位にランクインしたのは、露連邦内チェチェン共和国の美しき歌姫イサエワの≪Нет таких мужчин≫(こんな男いない)。幅広い音域で、聴く者を雲の上へと誘います。
ジョニーとアラッシュのデュエットソング≪Уходи Уходи≫(どこかへ去れ)が6位にランクイン。2000年代初期に欧州各国で大ヒットしたアラッシュの≪Boro boro≫をジョニーに胸を貸してリメイク。4月26日にリリースされ、現在のYouTube再生回数は335万回。
2018年リリースの≪Life≫でロシアiTune首位になってから絶好調、ズィヴェルトの新曲≪Один процент≫(1パーセント)が4位にランクイン。現在9位≪Эгоистка≫(エゴイスト女子)も好調。
先月からランクインしてパンデミック的に大流行しているアイ・ヨラの≪Homay≫(ホマイ)が首位!アイ・ヨラは露連邦内構成国の1つバシキール共和国で2024年に結成された民族ポップ音楽ユニットです。Shazamにおいて、3月下旬のTOP5にランクインして世界的にも注目されていましたが、Latin Vocal Flavoursからのパクリ疑惑が席巻して、これがまた皮肉にもチャート押し上げキープの原因になっているよう。グループプロデューサーのルスラン氏がコムソモリスカヤ・プラウダ紙4月23日付に回答した記事によると、「まず、サンプルパックとは何か、そして何のためにあるのかをよく読んでください。そして、なぜ著作権元からの苦情がないのか自問自答してみてください。ナンセンスな話には付き合えません。特に、そのような(盗作であると検証した)告発者のリンクには」。でも、ルスランはそのサンプルパックを実際に使用したかどうかについては明言しませんでした。3月29日にリリースされ、現在のYouTube再生回数はたった2ヶ月で2160万回!おめでとうございまーす!:-)
(Tophit.ru, Russia Airplay Chart, 2025年5月15日~21日/MOPA)
画像は https://vk.com より
※全文、チャート、PV視聴はユーラシア芸能ブログでどうぞ。
これまで芸能記事を掲載していたgooブログが11月終了予定のため、今月よりアメブロに移転しました。過去記事も読めます。
2月3日の露大統領令の発布により、世界現代音楽コンクール「インターヴィジョン2025」が開催される運びとなった。今年9月20日にモスクワ・ライブアレーナで開催される同コンクールに、以下22か国が参加予定だ。
ロシア | 中国 | キルギス | アゼルバイジャン | アルメニア |
カザフスタン | ベラルーシ | ブラジル | エジプト | 南アフリカ共和国 |
イラン | カタール | コロンビア | キューバ | アラブ首長国連邦 |
メキシコ | パキスタン | タジキスタン | ウズベキスタン | トルクメニスタン |
タイ | インド |
このユーロヴィジョンのような音楽コンクールはつい最近発案されたのではなく、プロセスには紆余曲折がある。この前身は「ピャーチズヴョーズド・インターヴィジョン」と呼ばれ、2008年にソチで開催、CIS諸国である11か国が参加して競い、タジキスタンが優勝した。優勝国が次の開催地となるはずだったが、国際大会の技術的条件を満たす適切なコンサート会場がなかった。代替地としてロシアでの開催案に出たが、ユーロヴィジョン2009年の開催がロシアで、組織委員会が多忙だったために開催されなかった。更に上海協力機構参加国からも募り、2010年に開催予定だったが、頓挫した。2014年に再び開催案が浮上し、7か国が参加予定だったが、再び延期され、開催には至らなかった。
キルギスからはNOMADが既に出場内定し、≪Жалгыз сага≫ (君だけに)を披露する予定だ。またベラルーシからはНастя Кравченкоが5月下旬に出場内定した。
露からの出場者は5月19日に1TVのトーク番組≪Пусть говорят≫ で発表され、ウ侵攻を推進し愛国主義を謳うSHAMANが出場への切符を獲得した。
インターヴィジョン2025公式サイト
Интервидение 2025 - Музыкальное шоу №1
(MOPA)
4月25日(金)、横浜みなとみらいホール小ホールで、今年もロシアの才能豊かな若手演奏家3人による素晴らしい競演を堪能したので、感想を述べてみます。
ロシアは不思議な国だといつも思っています。プーチンの様な時代錯誤の独裁者にして大ロシア主義(?)の政治家もいれば、文化の香り高い若い芸術家も多数誕生しています。
特に音楽家は、才能豊かな人材が次々に現れてきて、私たちを楽しませてくれます。それを実感できるのが、ロシアの新星コンサートです。
今年は、ピアノとヴァイオリンという楽器の主流に加えてフルートが花を添え、大作曲家たちのあまり知られていない作品を交えたプログラムで聴衆を魅了してくれました。
プログラムの冒頭を飾るのは、アレクサンドル・クリュチコのピアノで、チャイコフスキーの作品の中では誰しも一度は耳にしたことのある“四季”から2月“謝肉祭”、11月“トロイカ”そして12月“クリスマス”の3曲です。
