今月の表紙:ハバロフスク ムラヴィヨフ・アムールスキーの像

特定非営利活動法人神奈川県日本ユーラシア協会機関紙「日本とユーラシア」

2012年9月号 No.611

行事予定

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会
創立50周年記念行事にご参加ください

 日本と旧ソ連・ユーラシア諸国との相互理解・友好・平和ひとすじに県民とともに歩んできた当協会の創立50周年を祝い、活動の内容を披露する集いです。是非あなたもご参加ください!

2012年9月30日(日)13:00~16:30
横浜市従会館4階ホール(桜木町駅徒歩15分)
お申し込み・お問い合わせ先は協会事務局へ。
電話・FAX 045-201-3714(9/27締切)
※詳細はこちらのページをごらんください。


ボランティアスタッフ募集!

 創立50周年記念行事のボランティアスタッフも募集しています!
 前日・当日の準備、運営、後片付けをお手伝いいただける方は事務局までご連絡ください。一部分でも構いません。皆様のご協力をお待ちしています。

【連絡先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

ハバロフスク旅行事後交流会

8月のハバロフスク旅行に参加された方、お疲れ様でした。写真やビデオを見ながら旅の思い出を語り合いましょう。

【日時】9月23日(日)14:00~16:00
【会場】横浜平和と労働会館5階
【参加お申し込み先】神奈川県日本ユーラシア協会事務局
Tel/Fax: 045-201-3714
E-mail: eurask2@hotmail.co.jp

よこはま国際フェスタ2012

【内容】国際協力・国際交流・在住外国人支援・多文化共生に関わる団体の活動紹介・物品・食品販売。当協会もロシア料理・食品販売で参加予定です。準備・販売等のボランティアも募集中!
【日程】10月20日(土)、10月21日(日)
【場所】象の鼻パーク(みなとみらい線日本大通り駅より徒歩5分)
【主催】よこはま国際フェスタ2012プロジェクト

活動報告

音楽の宝箱 ―第4回マトリョミン発表会―

 猛暑の日曜日の午後、8月26日にマトリョミンコンサートが開催されました。早いもので今年で4回目。「8月の最終日曜はマトリョミン」という年中行事が定着してきました。

 今回の内容はまさに「音楽の宝箱」でした。曲目はJポップはもとより、童謡・沖縄民謡あり、カンツォーネあり、クラシックあり、映画音楽あり、スタンダードナンバーあり。しかも、どの曲も耳にしたことのあるものばかり。

 さらに注目(注耳?)したのは、伴奏のオルガニート、ハープ。オルガニートの優しい音色の伴奏で聞く「夕焼け小焼け」は本当に心に沁みとおりました。また、ハープの伴奏は初めてです。優雅なハープとマトリョミンの調べは絶妙の「エーデルワイス」を奏でてくれました。

 また、アンサンブルでは「横浜」を意識してか「ブルーライトヨコハマ」と「伊勢佐木町ブルース」が演奏されました。もちろんロシアの曲目も外すことなくムソルグスキーの「展覧会の絵」の調べが響き渡りました。

 今、こうして書いていてあのすばらしいメロディやハーモニーを伝えることができないのは残念でなりません。この記事を読んでいる皆さん、次回は是非コンサートにおいで下さい。

(関戸)

 今回の発表会はアンサンブルクラス、個人クラス合わせて10名の参加となりました。

 全員のソロに加え、デュエットコーナーでのオルガニート(手回しオルゴール)、ハープ、ギターとのコラボが好評でした。特に、ハープはその優しい音色がマトリョミンに溶け合って心地よい響きを奏でていました。

 アンサンブルクラスMMMの演奏の後、最後は全員で「ジュピター」を大合奏。教室としての一体感があってよかったとの声も多くありました。

(檜垣)

教室案内

第117期10月開講 横浜ロシア語教室

水曜・土曜昼入門クラス、ウクライナ語クラス開設!

