
この春、お蔭様で当協会の教室が改装され、気持ちも新たに第126期ロシア語教室をスタートしました。
新会員・新受講生の皆様を歓迎し、会員の親睦を深めるために、「カザフスタンを知る会」と「初夏の親睦会」を合わせて開催します。
3部構成の盛りだくさんな一日をどうぞ楽しくお過ごしください。
◆ 第1部 10:30~12:30 カザフスタン料理を作る会
◆ 第2部 14:00~15:00 カザフスタンを知る会
◆ 第3部 15:15~17:00 新会員・新受講生歓迎親睦会
※詳細はチラシ画像をクリックしてPDFファイルをごらんください。
講師:キリル・エルモシキン
カザフスタン・アルマトイ出身。
日本国費留学生として名古屋大学経済学部卒業後、同大学院国際開発研究科修士課程で学び2011年に修了。
その後、日本の証券会社で勤務し2013年に帰国。
ジャパン・コネクト社設立。
会場:横浜平和と労働会館5階 当協会教室
参加費:会員1,500円、新会員・新受講生:1,000円、一般2,000円
※ 新会員は2017年1月~6月の入会者、新受講生は2017年4月以降の入学者が対象
※「カザフスタン料理を作る会」のみ参加の場合は500円引き
※準備の都合上、事前にお申し込みください。
主催・お申し込み・お問い合わせ
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会
TEL/FAX: 045-201-3714
E-Mail: eurask2@hotmail.co.jp
5月28日、横浜平和と労働会館4階(横浜会場)で4級と3級のロシア語能力検定試験を行います。
●4級
筆記(文法、露文和訳、和文露訳)10:00~11:30
テクストの朗読(録音)11:30~
●3級
筆記(文法、露文和訳、和文露訳)13:00~15:00
聴取 15:00~15:15
テクストの朗読(録音) 15:20~
※受検票は試験の1週間前に郵送されます。
※合格発表:2017年7月12日(水)
受験者全員に合否結果と解答例及び講評付問題を郵送し発表といたします。またHP上にて合格者の受検番号を発表します。
※お問い合わせ先:ロシア語能力検定委員会(東京ロシア語学院内)
TEL 03-3425-4011
FAX 03-3425-4048
2017平和のための戦争展inよこはま
6月2日(金)~6月4日(日)
会場:かながわ県民センター1階展示場・2階ホール(横浜駅西口より徒歩5分)
時間:10時~19時 (6月4日は18時まで) 入場無料
神奈川県日本ユーラシア協会は1階ホールにて「シベリア抑留」パネル展示で参加します。ぜひご来場ください。
主催:平和のための戦争展inよこはま実行委員会 TEL 045-241-0005
第19回 大河アムール・ハバロフスク市民交流の旅 ウラジオストク訪問付
日程:2017年8月8日(火)~13日(日)
成田空港発着5泊6日
成田~ウラジオストク~ハバロフスク~成田
ホームステイコース130,000円
ダーチャコース140,000円
航空券(別途)65,070円~83,070円
旅程等の詳細はチラシ画像をクリックしてPDFファイルをごらんください。
お問い合わせ・お申し込みは平日・土曜12時~17時、当協会事務局まで。
旅行説明会:
2017年6月25日(日)10:00~
横浜平和と労働会館5階 当協会教室
三度目にして、完全参加 ~パスハ見学記~
4月16日 横浜ハリストス正教会
2015年から参加しているパスハ見学ですが、今回は開会から閉会まで教会に立ちました。ローソクを持っての教会の周回以外は、祈祷と聖歌の響く中で本当に復活の儀式を間近に感じました。終わってみると、およそ4時間の儀式があっという間という気がしました。
その中で、水野神父の説教に胸打たれました。水野神父が信心の深さについて述べられたのです。「何を以って、信心が深いと判断するのか。年数でしょうか、それとも寄進(寄付)の多さでしょうか。いずれも違うと思います。一番大事なのは、今、信ずるかどうかです」とのことでした。友好運動も同じではないでしょうか。長く会員であるから、あるいは多額のカンパをするから、ではありません。ユーラシア諸国の人たちと仲良くなりたい、一緒に幸せに生きたい、ということが一番大事なのです。それが今日であってもいいのです。関戸の父は、「鬼畜米英」「赤鬼ソ連」と叩き込まれました。しかし、シベリヤの収容所で接したソ連兵は決してそんなことはありませんでした。「自分たちが受けた教育は大嘘だった。だまされた」と気づいた父は、帰国後ソ連との関係を良くしなければと私に語っていました。昨日まで敵であっても、今日友達になればいいのです。水野神父の説教にハッとしました。
さらに、水野神父は最近の情勢についても語りました。「復活祭が行われているキリスト教会にイスラム教徒は自爆テロを行っています。ともに神を信ずる者たちが『宗旨が違う、信ずる神が違う』という理由で命を奪うことがあっていいのでしょうか」と。まさに友好運動の本質です。ものの見方や考え方が違う国民同士であっても、相手を思いやる気持ちや同じ地球に生まれた者同士という思いがあれば、必ず友達になれるはずです。
