2011年6月号(通算596号) バックナンバー |
今月の表紙 ハチャプリ(チーズ入りパン) グルジア料理教室にて |
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◆ 第13回大自然とハバロフスク市民交流の旅
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◆ 「歌うロシア人形」
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◆ 第114期ロシア語教室 生徒募集中!中途入学も歓迎!入門~上級、月曜~土曜。各クラス全15回。個人レッスンのご相談にも応じます。各クラス等の詳細は教室ホームページをごらん下さい。曜日・時間・講師は変更される可能性もありますので、見学・入学をご希望の方は事前に事務局までお問い合わせ下さい。
お申し込み・お問い合わせ: ◆ 日本語教室 生徒募集中 Курсы японского языка 生徒募集中!!
月曜~金曜、10:00~17:00の間、1コマ90分。 ◆ ロシア民族楽器 「バラライカ」「ドムラ」教室
毎月2回、土曜日開講
今までやむなく個人でレッスンしていた16時からのバラライカ初級クラスは5月から1名増えましたが、ドムラ初級クラスが2分裂、17時からのクラスが新たにできました。 ◆ みなとみらいマトリョミン教室
日程:毎月1回、土曜日開講/4月16日、5月21日、6月18日、7月16日、8月20日 |
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◆ 最近のロシアにおける「民営化」についてソ連崩壊後、国家の混乱に乗じ国営企業の高級官僚、党幹部などによる強盗的民営化=私物化が行われました。プーチンはこうした民営企業から経営トップを追放し、再び国営化しました。 ロシアでは今再び「民営化」が行われています。しかし、これは90年代のものとは異ります。 ロシアは2015年までに約900社の株式を売却予定で、総額は凡そ600億$(@¥81/$で4.86兆円)の見込みです。 民営化の対象は大規模、重要国営企業で、全株式を公開売買し、内外の大企業を資本誘致します。計画完遂により、1兆8千万ルーブルが収入となり、一部は企業収入に、一部は国家収入となります。
上表実例のように今回の民営化は一部例外を除き、国家が株式の過半数を維持するような形の民営化です。この手法は2007年国営ガスプロムがロシア政府の環境問題を理由とするサハリン2プロジェクト中止命令を理由に、総事業費を100億ドルから200億ドルへ倍増させ、増資を強行してサハリンエナジーの株式の50%+1株を取得し、その結果、英蘭シェルが55%から27.5%-1株に、三井物産が25%から12.5%、三菱商事が20%から10%に減少し西側諸国が経営の主導権を失ったことを想起させるものです。ロシアはサハリンエナジーを事実上西側諸国から取り戻し国営化し、西側の技術、資本、経営ノウハウを利用することに成功しました。これが現代ロシア式「民営化」のプロトタイプです。 目的は国営企業に内外の資本と資本家の経営ノウハウを導入し、非能率なロシア的官僚経営を改め、市場経済の軌道に乗せることと株式売却による国庫収入の確保です。 「民営化」→国営企業への民間資本と経営ノウハウの導入→「国営企業強化」が実態です。 (柴田) |
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◆ 組織状況
(2011年5月31日現在) ◆ 財政状況
総収入は予算対比5.2%増と順調に伸びていますが、会員数の低迷を反映して一般会計収入が約1%落ち込んでいるのが懸念されます。会員拡大のため絶えざる工夫と努力が必要です。 協会の資産は着実に増加し、負債は政策金融公庫への長期借入金(事務所購入資金)一括繰上げ返済で大幅に減少しました。会員の皆様の長期に亘るご協力に深謝します。 なお、諸事業の一層の発展を期して6月から新たに1Fに事務所兼店舗を増設(賃借)しましたのでご活用、ご協力をお願いします。 (柴田) 当協会のロシア物産オンラインショップ「うにべるま~ぐ」、5月の売上は182,652円でした。 そのうち5%分9,132円を東日本大震災義援金とさせていただきます。 4月1日~9月15日までの全売上の5%は、9月にまとめて日本赤十字社等を通じて被災地に寄付します。 皆様の温かいご支援を引き続きお願い申し上げます。 |
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◆ 音楽ロシアの文化を堪能
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ユーラシア通信◆ リペツク便り (4)花と新緑の季節
ロシアに花と新緑の美しい季節がやってきました。 4月の最終週あたりからコートが要らなくなり、「本当に春がやってきた」と思ったのも束の間、5月の声を聞いた途端に急に暑くなりました。日本に比べて朝晩の寒暖差が大きいので午前中は肌寒いですが、午後からは「夏」と言って良いほどの暑さ。リペツクの人たちは、日中はすでにTシャツやノースリーブ、上半身裸の男性もいるほどです。5月中旬の日の出は5時半、日の入は21時過ぎ。日照時間が16時間にもなり、天気の良い日は一日中明るくて本当に良い季節です。 日本の春は、季節の花々が順々に咲き、少し遅れて緑が濃くなって行きますが、ここリペツクでは草木ものんびりとしてはいられないのか、4月の終わりからいっせいに木も草も芽を出し、新緑が色濃くなるのと同時にチューリップ、タンポポ、スイセン、スズラン、リンゴ、など花々もあちこちで我先にと咲き始めました。並木のポプラや白樺の若葉が青々と茂り、庭のリンゴは桜に似た白い花をいっぱいにつけ、草地はタンポポで黄色の絨毯のよう。すでにポプラの綿毛もふわふわと漂い始めています。 人々も、窓拭き、カーペットやマットの洗濯、庭やダーチャの手入れ、街の清掃、車や道路の修理、街路樹の防虫処置、噴水池への注水などなど、個人も行政も冬の間できなかったことをするのに大忙し。