 9月8日(土)、15日(土)にロシア語入門体験、ウクライナ語、やさしいロシア語の公開講座が行われ、早速来期の入門クラスに申し込まれた方もいらっしゃいました。
 人数に限りがありますので、受講を検討されている方はお早目にお申し込みください。
 10月の2週目または3週目から第117期ロシア語教室が開講します。
 初心者のための入門クラスを水曜昼・土曜昼に、久しぶりの試みとしてウクライナ語入門クラスを火曜昼に新設予定です。
 また、初級・中級・上級・応用・会話の既存各種クラスも生徒募集中です。
 時間割・内容・料金(会員割引有)等の詳細はホームページをごらんください。
 受講お申し込み・お問い合わせ先は次の通りです。


日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка

 夏休みのためか、先月教室に来られた生徒さんは不定期の方1名のみでした。新規の方歓迎します。

 月曜~金曜、10:00~17:00の間で応相談。1コマ90分。基本的には個人レッスン。同レベル・同時期開始の場合はグループレッスンも可。
 入学金5,250円(会員無料)、受講料1回3,000円。

教室便り

水曜ロシア語中級Iクラスの皆さん

 大山先生と水曜中級Iクラスの皆さんです。先日、『ロシア語教程I』の教科書を無事終了しました。3名の生徒さんの内、1人はロシア語能力検定試験4級取得済みです。現在は中級編の教科書『ロシア語教程II』の学習に入っています。
 このクラスは、第117期は10月10日(水)10:30開始となります。(時間が変更になりました)中途編入も可能ですので、ご希望の方はお問い合わせください。

***

ロシア語公開講座に飛び入り!露日協会カザコフ氏

 9月8日午前の入門体験講座に、ロシア日本協会モスクワ支部​のオレーク・カザコフ氏が飛び入りで登場しました​。
 写真は自分の名前やプーチン大統領の名前をロシア語で書いて、構造や由来などを解説しているところです。
 この後、1階の協会事務所も訪れ、流暢な日本語で話をされていました。
 カザコフ氏はこの週に北海道で行われた「第10回日ロフォー​ラム」に参加のため来日しており、9月10日には東京ロ​シア語学院2階にて講演を行う予定です。

***

創立50周年記念行事に当協会教室講師・生徒も出演!

 9月30日(日)の創立50周年記念行事には、当協会各種教室の講師も出演します!
 バラライカ・ドムラ教室講師の北川翔先生はバラライカコンサートと体験コーナーに、ロシア語教室講師の川北ナターリア先生はロシアの歌「カリンカ」をロシア語で歌う講座に、マトリョミン教室講師の平野麻里先生はマトリョミンコンサートにアンサンブル「MMM」で教室の皆さんと一緒に出演されます。
 普段教室に通っていない方も、この貴重な機会を是非お見逃しなく。

ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室

2012年度前期予定(毎月2回、土曜日開講):
後半 7/7, 7/21, 8/4, 8/18, 9/1, 9/15

生徒募集クラス:
15:00~15:45(バラライカ上級)、17:00~17:45(ドムラ初級)、18:00~18:45(バラライカ初級)
講師:北川 翔
会場:横浜平和と労働会館5階

会員受講料(1回45分×6回分):
3~5名クラス:24,000円(1回4,000円)、2名クラス:36,000円(1回6,000円)、1名クラス:60,000円(1回10,000円)
※途中入学の方は終了回数分を値引きします。

みなとみらいマトリョミン教室

日程:毎月1回、土曜日開講
10/20, 11/17, 12/15, 1/19, 2/16, 3/16
※2月・3月は変更の可能性もあります。
アンサンブルクラス(90分)13:00~14:30
グループレッスン(60分)Aクラス14:45~15:45、Bクラス15:55~16:55
入学金:3,000円(継続の方、会員は免除)
受講料:アンサンブル3,500円×6回=21,000円
グループレッスン3,000円×6回=18,000円
※途中入学の方は終了回数分を値引きします。
会場:横浜平和と労働会館2階または3階
講師:平野 麻里(マトリョミン演奏家、指導者)

組織・財政

組織状況

(2012年8月31日現在)
 年初会員数:221名、8月末会員数:227名。
 年初比6名増。前年同期比5名増。会員拡大目標:250名、年度末まであと23名、毎月6名の純増で達成可能です。 がんばりましょう!

