2011年11月号(通算601号)今月の表紙: ビクトリア・コモワ選手(ロシア) 第43回世界体操競技選手権大会 バックナンバー |
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◆ ~サモワール茶会とビデオ鑑賞~
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◆ よこはま国際フェスタ2011今年は23日(日)一日のみの開店2011年よこはま国際フェスタは、昨年に引き続き、大さん橋のたもとの「象の鼻パーク」で開かれました。22日(土)は午前6時に「大雨」だったため、フェスタ開催本部が「22日の開催中止」をホームページで宣言しました。が、開催予定時刻の10時30分には、すでに雨は止んでいました。もったいない。 前日の21日(金)にボルシチ・ペリメニの準備を始めたのは午後2時。棚田さんと木佐森でジャガイモの皮を剥きはじめました。夜になると、ペリメニ主任の水野さんも到着。すでにスタンバイに入っていた杉山さん、桜井さん、田中さんとともにペリメニづくりに集中しました。夜10時までかかり、ペリメニ200個を作り上げました。 23日(日)は、朝から好天になり、ボルシチ・ペリメニがどんどんでていきました。スタッフも、7時に事務所に集合した棚田さん、木佐森で、大なべ・用具一式を会場まで運搬。9時には、杉山さん、内海さん、阪さん、田中さんが、午後からは関戸さんが加わりました。ターニャさんがピロシキ62個を持って参加。ダリヤさんも行きかう人に声をかけていました。歌手の高橋朋子さんもウクライナグッズ売りを担当してくれました。今年は、ワイン(グルジア産)が他の店より安かったせいか、売り切れやグラスの返却待ちが出るくらい盛況でした。 (木佐森) 1日でも2日分の働き今年は残念なことに雨で1日だけの開催となった国際フェスタ。けれども開催自体は1日でも、売り上げもスタッフの働きも2日分はありました。 関戸は10月23日(日)の午後だけの参加でしたが、店に着いてすぐに店頭に立ちました。立ったその場からボルシチ・ペリメニ、そしてワインが飛ぶように売れました。特にワインは他店よりも安い値段だったので、栓を抜いた瓶はすぐにカラになり、木佐森理事長は事務所を往復して重たいワインの箱を運んでくれました。 ボルシチもペリメニも終了前に完売し、売り上げも上々。スタッフの努力の甲斐あって、1日の売り上げとしては最高のものとなりました。 今年は初日が開催できず、残念でしたが来年は元気なスタッフのみんなとともにまた参加したいものですね。 (関戸) ◆ ロシア語を仕事に活かしたいがロシア人との会話を楽しみたい第58回ロシア語能力検定試験受験者アンケート10月8日(土)9日(日)に、第58回ロシア語能力検定試験が全国で実施されました。横浜会場では、1級3名、2級11名、3級10名、4級18名の計42名の方が受験しました。(欠席率20%)全体の男女別は、男性が48%、女性が33%ですが、2級では、11名中女性はただ1人のみでした。アンケートに回答していただいたのは40名で回答率95%です。アンケートの質問項目は、毎回同じです。
(1)ロシア語を何処で学習していますか?
(1)の学習場所は、4級及び3級の半数が「通学している学校」ですが、2級になると18%になり(45%は独習)は、1級ではすべて独習になります。 |
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◆ 第115期ロシア語教室 10月開講・生徒募集中今期のロシア語教室は10月17日(月)に開講し、新規入門クラスに7名、初級に4名、会話に1名、上級に1名の新しい生徒が入学しました。ただし今期は受講を続けない方も8名ほどおられます。また機会があれば是非復帰していただきたいものです。 入門~上級、月曜~土曜。各クラス全15回。個人レッスンのご相談にも応じます。各クラス等の詳細は9月号同封のチラシ、または教室ホームページをごらんください。また、見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせください。
お申し込み・お問い合わせ: ◆ 日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка
月曜~金曜、10:00~17:00の間、1コマ90分。 ◆ ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室
2011年度後期予定(毎月2回、土曜日開講): ◆ みなとみらいマトリョミン教室
2011年度後期予定:11月19日、12月17日、1月21日、2月18日、3月17日 |
