2008年7月号バックナンバー |
今月の表紙 フィギュアスケート・ペア ロシア代表 川口悠子・アレクサンドル・スミルノフ組 |
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行事予定◆ 第10回 大河アムール・大自然とふれあいの旅 最終説明会
日時:2008年7月20日(日)14:30〜16:30 ◆ 横浜開港記念みなと祭 第53回国際花火大会 鑑賞会
日時:2008年7月20日(日)19:30〜20:40 ◆ 第10回 大河アムール・大自然とふれあいの旅
2008年8月11日〜15日(4泊5日間)新潟空港発着 ◆ 藤木伸三さん シベリア抑留講演会
ロシア人墓地調査に参加された会員の藤木伸三さんがご自身の体験に基づき、シベリア抑留問題を語ります。 ◆ ロシア語能力検定試験
今年度のロシア語検定試験の日程が決まりました。詳細は後日お知らせします。受験される方は今から準備しておきましょう。検定試験対策講座も実施する予定です。 ◆ 横浜国際フェスタ
日時:2008年10月25日(土)、26日(日) 活動報告◆ ロシア人シェフに学んで味わう本格ロシア料理
6月22日(日)11:00〜14:00 当協会初めての試み、レストランでの料理教室を開催しました。コンセプトは「作ってもよし、見て食べるだけでもよし」というクッキングショー。定員を超える23名が参加しました。 横浜市中区福富町にあるレストラン・アムールが全面協力。実演する専属シェフ、ヴェーラ・ネヴェロヴァさん(ハバロフスク出身)は、この道15年のベテランです。メニューは夏のスープとして有名な「アクローシカ」、具入りカツレツの「ズラーザ」、それにオーブンで焼くピロシキ。今回作るアクローシカは、日本でも家庭で作られるように、クワスを使わないホワイトタイプでやってもらいました。 この料理教室の特徴は、厨房の中に入る人数が限られているため、希望者に部分的な調理補助をやってもらうという方式をとったことです。厨房に入れない人のために、カラオケモニターにビデオカメラを接続し、料理さばきをクローズアップ。飲み物を片手に、さながら料理番組を見ているような感覚を味わえる料理教室でした。 この日はモスクワから缶入りクワス、副理事長のKさんからビーツとディルの差し入れがあり、参加者にはうれしいプレゼントとなりました。試食と歓談の時間では、西東京や千葉などから駆けつけた参加者とも交流。親子で参加したSちゃんは、校歌やダンスまで披露し場を盛り上げてくれました。 参加者からは「初めて食べたものばかりだった」、「全員で料理をできたらもっとよいと思う」、「料理さばきの上手なシェフが自ら作るところを見ながら料理法を学べたし、仕上がった料理もとてもおいしかった」などの感想が出されました。初回にしてはまずまずの出来でしたが、次回からはいろいろな反省点を考慮して、さらに楽しく役に立つ料理教室を開いていく予定です。 (滝沢) ◆ ロシアDVD鑑賞会
上映作品:ゼムフィーラ最新ライブDVD・映画「コーカサスの虜」 ◆ 横浜外国人墓地ロシア人墓碑全調査・第1回5月18日(日)に行われた標題の調査に参加された方にお寄せいただいた感想文を先月に続いてご紹介します。 それぞれの墓標マルタ島にて日本海軍戦没者の碑を訪れる機会があった。当地も良く手入れがされており、死者に対する気遣いには感謝の念を覚えた。 小澤中将麾下の『囮機動部隊』を構成する軍艦「千代田」。一千三百余名全員戦死。フィリピン海溝、海面下数千メートルの漆黒の闇に、自らを墓碑として定めるしかない父たち。 ロシヤ語にゆかりを持つ篤志家の方々の経歴には非常な興味を覚えた。是非とも親交を深めていきたい。私たちの調査対象は、その多くがダビデの星の刻印を持つ墓石群であった。一部は風化し、文字の特定が困難なものもあった。埋葬された人物とそれを取り巻く家族構成や歴史が偲ばれる墓碑もあった。父に思いを馳せつつ、異国の地で優しく見守られているロシヤ人たちの歴史にも迫りたい。 (I.Y.) 5月18日の横浜外国人墓地のロシア人墓碑調査に参加させていただくことができとても幸せでした。 電話で参加申込をした時、ロシア語はどの程度?と聞かれ、ロシア文字を解読でき、辞書を使って単語の意味をつかむことは可能ですと答えた。