財政状況

 収入は一般会計、教育会計ともに前年比後退、 一般事業会計は142%増で合計額は微増したが、支出は3会計とも前年比増加、その結果、当期剰余金は前年比▲2,170,199.-の大幅後退となった。 純資産は14年ぶりに前年比微減。危機的状況にある本部支援のための木佐森理事長出向と補充人事の難航が大きな原因である。 何はともあれ残る4ヶ月で大幅挽回を図らねばならない。

NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会2012/8/31
単位:円
摘 要収 入支 出
一般会計1,231,4284,656,027
教育事業4,489,8802,645,663
一般事業3,297,5702,452,602
当期剰余金 ▲735,414
合 計9,018,8789,018,878
前年同期(単位:円)2011/8/31
摘 要収 入支 出
一般会計1,665,3403,476,727
教育事業4,804,2802,346,380
一般事業2,321,4521,533,180
当期剰余金 1,434,785
合 計8,791,0728,791,072

貸借対照表 (2012/8/31)
科 目本年7月末残高前年同期残高対前年同期増減
流動資産3,817,8343,364,236453,598
固定資産1,884,7752,340,000▲455,225
資産合計5,702,6095,704,236▲1,627
流動負債000
固定負債000
負債合計000
純資産5,702,6095,704,236▲1,627
(柴田)

お勧め商品

コロブカクッキー 350円

コロブカクッキー
レトロだけどカワイイ牛のパッケージのクッキーが再入荷しました!
素朴な味わいになかなか手が止まらないと人気上昇中のお菓子です。ぜひ一度お試しください。
内容量:180g
原産国:ウクライナ
直射日光をさけ、20℃以下で保存して下さい。

すてきな家族マトリョーシカ 2,730円

すてきな家族マトリョーシカ
お花の帽子が付いためずらしいタイプの作家ものマトリョーシカです。
中に入っているのは、一緒に暮らす家族たちでしょうか?
どんな家族なのか想像してみてください。
高さ約8cm ロシア製

掲載商品の詳細は協会事務所でごらんください。
紙面で紹介しきれなかった素敵な商品もまだまだあります!
協会ロシア物産オンラインショップ「うにべるま~ぐ」もぜひご利用ください。

文化・芸能

ユーラシア音楽芸能情報

ユーラシア圏でのLGBT※アーティスト事情

ユーラシア圏でのLGBTアーティスト事情

 ロシア芸能界の中で両性愛者であることをカミングアウトしているアーティストはただひとり、ボリス・モイセーエフである。1954年生まれの58歳。歌手でありダンサーであり振付師であり…多芸多才ぶりでロシア連邦芸術功労賞を受賞し、今も尚走り続ける彼だが、生まれた時から壮絶な人生である。

(続きを読む)

(MOPA)

映画・演劇

カレン・シャフナザーロフ監督作品映画祭II


8月24日~25日 於:浜離宮朝日小ホール

 2010年に引き続き行われたシャフナザーロフ監督作品映画祭。今回はソ連末期に撮られた問題作「ゼロ・シティ」、日本未公開作品「アメリカの娘」「ガーグラの冬の夜」の3本が上映された。

アメリカの娘

 3つの作品に共通しているキーワードは「アメリカ」である。以下、あらすじを述べる。

「アメリカの娘」(1995)

 ロシア人の男が娘を取り戻すために、アメリカ人と再婚した元妻の住む町にやってくる。娘はロシア語が話せないが、彼を父親とすぐに認め、共にロシアへ帰ろうとするロードムービー。しかし、娘は旅の途中で病に倒れる。

「ゼロ・シティ」(1988)

ゼロ・シティ
 モスクワから田舎町に出張してきたエンジニアがレストランに立ち寄った。頼みもしないのに出されたケーキは、なんと彼の生首をかたどったものだった。怒って食べるのを拒否すると、ケーキを作ったコックが絶望のあまりピストル自殺。これによりエンジニアに殺人の嫌疑がかけられるが、手続きはたらいまわしに。しかも、死んだコックは「町で最初にロックンロールを踊った若手党幹部」だったため、党籍はく奪のあげくコックになった男だった。現在は名誉回復し町の英雄とされているが、それをよしとしない検事がいて人間関係はドロドロだ。必死の逃亡を試みてボートで漂流するエンジニアの姿が、なんともいえない後味の悪さで終わる最高の不条理劇。