それに、ロシアの学校の夏休みは6月1日から。暑い夏が来る前にあれもこれもしなければならないのでしょう。 リペツクは内陸なので海はありませんが、市内に大きな川が流れています。川岸にはビーチもあり、夏は水浴びやバーベキューをする人で賑わうそうです。週末には家族や友人と森やビーチやダーチャでアウトドアライフを楽しむロシアの短く暑い夏が、間もなくやってきます。昨年は猛暑でロシア全土で森林火災や水難事故が多発しましたが、今年はどんな夏になることでしょう?! (堀江 美恵) ◆ タイでもロシア語!5月末の土曜日、ロシア語教室生徒のKさんから、欠席のメールとともにこんな写真が送られてきました。 「今タイのパタヤにおり、街角でたくさんのロシア語に出会いました。ロシア人向けに、あちこちでコンドミニアムの売り込み広告や、ロシア語メニューを提供するレストランがたくさんあってびっくりしました。」 左の看板はインド料理レストランです。スパイシーなカレー色の看板に「ロシア語のメニュー辛くない」と張り紙が(Kさんのクラスのサーシャ先生によると「少し間違っているけど通じます」とのこと)。辛いものが苦手なロシア人向けにご案内というわけです。 (左)海鮮レストランの看板 (右)ロシア語のフリーペーパー、地図、情報誌 ※クリックで拡大します。 ◆ 困ったときの友は、本当の友 ~大震災とユーラシア諸国の支援~2011年4月26日までに253の国・地域・国際機関から日本政府にお見舞いが届いているそうです。大災害への支援に関しては「世界は一つ!」の時代がやって来ました。 関東大震災のとき貧しいロシア極東の人々からの暖かい救援物資を積んでやってきたレーニン号を「赤」だからと日本政府が追い返したのを思い出すと隔世の感があります。 5月末までに、ユーラシア諸国の次の国々から多様な支援がありました;アルバニア、アルメニア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、グルジア、クロアチア、コソボ、スロバキア、スロベニア、セルビア、タジキスタン、チェコ、トルクメニスタン、ハンガリー、ブルガリア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンゴル、ポーランド、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ロシア。 ほんの一部ですが、具体例を挙げます: ロシア、救助隊員第1陣75名、第2陣80名、宮城県石巻市で活動。 モンゴル救助隊員12名。スロバキア、小学生を夏休みに招待。ロシア・アムールスク州政府、100万ルーブル、毛布8,600枚。モスコー音楽院、4/22ボリス・テヴリンによる義捐コンサート。 ロシア、建設業者S. M.プロホロフ氏、4月中に仮設住宅1000戸、以後数ヶ月に亘り200戸ずつ。 チェコ、プラハ城スパニッシュ・ホールにて国家行事として義捐コンサート。スロバキア、テント、シャツ、セーター、パンツ、寝袋、ほか必需品。ロシア、原子力公団、数百個の線量計と防護服。 日本国内のロシアの人たちも活動しています。当会ロシア語講師のR・マリーナさんと友人たちはスニーカー10足、ショーツ婦人用20着、男性用20着、ブラウス10着、などを被災地に送りました。 世界中から寄せられた支援をいつまでも忘れないようにしましょう。 ◆ ユーラシア関連おすすめサイト 「ベラルーシの部屋」東京電力福島第一原発事故の後、注目が高まっているウェブサイトです。 日本で報道されることの少ないベラルーシからの生の情報に日本語で触れることができる貴重な老舗サイト「ベラルーシの部屋」。ブログ管理人の日本人女性Tさんは、1995年からベラルーシで暮らし、現在ミンスク市内の日本文化情報センターに勤め、日本・ベラルーシ両国民間の交流活動を行う「チロ基金」の責任者でもあります。 1986年のチェルノブイリ原発事故で甚大な被害を受けた同国に住む子供や大人への同基金による医療支援活動報告、そして放射能関連の記事は、いま特に興味深いものです。現在のベラルーシ経済混乱の只中、その活動には頭が下がります。 同基金が2002年から無料配布運動を行っている「ビタペクト2」(体内の放射性物質排出効果のあるペクチンにビタミンを加えた健康食品)を開発したミンスクの「ベルラド研究所」が2003年に発行した冊子『自分と子どもを放射能から守るには』の一部をTさんが今回の原発事故後に随時翻訳、ご自身がベラルーシ生活の中で得た情報と共に、専門知識のない人にも読みやすく紹介して下さっています。 放射性物質を除去するための調理法(食塩水や酢につけたり茹でたりして水に溶けやすい放射性物質を捨てる)、放射性物質を吸収しやすい・吸収しにくい野菜や果物(ほうれん草等は前者、きゅうり・トマト・りんご等は後者)、食べたほうが良い食品、海洋汚染対策、土壌対策、セシウムの内部被曝予防にカリウムを、ストロンチウムが骨にたまる前にカルシウムを摂取しておくことが有効…等々。 福島の原発事故は一向に収束の気配がありません。ここ関東南部にも放射性物質は降り注いでいます。また、危険な放射能が残る限り、何万年経とうと原発事故が本当の意味で終わることはありません。チェルノブイリ原発事故から25年、未だ放射能と共に生きることを余儀なくされているベラルーシから学ぶところは多いのではないでしょうか。 ◆ ユーラシア関連記事・写真の投稿、ご意見、ご感想、情報等 大歓迎!
字数は読み物なら400字程度(長ければ連載で)、案内なら1行~200字以内でお願いします。
NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 機関紙編集部 (機関紙編集部) |
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◆ 第62回 ノヴゴロド統治をめぐって協会サイト内 ロシア興亡史のページ をごらん下さい。 |
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