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◆ 許せない歴史の偽造~自由社、育鵬社の歴史教科書~ 4.義和団事件について義和団事件は衰退した清国の植民地的分割をめざす欧米列強や日本が中国に出兵する口実とした事件です。 これについての山川出版社「山川日本史」、自由社「新編新しい歴史教科書」、育鵬社「新しい日本の歴史」の叙述を比較してみました。
山川は「列国の侵略」をこの事件の原因としていますが、自由、育鵬両社は中国側の暴動が原因だとしています。殴られた人が殴り返した場合、殴った人のことを隠して、殴られた人を加害者とする類の虚偽です。両社の教科書には物事の一面的認識、事実誤認、盗作、誤字、誤植などが随所に見られます。本稿では日露戦争のみを取り上げていますが、古代史の部分でも天皇神話を事実のように強調するなど、でたらめな許せない内容です。 (柴田) |
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◆ プーチン氏「ユーラシア同盟」を提唱プーチン氏はイズベスチヤ紙(10月4日付)への寄稿で2015年を目途にビザ制度を含むCIS諸国の統合、「ユーラシア同盟」を結成することを提唱しました。 「ユーラシア同盟」は「ソ連の復活ではない」と断りつつ、現在、露、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国が形成している自主的な「関税同盟」を基に「経済・通貨政策の協調」を含む「高度な統合」を目指すとしています。 これは、ソ連邦の崩壊によって大打撃を受けた旧ソ連邦構成共和国間の経済的分業の復活を目指すものとも受け取られています。 EUも米国もデフォルトなど深刻な危機にある中で、プーチン氏の構想は、旧ソ連圏に多額の投資をし存在感を増していた欧米や中国へのロシアの強い対抗心を明確に示したもので、注目すべき提案です。 (柴田) ◆ 2011年は4.1%の成長にロシア経済発展省が9月21日に発表した政府経済見通しでは、2011年の実質GDP成長率は4.1%、12〜14年はそれぞれ3.7%、4.0%、4.6%としています。前回、4月の見通しに比べ大きな修正はしませんでしたが、世界経済や原油価格の動向によっては成長が鈍化する可能性があると警告しています。 (柴田) |
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◆ 組織状況
(2011年10月31日現在) ◆ 財政状況10月末現在の収入は予算額(1~10月)11,954,166円に対し、実績12,595,234円で105.4%の遂行率です。 剰余金は年間目標794 120円に対し、決算処理をしていない状況で3,428,665円(1‐10月)です。今後予想される語学関係支出、在庫商品減少分を差し引いても、余程の事が無い限り本年度黒字決算が可能な状況になりました。 本年度予算の超過達成を目指し日々努力を重ねましょう。
資産は前年同期比で流動資産、固定資産とも増加し、負債はゼロです。協会の純資産は7,698,116円となり創立以来最高となりました。 事務所・教室建設資金借り入れのため1986年に協会員有志が500万円を拠出、創立した有限会社カチューシャも、36,000,000円の借入金を完済し、その四半世紀の栄光と苦難に満ちた歴史的使命を終わったので今年度中に解散し、協会に吸収・合併する予定です。この間に大半の出資者が逝去されましたが、このことを天上界にご報告し、この御恩恵に預かるものを代表し感謝の念を表し、心からご冥福を祈る次第です。また、創立以来お世話いただいた吉冨幹泰会計事務所の皆様方にもこの紙面をお借りして心から御礼申し上げます。 (柴田) |
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◆ 演劇・映画劇団俳小 第37回本公演「プラトーノフ」9月25日 於:シアターΧ いわゆる四大戯曲とはやや趣が違う本作品は、チェーホフの死後発見された処女作だそうだ。主人公ミハイル・プラトーノフは小学校教師。将来を期待された知識人でありながら、有望な職につけず平凡な女を妻とし悶々と生活している。彼の攻撃的な態度は、周囲に多くの敵を作り出し、妻のほか三人の女の間で自らの感情を律することができない。その女たちとは、多くの男たちを債権者としながらも優雅に暮らす未亡人アンナ、プラトーノフにセクハラを受けたと裁判沙汰を起こす科学者マリヤ、プラトーノフの浮気を耐えつつ息子を育てる妻のサーシャ、夫を捨ててプラトーノフとの駆け落ちを試みる元恋人のソフィア。プラトーノフのどこが魅了的なのか、私にはちっともわからないが、おそらく彼の人生に対するシニカルな態度が恋愛感情をそそるのだろう。 結局、プラトーノフは彼に裏切られたソフィアに射殺されるのだが、彼の死によって彼女らが救われるのか判然としない。「4人の女をロシア的やりかたで痛めつけた」と独白する自己愛的人間の被害者は、女たちではなく残された彼の息子であろう。 本公演ではロシア国立マールイ劇場から主任舞台監督であるV. ベイリス氏を迎え、徹底したスタニラフスキーシステムに基づき演出がなされた。そのため役柄が非常にわかりやすく、複雑な人間関係の劇なのにすぐにドラマにのめりこめ、話の展開がわかりやすかった。 (文:滝沢/写真提供:劇団俳小) 明りを灯す人