「ガーグラの冬の夜」(1985)

ガーグラの冬の夜
 かつてスターだったタップダンサーの男と、彼に教えを請うマイノリティ出身のサーカス団員、離婚したため別れて暮らす娘との思い出など、在りし日の華麗な芸能生活に思いを馳せる音楽映画。

 1940年代後半から60年代、当局の規制をかいくぐりアメリカ文化が流入。特にジャズやプレスリーが人気を博し、リーゼントやポニーテールなどのファッションを模してアメリカ音楽に興じていた若者たちを「スティリャーギ」という。ソ連サブカルチャーの基層となったムーヴメントだ。

 アメリカ文化に対するロシア人の憧れと、当時の社会の閉塞感がベースとなったこの3本は、ロシア映画文化史的な意義があるといえる。

(滝沢)

次の語り部に
―「帰還証言 ラーゲリから帰ったオールドボーイたち」慰霊映画会―

 8月23日がどういう日かご存じでしょうか? 1945年のこの日、スターリンの日本人捕虜移送指令が出されました。シベリヤ抑留者にとっては、運命的な日です。その日に合わせて、本部で上記の映画会が開催されました。

 映画はドキュメンタリーで、31名のシベリヤ抑留体験者のインタビューでした。「自分たちがどこに連れて行かれるか知らなかった」「トーキョーダモイと言われたので、日本に帰れると思っていた」「日本に帰るなら東に向かうはずだが、列車は太陽が沈む方へ進んでいた」「海に出たと喜んだが、それはバイカル湖だった」などの証言がありました。関戸の父もシベリヤ抑留体験者です。父も全く同じことを言っておりました。抑留者は約60万人、現地で没した人は約6万人と言われています。

 しかし、帰還した人たちも存命者の平均年齢は89歳。証言の中には「私は兵役期間が少し足らずに、恩給がもらえない」「シベリヤ帰りということで、なかなか仕事が見つからなかった」「シベリヤ帰りというだけで、『アカ』と決めつけられた」と、帰国後も不遇であったことがうかがえました。

 零下数十度という寒さと粗食に耐えられず、日本に帰ることなく没した悲劇。帰国はしたものの、戦後の混乱と差別の中で困難な人生を過ごした悲劇。いずれも言葉には尽くせないものです。上記のように平均年齢89歳では、シベリヤ抑留体験者が全てこの世から姿を消すのも遠いことではありません。体験者がいなくなったら、誰がこの悲劇を後世に伝えるのでしょうか。

 この事実を知った人が伝えていくしかないのではないか、と思います。悲劇はそれを語る人がいなくなったときにまた繰り返されます。自分が次の語り部になろう、と思いを深くした上映会でした。

 上映後は映画制作者の「いしとびたま」さんとの懇談会もあり、平和への熱い語り合いがもたれました。

(関戸)

催し物情報

ミハイル・カディンスキー ピアノリサイタル ~ロマン派とロシア音楽~

演奏曲目:チャイコフスキー=プレトニョフ「くるみ割り人形組曲」、グリンカ「アリャビエフのロマンス 鶯による変奏曲」、プロコフィエフ「ソナタ第2番 ニ短調Op.14」ほか
とき:9月27日(木)18:00開演(18:00開場)
ところ:洗足学園 前田ホール(JR南武線「武蔵溝の口」、東急線「溝の口」駅南口徒歩8分)
入場料:一般3000円、学生1000円 全席自由
問合せ:洗足学園音楽大学
044-856-2981 ensou@senzoku.ac.jp

中央アジア キルギスの民族音楽 ~コムズ・口琴アンサンブル~

とき:9月15日(土) 14:00~
ところ:横浜市栄公会堂
出演:ウメトバエワ・カリマン、吉野彩、まるこ、池田千洋
入場料:無料
問合せ:045-895-8998(軽食喫茶さんぽみち)