このホールは残響が長すぎてピアノにはあまり向いていないと思っていますが、クリュチコはこのホールを知り尽くしているかのように響きの少ないヤマハを上手にコントロールして、日本人のピアニストが出せない音と、お国ものと言えるチャイコフスキーの音楽の本質を引き出し、作品の醸し出す季節感を私たちに与えてくれました。テクニックだけのピアニストではないことが、よく判りました。
次にステージに登場したのは、フルートのピョートル・フドノゴフです。勿論伴奏はクリュチコです。当然ロシアの作曲家だと思って聞いていたら、いわゆるロシアぽくないラテン系の響きがホールに満ち、少し不思議な感じでした。後でプログラムを読むと、何とイタリア人の作曲家にしてサンクト・ペテルブルグのオケで首席のフルート奏者とあり、納得した次第でした。曲自体も気に入りました。知らない作曲家も、未知の作品もあることを痛感したものでした。
続いてプロコフィエフのフルートソナタです。プロコフィエフのピアノソナタと比べると、穏やかで優雅、少しセンチメンタル調の聴きやすい作品でしたが、彼はやはり日本人には出せない音を自在に吹き鳴らしていました。素晴らしい!
フルートに酔った後は、ヴァイオリンのパーヴェル・ミリュコフがステージを飾ります。
彼もこのホールの響きに合わせて演奏しているように思えてなりませんでした。一流といわれる演奏家の共通の才能かもしれません。
演奏するのは、チャイコフスキーの小作品で、3曲とも有名なヴァイオリン協奏曲の準備に書かれたようです。私たちを幸せにしてくれるような内容の曲でした。順番に、作品42の3番より“メロディー”、作品34の“ワルツ・スケルツオ”、作品42の1番“瞑想曲”の3曲です。
休憩をはさんで後半は、プロコフィエフのヴァイオリンとピアノのためのソナタ第一番で、4楽章がそれぞれ速度の変化を楽しめるようにと作曲者がコメントしているようで、プロコフィエフもヴァイオリンの作品には、このようにバロック様式といってもよい詩情溢れる旋律に仕上げているのかと感心しました。しかしこの作品は、プロコフィエフらしい鋭く、力強い旋律も聞くことが出来ました。作品も演奏もブラボーです。
ヴァイオリンの後は、フルートの再登場です。残念ながら、作曲家の名前は知りませんでしたが、才能豊かなフルート奏者のおかげで作品は、歌い舞い、時にはつぶやくようにも聞き取れ、フルートという楽器の中で掛け合いをしているようにも聞き取れました。なんともご機嫌な演奏で、特に目いっぱい超高音を吹き鳴らすテクニックには参ってしまいました。
そして、私たちが誰でも知っている超有名なリムスキー・コルサコフの“熊蜂の飛行”でフルートと伴奏のピアノが戦うように聞こえ、興奮してしまいました。こんなワクワク感は久しぶりでした。
ラストは、ストラヴィンスキーのペトルーシュカから第3楽章の“ペトルーシュカの部屋―ロシアの踊り”です。お国ものとはいえ、この難曲をよく弾きこみ自分のものとしたテクニック・解釈は特筆もので、これまたブラボーでした。
(金子)
(原題:AMERIKATSI、マイケル・グールジャン監督作品、アルメニア=アメリカ、2022年)
1915年、オスマントルコ帝国で起こったアルメニア系住民虐殺追放を生き延びた少年チャーリー。彼はアメリカに渡り、1948年のスターリンによる帰国政策に乗ってアルメニア・ソヴィエト社会主義共和国へ。ルーツ探しと祖国再建への希望を胸に戻ってきたのだ。しかし、彼には祖母の後ろ姿と虐殺から逃れるために箱に隠れていた記憶しかなく、祖母が唄っていた歌が唯一の故郷との絆だ。
到着早々、群衆の中で母親とはぐれた少年を助けたことが縁で、ある高官夫人ソナと知り合いになるチャーリー。しかし彼女の夫はチャーリーのことを気に入らず、部下に逮捕させてしまう。ずさんな通訳のせいでアメリカのスパイとされたチャーリーは刑務所へ。強制労働に駆り出される日々、牢の小窓から隣家のようすを覗き見ることに楽しみを見出す。そこで暮らす夫婦の生活を観察しながら、自分もそこに暮らしているかのように共に食事をし、言い合いをし、来客と一緒に歌ったり踊ったりすることで日常の辛さを忘れることができた。ある時、夫婦は喧嘩して妻が鍵を置物にひっかけて出て行ってしまう。折しもチャーリーはシベリアへ送られることになり、残された夫に鍵の有りかを知らせて仲直りをさせようと決死の作戦を遂行する。その夫は刑務所の監視官で、ソナの弟ティグランだった。彼はチャーリーの必死のメッセージを受け取り、妻とのよりを戻す。ティグランはチャーリーの存在を知り、お互いに芸術家であることを認識する二人。だが、チャーリーの運命はさらに過酷なものになっていった…。
過酷な歴史を持つアルメニア民族だが、彼らの民族の誇りや強烈なアイロニー感覚にはしたたかささえ感じる。アメリカ育ちであるチャーリーはそれに輪をかけてポジティヴ思考。タイトルでもある「アメリカッチ」は、いわゆる”アメリカ人“を意味する。そこには世界に離散したアルメニア人の複雑なアイデンティティとソ連におけるアメリカへの偏見が投射されている。そしてチャーリーその人を演じているのが、ジェノサイドを逃れてアメリカに渡ったアルメニア人祖父母をもつグールジャン監督本人。この作品は祖父へ捧げられている。
6月13日よりkino cinema横浜みなとにらいにて公開。
(文:滝沢 三佐子)
写真:(C)2023 PEOPLE OF AR PRODUCTIONS and THE NEW ARMENIAN LLC All Rights Reserved.
