特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙 「日本とユーラシア」
ウクライナ絵画「雄鶏と雌鶏」

今月の表紙
ウクライナ絵画「雄鶏と雌鶏」
ナディヤ・トロヒムチューク作


行事予定

横浜国際フェスタ ボランティア募集

10月16日(土)、17日(日)
「象の鼻パーク」および「波止場会館」
(みなとみらい線馬車道駅、日本大通り駅より徒歩5分)
内容:国際協力・国際交流・在住外国人支援に関わる団体の活動紹介、物品・食品販売
神奈川県日本ユーラシア協会は食販ブース209でボルシチ(ビーツと肉と野菜のスープ)、ペリメニ(ロシア風水餃子)、グルジアワインを販売します。
***
10月15日(金)、16日(土)、17日(日)の調理・準備・販売・片付けボランティアスタッフ募集中!全部でも一部でも歓迎します。この日はロシア語教室も休校になりますので、土曜日のクラスを受講されている方も是非ご参加下さい!
参加のお申し出やお問い合わせは事務局まで。


シリーズ「ロシアの現在」

懇談会「ありのままのロシア」

〜在日ロシア連邦大使館一等書記官・文化担当 兼 ロシア連邦協力庁在日代表部部長 アンドレイ・フェシュン氏を囲んで〜

日程:2010年11月14日(日)
●10:00〜 山手外国人墓地見学、昼食会(昼食代各自負担)
●14:00〜16:00 懇談会
  会場:横浜平和と労働会館3階
  参加費:一般1,000円、会員500円


講演会「ロシア経済はどこへ向かっているか」

講師:スレイマン・ジャブライロフ(モスクワ国立国際関係大学卒 証券・金融スペシャリスト、神奈川県日本ユーラシア協会理事、フリーライター)
日時:2010年11月27日(土)14:00〜16:00
会場:横浜平和と労働会館3階
参加費:1,000円、会員500円


お申し込み・お問い合わせ:協会事務局
TEL/FAX 045-201-3714  E-Mail eurask2@hotmail.co.jp

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活動報告


根岸外国人墓地調査に参加して

 9月3日(金)じりじりと陽の射す午前10時。根岸駅に埼玉大学教授沢田先生、柴田会長、木佐森理事長、棚田理事、梅津の5名が集合した。目指すは駅より徒歩数分坂を上った所にある根岸外国人墓地でのロシア人墓地の調査である。

 正門の側に墓地由来の掲示板がある。門を入ると左手に管理棟があり、草深く高い木立の中に墓標が点在している。山手の外国人墓地が手狭になったために、文久元(1861)年造成されたものとのことだ。およそ160基の墓標、1200人ほどが埋葬されておりそのほとんどが名も無き人々であるが、中にはシャリアピンを日本に招聘したとされる人物ストロークも眠っている。関東大震災で死亡した外国人の多くが埋葬されているとのこと。さらに第二次世界大戦後占領軍兵士と日本女性との間に生まれ、命を落とした嬰児の墓標が多く驚きを覚えた。

 朽ちた墓標、風化して読み取ることの困難な墓石が多く、這いつくばるようにして墓碑銘を読み取ったり、序文を書き止めたり、墓石に紙を当て鉛筆でなぞったりしながら約2時間の作業は行われた。

 その中で、6基のロシア人と思われる墓石が見出された(内1基はポーランド人かもしれないとのことだったが…)。この調査を基にして、なお詳しい研究の成果が沢田先生からもたらされることと思う。

(梅津)


オケアンキャンプが最高、来年も行きたい!

〜第12回 大自然とハバロフスク市民交流の旅事後交流会〜
9月23日(木・祝)13:00
横浜平和と労働会館5階

アムール河にて

 酷暑の暑さも一段落した9月23日(秋分の日)、今年の「ハバロフスク交流の旅」写真交換会が協会事務所で行われ、全旅人18名の内、14名が参加しました。まず、再会を祝して、シャンパンスコエで乾杯。続いて田中さん撮影編集のDVDを見ながら、夏のハバロフスクの思い出にふけりました。今年の旅では、オケアンキャンプ(青少年サマーキャンプ)のイベントに人気が集まり、「ぜひ来年も行きたい」との参加表明もありました。