(アクタン・アリム・クバト監督作品、2010年) 過去の作品には牧歌的な青春を描いた「あの娘と自転車に乗って」(監督クレジット名はアクタン・アブディカリコフ)などがあるが、今回の作品は社会的・政治的メッセージの方が濃厚。ソ連崩壊後のキルギスがいまだ混乱の中にあり、大国と隣接する新興独立国の苦悩を思わせる。原題の「Svet-Ake」は明り盗りの意味だそうで、貧しくともたくましいキルギスの庶民を象徴していることがせめてもの救いであろうか。 (滝沢) ◆ ユーラシア音楽芸能情報
ロシアと近隣諸国の音楽を中心とした芸能情報を紹介するコーナー「ユーラシア音楽芸能情報」を発信中!(^_^)v ユーラシア芸能界の麻薬汚染8月号と9月号にユーラシア芸能薬物事情を紹介しました。まだまだいます。続編です。 ◆ Русская десятка ロシア・トップ10秋風が心地よいロシアから、10月第4週のMTV TOP10をお送りします。10曲中5曲が新曲でした!!! 詳細は協会ブログ「ロシア芸能」カテゴリーで。 (MOPA) ◆ 詩 歌СуетаСулейман Джабраилов
За дверью суета сует ◆ ロシア茶道参加報告
第51回 清峰会茶会 10月16日 裏千家の茶会の中にただひとつ異国情緒漂うロシア式茶道として、山根ユミさんの主催するティースクールによる「沙那庵」の茶席に参加しました。炭でお湯を温めるサモワールを用いた本格的な茶席で、1回の茶席が常に20人以上という大盛況でした。 まず、サモワールの歴史や使用方法について説明があり、ロシアにおける紅茶の淹れ方・飲み方が紹介されました。淹れ方は茶葉を急須に入れ、サモワールから注入したお湯で濃く紅茶を抽出した後、ティーカップに抽出液を注ぎ、サモワールのお湯で薄めて、紅茶の苦味を減らすためのレモンピールを添えるという方法でした。お茶が入る間は、茶菓子としてジャムを載せた一口パイをいただきました。 茶席全体としてはロシアの紅茶の淹れ方を踏襲しながらも独特なものとなっており、会場が日本家屋であることや、茶器、置物(ロモノーソフのコバルトネット皿、マトリョーシカの置物)や掛け軸などの鑑賞を同時に行なう事など日本的要素の強い茶席となりました。 大人数でゆっくり茶や談話が楽しめないという部分はあったものの、このようなイベントが今後も増えるとよいと思います。 (滝沢、棚田) ◆ スポーツ第43回世界体操競技選手権大会10月7日~16日 東京体育館 ロンドン五輪の予選を兼ねたこの大会には、世界約80の国と地域から500名以上の選手たちが集まった。日本やアメリカ、ロシアといった表彰台を狙っている強豪国とは別に、この予選を通過することを目的に参加した選手も数多い。団体戦では上位8カ国までが五輪出場を確実にするのだから、8位と9位とではそれこそ雲泥の差がある。 同じように個人総合、種目別も五輪予選の対象だ。もともと体操は男子6種目、女子4種目で競ってきたが、近年では種目ごとのスペシャリスト育成に力がそそがれ、日本のようなオールラウンダーを育てることは難しい環境になっている。特に中国などはその流れが顕著だと言える。男子は6種目もあるのだから、獲得できる種目別金メダル数は最大6個、個人総合ではどう頑張っても1つ。1つの金メダルを取るために6種目を総合的に訓練するよりも、1種目に集中すれば効率が良い、というのはまあ合理的な話ではあるが、「全種目揃えてこそ体操競技」と考える日本チームとはやはり方向性の違いを感じさせる。「総合的に、そして美しく」その理念はまさに日本的で、男子個人総合3連覇を飾った内村航平選手もその典型だろう。 女子はもっぱらロシア対アメリカの構図が続いている。昨年は団体・個人ともにロシアが勝ったが、今年は逆に両方ともアメリカにさらわれた。今回個人総合で0.033点差の2位に甘んじたビクトリア・コモワ(16歳)は、ロシアらしいエレガントな動きをする選手だ。怪我で欠場していたアリーヤ・ムスタフィナも含めて、ロンドン五輪の女子団体戦も楽しみなところだ。 (森 美和) |