田部絢子ヴァイオリンリサイタル

モスクワ音楽院大学院1年生に在籍する新進気鋭のヴァイオリニスト。
演奏曲目:モーツァルト「ソナタ第29番イ長調K.305」、ドビュッシー「ヴァイオリン。ソナタ ト短調」ほか。ピアノ伴奏:ミハイル・リツキー
とき:9月28日(金)19:00開演(18:30開場)
ところ:ルーテル市ヶ谷ホール(JR、メトロ有楽町線「市ヶ谷駅」)
入場料:一般4000円、学生2500円
問合せ:080-4352-2010(三吉)
art_muzika@softbank.ne.jp

ユーラシア通信

ハバロフスク旅行ガイド・オリガさんからのお便り

 お元気でいらっしゃいますか。

 ハバロフスクのガイドのオリガです。

 皆さんが帰られてから何回もツアーの楽しい思い出をし、メールを送ることにしました。

 皆さんは顔が明るくて、心もやさしかったからまた機会がありましたら、ぜひ会いたいと思います。

 お名前は覚えていないですけれどもお年寄りのお世話の仕事をしている女性の方とそのお友達のこうこさんに日本の年寄りの生活のことなどをおしえてもらいました。小食と毎日運動の基本をしているライフスタイルです。私も年にいったらこうしたいと思います。

 柴田さんにも日本語や日本の文化などを教えていただいて感謝しています。バラライカとドムラの歴史のはなしも面白かったです。

 やっぱりこういう国際交流のツアーは一般的な観光ツアーと違って、わすれられない経験になります。

 神奈川県日本ユーラシア協会のツアーの方々によろしくお伝えください。

オリガ・コズロフスカヤより

Eurasia Gallery

第14回大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 8/13~17(撮影:柴田順吉)

ハバロフスク
ハバロフスク ハバロフスク
ハバロフスク ハバロフスク

おすすめの本 「どんどんおいしくなる!魔法の発酵食」

どんどんおいしくなる!魔法の発酵食
 ロシア・ユーラシア料理の本で知られる料理研究家、荻野恭子さんの最新刊が出版されました。ダーチャの本でおなじみの豊田菜穂子さんの企画です。

 時間と手間をかけずに毎日手軽に楽しめる世界の発酵食を紹介。今流行りの塩麹から、表紙のポーランドの白いスープ「ジューレク」、ロシアの黒パン発酵飲料「クヴァース」とそれを使った「アクローシュカ」など、会員の皆さんの興味を引きそうな料理も。日々の献立に悩んだ時にも役立ちそうです。

 日東書院本社、1,260円。
 ※協会事務局で取り寄せも可能です。

折込新聞「ロシアNOW」

ロシアNOW
 最近、当協会のポストに月1回配られるようになった「ロシアNOW」。
 ロシア政府発行紙「ロシア新聞」の編集で、社会や文化等、「ロシアの今」を伝える様々なニュースが日本語で読めてなかなか面白いです。
 協会事務所でも閲覧、または若干部数お譲りできます。
 Web版はこちら


ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!

 字数は読み物なら400字~800字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内で。この神奈川県版機関紙「日本とユーラシア」に関するご意見やご感想なども歓迎します。月末締切。投稿は郵便・FAX・Eメールのいずれかでお願いします。宛先は下記の通りです。

(機関紙編集部)

歴史・社会

許せない歴史の偽造 ~自由社、育鵬社の歴史教科書~
ロシア革命について(3)

 前号で指摘したように自由社、育鵬社の歴史教科書はロシア革命について否定的側面だけを不正確に、また極めて一面的に記しています。

 ロシア革命は世界に極めて大きな影響を与えた革命です。

 革命直後、レーニンは第一次世界大戦をやめさせる為に「平和についての布告」で敗戦国領土の無併合、無賠償、民族自決という原則に基づく即時講和を提唱しました。これは背教者スターリンによって歪められたものの第二次世界大戦の戦後処理にも大きな影響を与えました。わが国も敗戦の際にこの原則によって大きな恩恵を受けているのです。ポツダム宣言は米ソの密約によって歪められたものの建前としてはこの原則に従ったものです。