第12回 大自然とハバロフスク市民交流の旅(7月28日〜8月2日) 参加者感想文
  

ホームステイとオケアンキャンプ そして通訳のマリアさんとドムラ演奏のこと

ホームステイ

 私たちがホームステイでお世話になったのは、高校生のニナさんとお祖母さんのエリザベータさんのお宅でした。ロシア語が全くできないので、ニナさんと英語での会話でした。ニナさんはロシアンダンスグループのダンサーで、公演のDVDを見せてもらいました。民族的ダンスというよりコンテンポラリーダンスに近い。私たちに、「衣装を着てみて」と言います。冗談と思って「素敵ですね。着てみたいけれどサイズが…」などとお茶を濁して済ませたかったのですが、2人とも納得してくれません。「これなら着られるでしょう?」と、次々と衣装を持って来ます。「これはもう着るしかない!」と腹をくくり、写真撮影。

 エリザベータさんはダーチャの仕事が日課。この日の夕食にも様々な自家製野菜が食卓に並びました。肉の煮込みなどロシアの家庭料理を楽しみました。「マヨネーズ和え」のチキンとコーンとパイナップルの組み合わせが気に入り、帰国後さっそく作りました。

オケアンキャンプ

 オケアンキャンプでは、到着すると100人以上もいそうな子どもや青年たちが出迎えてくれてびっくり。同年齢毎グループに分かれ順番に挨拶してくれましたが、子どもたち自身が考えたのだろう歓迎の言葉は、それぞれ趣向が凝っていて感心しました。夏休みの1ヶ月間ほど家庭を離れ、幼児から高校生まで幅広い年齢層の子どもたちが学校規模ほどの人数で集団生活をするのは、相当大変だと思うのですが、ロシアでは一般的らしい。コテージも見学させてもらいましたが、実際どのように生活の規律が保たれ、指導に取り組まれているのか、もっと知りたいところ。折り紙などで遊ぶ時間が足りなかったのは残念。

ドムラの先生の弾き語り

 通訳のマリアさんの外国人なまりが全くない日本語がすごい。大学で日本語を教えていらっしゃるのですが、ソ連からロシアになって、大学では学生を確保するために成績が悪い学生でも落第させられなくなったと怒っていました。

 あと感動したのは、ドムラの先生の弾き語り。初めて聴いたドムラの生演奏と歌唱に魅了されました。

(諏訪)


神奈川県平和・国際友好団体連絡会が発足

 2010年9月18日、東神奈川の神奈川建設プラザで神奈川県平和・国際友好団体連絡会の発足記念講演会が開かれました。同会はNPO法人神奈川県日本ユーラシア協会、神奈川県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本中国友好協会神奈川県連合会、日本ベトナム友好協会神奈川県本部。日朝協会神奈川県支部連合会、神奈川県平和委員会、神奈川県原水爆禁止協議会の7団体からなり、これら諸団体が団結し、グローバル化した国際情勢に対応し、県下の平和・友好運動の質的、量的発展を図ろうとするものです。事務所は当協会です。

 この日の講演でジャーナリスト(be編集部)で朝日新聞記者の伊藤千尋さんは自分自身が歴訪した世界各国の最近の大きな変化について語り、「世界の国々は共同してアメリカから独立しようとしている。日本が過去の侵略戦争について反省の態度を堅持し続ければ、アジア諸国の信頼を得、緩やかな経済連合、さらには政治連合も可能になる。これこそが日本外交の進路である。」と述べました。

 協会からは柴田会長、梅津会員などが参加、会場に協会紹介のパネルを展示しました。閉会後の各団体交流会では「諸外国から見た日本」を連続講演シリーズとして開催しよう、各団体の講演、行事などをこの会で支援しようなど活発な意見が出されました。

(S)


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教室案内

第113期ロシア語教室 10月開講!

月曜入門、木曜会話、土曜入門新設! 第113期時間割

入門、初級、中級、上級、会話 毎週月曜日〜土曜日、各コース全15回(一部全17回のクラスあり)。
各クラス等の詳細は教室ホームページへ。見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせ下さい。

お申し込み・お問い合わせ:
TEL/FAX 045−201−3714
メール yokohama-rosiago@hotmail.co.jp

教室ホームページ   教室ブログ


木曜午前・会話中級クラス新規開講!