先年旅行中にモスクワで購入した露/英辞書を携えて調査に参加した。 調査参加した墓地はユダヤ人墓地区画。生地はロシアの領土でも墓碑は総じて英語表記で、僅かにロシア語またはヘブライ語・ヘブライ暦の並記が見られた。(ユダヤ人が世界の何処に住んでもユダヤ民族として生存したことの証であろう。)中には墓石が古くて墓碑がかなり傷んだものあるが判読充分に可能であった。墓碑には生年・生地、没年のみならず、追悼の辞、献辞も記されていて興味深い。 「愛する夫・父・祖父である・・へ」と、妻・子供全員の名を刻んだ墓碑。(同墓碑を仔細に読んで個人的に旧知の人の父祖の墓であることを発見。) 「関東大震災のため34歳で没した友・・へ。建立者・友人一同より」という墓碑も。身寄りのない友に友人達が墓を建てたのであろう。 世界各地に数々の墓地を訪ねて、墓地見学には尽きぬ興味がある。(最近ではタシケントに立派な日本人墓地を見学して深く感銘した。)横浜外国人墓地のロシア人墓碑調査に今後とも参加させていただきたく楽しみにしています。
以 上 教室案内◆ 横浜ロシア語教室 夏期特別講座のご案内【開講予定講座】
●会話初級 9月2,9日(火)19:00〜20:30 全2回
●検定4級対策 9月10,17,24日(水)19:00〜20:30 全3回
●発音クリニック 9月11,18日(木)19:00〜20:30 全2回
●謎解きロシア文学 9月6,13,20,27日(土)11:00〜12:30 全4回
●会話入門 9月6,13,20,27日(土)12:30〜14:00 全4回
●中級文法 9月6,13,20,27日(土)14:15〜15:45 全4回
●検定3級対策 9月6,13,20,27日(土)13:00〜14:30 全4回
●検定2級対策 9月6,13,20,27日(土)15:30〜17:30 全4回
最少開講人数:3名 ◆ 日本語教室 Курсы японского языка ボランティア講師募集中!
【授業形態】個人レッスン ◆ みなとみらいマトリョミン教室 ミニコンサート6月28日(土)に、レッスン前に少し時間をいただき、「昼下がりのマトリョミン〜マトリョミンってこんな音〜」と題して、本教室の講師である平野麻里先生とピアノの中島伸子先生をお迎えしてマトリョミンミニコンサートが開かれました。 今回は、「夏は来ぬ」「七つの子」「アヴェマリア」「赤いサラファン」「愛燦燦」「白鳥」など皆さんがよくご存知の曲をピアノの伴奏に合わせて演奏されました。鮮やかな刺繍のブラウスと真っ赤なスカートに身を包み、マトリョーシカを操る平野先生と、まるで歌を歌っているようなマトリョーシカの姿に皆さん魅了されていました。また、皆さんからのリクエストにもお応えして、「涙そうそう」「ドラえもん」など、いろいろなジャンルの曲を披露してくださいました。 約20名ほどのお客様にお越しいただき、短い時間でしたが楽しい癒しの時間を過ごすことができました。不思議な楽器に少しでも興味を持っていただけていれば幸いです。 (檜垣)
※教室に関する要項はリンク先ページをごらん下さい。 組織・財政◆ 組織状況 (2008年6月末)年初会員数:254名、入会者数:20名、退会者数:14名、4月末会員数:257名。前月比3名増。年初比3名増。 旅行、墓地調査参加者などで、久しぶりに貴重な年初比3名純増となりました。ピーク時の307名にむけて引き続き努力を重ねましょう。 協会に接触のある非会員の方には協会の趣旨、事業などをよくお話し入会をお願いしましょう。 ◆ 財政状況 (6月末)
概 況6月末現在の当期剰余金は181,799円で、家賃など対外未払い金も殆ど無く、不振だった前年同期の▲47,342円に比べると229,141円改善されている。因みにここ11年来最悪だった2007年8月末には実に▲1,397,321円であった。 純資産は現在2,086,417円、前年同期は僅か574,708円であった。 総収入は前年同期8,301,998円であったから、2,162,878円減少している。 会員減少のため会費収入は140,774円の減。事業収入は818,146円減、これはサンクト事務所関係の事業収入が無くなったためである。 