春の一日、パスハに参加し、改めて友好運動について考えることができた見学でした。
(文・関戸/写真・滝沢)
第1回現代ロシア映画鑑賞会『続・運命の皮肉』報告
4月16日のパスハ終了後に、第1回ロシア現代映画鑑賞会を行いました。
今回は、初めての試みで事前予告が不十分でしたが、4名が参加しました。「続・運命の皮肉」を字幕なしで鑑賞し、参加者から以下のような感想が寄せられました。「もう一つの鑑賞会は黒パンがついているのに、こちらはついていないのに参加費が高い」「座席はもう少しよくしてほしい。英語か日本語の字幕がついているものを」「上映する作品は普通の名作や話題作でよい」
このような意見をかんがみながら、次回は7月ごろを予定しています。
(滝沢)
入門・初級・中級・上級・会話・日本案内の各クラス生徒募集中。中途編入も可能です。見学は3クラス・各30分まで無料です。詳細は教室ホームページをごらんください。
受講お申し込み・お問い合わせは教室事務局まで。
昨年から神奈川県日本ユーラシア協会横浜ロシア語教室の講師・スタッフが力を合わせて作成してきた、ロシア語学習動画シリーズ「おもてなしのロシア語」No.1「アルファベット」がYouTube上に公開されました。
この動画シリーズは、当教室の講師らがシナリオから執筆、ロシア語通訳界の大御所である徳永先生の監修も経て、何度も何度も手を入れ、そして皆が出演に臨んだ、まさに今の横浜ロシア語教室の集大成です。
ロシア語に接したことのない人でも「ロシア語ってこんな言葉なんだ」と知ってくれ、少しでも興味を持ってもらえるよう、「ロシア語、勉強してみたいな」と思ってもらえるよう、ロシア語のすそ野を広げる目的で作成されています。さらに、2020年開催の東京オリンピックを念頭に、日本人がロシアへ赴くのではなく、ロシア人が日本へ来訪するということを前提にして、彼らをロシア語で「おもてなし」するための様々なシーンが盛り込まれています。
動画シリーズを続けて見ることによって、ロシア語をまったく知らない人でも、場面場面で必要なロシア語を話せるようになってきます。
No.2以降も順次配信していく予定ですので、ご期待ください!
【視聴方法】
インターネットでYouTubeにアクセス
→「おもてなしのロシア語」または「神奈川県日本ユーラシア協会」で検索
→オリガ先生と大山先生の映っている「おもてなしのロシア語No1」を視聴
動画URL:https://youtu.be/HXvyvW5HSis
※上の埋め込み画像をクリックすると直接見られます。また、横浜ロシア語教室HP、協会HP、Facebookからもリンクしています。
【シリーズ内容】
No.1 アルファベット
No.2 挨拶
No.3 出迎える
No.4 知り合いになる
No.5 許可を得る
No.6 店での買い物
No.7 通りで尋ねる
No.8 駅で尋ねる
No.9 レストランで
神奈川県日本ユーラシア協会のYouTubeチャンネルも併せてごらんください。
以前行われたロシア語公開講座の一部や、当協会講師でもある北川翔先生が出演するバラライカコンサートの模様もお楽しみいただけます。
横浜ロシア語教室では、5階教室をリニューアルしました。 目的は、教室を1つ増やすとともに、20名以上が入れる教室をつくることで、できれば、教室の遮音性能も高められればということでした。
そのため、いままで、アコーディオンカーテンで区切っていたところを固定壁にして、駅側の教室の間仕切り壁を取り払い、位置を少しずらして、そこを可動壁にしようと計画。
3月中旬から、各教室の壁の遮音性能を高める工事が授業のない時間を使って始まり、中旬からは間仕切り撤去と可動壁設置の下準備、並行して床の張り替えが行われ、4月5日に可動壁が設置され、工事は完了。エアコンも1台増設し、間仕切りの撤去により、冷媒管などの配管を新設及び変更しました。ドアの表札も可愛くしました。
綺麗になった教室は遮音性も向上し快適な談話室としても使えます。空き部屋を貸出できる場合もありますのでご相談ください。
(左)廊下。左奥から右手前へ向かって順に1番、2番、3番、4番教室
(右)1番教室と2番教室の間の可動壁
(左)3番教室 (右)4番教室
レッスン予定日:2017年度前期(2017年4月~2017年9月)
前半:4月8日、4月22日、5月6日、5月20日、6月3日、6月17日
生徒募集クラス:
17:00~17:45ドムラ中級
18:00~18:45バラライカ初級
講師:北川 翔(バラライカ奏者、北川記念ロシア民族楽器オーケストラ主宰)
会場:横浜平和と労働会館5階
会員受講料(1回45分×6回分):3~5名クラス:24,000円、2名クラス:36,000円、1名クラス:54,000円
芸 能
Русская Десятка ロシア・トップ10
春の雪が時折舞うロシアから、4月第4週のRussia Airplay Chart TOP10をお送りします。吹き荒ぶ春の嵐、新曲は10曲中たった1曲!