ロシア語文法の基礎を一通り学んだ中級レベルの方を対象に、岡山大学等で教鞭を取り、最近まで愛知県の日本ユーラシア協会でも教えておられた川北ナターリア先生が講師を務めます。
日常生活、ロシア人との交流、仕事、その他ご自身の目的に合ったロシア語会話ができるよう、楽しく丁寧にサポートしてくれることでしょう。また、ロシア連邦教育科学省認定ロシア語検定試験ТРКИの対策も可能です。
あと1名のお申し込みでクラスが成立しますので、是非お申し込み下さい。


日本語教室 Курсы японского языка 生徒募集中!!

月曜〜金曜、10:00〜17:00の間、1コマ90分。
基本的には個人レッスン、同レベルで同時期に始める場合はグループレッスンも可。
入学金5,250円(会員は無料)、受講料1回3,000円。
お問合せ先:045−201−3714 (事務局)


ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室 中途入学も歓迎!

毎月2回、土曜日開講
後半期残りレッスン日:10月16日(土)
次期予定:
(前半)11月6日、11月20日、12月11日、12月18日、1月15日、1月29日
(後半)2月5日、2月19日、3月12日、3月26日、4月(2回、日程未定)
時間帯:
Bクラス 14:00〜14:45 (バラライカ上級)
Cクラス 15:00〜15:45 (ドムラ初級)
Dクラス 16:00〜16:45 (バラライカ初級)
Eクラス 17:00〜17:45 (内容未定)

会場:横浜平和と労働会館5階
講師:北川 翔 (第7回国際ロシア民族楽器コンクール「ベロゴーリエ杯」バラライカ部門第1位)
入学金:5,000円(会員は免除)
受講料:3〜5名クラス37,800円、2名クラス56,700円、1名クラス75,600円(45分×半期6回分。会員は消費税分を値引きします。)
楽器レンタル応相談(月3,000円〜)

お申し込み・お問い合わせ
balalaika_domra@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714


みなとみらいマトリョミン教室 2010年後期 10月開講!

毎月1回、土曜日開講 日程:10月2日、11月6日、12月18日、1月15日、2月19日
Eクラス(アンサンブル90分)13:00〜14:30
Aクラス(グループレッスン60分)14:40〜15:40
Bクラス(グループレッスン60分)15:50〜16:50
会場:横浜平和と労働会館2階 神奈川音楽センター 音楽ホール
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者 マトリョミングレード1級)

※11月には先生とアンサンブルのメンバーが「はたらく女性の中央集会」に出演します。詳細は催し物情報欄をごらん下さい。

お申し込み・お問い合わせ
minatomirai_matoryomin@yahoo.co.jp
Tel/Fax 045-201-3714

Yokohama Collection 2010 summer

マトリョミンファッションショー

ハマ・コレ2010夏 マトリョミンファッションショー

先月号に続き、8月29日に行われたみなとみらいマトリョミン教室発表会で披露されたモデルをご紹介します。

コスプレ純白シリーズ 「花嫁」
清楚で可憐な花嫁。結婚式の余興やパーティでマトを弾く時にピッタリですね。この衣装で「未来予想図H」「愛の賛歌」また最近の定番「Butterfly」などを弾いて、お二人を祝福してあげましょう!


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政治・経済

ロシア政治・経済の注目すべき動き

 尖閣諸島の領有権や「北方領土」をめぐって中国、ロシアは9月27日、北京で主脳会談を行い、「第二次世界大戦終結65周年に関する共同声明」を発表した。ケ小平氏の時代には日本の「北方領土」返還要求を支持していた中国、第二次世界大戦終結時には米国の尖閣諸島占領を無条件に認めていたロシアが何故こんなにも変わったのか?

 それは最近の世界情勢の変化を象徴している。ロシアは金融危機に起因する原油安で2009年にはGDP成長率がマイナス7.9%に落ち込んだ。一方、中国は2000年以降8〜13%の高い成長率を維持し高度成長を遂げた。

 危機の経験からロシアは今、@安定した石油、天然ガス、原子力などエネルギー市場の確保、A次の世界経済危機にも耐えうる国内経済の近代化、高度のテクノロジーの導入を目指している。不安定で低迷している米、日両国を見限り、ロシアはこの二つの目的達成の為中国を選んだのである。

 a.メドベージェフ大統領の中国への公式訪問に同行したイーゴリ・セチン副首相は9月27日、北京で、ロシアは中国のガス需要の増加を完全に満たす用意があると言明した。彼は、「中国での主要エネルギーは石炭だ。ガス資源には乏しい、一方ロシアには同国の経済近代化のために十分な量のガスがあるので同国でガス需要が増えることについても何ら制限はない」と述べた。彼は、ロシアと中国の商業契約は来年の半ばまでには調印される可能性があると発表した。