1945年の関東軍敗走で、満州に取り残された開拓団の日本人たち。そこへソ連軍が侵攻してきた。過酷な状況におかれた開拓団のうち、岐阜県から渡ってきた黒川開拓団は生きて日本へ帰るために、敵であるソ連軍に助けを求めた。その見返りは、数えで18歳以上の女性たちによる性接待だった…。
帰国後、彼女たちを待ち受けていたのは差別と偏見で、自分たちの身に降りかかったことを話すこともできなかった。しかし、記憶を風化させないために、彼女たちは自らの体験を語ることを決意した。
「従軍慰安婦」とともに双璧を成す、戦時下に起こった女性たちの悲劇。今もタブー視される戦時性暴力の事実を、「なかったことにはできない」し、「知らなかった」では済まされない。
7月12日よりユーロスペース、新宿ピカデリー他全国順次公開。横浜ではシネマ・ジャック&ベティ、シネマリン(時期未定)にて。
(文:滝沢 三佐子/写真:(C)テレビ朝日)
(ギンツ・ジルバロディス監督作品、2019年、ラトビア)
世界の映画祭を席巻し、国際アニメーション映画祭で9冠を達成したジルバロディス監督の長編デビュー作が、「Flow」公開記念として再上映。
セリフがなくても詩情あふれる映像美。絶望、不安、孤独を抱えた少年の、たった一人の冒険。ラトビアが誇るクリエイターの感性を体感しましょう!
7月5日より 横浜シネマリンにて
(滝沢 三佐子)
5月21日 於:在日ウクライナ大使館
ルスラン・ゴロヴィイ氏はウクライナのドキュメンタリー映画監督。今回は、2022年に制作された『空の少し下で』(原題:Трохи нижче неба)の鑑賞と、監督との懇談が行われた。
『空の少し下で』はウクライナ陸軍第80独立空挺旅団に所属し、2014年に発生したドネツク空港の戦闘で命を落とした4人の若い兵士 、イーホル・リマール、ヴォロディーミル・トゥルフ、ヴャチェスラフ・メルニク、イヴァン・ヴィティシュィンに焦点を当てたもの。彼らの戦友と死亡した兵士たちの親族の証言やインタビュー、当時撮影された戦闘の映像を組み合わせて構成されている。現在も継続しているロシアによるウクライナ侵攻は、2022年2月に始まったものではないという認識を新たにするものだ。
主にウクライナ語で語られ、英語字幕のみだったため、細かく内容を追うことは難しかったが、当時のウクライナ東部は “お互い理解し尊重していた”はずのロシア語系住民が“分離派”となり、敵となったという認識が印象的だった。ウクライナ各地から30本以上のインタビューを行い、行方不明の人物が誰かのスマートフォンの映像に映っていたこともあったという。タイトルは、飛行機が飛ぶ「空」と「地上」を結ぶ空港で起こった戦いであることと、天国へ旅立った兵士たちへの思いが込められている。
ゴロヴィイ氏は2014年のドンバス紛争時、片方の目が見えない障害のため入隊できなかった。以後、行方不明になったウクライナの子どもを探す団体「マグノリア」の運営を開始し、戦争を記録する活動に注力し始めたとのこと。この作品は、インタビュー取材を進めていく中で、家族を失った人たちの語りからストーリーを組み立てていったとのことだ。
鑑賞後の質疑応答で、参加していたウクライナ女性から「日本では、子どもに戦争について教えることには社会的に抵抗があるようだが、どう伝えればよいだろうか」という発言があった。ゴロヴィイ氏は「この戦争について具体的に教える必要はないが、戦争の存在については知ってほしい」と述べ、「今の政治家は、戦争のことを教えない教育に責任を取らない」と述べ、現在登場人物を動物に置き換えた戦争についての本を執筆していることを明かした。また、ゴロヴィイ氏にとってドキュメンタリーを作ることは、人間であり続ける責任であるとともに、タフな現場でのメンタル面へのセラピーになるのだと語った。
(滝沢 三佐子)
ロ日協会会長で、日本文学を数多く翻訳(江戸川乱歩、遠藤周作、上田秋成、など)しているガリーナ・ドゥトキナさんが上智大学及び法政大学、創価大学で「ポスト・ソビエトのロシア文学の動向」を講演するために来日しました。大学での講演に先立って5月20日(火)駐日ロシア大使館で講演会&歓迎会が開かれました。