2015年のユーロヴィジョンで2位、得点では2008年の優勝者ヂーマ・ビランを軽く越えたあのポリーナ・ガガーリナが、新曲«Драмы больше нет»(ドラマはもはや無い)を公開し9位にランクインしました。PVはまだ出ていませんが、30歳を記念してのリリース。
アノニマスな雰囲気が売りのウクライナ発3人組HIPHOPグループ、グリブィが2ヶ月連続第1位になりました!おめでとうございまーす!:-)
2016年4月にYOUTUBE上で1stシングル「Intro」リリース後、1ヶ月以内にミリオン視聴率達成。でもメディアへの露出を頑なに拒み、フォトセッションにも参加せず、アノニマスな雰囲気が売りのウクライナ発3人組グリブィが初登場第1位になりました!おめでとうございまーす!:-)
画像引用元
ポリーナ・ガガーリナ http://www.aif.ua/
(Tophit.ru, Russia Airplay Chart 2017年4月17~23日/MOPA)
ユーロヴィジョン2017 ロシア不参加正式表明
◆ 2017年大会開催はキエフで
2016年5月スウェーデンのストックホルム開催された音楽祭典ユーロヴィジョン2016で、ウクライナの女性歌手Jamalaが優勝したので、大会規定により2017年の大会はキエフで開催することになった。これに向けて欧州各国では代表者選考会が開催され、2017年の代表者が次々に発表された。露の代表選考会は毎年3月に行われるが、今年は波乱に満ちていた。
◆ 予期せぬ代表者現る
露側では年明けてから候補者同士の熱い戦いが繰り広げられていた。最有力候補はウクライナ出身で代表選考選最多記録を持つパナヨートフ、ユーロヴィジョン2007で第3位を獲得したユニット「セレブロ」の元Voテムニコワ、「ラスコヴィ・マイ」の元Voを父に持つ2世アーティスト・ニューシャ。そして露音楽オーディション番組「ゴロス 5」の優勝者アントニューク、音楽プロデューサー・トゥレツキー率いるグループ「ソプラノ・トゥレーツカヴァ」。しかし途中テムニコワ、ニューシャは代表者争いを辞退した。残る3組で熱戦を続けていた。
ところが3月12日、代表選考会側が突如一方的にユリア・サモイロヴァを推薦し、露代表とした。彼女は、13歳のときに脊髄性筋萎縮症を患い第1級障害者認定され車椅子生活を強いられているが、様々なオーディションに出場してきたポジティブな女性だ。そして2011~2013年に1TVで放映されていた音楽オーディション番組「ファクトルA」で、主催した大御所歌手プガチョワから特別賞を受賞した経験を持つ。
しかし、この代表者決定には大きな問題があった。サモイロヴァは2015年夏にクリミアで開催された露主催の音楽祭典に出場したため、ウクライナ内務省がこの決定を「国内を撹乱するために露側から送られた代表者」と定め、入国の際には憲法に則り厳しく処罰する、と通告したのだ。
◆ 露側の意地 ウクライナ側の意地
欧州放送連合は「開催国の憲法を尊重しなければならないが、この決定に非常に落胆している。コンテストの精神と概念に反している。全国からの代表者全員が2017年大会に参加できるように、ウクライナ政府側と対話を続ける。」と発表した。同連合は障害者のサモイロヴァに深く興味を持ち、様々な提案を両国にしてきた。
しかし、露側は「衛星中継による参加は拒否する。」「ウクライナが彼女を拒めば、他数カ国が不出場を決めることになるかもしれない。」「今年彼女が出場できなければ、2018年に彼女を大会に送る。他のアーティストは考えない。」など強請った。
一方ウクライナ側も「彼女は3年の入国が禁じられているが、この執行日を取りやめる、或いは遅らせることには同意しない。」「入国できるのは、憲法に抵触しないアーティストだけだ。」と動じなかった。
このように平行線が続き、露は最終決定日3月31日に不参加を表明した。露抜きのユーロヴィジョン2017は、5月9日(準決勝第1戦)、11日(準決勝第2戦)、13日(決勝戦)に放送される。