 b.国営会社ロスアトム(ロシア原子力会社局)のセルゲイ・キリエンコ社長は、9月28日、記者団に「中国は既存の自国の原子力発電所の設備拡大の分野でロシアと協力することに大きな関心を寄せている」と発表した。現在中国では、既存の発電所設備の近代化のため、ロシアの経験を利用する可能性が検討されている。キリエンコはまた、「中国側はウランの分野での協力に大きな関心を示している」、「これは実際に可能であり、我々は、協力のために複数のロシアのウラン産地も提案する用意がある。また、第三国で協力を推進させることも検討している」と述べた。

 Aについて、a.ロシア議会は9月22日、ロシア版「シリコンバレー法案」を可決、政権の命運をかけて資源依存型から経済近代化への転換事業をスタートさせた。この計画ではモスコーの西30Kmにある草原にシリコンバレーを凌ぐ巨大な産業拠点を建設することになっている。マイクロソフト、シーメンス、ノキアなどを誘致する予定。b.メドヴェージェフ大統領は9月22日、経済の近代化とテクノロジー発展に関する委員会会合を開いた。軍事産業のイノベーションとロシア軍の近代化がテーマであった。これに関しては9月24〜25日に実施された上海協力機構の「和平の使命―2010」反テロ合同軍事演習が注目される。今回のカザフスタンでの軍事演習は中国の軍隊が外国の軍隊と行った史上最大規模の合同演習であった。

(柴田)


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組織・財政

組織状況

(2010年9月30日現在)
年初会員数:211名、入会者数:33名、退会者数:33名、8月31日現在会員数:211名。
前月比3名減、年初比0名増。前年同期比では24名減であり、会員拡大には格段の努力、工夫が必要である。総会決定の年度末目標数は250名。


財政状況

9月末現在の財政は予算額(1‐9月)10,466,699円に対し、実績9,409,288円で約90%の遂行率。
剰余金は年間目標807,920円に対し、決算処理をしていない状況で988,098円(1‐9月)であるが在庫商品が年初比で減少していればその分は減少することになるので油断は出来ない。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2010/9/30
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,490,9733,971,722
教育事業5,356,5392,466,802
一般事業2,561,7761,982,666
当期剰余金 988,098
合 計9,409,2889,409,288
前年同期(単位:円)2010/9/30
摘 要収 入支 出
一般会計1,457,7054,656,991
教育事業4,855,0102,338,639
一般事業1,914,3811,257,458
当期剰余金 -25,992
合 計8,227,0968,227,096

(柴田)

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文化&スポーツ

映画・演劇

黒テント第70回公演 ミュージカル・チェーホフ「歌うワーニャおじさん」

9月22日 於:シアターイワト

 秋を迎えチェーホフ劇の上演も最高潮。コンピレーション、いわゆる三大戯曲が能、ダンス等いろいろな表現手段で上演される中で、ミュージカル「歌うワーニャおじさん」は言わずもがなの「Дядя Ваня」。どんな風に料理されているのかと思っていたが、上演時間2時間40分とほとんどモスクワの劇場で上演されるものと変わらず、台詞の一部が歌になっただけのすごくまっとうな「ワーニャ伯父さん」であった。

 亡姉の夫アレクサンドルの研究生活を支えるために青春を費やしたワーニャおじさんと、姪のソーニャ。アレクサンドルの年若い後妻エレーナと、田舎医者にしてはイケメンで森林保護を熱く語るアースロトフのひと夏。互いに失望しあい、自分に対してもコンプレックスを抱く彼らは、とうとう本音をぶちまけあって別離に至るが、そこに決定的な決裂は起こらずむしろ前途のある別離といえる。チェーホフ劇は途中眠くなることが多く、どれもラストシーンの台詞を聞くために行くようなものだが、今回はミュージカル仕立てだったのでメリハリがあり楽しめた。蛇足ながら当県連がレンタルしたサモワールがすべての場面で登場し、当時の雰囲気をかもし出す役割を果たしていた。

(滝沢)