ロシア語受講料も現在2,568,842円で前年同期の3,477,437円と比べ908,595円の大幅減。これは少人数クラス制への移行で採算性は健全化されたものの受講料値上げなどで新規入学者数が減少したことによると思われる。因みに入学金は現在10,000円(2名分)、昨年同期45,000円(9名分)である。 今後の課題としては事務局を質、量ともに強化、発展させ、一般会計、教育会計、事業会計のすべての分野で活動を活発化することが必要と考えられる。 今月のお勧め商品◆ 漆塗り小物厚紙を何枚も重ねて固めて形作った箱に漆を塗り、美しい細密画を施したロシアの伝統美術工芸品。今回ご紹介するのは、手ごろなお土産品の小物です。 ■ ハート型小箱 1,050円■ 角型小箱(教会) 1,575円 ■ フェドスキノ角型小箱(雪景色) 2,625円 ■ アドレス帳(ムルマンスク) 500円 詳細は上記リンク先ページをごらん下さい。
商品の詳細は協会事務所、または協会主催オンラインショップ「うにべるま〜ぐ」で。 何でも掲示板◆ 協会事務所 アルバイト・ボランティア募集
【曜日】1)毎月隔週土曜日、2)不定期平日・土曜(通常の事務所当番が急病・急用の際の交代要員) ◆ 北川翔 ロシア民族楽器個人レッスン〜バラライカ、ドムラ、アンサンブル〜
【内容】バラライカ、ドムラ:基本奏法、譜読みから音楽理論まで ◆ 第2回 北川翔 バラライカリサイタル
予定曲目:スペイン舞曲(ファリャ)/バレエ「白鳥の湖」よりロシアの踊り(チャイコフスキー)/ボレロ(シューリマン)/ノクターン(ミャスコフ)/セレナーデ(イグナチエフ) ほか ◆ Русские Напевы 〜ロシアの調べ〜ソプラノとバラライカの響きにのせて
出演:北川翔(バラライカ)、森里穂子(ソプラノ)、相崎智子(ピアノ)、長尾和彦(ギター) ◆ 青春のロシア・アヴァンギャルド シャガールからマレーヴィチまで
6月21日(土)〜8月17日(日)
モスクワ市近代美術館所蔵の1900年初頭から1930年代はじめまでの日本初公開70点が一同に会する展覧会。 (滝沢) * * * 20世紀初めのロシアは、謎と対立に満ちている。悲哀と希望、神話と現世、そして過去と未来。芸術空間においては政治と純粋芸術がせめぎあっていた。ロシア・アバンギャルド(前衛部隊の意)はそれらの洗礼と呪縛を一身に背負い、わずか10余年の社会生命を駆け抜けた芸術家集団と様式である。 今回の展来会はブフテマス(高等美術工芸学校)で活躍したシャガール等を中心に、当時のエネルギッシュな創作活動を十分、紹介してくれる。来日するものは彼らの初期の作品が多い。ゆえにピロスマニ、カンディンスキー、ロトチェンコ、シャガールなどの青春がそこにある。 運動が短期間に終わったのは、理論的旗手メイエルホリドの粛清により彼らの自由な芸術運動は急速に消失に向かう。ロトチェンコのパン・フォーカスの白黒写真、西欧の構成主義を模した作品群、ピロスマニの田園風景画とその時代の豊穣を物語る。そして陶器では赤・黒・白のロシア伝承試みが西欧の建築文様的に復刻されている。 2008年、70年以上の歳月を経て彼らの「失われた青春」が蘇る。彼らの悲劇は、社会に根ざす矛盾を部分的に解決しようとせず、むしろ作品自ら発信していった鋭さであろう。芸術とはかくも時代を輝かせるものなのである。革命後の第一期の芸術家の青春が確かにここに息づいている。 (中出) ◆ 「チェブラーシカ」全四話完全版
7/19より シネマ・アンジェリカ(渋谷)、川崎チネチッタ、立川シネマシティなどで上映 吹き替え版あり ◆ 映画「イースタン・プロミス」 公開中日比谷シャンテ・シネなど 昨今、ロンドンでは移住ロシア人が急増。その中にはロシア・マフィアと呼ばれる人たちも存在する。ロシアの血を引く若い助産師が、ひょんなことから接することになったロシア・マフィアの世界。”イースタン・プロミス”とは「人身売買」のことだとか。 (滝沢) ◆ ワガノワ・バレエアカデミー ガラコンサート7/22 神奈川県民ホール 15:00 Aプロ「海賊」 ほか、東京都内でも開催。Bプロは「パキータ」 ◆ 08国立ボリショイサーカス
横浜文化体育館 7月30日(水)〜8月10日(日)