 「土地に就いての布告」は土地が農民の手に引き渡されねばならないことを宣言し、日本の戦後の農地改革に大きな影響をあたえました。

 8時間労働制は1886年5月1日に米国の労働組合がストライキで提起し、世界中の労働者がメーデーとして連帯して闘いその実現を目指しましたが、ロシアではレーニンの指導によって8時間労働制が革命後、世界で初めて国家の法律として確立しました。そして、1919年のILO第1回総会で、「1日8時間・週48時間」労働制を第1号条約に定め、国際的労働基準として確立しました。(しかし、それから93年も経つ現在でも日本政府は財界の要求に基づいて残業を温存させたい為この第1号条約を批准していません。世界では残業時間の上限時間が厳しく規制されており、違法なら刑事犯となるほどです。日本では残業代も支払われず徹夜でも残業を命じることは可能です。こうした労働規準は世界に通じないものです。ILOはこれまでに22本もの労働時間に関する条約を締結していますが、日本政府はただの1本も批准していません。残念ながら、わが国はそれほど文明後進国なのです。) こうした革命の成果について両社の教科書は一言も触れていません。

(柴田)

私の見た中・東欧諸国の現在(5)
スロヴァキア・ブラチスラヴァ

スロヴァキアの経済

ブラチスラヴァ城

 スロヴァキアは昔から農業国だったが、最近ではフランスのPSA・プジョーシトロエンや韓国の起亜自動車が工場を設立している。

 2004年にEU 加盟、2009年1月1日に通貨をスロバキア・コルナからユーロに切り替えた。

 2011年の主要経済指標は:主要産業:機械工業,自動車産業、GDP:960 億米ドル、一人当たりGDP:17,644米ドル:.経済成長率:3.3%:物価上昇率:4.1%(年平均値):失業率:13.4%(年末値)、総貿易額:輸出564.1億ユーロ、輸入539.7億ユーロ、主要貿易品目:輸出電気機器・部品,自動車・部品、輸入電気機器・部品,自動車・部品、主要貿易相手国:輸出(%) ドイツ(20.4),チェコ(14.2),ポーランド(7.3)、輸入(%) ドイツ(16.4),ロシア(11.5),チェコ(10.6)。

 通貨:ユーロ(EUR)(2009年1月より導入、これによりポーランドと違いEU の影響が強まった)。

 2008年までは,高い経済成長率を維持してきたがEU を中心とした輸出に依存する体系のため,EU 経済危機の影響で,2009年のGDPは-4.8%の成長となった。

 政府は,知識集約型経済の構築を継続すると共に,労働市場の流動性強化や国際競争力回復を目指した政策を導入した。また,2010年はドイツの景気回復、国外需要の増加に牽引され、経済も予想以上に急速に回復し,通年で4.0%(IMF)のGDP 成長を達成した。

 2011年上半期も経済成長が続いたが,下半期には,欧州債務危機とユーロ圏の景気後退の影響が波及し,再び経済の失速傾向が現れている。失業率は,2011年を通じて,約13%台前半と高率、深刻である。

スロヴァキアの物乞い?

 高い失業率を反映してか、観光地では若者の物乞いや大道芸、みやげ物売りなどが見られた。

見るからに哀れなおバーさんだが…

1. この見るからに哀れなおバーさん、動画でないのが残念だが、杖をブルブル細かく痙攣させている。  しかし、お金をもらってもお礼も言わないし、顔も上げない。近寄って手足をよく観察すると爪も皮膚も若々しい。青年の迫真の演技であった。


労働者のブロンズ像
2. 歩道を歩いているとマンホールから顔を出している労働者のブロンズ像があった。(写真左)


労働者の「ブロンズ像」…?
 その近くに同じようなものがあった。(写真右)

 こちらはマンホールの蓋が労働者の前にある。観光客が近くに来るまではブロンズ像と同じ姿態で、じっと動かないが、客が近づくとマンホールの蓋をばたばたさせ、顔を持ち上げてニヤリと笑う。これも動画でないのが残念だが目が口ほどにものを言う。こちらもお金をもらっても決してものは言わないが目と顔で素晴らしく表現する。昔の日本の乞食や大道芸人は大体暗い感じが多かったが、ここでは明るく、芸術的でさえある。

―続く―

(柴田)