映画 「終着駅 トルストイ最後の旅」

 ジェイ・パリーニの小説『終着駅 トルストイの死の謎』をドイツ‐ロシア合作により映画化。使われている言語は英語で、演じる側も欧米の俳優陣だ。ロシア的泥臭さがごっそり抜け落ちているものの、世界三大悪妻の1人といわれたソフィアが単なる強欲な鬼嫁ではなく、家族を守る人間的女性としての描かれ方は洗練され好感が持てる。むしろ滑稽なのはトルストイ主義を厳格に実行しようとする取り巻きたちか。ストーリーは新任助手のワレンチンの目を通して進む。トルストイ本人も俗物であるのに、現実とのギャップに嫌気がさし82歳で家出、出奔先の「アスターポヴォ駅」で最期を迎える。その様子は世界のマスコミが「取材」し報道された。世界の文豪・トルストイは、この私生活があってこそ傑作を書くことができたのだと納得させられる作品。

(滝沢)


ユーラシア芸能

t.A.T.u.情報

みんな大好き♪ロシア発世界のスーパーアイドル「t.A.T.u.」関係の情報です。(^^)
●祝レーナ・26歳のお誕生日!
●ユーリャ、かつてのパートナー・レーナを紙面で侮辱

ロシア・トップ10

9月第4週のMTVTOP10をお送りします。10曲中4曲が初チャートイン!

'08年に欧州音楽祭典ユーロヴィジョンで優勝したロシアのスーパースター・ビランと、歌手活動だけでなくにプロデュースにコスメにといろいろ幅広く活動する米国の実力派歌手アナスティシャのデュエット「セイフティ」が初登場2位!私達ロシアマニアにとってよく聴きなれたロシアンテイストではなく、もっとユニバーサルに聞き入れてもらえそうな米国テイストを感じる愛のバラードソング。ビランの伸びのある優しい声とアナスティシャのソウルフルな声の融合も素晴らしいです。

今月第1位に輝いたのは、'07年秋に来日ライブを披露してくれたサヴィチェヴァの「モスクワ−ウラジオストク」でした。来日までしてくれたアーティストがチャートのTOPに君臨するなんて、なんだかとても嬉しいですね。 

詳細は協会ブログ「ロシア芸能」カテゴリーをご覧ください。

(MOPA)

The Story Series

メンタルホスピタルへの手紙(縮約版)

スレイマン・ジャブライロフ 作
ファンキージャネット 訳


5日目

   友人よ、確か去年の秋、病院で子供の絵画展が催されたのを憶えているかい?その日、水彩画や油絵を鑑賞し、心の奥底にある思い出が蘇り、僕達は遠い過去へ連れて行かれ、薬と昼食を忘れる程夢中になっていた。当時、あのヤスさんまでもが、両親、祖父母、制作者である子供自身を1枚に描いた作品を見て泣き出した。普段彼の下品な言葉やいやらしい冗談で困惑している若くて背の高い新米看護婦もヤスさんの意外な姿を見て心底驚いた。これらの絵画は僕達にとって、何か特別で各々新しいものをこじあけ、何らかの喜びとノスタルジアをもたらした。あの生真面目な主治医でさえ、分厚い唇をして腕を組みながら職業的関心、つまり画家の心理を解読しようとしているからか、あるいは日々の仕事から解放されようとしているからか、個々の作品をゆっくり歩きながら熟視していた。その絵画展を終えてから随分時間が経ってからも、僕達は病室で長いこと出展された作品についてあれこれ話し、今日までそれらの印象と思い出が頭に残っている。

 病院の外にいる今、僕はこの場所で突然、特別に絵画鑑賞をしたい衝動にかられた。そこでコンシュルジュに画家の展覧会が開催されているこの近辺の美術館を聞き出し、そこに向かった。高額な入場料に最初ためらったが、以前から貫いてきた質素倹約と僕がこの絵画展の話をすることで君や病室仲間にもたらす喜びと価値を考慮すると、この情熱と静寂の繊細な世界への通行証を購入する決心がついた。

(つづく)


会員消息

 8月号でご紹介した通り、当協会元事務局員・小野寺茜さんは現在ウクライナのキエフで生活されています。ブログもウクライナでの生活が綴られ、写真や様々な情報がいっぱいです。是非のぞいてみてください。

小野寺さんのブログ「ウクライナ」


NHK大河ドラマ「坂の上の雲」について(10)

日露戦争と国民の負担

 日本の人口は当時4,700万人であったから人口1人当りの戦費は42円。「女工哀史」で有名な長野の製糸工場の女工さんの一日の平均賃金は14銭(明治30年)、年間平均労働日は300日以下だったので女工さんが一年働いて貰える賃金は42円以下だった。日露戦争では乳幼児から高齢者まですべての日本人が政府から女工さん1年分の給料に当る金額を負担させられたのである。