公演プログラム:シーソー・アクロバット/犬のサーカス/空中アクロバット/猫のサーカス/空中ブランコ/熊のサーカス/アンチポード/バランス・アクト/虎のサーカス/ピエロ ◆ 「頭でわからないなら尻で理解しろ!」発売
〜ロシアのジョークからロシア人の特質を読み取る(ベスト新書177)〜 松澤 一直 著/ベストセラーズ 出版 ●当協会に関するご意見・ご要望・ご指摘などがありましたら、郵便、FAX、Eメールなどで何でもお気軽にお伝え下さい。 ロシア芸能◆ t.A.T.u.情報みんな大好き♪ロシア発世界のスーパーアイドル「t.A.T.u.」関係の情報です。(^^) 1) HP情報 ・ニューシングル「220」のプロモ出演に関係して、レーナが日記を更新 ・ノーカット版ビデオクリップ「Белый плащик」公式HPで公開中(R14指定) ・6月4〜5日晩、YoutubeロシアでニューシングルPV「220」を公開。これに若干先駆けてMTV(ウクライナ)、Viva!(ポーランド)、MAD TV(ギリシャ)、MAD TV (ブルガリア)他、ロシア国内の音楽チャンネルでも公開。
2) メディア出演情報
3) ライブ出演情報
4) マキシシングル「Белый плащик」情報
5) ロシアの雑誌「ルースキー・レポルテル」新刊号「t.A.T.u.にビッグインタビュー」内容を少しずつ紹介! [080321]
Q.何があなたを引き止めているのでしょうか?
Q.何にですか?これは悪い兆候でしょうか?
Q.なぜ言い控えているのですか?
Q.あなたはそのような人たちを信じられますか? (次号へ続く) (MOPA) ユーラシアスポーツ◆ フィギュアスケート「2008ドリームオンアイス」6/27〜29 新横浜スケートセンター 日本では、エキジビョン「ドリームオンアイス」が毎年の新シーズンの幕開けとなり、スケーター達の新プログラム披露の場として毎年大変注目の集まるアイスショーである。 今年はゲストスケーターとして、ロシアからは川口・スミルノフペアが参加。川口悠子選手は外国籍として初めてロシア代表となり、昨シーズンのロシア国内選手権優勝、世界選手権ではメダルまであと一歩の四位まで肉薄し、日本でも注目された。 かつてはペア大国と呼ばれたロシアだが、今は人材不足によりその地位を他に譲っているのが現状。そのロシアの再建に一役も二役も買ったのがこのペアである。 相手のアレクサンドル・スミルノフは川口選手より三つ年下の23才。川口選手にリードされる部分がまだ多いが、それがこのペアのほほえましい所なのかもしれない。滑りにはまだ荒削りな部分も見受けられるが、バンクーバーには是非注目してもらいたい。 その他、スイスからはランビエール、マイヤー、アメリカからウィアが参加。この日本のエキジビション大会に花を添えた。 そして、日本のスケーターたちも続々と新プログラムを披露。特に先シーズン世界女王に輝いた浅田真央は、今季よりロシアの重鎮タチアナ・タラソワに師事し、今までのイメージを一新するような滑りを披露。今季タラソワが女子選手に振付けするのは浅田のみだという。ロシアらしい芸術的かつ洗練されたタンゴの舞で魅了した。 (記事・写真=森 美和) ◆ 北京オリンピック テレビ観戦の集い
日時:8月12日(火)11:00〜、8月14日(木)11:00〜 (終了時間未定) 協会サイト「ユーラシアスポーツ」ページも是非ごらん下さい。 政治・経済用語解説◆ バルト三国の反ソ連・ロシア感情バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は、旧ソ連15カ国中、最も反ソ連感情の強い国である。1991年のソ連崩壊の引き金となったのは、バルト三国の強いナショナリズムと独立志向であったことはよく知られている。歴史的にみて長年バルト三国は、西からのドイツの脅威、東からの帝政ロシアの圧力に苦しんできたが、第2次大戦中のソ連によるバルト三国併合は、反ソ連感情、反ロシア感情を極限まで強めた。バルト三国の独立喪失とソ連への併合は、1939年締結の独ソ不可侵条約の付属秘密議定書にもとづいて行われた。秘密議定書はバルト諸国とポーランドにおける両国の勢力範囲を決めており、当初フィンランド、エストニア、ラトビアはソ連の、リトアニアはドイツの勢力範囲とされたが、ドイツのポーランド進行によって再度線引きがなされ、リトアニアもソ連圏に組み込まれた。 