(MOPA)
ユリア・サモイロヴァの公式ページ
http://www.jsvok.ru/
演劇・映画
劇団青年座第226回公演
「わが兄の弟 贋作アントン・チェーホフ傳」
(マキノノゾミ作、宮田慶子演出)4月12日 於:紀伊國屋ホール
幕があくと、アントン・チェーホフが娼婦と朝を迎えていた。しかもそれは、アントンの次兄ニコライが、弟の20歳のお祝いに自分の元彼女・ニーナを差し向けたという寛大な計らい。ニーナのことが忘れられないアントンは、それ以来積極的な恋愛を避けた。晩年になってようやく別居結婚した彼の心的理由を説明するようなエピソードだ。
チェーホフ家は祖父の代に農奴から自由市民への切符を手にし、南部タガンローグで食料雑貨店を営むが破産しモスクワに夜逃げ。長兄も次兄も家から逃げ出し、家計は三男のアントンが担った。モスクワ大学で医学を学びながら、短編を書きまくって生計をたてるスーパーぶりに、一家は「パパ・アントン」と呼ぶ。その上家族は変人ぞろい。超堅物の父と気弱な母、情に弱い長兄アレクサンドルと彼の内縁の妻子、次兄はアル中の画家で、アントンのよき理解者。四男は出てこず、末弟のミハイルはみんなのいじられ役として登場、長女である妹マリアは、すでにアントンを生涯支えていくと自覚している。彼らがよってたかってアントンの執筆を邪魔しにくるわけだから、おかしくないはずがない。ある日、ニコライがニーナを描いた絵を売り大金を得た。買ったのはニーナの母親。そこでアントンは、ニーナがシベリア送りになったと知らされる。彼女は没落貴族の出で、兄姉は革命派だった。
約5年後、一家はハリコフに滞在。地元の女医三姉妹と親交を深めるアントンは、一日の大半を魚釣りですごし、ときどき医者の務めを果たしている。腹膜炎を起こした少年を助けられず、気に病む次女のエレーナとあくまで冷静沈着なアントン。しかし、彼は自分が冷たい人間だと思われるのをひそかに恐怖していた。この場面は、四大戯曲の片鱗がそこここに散りばめられ、見ていて楽しい。
慕っていた次兄ニコライが結核のため死去したのち、アントンは自分も同じ病の兆候を認めつつ、南サハリンへ流刑地調査のため出発する。その動機は謎とされているが、贋作評伝では一つの目的をアントンに課す。それはシベリア送りとなったニーナと再会するためであった。ニコライの残したニーナの肖像画を携え、最後の面談者としてニーナと対面する。しかし、彼女の姿や言動は想像を絶するものだった。
「わが兄の弟」とは、アントンのペンネームの一つ。家計を弟に押し付けた兄たちだったが、そのおかげで彼は一つのことに没頭せずさまざまなことに身を投じた。彼のいう「医学は正妻、文学は愛人」はこの頃の台詞らしいが、彼の二兎を追う精神が世界を広げ、客観的に見つめる素地となったのはいうまでもない。アントンは家族の観察者だが、われわれ観客はアントンたちを観察する。チェーホフ家のドタバタがおかしかったりせつなかったり。アントン・パヴローヴィッチ・チェーホフの知られざる一面を舞台化した本作品は、彼の残した約4500通もの手紙(現存)をもとに構成されているため、「贋作」というタイトルがにわかに信じがたいほど説得力がある。次回は「手紙魔チェーホフ」という作品も創作してくれないかなと思う。
(文・滝沢 三佐子/撮影・坂本正郁)
劇団つばめ組第14回公演「ワーニャおじさん」
4月20日 於:参宮橋トランスミッション
昨年からなぜか「かもめ」ばかり観続けて、久々に鑑賞する「ワーニャおじさん」。チェーホフの四大戯曲の発表順は「かもめ」→「ワーニャおじさん」なので、今年はワーニャの年かもしれない。
さて、会場は参宮橋駅近くのパブ付きホールで、外国人向けシェアハウスが併設されており、道端は外国人があふれてなんともいえない不思議な空間。ステージの両脇には客席があり、まるで花道が舞台のように見える。