 5人家族の一家では女工さんの給料5年分もの負担を強いられたのだから大変なことであった。

 さらに、国民は政府による国税・国債のほかに、地方段階でもさまざまな負担・損害を余儀なくされた。

 一例として福井県史は;「明治37年(1904)3月3日、福井県では臨時県会が招集された。前年12月すでに、可決成立している37年度予算を28.3パーセントも減額更正して、戦時体制への転換がはかられたのである。増税や公債など膨大な軍費調達を、円滑に行うためには、地方財政の緊縮削減が不可欠であった。県政の最重要案件であった、九頭竜川改修の中止などの土木費の大幅削減、大野郡民の期待する大野中学の設立延期などの教育費の減額も承認された(『県議会史』二)。」、「この戦争で出征兵士の主力となったのは、一家の主柱であるはずの予備役・補充役・後備役の兵士であった。そこで留守家族の生活を救護するため、各地に軍人家族保護団や尚武会・愛国婦人会などの活動が活発に行われる。しかしその資金源もまた、多くは地域末端の町村民の拠出によるが、拠出の基準とされたのは、地方税の地価割や戸別割であって、零細な大衆資金が総動員される次第となった。表75の軍費金献納・恤兵費寄付にしても、これらは各地の小学校児童の献金や、今立郡粟田部村の機業工女381人の、20銭ずつ76円20銭の献金にみられるように、零細な資金の集積にほかならなかった(福田幸太郎家文書)。このように日露戦争の巨大な人的・物的な負担は、地方末端のあらゆる国民諸階層の渾身の営みによって支えられていたのであった。」などと記している。

 さまざまな形の戦費負担は国民の消費購買力を大きく削減し、わが国の国内市場を狭め、海外市場への依存を高め、その後の侵略戦争拡大への路を拓く大きな原因となった。

表75 日露戦争下の献納・寄付 (福井県)

(柴田 順吉)


ユーラシアスポーツ

SBC杯国際フィギュアスケート競技大会

SBC杯国際フィギュアスケート競技大会

(ジュニアグランプリシリーズ第4戦)
9/24-26 軽井沢風越公園アイスアリーナ

 ジュニアのグランプリシリーズが5年ぶりに日本の軽井沢で開催された。

 シニアの競技会とは違い、観客席100席程度の会場で行われたが、伸び盛りのジュニアスケーターたちが各国から集まった。

 アイスダンスでは、1988年カルガリー五輪アイスダンス金メダルのベステミアノワ&ブキン組のブキンの息子、イワン・ブキンが、ステパノワ&ブキン組としてこのジュニア大会に参加、ショートダンスの2位から同じロシアのカップルを逆転し、合計130.08点で優勝を飾った。

 フィギュアスケート界でもこうした2世スケーターは珍しくない。バンクーバーの惜敗から、新しい希望の材料のひとつになるだろう。

(森 美和)

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催し物情報

●劇団昴公演

「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」
19世紀末、ロシアの初夏の田園風景―
ロシアの映画監督ミハルコフがチェーホフの長編小説等を映画化し、大きな反響を呼んだ作品が演劇に。
当協会所蔵の帝政時代のサモワールがこちらにも出演!
10月9日(土)〜17日(日)
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
お問い合わせ 劇団昴 03-6907-9220


●宝塚歌劇団雪組東京特別公演

「オネーギン あるダンディの肖像」
とき:10月15日(金)〜21日(木)
ところ:日本青年館大ホール
料金:S席7500円、A席5000円
問い合わせ:03-5251-2071


●ユーラシア・サロン 「トロイカから私を呼んでまで」より 山之内重美さんをお招きして

日時:2010年10月16日(土) 14:00〜16:00
会場:昭和女子大学1号館4階 4S02教室
(東急田園都市線・半蔵門線 三軒茶屋駅徒歩7分)
参加費: 一般1500円、ユーラシア研究所会員1100円、学生1000円(お茶とお菓子、『トロイカから私を呼んでまで』(東洋書店2004.10)ブックレット付)
※ブックレットをお持ちの方はご持参下さい。
次回のブックレットをお渡しいたします。
お申し込み方法:参加者氏名、住所、電話番号、所属、ブックレットの有無をユーラシア・サロン運営委員会 eurasia_salon_cla@yahoo.co.jp までメールで事前にお送りください。