リトアニア議会は、2008年6月、ナチスの鍵十時と同様、旧ソ連のシンボルも公の場で掲げることを禁止する法案を可決した。これはソ連によるリトアニア併合を「占領行為」とみるためで、禁止の対象には、ソ連国旗のハンマーと鎌や赤い星をあしらった旗やバッジ、記章のほか、旧ソ連国歌の演奏も含まれる。先にエストニアがハンマーと鎌を鍵十字とともに禁止したときは、ロシアは「ナチスとソ連の同一視は歴史への冒涜だ」との批判を展開した。 ロシアのメドベージェフ新大統領は、エストニアとラトビアの二国で市民権を得られずにいるロシア系住民約47万人に対してビザなしでロシアに入国させることを認める大統領令をだした。両国は現地語の習得などを条件にロシア人の市民権取得を制限しており、かくして「参政権や公務員になる権利を奪われた同胞への支援」をこの大統領令は理由としている。エストニアとラトビアは、「ロシア系住民を影響力行使の道具に使っている」と反発している。今回のリトアニアの措置が、ロシアとバルト三国の緊張関係を強めることは必至である。 (中村 平八) 短期連載「シベリア抑留」◆ 第1回
間もなく8月15日の「終戦記念日」がやって来ます。 領土問題については前号までに解説しましたので、本号からはいわゆる「シベリア抑留」について簡単な解説を行います。いわゆると云うのはこの表現が不正確だからです。 シベリア抑留とは、第二次世界大戦(太平洋戦争)末期にソ連軍の満州侵攻によって生じた日本人捕虜(軍人、軍属はもとより民間人、当時日本国籍者であった朝鮮、台湾人などをも含む)を、シベリアやモンゴル、中央アジア、北朝鮮、ヨーロッパ・ロシアなど広範な地域に国際法に違反して抑留し、強制労働させたことを言います。 1956年、日ソ共同宣言をまとめた総理大臣鳩山一郎(日ソ協会、現日本ユーラシア協会の初代会長)は「北方領土返還が最大の課題として話題になっているが、ソ連に行く理由はそれだけではない。 シベリアに抑留されているすべての日本人が、一日も早く祖国の土を踏めるようにすることが、政治の責任である。 領土は逃げない、そこにある。しかし、人の命は明日をも知れないではないか」と語り、シベリア抑留問題の緊急性、重要性を強調しています。 この抑留では、ロシアのマイナス20度〜50度にも及ぶ冬季の気候条件、ロシア人の間でも餓死者が出るような戦後の過酷で劣悪な衣食住環境と強制労働が原因で、日本政府の把握分では約60万人の抑留者の一割、6万人の死亡者を出したとされます。 これは年金問題などでも悪名高い厚生労働省の調査ですので、実際にはもっと遥かに多いと考えられます。 アメリカの研究者ウイリアム・ニンモ著「検証―シベリア抑留」によれば、約107万人の抑留者中、確認済みの死者は25万4千人、行方不明・推定死亡者は9万3千名で、事実上、約34万人の日本人が死亡した、とのことです。 そのほか、死亡者が37万4041人にのぼるという別の調査結果もあります。 (次号に続く) 柴田 順吉 最近のロシア・日露関係
∇メドベージェフ大統領、就任1ヶ月
∇ロシア文学ブーム再来
∇女性記者殺害、捜査終結を発表
∇カニ産地偽装、ロシア産を国産表示
∇日本人がユジノサハリンスク市名誉市民
∇ロシア野党、党首辞任
∇ロマノフ王朝、皇太子らの遺骨確認 (渡辺) ロシア語で鑑賞する日本の詩歌はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る 石川啄木、歌集「一握の砂」(1908年)から Работаю я, И еще работаю, но оставаюсь все-таки вечно бедным, Пристально руки смотря. (перевод: Т-34-85 в 2008 г.) 中世ロシア興亡史講義◆ 第27回 フセヴォロド(統治1078‐1093)と甥たちとの戦い協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。 |
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