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ユーラシア通信◆ リペツク便り (9)トルストイゆかりの地10月後半、リペツクは黄葉も終わり晩秋を迎えています。すでに気温は日中でも5℃前後で、日本の真冬並み!そんな中、近郊のある小さな博物館に行って来ました。 リペツク州はトルストイと縁のある街です。『終着駅 トルストイ最後の旅』という映画をご存知でしょうか。ちょうど1年ほど前に日本でも公開されました。大興行ではありませんでしたから、ご存知無い方もいらっしゃるかもしれません。贅沢を恥じ人として正しくありたいと願った後年のトルストイと、夫を深く愛しながら悪妻と呼ばれたソフィア婦人との確執、その結末を描いた秀作です。この映画に出てくるトルストイ終焉の地「アスターポヴォ駅」は、リペツク州内の小さな村落レフ・トルストイ町にあります。駅名はレフ・トルストイ駅と変わってしまいましたが、現在も駅として実在します。トルストイが亡くなるまで過ごした旧駅舎は、病床などが当時のままに残され『トルストイ博物館』として保存されています。未だ観光事業が全く不整備なロシアでは、残念ながらモスクワからでさえここを訪れるのは容易では無く、世界中のトルストイファンが興味を持つであろうこの博物館を訪れる人はごくわずかのようです。もったいない…。 ロシアの小説を読んでいると時々気になるのですが、適当な日本語訳が無いためにロシア語がそのままカタカナに置き換えられて意味がわからないとか、人の名前が場面によってフルネームあるいはファーストネームあるいは呼称で書かれていて別人かと思うことなどがあります。私は実際にロシアで暮らし人々の生活や文化や歴史を知る機会に恵まれたことで、小説の世界がより鮮明によりリアルに感じられるようになりました。特に難解なロシア文学を楽しむためには、その背景を知ることは重要なことと思います。ロシアに触れる機会はとても少ないですから、映画を見ていない方はぜひレンタルで! (堀江) ◆ Tashkentで考えたこと ~号外~アラル海見聞記10月始めの頃、アラル海の水は冷やりとしてアラル海の匂いがあった。沿岸は粘土質であり、自分の足が地中住人伝説の7賢人に吸い取られるような感じであった。 この海岸に到着するには、ジープで6時間程かかったが、来て見たアラル海は想像を絶するほど美しかった。 海岸沿いにユルタというテントが2つあり、アラル海に生息する白魚の半分ほど魚の卵をとり1キロ20ドルで中国の会社が買い上げており、遠方でもトルコ人も同じビジネスをしていた。これは、バイオビジネスかも知れない?ロシア人はこのアラル海を避暑地にするべくCCCP時代から盛んに基礎調査をしており、今でもそのビジネスを実現しようとしている。 1960年代のアラル海は九州全部の大きさだから、人間の視界は海岸しかわからない。しかし、ここを案内してくれたジープのドライバーのガイドさんは丁寧なロシア語で沢山のことを紹介してくれ、感激の連続だった。特に、一望できる大プレート地形まで、ジープを運びあげて、「これをみなさい??」の一言。そのアラル海の美しさに絶句した。 縮小したが、まだ、琵琶湖のある滋賀県全県を包み込む大きさは残っており、今は地下からの湧水がでているという。遠い昔、地中海のそばの黒海、カスピ海、アラル海は地下水道で全部つながっていたらしい。今は、アラル海の水がなくなる時期との地形環境学のポンプ水脈仮説もある。帝政ロシアの頃からカスピ海、アラル海を運河でつなぎ、綺麗な水はシベリア川から運河で繋ぐ大計画もあった。カスピ海を運河でインドまでつなげる大工事計画だった。単に、綿栽培で水が枯れてしまった見解は経済原則からみた仮説のような気がしてならない。 しかし、この縮小したアラル海を元の通りにすることは、政治経済のファクターが止まるとすると人間の事業としては意外にも「アラル海ルネッサンスの可能性は高い」との確信を持てたことは大きな収穫だ。 (萩原) ◆ タシケントで第9を!皆様、ご無沙汰しております。タシケント生活も、あっという間に4年が過ぎました。4年間、いろいろな出来事、ちょっとしたトラブルもありましたが、小生が殊更に書くことが出来るのは、やはり、タシケントの音楽生活・事情になります。 タシケントの音楽生活の中心は、なんと言っても、国立ナボイオペラ・バレエ劇場になります。オペラのレパートリーは、ロシア・イタリア・フランス・それにウズベクオペラで、シーズン中は月曜日を除く毎日、バレエとの日替わりの公演があります。 さて、3年前にナボイの主役バリトンで功労芸術家のG.シュクール先生と出会い、声楽を習い始めました。その噂が在留邦人に伝わり、今では生徒10人の声楽教室になりました。参加者はJICAのボランティア、留学生などです。昨年の暮れには、ウズベキスタン芸術アカデミーのフォトギャラリーを会場に「行く年を送る音楽会」を催しテレビでも紹介されました。