●ロシアの愛唱歌を原語で歌う

チェブラーシカの挿入歌「誕生日の歌」、映画「モスクワは涙を信じない」主題歌「アレクサンドラ」、日本でおなじみの「カチューシャ」などの懐メロ等
講師:山之内 重美
2010年10月22日、29日(金) 13:00〜15:00
会場:ルミネ横浜8階(横浜駅東口)
参加費: 一般7,560円
お申込み・お問合せ 朝日カルチャーセンター


●日本のなかのロシア研究会 懇話会

「馬場佐十郎と市川文吉を追う」
なぜ馬場はロシア語の祖、ロシア文学の先駆者といえるのか/幕末から滞露8年の市川文吉の数奇な運命/研究・取材のエピソードを愉快に語る
講師:杉本つとむ(早稲田大学名誉教授)
日時:10月23日(土)
15:00〜17:30講演・研究会 17:30〜19:00パーティー
会場:エルプリメント新宿1Fレストラン 参加費:無料
主催:ロシア文化フェスティバルIN JAPAN
共催:生活ジャーナル&ロシアン・アーツ
お申し込み方法:10月16日(土)までに氏名、講演会・パーティーのどちらに出席されるか(両方も可)、人数を神奈川県日本ユーラシア協会事務局へお知らせ下さい。


●都響スペシャル横浜公演 交響曲

「シェヘラザード」(リムスキー・コルサコフ)ほか
指揮:ドミトリー・シトコヴェツキー
とき:11月3日(水)14:00
ところ:みなとみらいホール大ホール
料金:S席5500円、A席4500円、B席3500円、C席2500席、Ex席1500円
問い合わせ:都響ガイド 03-3822-0727


●マトリョミンアンサンブル「ウリープカ」 第1回定期演奏会 Our Favorite Songs

とき:11月13日(土) 開場14:30、 開演15:00
ところ:スペースDo(JR新大久保駅 徒歩3分) 新宿区百人町 03-3361-2211
料金:前売り1500円、当日1800円
問い合わせ:ulybka2525@yahoo.co.jp


●田所俊一 世界を歌う

当協会元講師のバリトン歌手田所さんがロシアロマンス、カンツォーネ、ミュージカルナンバーなどを歌います。
11月17日(水)19:30〜シャンソニエ「デュモン」
みなとみらい線「元町・中華街」3番出口徒歩1分
お問い合わせ 045-641-2968
入場料 5,000円(ドリンク付き)


●第55回 はたらく女性の中央集会in横浜

日時:全体会 11月20日(土) 13:00〜16:30
分科会 11月21日(日) 10:30〜15:00
場所:全体会 鶴見会館
    分科会 横浜市立横浜総合高校
参加費:全体会999円 分科会1,000円 大学生300円 高校生以下無料
【全体会】 講演「貧困大国アメリカ」の取材から見える日本のこれから(講師 堤未果=ジャーナリスト)
★文化行事にMMF(当協会講座「みなとみらいマトリョミン教室」アンサンブル)が出演します!


●アレクサンドル・リトビネンコ追悼ビデオ上映+討論会 〜リトビネンコの想い出と、チェチェン コーカサスの今〜

・最新情報:ポリトコフスカヤ・リトビネンコ殺害の構図
・激動するコーカサスと民衆の団結 イスラーム聖戦(ジハード)か、民族解放闘争か?
11月23日(火)
第1部 13:30〜15:00 ビデオ上映『追悼!アレクサンドル・リトビネンコ』 オランダ公共放送VPO制作 ヨス・デ・プッター/マーシャ・ノヴィコワ監督 日本語字幕版
常岡浩介によるリトビネンコ・ビデオインタビュー「ロシアにおける政治的暗殺について」 ビデオ上映後に報告:誰がポリトコフスカヤとリトビネンコを殺したのか?
第2部 15:10〜16:30 討論
・常岡浩介 (フリー・ジャーナリスト)
・岡田一男 (チェチェンの子どもたち日本委員会)
参加費:1,000円(小学生以下、難民など無料)
会場:文京シビックセンター 4F シルバーホール
主催:チェチェンの子どもたち日本委員会
後援:チェチェン連絡会議


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(機関紙編集部)


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●取扱商品の詳細は協会事務所、または協会主催オンラインショップ「うにべるま〜ぐ」でごらん下さい。

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中世ロシア興亡史講義

第54回 二人の公のシーソーゲーム

協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。

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