母、姪のソーニャ、乳母とともに労働の日々を送っていたワーニャ。亡き妹の夫である大学教授とその若い後妻エレーナが転がり込んできたことで、彼らの生活のリズムは狂わされる。その上、エレーナをめぐってワーニャと親友の医者ミハイルが恋敵となり、ソーニャがミハイルに失恋、エレーナはミハイルに若干のぼせる。ある日、大学教授が自分の生活のために領地を売ると言い出した。エレーナに失恋したてのワーニャは、激怒のあまり発砲事件を起こしてしまう。
群像劇の多いチェーホフの作品で、「ワーニャおじさん」はワーニャと姪のソーニャが人生の忍耐を説くシーンがクライマックスだ。しかし、今回の作品はエレーナが主人公。戯曲にはないが、貞淑な人妻であると自ら主張している彼女が人気のない客間で踊りまくるシーンがある。不器量なソーニャが最後まで現実逃避をすることがないのに対し、エレーナは自分の本心をさらけ出すことをいとわない。登場人物の中で、誰よりも自由を希求しているのはエレーナだということを強調する演出だろう。生来のコケティッシュさや別れのシーンでのエレーナの潔さなど、印象に残るシーンが多かった。
つばめ組は三大フランス古典劇作家の一人、モリエールの「タルチュフ」を過去に上演している。ロシアの劇団では珍しくないが、日本の劇団でモリエールなどいまどき貴重だ。「組」と名乗る劇団名とはうらはらに、クラシックな作品を通して表現における共同作業を追及している演劇集団。
(文・滝沢 三佐子/写真・劇団提供)
じっくり見るのもいいかも、エルミタージュ美術館展
4月の会報に同封された「大エルミタージュ美術館展オールドマスター西洋絵画の巨匠たち」に行ってきました。
会場入り口正面に、「戴冠式のロープを着たエカテリーナ2世の肖像」が掲げられ、ここだけ写真を撮ることができるとのことで撮影(4月の平日のみ)。
展示は、6ブロックに分かれて、最初の部屋は「イタリア:ルネサンスからバロックへ」ティツィアーノ(1538年)からベルナルド(1753年)まで16点。次が「オランダ:市民絵画の黄金時代」で、エカテリーナ2世の最初のコレクションのフランス・ハンスの「手袋を持つ男の肖像」など17世紀後半の絵画など19点。続いて「フランドル:バロック的豊穣の時代」ブリューゲルやルーベンスなど16点。第4の部屋は「スペイン:神と聖人の世紀」ムリーリョなど5点。続いて「フランス:古典主義的バロックからロココへ」17世紀後半から18世紀までクロード・ロランなど23点。最後の部屋は「ドイツ・イギリス:美術対大国の狭間で」クラーナハの「リンゴの木の下の聖母子」(1530年)はここにあり、他は18世紀後半の絵画で5点、計85点。
今回の展覧会は、エルミタージュの1万7千点の絵画コレクションの中で、特に充実している16世紀ルネサンスから18世紀のロココまでの「オールドマスター」を特集したとのこと。旅行でサンクトのエルミタージュを訪れた時、膨大な絵画の量に圧倒され、疲れて足早に通り過ぎてしまう絵画を、じっくりと見ることができる今回の出張展覧会は、何回もサンクトを旅した人にも有意義であると思われました。ご希望方に入場料1600円が100円引きになる優待券(20枚)をお渡ししますので、事務局まで。
(木佐森)
投稿歓迎!
「日本とユーラシア」神奈川県版は会員みんなで作る機関紙です。もっと面白くしたい方、新しい企画を思いついた方、協会や機関紙について感想や意見のある方は、読むだけでなくぜひ投稿してください。
ユーラシア関連ネタなら文章でも写真でも絵でも、ジャンルを問わず何でもOK。
ただし全てボランティアで、自分のオリジナル、または権利者の許可を得たもの、著作権法に触れないものをお願いします。ペンネームや注意事項があればそれも忘れずに。
文章は1記事800字以内が目安で、長ければ編集・分割して掲載する場合もあります。
原稿はメールやFAXや郵便で下記へ送ってください。締切は毎月末で、翌月15日頃に発行されます。投稿をお待ちしています!
(機関紙編集部)