上手い下手は別にして、クラシック音楽をアマチュアが楽しむ、日本人がウズベク語、ロシア語の歌を唄うということに話題性があったのでしょう。 この音楽会を全面的に支えて頂いた芸術アカデミーのクジーエフ総裁(現スポーツ文化大臣)から、「声楽教室もいいけど、是非、合唱団を作りなさい」との宿題を頂きました。シュクール先生、タシケント音楽院のバイオリン・オーケストラ科主任D・オフチンニコフ助教授に相談し、音楽会に通ってくる各国大使館員の意見も聞きながらこの宿題の回答を探して得たのが、「タシケントで第9を歌う」という結論です。日本の技術を導入して、ウズベキスタンにビジネスを創生することと同様、日本の伝統(年末にアマチュアコーラスがプロのオーケストラと第9を歌うというのは、既に日本の文化に定着している)をウズベキスタンに導入することも、両国の相互理解、交流促進に貢献するのではというのがその背景です。また、「友よ」で始まるシラーの詩によせてベートーベンがこの曲に秘めたメーセージは、間違いなく国籍を超えた人々を一体化する力を持っています。 Интернацональный хор "Буюк Ипак Йули" (国際合唱団「偉大なシルクロード」)という名称で合唱団をタシケントに設立し、国籍、上手い下手を問わず団員を募集し、来年の年末に第9を演奏することを目論みに活動を開始しました。そして日本からも、多くの方にご参加頂ければ、より意義ある演奏会・草の根文化交流・相互理解の場になるのではと思っています。 でも、日本の皆様に来ていただくには、「何で、タシケントで第9なの!!!なんで、ペテルブルグ、モスクワじゃないの!!!!」という問いに答えるのが必定ですが、自らその疑問に答えるのは力不足を自覚しています。 そこで、来月から数回に分けてウズベキスタンの音楽生活をタシケントの音楽家自身に語って貰うことにしました。中央アジアの音楽の歴史からはじめ、ロシアによる、ヨーロッパ音楽の導入・普及それから、ウズベキスタンの音楽の現在、世界で活躍するウズベク人の音楽家というテーマで連載する予定です。ウズベキスタンの文化、芸術生活の豊かさを少しでもご理解頂く一助になればと思います。執筆は、D・オフチンニコフ先生です。 (一杉 次郎/タシケント) D・オフチンニコフ先生 略暦1973年、タシケント市生まれ。両親は共に絵画・彫刻家という芸術家の家系に生まれる。ウスペンスキー音楽専門学校、タシケント音楽カレッジ、タシケント音楽院で、バイオリン・ビオラ・指揮法を学ぶ。現在は各出身校で後進の指導に当たる。自らは国際舞台での派手な活躍はないものの、教え子の一人が一昨年マーラーコンクールでヨーロッパ・ロシア出身者を抑えて優勝した。 音楽理論・音楽療法についての関心・造詣も深く、著書多数。音楽療法については、ウズベキスタンが生んだ偉大な医学者イブン・シノ(ヨーロッパ名アビセンナ、ヨーロッパルネッサンスの源流とも言われ、医学のみならず数学・天文学等の業績があり、音楽は最高の治療法であるという言葉を残している。)の伝統との融合を目指している。 ◆ ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!
字数は読み物なら400字~800字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内でお願いします。
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部 (機関紙編集部) |
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講演「チェルノブイリと福島」
【日時】2011年11月20日(日)14:00~17:00(13:30開場) 2012 チェルノブイリ26周年救援カレンダー
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◆ ウクライナ食品各種入荷!
● ボルシチの素 750円
● コーカサス風アジカソース 500円
● コンポート用ドライフルーツ 370円
● 乾燥ディル 150円
● ハルヴァ 70円
● チョコクッキー「ラヴリー」 400円 このほかウクライナ製チョコレート各種もございます。商品の詳細は協会事務所にてごらんください。
サモワール・マトリョーシカ・民芸品・民族楽器… |
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◆ 第67回 フセヴォロド三世(大巣公、統治1176-1212)の生い立ち協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。 |
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