ドゥトキナさんとは、2012年2月に、モスクワの作家会館で行われた日本ユーラシア協会とロ日協会との友好協定更新調印時にお会いして、2019年12月にモスクワで「ポスト・ソビエトの文学の傾向」というテーマでお話を伺いました。今回はその続きのお話です。ドゥトキナさん講演内容を簡単にまとめました。
・ロシアをテーマにしたものに関心が高まっている。(西側がロシア文化を拒否しているため)
・スラブの神話、チュクチ神話に関心が高まっている。
・恋愛小説が40%伸びている。
・女性が良く読んでいるのは、古典文学や心理学に関する本と恋愛小説で、男性は、歴史小説やファンタジー。
ロシアが取り巻かれている世界の地政学的な嵐にも関わらず、ロシアにおいて文学は安泰で、世界的なトレンドの枠内で発展しているが、内的テーマに軸足がある。
この数年間、ロシアでは日本文学の空前の出版ブームが見られる。この理由として「文豪ストレイドックス」(コミック、アニメ、映画)の成功があげられる。数年間に出版された日本の書籍は、数百を超えるだろう。古典文学とともに現代作家も好まれている。
(木佐森)
〇「毒を以て毒を制す」というような効果は期待できるのかも。でも、必ずしこりを残すような決着となり、恒久的な平和には繋がらないような気がします。
〇誰がどう見ても、世界は悪くなる一方。ひとりひとりのNO!が混じりあって、自浄効果を起こさないと。今こそ。今すぐ。
〇トランプアメリカは、アメリカの落日、世界から手を引かざるを得なくなっている証明では…?
〇トランプで平和は訪れません。でも、トランプ大統領だから平和が訪れないのではありません。バイデン大統領でも訪れませんでした。戦争は、金もうけと権力をえるための大きなチャンスです。この価値観がなくならない限り、この世に平和は訪れません。
〇民主主義と言論の自由を否定しているトランプでは、平和は訪れない。
〇ロシア語教室受講者が、非継続に伴い退会していく、というパターンが多いのが問題で、これでは会員増には繋がらないのでは、という気がします。結局、はじめにロシア語ありき、というのが協会の理念なのかもしれませんが、例えば、中央アジアに行ってみたい人とか、コーカサスの国に興味がある人、などが気軽に入会できるような活動の在り方をもっと模索すべきなのでは、と。ロシア語学習者についても、このご時勢でロシア語を勉強する意義について、また「ユーラシア」という用語が持つ含意について、もっと深く考えてもらうようにすることが大切なのでは、と考えております。
〇ロシア語講座、受講者向けサービスや要望を採用し、講師にも実践してもらいたい。ロシア語は英語と比較して、勉強する人が少ないが、だからこそ、魅力ある講義をきたいします。
〇総会の成功をお祈りしています。
〇日本の国技である大相撲には、ユーラシア諸国出身の力士がたくさん活躍しており(この10~20年の傾向でもありますが)、取り上げてみても面白いのでは?
〇語学教室にもイベントにもなかなか参加できていない私のような会員にとっては、協会と繋がる貴重なツールになっています。例えば、WEB版のみ、になったら、会員でなくても読むことが可能になってしまい、会員継続の意味が薄れてしまいます。可能な限り、当面は現状維持で行かれる事を希望いたします。
「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。ユーラシア(旧ソ連地域)関連の投稿をお待ちしています。
催し物の感想、旅行記、講評、写真、絵などさまざまなジャンルの投稿を歓迎します。
作品は自分のオリジナルか著作権者の許可を得たものに限ります。
デジタル画像はテキストファイルに貼りつけず、別ファイルでお送りください。
また、ペンネームや注意事項があればお書き添えください。毎月末締切、翌月15日頃に発行見込み。
※投稿記事は誹謗中傷や公序良俗に反するもの以外ほぼ原文のまま掲載していますが、必ずしも協会としての見解を反映するものではありません。